「経営学入門」2
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「経営学入門」2
- 2. Agenda 1. 企業の成長とはどのような事象なのか 2. 企業成長と戦略 3. 戦略の立案の枠組み
- 3. 企業の成長と戦略
- 4. 1-1. 社会的分業、企業 • われわれは「いろいろなものを少しずつ」必要としている • 少しずつのいろいろなものが手に入る豊かさ • いろいろなものを少しずつ生産することは非効率 ↓ • 社会的分業 • 特定のなにかを集中的に生産し、効率性向上 ↓ • 「特定のなにかの集中的生産」を担う企業 • なにに特化するか (戦略) • いかに効率を向上させるのか (組織)
- 5. 1-2. 企業の存在意義 • 社会で必要とされる(と思われる)ものを、集中的に、安定的に、 繰り返し供給する • 必要とされる製品サービスであれば、 • おカネを払ってでも欲しいと思う • ますます多くのヒトが欲しいと思う • 一度利用した人がもう一度欲しいと思う • 「限界がない」製品サービスに対する需要(ニーズ)
- 6. 1-3. 企業の成長 • ますます多くのヒトが製品サービスを購入する • 一度利用したヒトが、再び製品サービスを購入する ↓ • 企業の製品サービスが、それまでよりも多く売れる • 売上(高)の増加としての企業成長 ↓ • より多くのヒトに製品サービスを届けるために、売り上げの一 部を利益として確保 • 利益の増加としての企業成長
- 7. 1-4. 企業成長の指標 • 売上高 (貨幣表示) • 製品サービスを購入・利用したヒトの多寡 • 利益 (貨幣表示) • 「利益を上げるための法的に認められた人間集団」(営利法 人) • さらなる製品サービス提供の準備をする余力 • 企業規模 • 製品サービスを提供できるキャパシティ • 顧客満足 • 製品やサービスを顧客に提供し、満足してもらう企業
- 8. 1-5. 望ましい企業成長 • 成長の指標がバランスを取りながら増大 • 利益、売上高、企業規模、顧客満足の(緩やかな)相互依存性 • 「利益を増やすこと」と「顧客に満足してもらうこと」の両立 • 利益が増えながら顧客満足が高まる状況をいかにつくるか • 利益を増やすことと顧客満足(度)の向上が同時に達成され ない場合もある
- 9. 2-1. 基本的な図式 • 利益＝売上－コスト • 売り上げを増やす • より多くの顧客に製品サービスを使用・利用してもらう • 費用(コスト)を下げる • 製品サービスを提供するために費やす経営資源を節約する
- 10. 2-2. 企業成長の障害 • 売上を増やすための障害 • 他企業が同様の製品サービスで顧客を奪おうとする • 自社の製品やサービスが顧客に満足を与えられない • 自社の製品サービスが必要とされない • 代替品の脅威、補完財との関係 • 費用(コスト)を下げることの障害 • 経営資源が不足している • 経営資源の使い方に無駄がある • ヒト、カネ、モノ、情報が有効に活かされていない
- 11. 2-3. 企業成長の道筋 • 売上を増やすために、 • 競合企業より優れた製品サービスを提供する • 顧客が望む製品サービスを提供する • 自社の製品サービスが必要とされる状況をつくる(維持する) • コストを下げる • 経営資源の不足を解消する • 市場で調達できる場合/ 市場では調達できない場合 • 経営資源を無駄なく(効率的に)使う
- 12. 2-4. 企業外への働きかけ • 企業外の人が企業に求める役割 (企業の存在意義) • どうしても欲しいと考える製品サービスを、他社よりも効果 的かつ効率的に提供する • 製品サービスの効率的な提供のための計画 • 顧客が最も満足する製品サービスに関する計画 • 経営資源の効率的利用に関する計画 • 企業活動を遂行する計画＝戦略を持つことが必要
- 13. 2-5. 企業内への働きかけ • 一人で、一時的に活動するのであれば戦略は「不要」 • 複数の人が協働して、集中的に、安定的に、繰り返して、製 品サービスを提供する企業 • 継続的な協働の過程で、経営資源の活用と蓄積が非効率的にな りがち • 使用されていない経営資源の発生 • 企業活動の中で変わっていく経営資源 • 経営資源を蓄積し、活用するために戦略が必要
