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- 1. 金融研修 第9章 金融商品の知識 ⑦スワップ 第2回 金利スワップ
- 2. 第9章 金融商品の知識 ⑦スワップ 第1回 スワップ取引とは 第2回 金利スワップ 第3回 通貨スワップ 第4回 スワップ取引の価格計算 第9章 スワップ
- 4. ① 金利スワップの特徴 ② 金利の固定化・変動化 ③ アセットスワップ ④ 金利の期間構造 ⑤ まとめ 第2回 金利スワップ 第9章 スワップ
- 5. 金利スワップとはLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 借入主 金利スワップとは、予め元本金額を決めておき、 そこから計算される固定金利の利息と変動金利の利息とを交換する取引でしたね。 スワップカウンター パーティ 固定金利 1.2%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物 ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 6. 金利スワップのキャッシュフローLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 7. 同一の通貨を交換し、元本交換をしないLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 借入主 金利スワップの大きな特徴は、まず同一通貨を交換する取引であるというところ、 通貨スワップとは異なり、元本の交換を行わないというところが挙げられます。 同額の元本を貸しあったと仮定し、そこから発生する利息を互いに支払うのです。 こうした元本のことを、想定元本といいましたね。 スワップカウンター パーティ ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 8. 清算機関を通して決済する必要がある契約もあるLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 借入主 一定の条件を満たす場合、清算機関を通じての決済が必要となります。 すべての金利スワップが清算機関を通さなければならないわけではありません。 この一定の条件には、ISDA定義集に基づく取引であることも含まれます。 スワップカウンター パーティ清算機関 ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 9. 円金利スワップの変動金利の指標Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 円の金利スワップでは、 変動金利の指標としてはLIBORまたはTIBORが使われます。 LIBORを使うかTIBORを使うか、 変動金利の指標によって固定金利の水準は変わります。 スワップカウンター パーティ 固定金利 LIBOR TIBOR 借入主 ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 10. 金利スワップのスワップレートLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ インターバンク市場において金融機関同士が金利スワップを締結する際の、 変動金利に対する固定金利の利率のことを、スワップレートと言います。 スワップレートは他の国債利回り等の長期金利水準にも連動しやすく、 契約期間の長さによっても異なります。 固定金利 変動金利 スワップレート インターバンク市場 ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 11. 金利スワップの固定金利は信用力にも依存するLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 金融機関同士で取引する場合とは異なり、取引主体の片方が法人等であり、 信用力が低い場合は、固定金利の水準はスワップレートとは異なります。 例えば、固定金利支払い側が信用力が低い場合、固定金利は高めの水準となります。 金利スワップに適用される固定金利の利率は信用力にも依存するのです。 スワップカウンターパーティ 借入主 ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 12. 金利スワップの固定金利と信用力Lecture! 固定金利 2.0%/年 変動金利 円Libor ≪金融機関同士の場合≫ ≪片方が法人の場合≫ 固定金利 3.0%/年 変動金利 円Libor 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 13. 金利スワップの固定金利と信用力Lecture! 固定金利 2.0%/年 変動金利 円Libor ≪金融機関同士の場合≫ ≪片方が法人の場合≫ 固定金利 1.5%/年 変動金利 円Libor 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 14. 金利スワップの取引期間Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 金利スワップは全世界で取引が活発であり、 取引期間は1～15年まで1年毎、それより長い期間の価格も提示されています。 短期金利はLIBORやTIBORといったものが指標となっているのに対し、 中期・長期金利は、国債利回りと同様、スワップレートが指標となっています。 借入主 自分が運用する期間とマッチするような スワップの契約を組みたいなあ… ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 15. 金利スワップは金利変動リスクのヘッジに有用Lecture! 借入主借入先銀行 そして、前回学んだ通り、金利スワップは金利変動リスクのヘッジに有用なのです。 これを、今回の講義でより掘り下げていきたいと思います。 1000万円 5年間借入 変動金利 円Libor3ヵ月物 固定金利 1.2%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物 スワップカウンター パーティ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 16. 