Trading market

1. 金融研修 第7章
金融商品の知識 ⑤デリバティブ
第2回 取引市場

2. 第7章 金融商品の知識 ⑤デリバティブ
第1回 デリバティブとは
第2回 取引市場
第7章 デリバティブ

3. 第2回 取引市場
Target! 今回の授業のねらい
第7章 デリバティブの基本
・取引所取引と相対取引とを学び、
これらの違いはどこにあるかを理解する。

4. 第7章 デリバティブの基本
第2回 取引市場
① 前回のおさらい
② 取引市場
③ 取引所取引と相対取引の違い

5. デリバティブとはLecture!
第7章 第1回 デリバティブとは
・デリバティブ（Derivative）とは、
ある金融商品から派生して生まれた金融派生商品を指します。
・デリバティブの基礎商品にあたる金融商品を、
現物、あるいは原資産（Underlying）と呼びます。
・原資産には金利、債券、株券、外国為替など
今まで学んだ金融商品の全てが含まれます。
Point!!
基礎
派生
派生
派生
①おさらい ＞ ② ＞ ③

6. デリバティブの大分類Lecture!
第7章 第1回 デリバティブとは
デリバティブは、
取引の形態により以下の3つに大きく分類できます。
① 先物
② スワップ
③ オプション
「約束」の取引
⇒ 予め決めた金額で将来の特定の日に売買をする取引
「交換」の取引
⇒ 資産または負債から発生するキャッシュフローを交換する取引
「権利」の取引
⇒ 予め決めた金額で将来の特定の日（あるいは特定の期間）に
売買をしていい権利の取引
Point!!
①おさらい ＞ ② ＞ ③

7. Lecture! デリバティブ取引の目的
第7章 第1回 デリバティブとは
デリバティブ取引の目的は以下のようなものが挙げられます。
① リスクヘッジに利用できる。
② レバレッジを効かせた投資が可能。
③ 空売りのようなことができる。
④ 現物との価格差を利用した裁定取引ができる。
⑤ 実体のない指標に投資ができる。
⑥ 市場ニーズに合わせた金融商品の組成に利用できる。
Point!!
①おさらい ＞ ② ＞ ③

8. ① 前回のおさらい
② 取引市場
③ 取引所取引と相対取引の違い
第7章 デリバティブの基本
第2回 取引市場

9. デリバティブ取引の取引方法Lecture!
第7章 第2回 取引市場 ① ＞ ②取引市場 ＞ ③
デリバティブ取引は、
以下の2つの取引方法で行われている。
相対取引（店頭取引）
取引所取引（上場取引）

10. 取引所取引（上場取引）とはLecture!
第7章 第2回 取引市場
取引所取引（上場取引）とは、証券取引所で行われる取引を指します。
証券会社経由で伝達される投資家からの売買注文、
あるいは証券会社自身の売買注文を集中させ、
高い価格の買い注文と、低い価格の売り注文とで価格・条件が合致すれば、
売買が成立する仕組みとなっています。
証券を買いたい
投資家
証券を売りたい
投資家
証券取引所
買注文 売注文伝達 伝達
証券会社 証券会社
① ＞ ②取引市場 ＞ ③

11. 相対取引（店頭取引）とはLecture!
第7章 第2回 取引市場
相対取引（店頭取引）とは、証券取引所を介さない取引を指します。
例えば投資家と金融機関との取引等、
売り手と買い手の当事者同士で価格や売買数量を決めて行われる取引です。
Over The Counterの略で、OTC取引とも呼ばれます。
証券を買いたい
投資家
証券を売りたい
投資家
買注文 売注文
金融機関売応答 買応答
① ＞ ②取引市場 ＞ ③

12. Lecture! デリバティブ取引の目的
Point!!
第7章 第2回 取引市場 ① ＞ ②取引市場 ＞ ③
相対取引（店頭取引）
取引所取引（上場取引）
証券取引所を介さない取引を指します。
売り手と買い手の当事者同士で価格や売買数量を決めて行われます。
OTC取引とも呼ばれます。
証券取引所を介す取引を指します。
投資家や金融機関からの注文が取引所に集まり、
条件・価格の合致する買いと売りの注文があれば取引が成立します。

