https://www.watney.co.jp/course?wix-vod-video-id=f09a73c95bb34a158081453d5d4cbe27&wix-vod-comp-id=comp-jfnqv23o# イノベーションマネジメント/基礎科目 大阪大学 経済学研究科・経済学部　中川 功一准教授

1. イノベーション マネジメント
第13回
クリエイティビティ・マネジメント
創造的な「組織」をつくる
中川功一
大阪大学大学院経済学研究科
Koichi NAKAGAWA
Graduate School of Economics, Osaka University

3. 要点
異能を集め (Select)、
煽り (Agitate)、
交わらせ (Interact)、
高いハードルを跳ばせる (Leap!)。
勝手にこれをSAILモデルと呼ばせてもらいます。

4. Select:異能を集める
• 同質集団は同じようにしか考えられず、同じ面でしか力を発揮
しない。
• 創造的であるためには、能力、出自、果ては働く動機に至るま
で、多様であることが肝心なのだ！
• ただし、「みんなちがって、みんないい」では不十分。基本的
な志、企業としてのビジョンを同じくすることが大切。

5. ダイバージェンスでは、まだ足りない
クロスバージェンスこそが大切
コンバージェンス
「収斂」
ダイバージェンス
「多様」
クロスバージェンス
「融和」
+チーム効率性
idea
idea
idea
idea
+異質な発想
idea
idea
idea
idea
+チーム効率性
+異質な発想

6. Agitate：煽る
「才能とアイデアを殺さない」仕組みと文化づくり
企業レベルでやるべきことは、創造性を高めることよりもむしろ、末端レベルで
は豊富にある創造的なアイデアをどう活かすか＝アイデアを潰さず、どう吸い上
げるのかの仕組みと文化をつくることのほうが効果が大きい。
仕組みレベルで社内に埋め込めること
社内ベンチャー制度
アイデア報奨金制度
20%ルール
少数決ルール
自由な勤務体系
社員犬
…

7. Interact：交わる
メンバーを相互交流させる
Combination of the idea!

8. 「遠い関係と近い関係」
組織・個人をとりまく関係には、日常的に接するよう
な「近い関係」と、たまにしか顔を合わせないような
「遠い関係」がある。それぞれにメリットが存在する。
近い関係
遠い関係
普段からよく接する相手は、日常の活動に必要
になる情報を、組織・個人にもたらしてくれる。
普段接点が少ない相手は、日常の活動では得
られない情報を、組織・個人にもたらしてくれる。

9. STORMING!!
Storming
Storming

10. 基礎となる理論「ゴミ箱モデル」
人A
答1
人C
答4
問3
人D
問5
人E
答6
人B
問2
人々はそれぞれ異なる問いと答えを持ってい
る。それらがうまく組み合わされたときに問
題が解決する＝イノベーションが起こる。
自由な人々の運動を促進し、問いと答えの
めぐりあいを起こさせることが肝心！

11. 自由なオフィス
フリーアドレス化、ランチミーティングなども
併用するとよい

12. 社内ブリッジの大切さ
人A
答1
人B
問2
人X
その人自身は問いや答えを持っていなくとも、
「問い」「答え」を持っていそうな人と結び
付けてくれる“ブリッジ”となる人の存在が組
織の創造性には大切

13. Leap：ハードルを超える
「保守的な組織」の上層部は組織に火をつけたほうがよいが、
「創造的な組織」の上層部は、慎重なくらいでちょうどよい
創造するDNAが根付いた組織からは、玉石混交なイノベー
ションの種がたくさん生まれてくる。だが、それらをすべ
て採用していては、「案を選別し、磨くことをしない、雑
なアイデア」ばかりが量産される風土になってしまう。
最後のハードルは、厳しいくらいで、ちょうどいい。
リクルートでは、新事業案をたてるのはとても気軽で
すが、年間500組も出るなかで新事業として採択される
のは1つや2つ。私は6年間、新事業案を出し続けて、
ずっとボツを食らい続けてようやくOKが出た。

14. SAIL
異能を集め (Select)
煽り (Agitate)
交わらせ (Interact)
高いハードルを跳ばせる (Leap!)