金利スワップの特徴Lecture! ・同一通貨の交換であり、元本交換は行わない。 ・一定の条件を満たす取引の場合、清算機関を通す必要がある。 ・円金利スワップは、変動金利にLIBORまたはTIBORが主に使われる。 ・インターバンク市場における固定金利の水準をスワップレートという。 ・スワップレートは他の長期金利と連動しやすく、指標として使われる。 ・取引期間は1～15年は1年毎あり、それより長い期間もある。 ・金利変動リスクのヘッジに有用である。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ①金利スワップの特徴 ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 17. ① 金利スワップの特徴 ② 金利の固定化・変動化 ③ アセットスワップ ④ 金利の期間構造 ⑤ まとめ 第2回 金利スワップ 第9章 スワップ
- 18. 変動金利を固定化するには？Lecture! 借入主借入先銀行 変動金利の上昇リスクを抑えるべく、金利スワップを使って固定化をしたい！ この場合は、どのような金利スワップを締結すればよかったでしょうか？ 1000万円 5年間借入 変動金利 円Libor3ヵ月物 変動金利が 上昇したらどうしよう… 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 19. 変動金利受取・固定金利支払で固定化できる！Lecture! 借入主借入先銀行 1000万円 5年間借入 変動金利 円Libor3ヵ月物 変動金利 円Libor3ヵ月物 固定金利 1.2%/年 スワップカウンター パーティ 自分が銀行に支払わなければならない変動金利を金利スワップで調達すればいいので、 変動金利受取、固定金利支払の金利スワップを締結すればいいのです！ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 20. 変動金利受取・固定金利支払で固定化できる！Lecture! 借入主借入先銀行 変動金利が帳消しされ、固定金利のみが残る形になります。 この様子をキャッシュフローの合成という形で理解してみましょう！ 1000万円 5年間借入 変動金利 円Libor3ヵ月物 固定金利 1.2%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物 スワップカウンター パーティ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 21. 借入から発生するキャッシュフローLecture! 借入主 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 22. 金利スワップのキャッシュフローLecture! 借入主 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 23. 2つのキャッシュフローを合成すると…？Lecture! これら２つのキャッシュフローを組み合わせるとどうなるでしょう？借入主 ≪借入のキャッシュフロー≫ ≪金利スワップのキャッシュフロー≫ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 24. 2つのキャッシュフローを合成すると…？Lecture! 変動金利が打ち消されるので、後は固定金利を重ねれば…借入主 ≪借入のキャッシュフロー≫ ≪金利スワップのキャッシュフロー≫ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 25. 変動金利の借入が、固定金利の借入になった！Lecture! 借入主 ≪合成後のキャッシュフロー≫ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 26. 固定金利を変動化するには？ 借入主借入先銀行 固定金利を変動化するには、どのような金利スワップを締結すればいいでしょうか？ またそのときの金利スワップのキャッシュフローと借入のキャッシュフロー、 および合成後のキャッシュフローを描いてみてください！ 1000万円 5年間借入 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.2%/年 Think! ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 27. 金利スワップを用いた固定化・変動化Lecture! ・固定金利の変動化 固定金利で借入している場合は、 固定金利受取・変動金利支払とする金利スワップを締結することで 固定金利を打ち消し、変動金利の借入にすることができます。 ・変動金利の固定化 変動金利で借入している場合は、 変動金利受取・固定金利支払とする金利スワップを締結することで 変動金利を打ち消し、固定金利の借入にすることができます。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ②金利の固定化・変動化 ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤
- 28. ① 金利スワップの特徴 ② 金利の固定化・変動化 ③ アセットスワップ ④ 金利の期間構造 ⑤ まとめ 第2回 金利スワップ 第9章 スワップ
- 29. アセットスワップとは？Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤ 資産（Asset：アセット）のキャッシュフローを 金利スワップ（あるいは通貨スワップにより）交換し、 利益向上やリスク低減を図るものです！ 債券 利息 （クーポン） 金利 スワップ 固定金利 変動金利 アセットスワップ （Asset Swap : ASW）
- 30. アセットスワップは債務者が行うものではない？Lecture! アセットスワップは、今まで紹介した事例とは異なり、 債務者が行うスワップではなく、 資産に投資している債権者が行うスワップです。 債務者 債権者 （投資家など） 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 31. 固定利付債に投資した場合を考えようLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤ 投資家 固定利付債 額面1億円 投資家が銀行から1億円を変動金利で借り入れて、 その1億円でクーポンレート1.4%の固定利付債に投資したとします。 固定金利 1.4%/年