13. ① 前回のおさらい
② 取引市場
③ 取引所取引と相対取引の違い
第7章 デリバティブの基本
第2回 取引市場

14. 取引所取引と相対取引の違いとは？Lecture!
第7章 第2回 取引市場
これら2つの取引には、取引所を介するかどうか以外にどんな違いがあるでしょう？
相対取引（店頭取引）
取引所取引（上場取引）
証券を買いたい
投資家
証券を売りたい
投資家
証券取引所
買注文 売注文伝達 伝達
証券会社 証券会社
証券を買いたい
投資家
証券を売りたい
投資家
買注文 売注文
金融機関売応答 買応答
① ＞ ② ＞ ③違い

15. Lecture!
第7章 第2回 取引市場 ① ＞ ② ＞ ③違い
商品設計の柔軟性の違い
取引所取引の場合
⇒ 柔軟性が低い
… 取引条件が定型化されているため、商品の柔軟性に欠ける。
1点目に、商品設計の柔軟性の違いが挙げられます。
相対取引の場合
⇒ 柔軟性が高い
… 取引条件の設定は当事者間で設定することができるため、
取引所取引では取引されないような商品設計ができる。

16. Lecture!
第7章 第2回 取引市場
価格の透明性の違い
取引所取引の場合
⇒ 透明性が高い（取引実績や市場価格などが公表されている）ため、
ライトプールやリットプールなどと呼ばれる。
だが、それゆえに大きな数量の売買により価格が変動した際、
他もそれに追従して売買し、より大きく変動してしまうこともある。
2点目に、価格の透明性の違いが挙げられます。
相対取引の場合
⇒ 透明性が低いため、ダークプールなどと呼ばれる。
取引市場の価格に影響を与えることなく、
当事者間で決めた価格で取引を成立させることができる。
なお、債券における売買参考統計値は、この不透明性を補間している。
① ＞ ② ＞ ③違い

17. Lecture!
第7章 第2回 取引市場
決済におけるリスクの違い
取引所取引の場合
⇒ 取引所取引において、決済は取引所または清算機関が行うため、
相手方の決済リスクを直接負うことがありません。
3点目に、決済におけるリスクの違いが挙げられます。
相対取引の場合
⇒ 取引相手方の決済リスクや、
カウンターパーティ・リスク（与信リスク）を負うことになります。
例えば、先物で「いついくらで取引する」契約をしたにもかかわらず、
いざ決済日がきたとき、相手が取引に応じられない可能性があるのです。
リスク軽減のために担保の差し入れが求められるケースもあります。
① ＞ ② ＞ ③違い

18. Lecture!
第7章 第2回 取引市場
日本クリアリング機構
日本の清算機関といえば、
以前、講義で紹介した日本取引所グループの傘下である、
日本クリアリング機構が挙げられます。
取引所で行われたデリバティブ取引に限らず、
一部特定の金融機関の店頭取引についても取り扱っています。
売買取引が発生した際は、
売り手と買い手が持つ債務（商品を渡す義務と現金を渡す義務）
を引き取るとともに、それに対応する債権を取得することで、
売り手と買い手の両方と債権・債務関係を結び、
間を取り持ちます。
① ＞ ② ＞ ③違い

19. Lecture!
第7章 第2回 取引市場
取引所取引と相対取引の主な違い
1、商品設計の柔軟性
取引所取引 ⇒ 柔軟性が低い。取引条件が定型化されている。
相対取引 ⇒ 柔軟性が高い。当事者間で取引条件を決められる。
２、価格の透明性
３、決済におけるリスク
① ＞ ② ＞ ③違い
Point!!
取引所取引 ⇒ 透明性が高い。取引量・価格が公表されている。
相対取引 ⇒ 透明性が低い。契約内容が公表されていない。
取引所取引 ⇒ リスクが低い。決済に取引所や清算機関が関与。
相対取引 ⇒ リスクが高い。カウンターパーティリスクを伴う。