https://www.watney.co.jp/course?wix-vod-video-id=63ff66c984d544c5b692ab6d8c98ed10&wix-vod-comp-id=comp-jfnqv23o# 大阪大学大学院経済学研究科 中川功一 准教授 WEB経営学講座 WATNEY（ワトニー） https://watney.co.jp/

1. 大阪大学大学院経済学研究科
中川功一
Allegro_assai@hotmail.com
国際経営
(9)
研究開発の国際化

2. アインシュタインが入社してきたとして、
あなたは彼をマネジメントできるか？
海外子会社にアインシュタインが
いたとしたら、お互いなんと悲劇的な
ことだろうか！

3. 科学者・技術者は…
#売上、利益、コストという概念を理解できない
#企業理念に全面的に同意して行動はできない。
彼らは自分自身の興味関心で動く。
#社会と企業のルールに従って行動できない。
#働いた時間に応じてパフォーマンスは改善しない。
#他者と上手に協働できない。
#「普通の人」にはなれない。
けれども、
科学者・技術者は、
競争のゲームを変えることができる。

4. 海外R&D拠点の2分類
本国ベース活用型
Home-Base Exploiting
本国ベース補強型
Home-Base Augmenting
本国にはない技術を獲得するため
のR&D
本国の技術を現地で使うため
のR&D
Panasonic 中国生活研究中心

5. いかに海外R&D拠点の
成果を高めるか
1. 自由度
科学者のパフォーマンスを決定づける
最重要要因

6. 自由か秩序か？
バランスの問題
厳密な統制自由 本社による
コントロール
本社の戦略目的
との一致度H
L
技術的新規性
革新性

7. 以下に海外R&D拠点の
成果を高めるか
2. 現地でのパートナー関係充実度

8. 現地パートナーシップ
本国ベース活用にしても、本国ベース補強にしても、現地のR&D活動が
機能するかは、現地にしかない知識を獲得できるかどうか。従って、現
地の研究機関などからの情報獲得が、ここで重要となる。
自社
R&D拠点
現地研究機関
現地企業 現地市場
現地政府
知識
現地パートナーシップ
強化の方法
1) 外部機関からの情報収
集を定期プログラムとして
組み込む
2) アライアンスなどを積極
的に結ぶ
3) 現地で自分たち自身も
すぐれたR&D成果を出して、
名声を高める

9. 練習問題
あなたはカンボジアの地場企業の社長です。これまでは洗
濯機などの家電を生産していました。自社はカンボジアで研
究開発も行っており、機械技術と電子技術を保有しています。
近年の技術革新をふまえて、家電にソフトウェアを組み込ん
で、IoT機器化を図ることにしました。たとえば、スマホアプリ
を開発して、スマホで自社の家電を制御できる、などの技術
です。しかし、あなたの会社にはIT技術はありません。カンボ
ジアでもなかなか優秀なIT技術者を雇うことができません。
そこであ、あなたは海外R&D拠点を設立することにしました。
どこに進出すべきでしょうか?
海外拠点の自由度はどのくらいに設定すべきでしょうか?
進出先でどのような外部機関と連携すべきでしょうか?

10. 解答例
• 中国のソフトウェア先進地、大連に進出する。
– 現地の他の外資系企業と連携し、マネジメント方
法や各種の情報を仕入れながら運営する。
– 本社側で厳密なコントロール下に置き、方針に従
わせる。
• 日本・秋葉原に進出！？
– 高い自由度を与えて自由に作らせてみる。
– 現地のIT企業と連携し、新しいIT技術を収集する。
進出先・自由度・外部連携は3つでセット、
適切な組み合わせを考える必要がある。