- 32. 固定利付債の固定利息を変動化したいLecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 投資家にとって、変動金利が上昇し、調達コストが上昇すると、 損失が発生する可能性があるため、 債券から得られるクーポンを変動化したいと考えました。 調達コストが増えたときに 備え、変動化したいな… 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 33. 固定金利支払・変動金利受取の金利スワップを締結Lecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 そこで、債券から得られる固定金利と変動金利を交換する 金利スワップを締結しました。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 34. Liborに何か足されているけど？Lecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 円Libor3ヵ月物のスワップレートが1.2%/年の場合、 固定金利1.4%/年と円Libor3ヵ月物と交換したら釣り合わないですよね。 そのため、円Libor3ヵ月物に0.2%（スプレッド）を足した金利を変動金利としているのです。 ※投資家の信用力は無視しています。基本的には、0.2％より小さい値になると考えられます。 ※また、固定金利と変動金利との間のDccの違いは考慮外としています。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 35. bpって何？Lecture! 投資家 「0.2％足せば釣り合うといってますが、20bpというものが足されているのですが？」 ⇒1bpとは0.01%のことを指します。10bpなら0.1％、20bpなら0.2%となります。 スプレッドや金利の変化量や差は、%ではなくbp単位で表すのが基本となります。 ※めったに1％とか大きい値では変動しないので、%では単位が大きくて使い勝手が悪いのです。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ1bp 0.01% ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 36. 固定金利の変動化ができたLecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 結果として、固定金利が帳消しされ、変動金利の受取のみが残りましたね。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 37. 銀行からの借り入れも考えると？Lecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 銀行からの借入時の金利が円Libor3ヵ月物＋10bpであったとしましょう。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ 変動金利 円Libor3ヵ月物+10bp借入先銀行 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 38. 調達コストに対し、安定した超過収入が得られたLecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 収入が調達コストに対し10bp超過することになりました。これが利益となります。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ 変動金利 円Libor3ヵ月物+10bp借入先銀行 +10bp ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 39. 変動化していなかったら？Lecture! 投資家 固定利付債 額面1億円 変動化していなかった場合が左図となります。 円Liborが1.3％より高くなってしまった場合、 逆鞘となってしまいますね！ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 変動金利 円Libor3ヵ月物+10bp 借入先銀行 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 40. なぜ利鞘を得られたのか？リスクはないのか？Lecture! 固定利付債 額面1億円 投資家はノーリスクで10bp分の利鞘を得られるようになったのでしょうか？ 答えはノーです。どんなリスクがあるでしょうか？ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ 投資家 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 変動金利 円Libor3ヵ月物+10bp借入先銀行 +10bp ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 41. リスクはまだある。その対価として超過収益がある。Lecture! 固定利付債 額面1億円 考えられるリスクとしては、以下のようなものが挙げられます。 ・債券の発行体がデフォルトし、クーポン（あるいは元本）が得られなくなること。 ・スワップカウンターパーティが破綻し、スワップが継続できなくなること。 こうしたリスクを未だ投資家は抱えており、その対価として10bpの利益が得られているのです。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 固定金利 1.4%/年 固定金利 1.4%/年 スワップカウンター パーティ 変動金利 円Libor3ヵ月物+20bp 投資家 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 42. 