- 14. 2-6. 戦略の意義 (まとめ) • 経営資源を活用し、製品やサービスを顧客に提供し続けるため に戦略が必要 • 経済社会の中で、顧客が必要とする製品サービスと関わる領域 に自社を位置づける • 「ポジショニング・アプローチ」 • 製品サービスを継続的に提供できるように経営資源を蓄積し、 活用する • 「資源(能力)アプローチ」
- 15. 戦略立案の枠組み
- 16. 3-1. 戦略立案における検討事項 • 「ドメイン」の設定 • どの顧客にどのような製品サービスを提供するのか • 経営資源の活用方法 • 製品サービスを提供するために、経営資源をどのように使用 するか • 利益獲得の実現可能性(フィージビリティ)の確認 • 製品サービスを提供したときに利益が得られるか
- 17. 3-2. 戦略立案における留意点 • 経営資源は簡単に変更することができない →経営資源の蓄積・活用を左右する戦略は一定の期間維持さ れる必要がある ＝企業を成長させる「中長期的計画」としての戦略 • 経営資源を実際に活用し、蓄積する主体は人材(ヒト) →ヒトが理解して納得できるように論理的な戦略が示される 必要 ＝企業成長のための「論理」としての戦略
- 18. 3-3. 戦略とは (再) • 企業が決定する「計画」の集まり • 効果的に経営資源を活用するための計画 • どの顧客にどんな製品サービスを • 効率的に経営資源を蓄積して活用するための計画 • どんな経営資源を持ち、将来的に蓄積するのか • 利益確保して企業としての活動を継続するための計画 • 一定期間守られる、ヒトが納得する企業行動の指針
- 20. 3-5. 環境とはなにか • 企業が、自分の意図に自由に従わせることのできない(コント ロールできない)事柄、事象、主体の総称 • 顧客 (市場) • 類似した製品やサービスを提供する企業 (競合企業) • 自社の製品やサービスを購入する企業(取引先、納入先) • 自社に原材料などを供給する企業 (供給業者) • 補完的な製品やサービスを提供する企業 • 政府、など
- 21. 3-6. 企業の環境について考えてみる ―コーヒーチェーン店にとっての環境― • 顧客(「市場」) • 最終消費者(学生や社会人など)、企業(「取引先」) • 競合企業 • ドトール、プロント、スターバックス、など • 類似した製品やサービスを提供する企業 • コンビニ、自動販売機、ファーストフードなど • 自社に原材料などを供給する企業(供給業者) • コーヒー豆輸入業者、厨房機器メーカー、テナントビルなど • 補完的な製品やサービスを提供する企業 • 洋菓子店など
- 22. 3-7-1. 様々な戦略 • 立案・実行するレベル • 全社戦略 (企業戦略) • 事業戦略 (競争戦略) • 対象とする経営資源、対象と する企業内の機能 • 人事戦略 • 購買・調達戦略 • 資金戦略 • 製品戦略 • 研究開発戦略 • 戦略が有効である期間の違い • 短期戦略 • 中期戦略 • 長期戦略 • ビジョン (理念)
- 23. 3-7-2. 2つのレベルの戦略 • 大きな企業は複数の製品、サービスの提供を行っている • ひとまとまりの製品サービスを提供している単位が「事業」 ＝「大きな企業は複数の事業を行っている」 • 事業を実際に行う組織は「事業部」などと呼ばれる • ひとまとまりの製品やサービスであれば、一緒に計画する(戦略 を立てる)ことが有効 ＝企業全体だけではなく、事業毎に戦略を立てることが有効 • 企業全体についての計画が「全社戦略」 • 1つの事業についての計画が「競争戦略」
- 24. 3-8. 戦略とは (再々) • 企業が進むべき方向性を示す • 企業が提供する製品やサービス、その「本当の意味(本質)」 を示す • 企業が環境との間でいかなる関係を築くかを示す • 企業が製品やサービスを提供するための基本的方法を示す • 企業が内外の組織、利用可能な経営資源をいかに活用するか を示す
- 25. ＜戦略論を学ぶための書籍＞ • 沼上幹(2008) 『わかりやすいマーケティング戦略 新版』 有斐 閣. • 網倉久永, 新宅純二郎(2011) 『マネジメント・テキスト 経営 戦略入門』 日本経済新聞出版社. • 沼上幹(2009) 『経営戦略の思考法』 日本経済新聞出版社. • 楠木建(2010) 『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の 条件』東洋経済新報社. • 青島矢一, 加藤俊彦(2012) 『競争戦略論』 日本経済新聞出版社.