9. (1)市場性リスクLecture!
①代表的なリスク > ② > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
市場性リスクの管理としては、
債券であればデュレーションといった指標に着目したり、
株式であればPERやPBRといった指標から分析したりしていましたね。
今回の講義では、この後の章で以下のような管理方法に触れていきます。
① BPV(Basis Point Value)法
② VaR(Value at Risk)
③ ES(Expected Shortfall)
22. 市場性リスクの管理手法・指標Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
デリバティブ取引に限らず他の商品でも使われるものですが、
市場性リスクの管理手法・指標として、今回の講義では以下を扱っていきます。
① BPV(Basis Point Value)法
② VaR(Value at Risk)
③ ES(Expected Shortfall)
23. 市場性リスクの管理手法Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
① BPV(Basis Point Value)法
② VaR(Value at Risk)
③ ES(Expected Shortfall)
24. ① BPV法Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
BPV(Basis Point Value)法
市場性リスクのパラメータが1単位変化したときの時価変動額を
リスクとして把握する方法です。
債券で言えば、DF計算に用いているイールドカーブの金利が
1bp(0.01%)変化したときに理論価格がいくら変化するかの値を指します。
デュレーションは全期間のスポットレートが一定な状況下で、
スポットレートが1%変化すると価格がどれくらい変化するかの指標なので、
似た考えとも言えますね。
25. ① BPV法Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
市場性リスクのリスク要素が金利の場合には、
イールドカーブの形状等も考慮に入れなければなりません。
この場合のBPV法は、大きく分けて2通りの手法があります。
・一括BPV法
⇒ 全ての期間の金利が等しく1bp上昇した場合、
すなわちイールドカーブが平行移動(パラレルシフト)した場合の
時価変動額を計算する手法です。
・年限別BPV法
⇒ 特定の期間の金利のみが1bp上昇した場合の時価変動額を
それぞれの期間に対して逐次的に計算する手法です。
26. ① BPV法Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
この2つの手法については、
それぞれトレードオフの関係性にあるメリット・デメリットがあります。
≪一括BPV法≫ ≪年限別BPV法≫
計算量が少なく
大雑把に金利変動リスクを
把握するのには向いている
計算量が多く
システム負荷が高く
随時把握するのには向いていない
ポートフォリオの
どの年限にどれほどリスクがあるか
細かく評価ができる
イールドカーブの形状変化
などのリスクを
過小評価する可能性がある
27. 市場性リスクの管理手法Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
① BPV(Basis Point Value)法
② VaR(Value at Risk)
③ ES(Expected Shortfall)
28. ② VaRLecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
VaR(Value at Risk)
過去のデータに基づいて
将来の一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を、
一定の確率を設けて統計的に推定したものです。
ある商品の時価が正規分布に従うと仮定して考え、
「99%の確率」の範囲内で、
その時価が現在の時価から最大いくら変化しうるかを考えます。
ロングポジションであれば、最大いくら価格が低下するか、
ショートポジションであれば、最大いくら価格が上昇するかを考えるわけです。
30. 市場性リスクの管理手法Lecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
① BPV(Basis Point Value)法
② VaR(Value at Risk)
③ ES(Expected Shortfall)
31. ③ ESLecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
ES(Expected Shortfall)
VaRはあくまで「99%の確率」の範囲内で想定される最大損失額です。
そのため、この想定の範囲外の状況を考慮に入れることができないのです。
それに対しESとは、
VaRで想定した額以上の損失が発生したときの損失の期待値を指します。
過去リーマンショック等の金融恐慌が発生したとき、
VaRによるリスク量が実際に発生した損失額を過小評価していたことへの
反省として、このESという概念が取り入れられるようになったのです。
32. 市場性リスクの管理手法・指標のまとめLecture!