借入から発生するキャッシュフローLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 投資家 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 43. 債券から発生するキャッシュフローLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 投資家 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 44. 金利スワップのキャッシュフローLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 投資家 ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 45. 3つのキャッシュフローを合成すると…？Lecture! これら3つのキャッシュフローを組み合わせるとどうなるでしょう？ 投資家 ≪借入≫ ≪債券投資≫ ≪金利スワップ≫ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 46. 3つのキャッシュフローを合成すると…？Lecture! まず、資金の借入・返済のキャッシュフローは、 債券投資・償還のキャッシュフローとで打ち消されますね。 投資家 ≪借入≫ ≪債券投資≫ ≪金利スワップ≫ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 47. Lecture! そして、債券のクーポンのキャッシュフローと、 金利スワップの固定金利支払いのキャッシュフローとが打ち消されますね。 投資家 ≪借入≫ ≪債券投資≫ ≪金利スワップ≫ 3つのキャッシュフローを合成すると…？ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 48. Lecture! 変動金利の利息の受払のみが残りましたね！ 受取る金利のほうが支払う金利より高いため、利益が残る形になります。投資家 変動利息の受払のみが残った！ 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 49. 変動金利を固定化するには？ 変動利付債のクーポンを固定化し、確定収益を得るようにするにはどうすればいいでしょうか？ そのときのキャッシュフローも描いてください。なお、投資家は円Libor3ヵ月物と固定金利1.2%と を交換する金利スワップが締結できるとします。 Think! 変動利付債 額面1億円 変動金利 円Libor3ヵ月物+50bp 投資家 固定金利 1.5% 借入先銀行 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 50. アセット・スワップとはLecture! ・資産のキャッシュフローを金利スワップで交換し、 利益向上やリスク低減を図るスキームを指します。 債務者ではなく、資産に投資する債権者が行うスワップとなります。 ・投資している資産から固定のキャッシュフローを受け取る場合、 変動金利受取・固定金利支払とする金利スワップを締結することで キャッシュフローを変動化することができます。 ・投資している資産から変動のキャッシュフローを受け取る場合、 固定金利受取・変動金利支払とする金利スワップを締結することで キャッシュフローを固定化することができます。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ② ＞ ③アセットスワップ ＞ ④ ＞ ⑤
- 51. ① 金利スワップの特徴 ② 金利の固定化・変動化 ③ アセットスワップ ④ 金利の期間構造 ⑤ まとめ 第2回 金利スワップ 第9章 スワップ
- 52. 金利は何によって変わる？Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ 金利は政策や市場の状況など、 様々な要因によって時間の推移とともに変わります。 ただ、同じ時間の金利をとってみても、 誰と誰の間で貸借されるのか、 どれくらいの期間貸借されるのかといった、 人と期間によっても変わるものです。 ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤
- 53. 金利の構成要素とは？Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ 金利 ＝ ①無リスク金利 ＋ ②信用リスク・スプレッド ＋ ③流動性調整 ②信用リスク・スプレッドとは、信用力に基づく調整値です。 信用力が低ければ低いほど、高い値になります。 ③流動性調整とは、市場における流動性リスクに基づく調整値です。 流動性が低ければ低いほど、高い値になります。 残りの、①無リスク金利が、 信用リスクや流動性リスクを除外した、貸借期間によって決まる金利です。
- 54. 無リスク金利は市場で観測できるのか？Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ 金利 ＝ ①無リスク金利 ＋ ②信用リスク・スプレッド ＋ ③流動性調整 結論から言えば、 無リスク金利（リスク・フリー・レート）は市場では観測できません。 リスクのない金融取引など、この世には存在しません。 ですが、「ほぼ」無リスクな取引に基づく金利としてみられるものはあります。 短期金利であれば、インターバンク市場の取引に基づくLIBOR（※） 中長期金利であれば、国債の利回りやスワップレートが該当します。 ※以前、LIBOR更改の話に触れた通り、近年では信頼性に懐疑的な意見が挙がる。 ※短期は1年以内、中期は1年以上6年未満、長期は6年以上とすることが多い。
- 55. イールドカーブとは？Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ イールドカーブとは、 利回り曲線とも呼ばれ、 期間と金利の大きさとの関係性を グラフで表したものになります。
- 56. スポット・レート・カーブLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ イールドカーブの中でも、 特に、割引率を求める際に重要となる、 スポット・レート（ゼロ・レート）を表す スポット・レート・カーブは、 様々な金融商品を扱う金融機関にとって、とても重要なものになります。 ただ、スポット・レート（ゼロ・レート）は市場では観測できないので、 各金融機関は他の金利指標（LIBORやスワップレート）を基に、 独自の計算ロジックを使って、独自の推定カーブを生成しています。 どういったデータを使い、どう計算するかにより、この推定カーブは変わります。 そのため、各金融機関が判断する金融商品の時価に差が生まれるのだとも言えます。 ※スワップ・レートからスポット・レートを推定する方法は第4回で学びます。
- 57. イールドカーブは右肩上がりであることが多いLecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ イールドカーブは、 右肩上がりの形になることが多いとされます。 その理由は諸説あります。 （例えば市場分断仮説。短期金利市場は資金余剰傾向の家 計が中心で、供給が多いことによりお金の価値、金利が低 い。逆に長期金利市場は資金不足傾向の企業が中心で、需 要が多いことにより金利が高い。といった説がある） また、今後インフレすると予想される場合や、 今後の短期金利が上昇すると期待される場合に 右肩上がりになるとされています。 市場の反応がカーブに反映されるとされます。
- 58. イールドカーブの形状の呼び方Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ カーブが右肩上がり 順イールド カーブが右肩下がり 逆イールド 逆イールドの場合、 今後の短期金利の低下が予想されていたり、 インフレが期待されていないなど、 景気の縮小を市場が 予想していることが考えられます。
- 59. イールドカーブの変化Lecture! 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤ カーブが急勾配になる スティープニング カーブがなだらかになる フラットニング 短期金利と長期金利の差が縮小すれば、 フラットニングが起きます。 逆に、差が拡大すれば、 スティープニングが起きます。
- 60. イールド・カーブとはLecture! ・期間と金利の大きさとの関係性をグラフで表したものを イールド・カーブと呼び、利回り曲線とも言います。 ・イールド・カーブは基本的に右肩上がりの形になります。 右肩上がりのカーブのことを順イールド、 右肩下がりのカーブのことを逆イールドといいます。 ・イールド・カーブが急勾配化することをスティープニングといい、 短期金利と長期金利の差が拡大している状態を指します。 逆に、平坦化することをフラットニングといい、 短期金利と長期金利の差が縮小している状態を指します。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④金利の期間構造 ＞ ⑤
- 61. ① 金利スワップの特徴 ② 金利の固定化・変動化 ③ アセットスワップ ④ 金利の期間構造 ⑤ まとめ 第2回 金利スワップ 第9章 スワップ
- 62. 第2回 金利スワップ Target! 今回の授業のねらい ・金利スワップの特徴をおさえる ・金利スワップを用いた金利の固定化・変動化の方法を学ぶとともに、 それをキャッシュフローの合成で表すことができるようになる。 ・アセットスワップとは何かを学ぶとともに、 それをキャッシュフローの合成で表すことができるようになる。 ・金利の構成要素を学び、 そのうち期間と金利との関係性を表すイールドカーブとは何かを学ぶ。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤まとめ
- 63. 金利スワップの特徴Lecture! ・同一通貨の交換であり、元本交換は行わない。 ・一定の条件を満たす取引の場合、清算機関を通す必要がある。 ・円金利スワップは、変動金利にLIBORまたはTIBORが主に使われる。 ・インターバンク市場における固定金利の水準をスワップレートという。 ・スワップレートは他の長期金利と連動しやすく、指標として使われる。 ・取引期間は1～15年は1年毎あり、それより長い期間もある。 ・金利変動リスクのヘッジに有用である。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤まとめ
- 64. 金利スワップを用いた固定化・変動化Lecture! ・固定金利の変動化 固定金利で借入している場合は、 固定金利受取・変動金利支払とする金利スワップを締結することで 固定金利を打ち消し、変動金利の借入にすることができます。 ・変動金利の固定化 変動金利で借入している場合は、 変動金利受取・固定金利支払とする金利スワップを締結することで 変動金利を打ち消し、固定金利の借入にすることができます。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤まとめ
- 65. アセット・スワップとはLecture! ・資産のキャッシュフローを金利スワップで交換し、 利益向上やリスク低減を図るスキームを指します。 債務者ではなく、資産に投資する債権者が行うスワップとなります。 ・投資している資産から固定のキャッシュフローを受け取る場合、 変動金利受取・固定金利支払とする金利スワップを締結することで キャッシュフローを変動化することができます。 ・投資している資産から変動のキャッシュフローを受け取る場合、 固定金利受取・変動金利支払とする金利スワップを締結することで キャッシュフローを固定化することができます。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤まとめ
- 66. イールド・カーブとはLecture! ・期間と金利の大きさとの関係性をグラフで表したものを イールド・カーブと呼び、利回り曲線とも言います。 ・イールド・カーブは基本的に右肩上がりの形になります。 右肩上がりのカーブのことを順イールド、 右肩下がりのカーブのことを逆イールドといいます。 ・イールド・カーブが急勾配化することをスティープニングといい、 短期金利と長期金利の差が拡大している状態を指します。 逆に、平坦化することをフラットニングといい、 短期金利と長期金利の差が縮小している状態を指します。 第9章 スワップ 第2回 金利スワップ Point!! ① ＞ ② ＞ ③ ＞ ④ ＞ ⑤まとめ