① > ②市場性リスク > ③ > ④第10章 オプション 第8回 リスク
市場性リスクの管理手法や指標には以下のようなものがあります。
① BPV(Basis Point Value)法
⇒ 市場性リスクのリスク要素が1単位変化したとき
時価がどれくらい変化するかを評価する方法
② VaR(Value at Risk)
⇒ 将来の一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を
統計的に推定した値
③ ES(Expected Shortfall)
⇒ VaRを超える損失を被った場合の
損失の期待値を推定した値
Point!!
34. 信用リスクの評価とはLecture!
① > ② > ③信用リスク > ④第10章 オプション 第8回 リスク
先ほど扱ったVaRは、
市場性リスクにより発生しうる最大損失額を計算したもであり、
取引の含み損が拡大する方向に市場が変動すると予想したものでした。
対して、信用リスクの評価においては、
含み益が得られなくなることが問題となるため、
市場性リスクとは逆方向の市場の変動を想定する必要があるのです。
35. 信用リスクの指標Lecture!
① > ② > ③信用リスク > ④第10章 オプション 第8回 リスク
信用リスクの指標は以下が挙げられます。
① CVA(Credit Valuation Adjustment)
② DVA(Debt Valuation Adjustment)
③ 双方向CVA(Bilateral CVA)
36. 信用リスクの指標Lecture!
① > ② > ③信用リスク > ④第10章 オプション 第8回 リスク
① CVA(Credit Valuation Adjustment)
取引相手の信用力の低下による時価の毀損部分を指します。
取引相手がデフォルトする可能性がないと仮定した場合の時価と
取引相手のデフォルトの可能性を考慮した場合の時価の差額として計算されます。
そのため、取引相手の信用力が低下すればするほどCVAは増加します。
取引相手自社
37. 信用リスクの指標Lecture!
① > ② > ③信用リスク > ④第10章 オプション 第8回 リスク
② DVA(Debt Valuation Adjustment)
取引相手の信用リスクを考慮するCVAとは反対に、
自社の信用力の低下による時価の毀損部分を指します。
取引相手自社
38. 信用リスクの指標Lecture!
① > ② > ③信用リスク > ④第10章 オプション 第8回 リスク
③ 双方向CVA(Bilateral CVA)
CVAとはDVAでは片方の信用リスクのみを考慮しますが、双方向CVAは、
自社と取引相手、双方の信用力を考慮したリスク値を指します。
取引相手自社
39. 信用リスクの指標のまとめLecture!
第10章 オプション 第8回 リスク
信用リスクの指標は以下が挙げられます。
① CVA(Credit Valuation Adjustment)
⇒ 取引相手の信用リスクによる時価の毀損
② DVA(Debt Valuation Adjustment)
⇒ 自社の信用リスクによる時価の毀損
③ 双方向CVA(Bilateral CVA)
⇒ 取引相手・自社の双方の信用リスクによる時価の毀損
Point!!
① > ② > ③信用リスク > ④
取引相手自社
43. 市場性リスクの管理手法・指標のまとめLecture!
第10章 オプション 第8回 リスク
市場性リスクの管理手法や指標には以下のようなものがあります。
① BPV(Basis Point Value)法
⇒ 市場性リスクのリスク要素が1単位変化したとき
時価がどれくらい変化するかを評価する方法
② VaR(Value at Risk)
⇒ 将来の一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を
統計的に推定した値
③ ES(Expected Shortfall)
⇒ VaRを超える損失を被った場合の
損失の期待値を推定した値
Point!!
① > ② > ③ > ④まとめ
44. 信用リスクの指標のまとめLecture!
第10章 オプション 第8回 リスク
信用リスクの指標は以下が挙げられます。
① CVA(Credit Valuation Adjustment)
⇒ 取引相手の信用リスクによる時価の毀損
② DVA(Debt Valuation Adjustment)
⇒ 自社の信用リスクによる時価の毀損
③ 双方向CVA(Bilateral CVA)
⇒ 取引相手・自社の双方の信用リスクによる時価の毀損
Point!!
取引相手自社
① > ② > ③ > ④まとめ