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質問力
- 13. 質問という名の自己アピール
• 司会:「どなたか質問のある方いらっしゃいます
か?」
• 質問者:「はい。私はあなたの恩師のA教授の著書
「○○」を読んだことがあり、その中で触れられてい
たB方式という考え方を長年実践してきて、その縁
で会社経営者のB氏と知り合いました。有名な方な
のでご存じかと思いますが、ちなみにこのB氏の会
社の開発したCという製品は非常にすばらしい製
品で、これまでの常識を打破する画期的なコンセプ
トを持っていると思うわけですが、そのコンセプトを
最初に考案したのは実は私でありまして・・・・・・・・」
• 司会:「あのう、すみませんが「ご質問」は何でしょう
か?」
- 14. レッテル貼りに基づいた質問
• 講演者:「私はAだけでなく、Bのことも考え
るべきだと思います。」
• 質問者:「あなたはBだと言いましたが、それ
はあまりに乱暴じゃないですか?Aはどうで
もいいというんですか?常識で考えれば当
然Aなんじゃないんですか?それについては
どうお考えなんですか?」
• 講演者:「・・・・・・・ですから、先ほども言いま
したように・・・・・・・」
- 15. 相手の話を聞いていない質問
• 講演者:「~というわけで、私はAについては
Bだと思います。」
• 質問者:「たいへん貴重なお話ありがとうご
ざいました。ところで、私はCに関心がある
のですが、Cについてはどう思いますか?」
• 講演者:「・・・・・(Cについては全く関心が無
いんだけど・・・・)。」
- 16. 漠然としすぎている質問
• 質問者A:「○○さんは科学技術にお詳しい
とのことで、科学技術について何かご意見が
あればぜひお聞かせ下さい。」
• 質問者B:「研究というものはそもそも~で~
で~なんです。そのへんについてはどう思わ
れますか?」
• 講演者:「・・・・・(「そのへん」ってどのへん?
私に一体何を答えて欲しいのだろう?)」
- 17. 同じ質問の繰り返し
• 質問者:「前の人の質問とかぶってしまうん
ですが、~についてどう思いますか?」
• 講演者:「前の方へのお答えと同じです。」
- 18. 質問という名の攻撃
• 質問者:「やるんですか?やらないんです
か?どっちなんですか?はっきり答えられな
いんですか?答える責任を感じていないとい
う意味ですか?」
• 講演者:「(帰ろうかな・・・)」
- 19. 時間泥棒
• 質問者:「~についてどう思いますか?」
• 講演者:「お聞きになりたいのは~ですよね?それ
でしたら~です。」
• 質問者:「いえ、そういうことではなくて、私が聞き
たかったのは~ということです。」
• 講演者:「それについては~です。よろしいでしょう
か。」
• 質問者:「というか、私はそもそも~だと思うんです
が、そこはいかがでしょうか?それからもう一つ質
問がありまして・・・」
• 司会者:「時間も限られておりますのでそろそろ次
の方に・・・」
- 22. 質問とは何か?
混沌とした状況
質問 ↓
複雑性と曖昧性の縮減
質問 ↓
問題の明確化
質問 ↓
- 23. 質問とは何か?
問題の明確化
質問 ↓
問題空間・現在位置・ゴールの定義
質問 ↓
問題空間の移動と「ゴール」への接近
質問 ↓
「ゴール」への到達
- 38. 質問の種類
1. 一般的な質問
• 自分の仕事は好きですか?
2. より具体的に
• 自分の仕事のどこが好きですか?
3. さらに具体的に
• 自分の仕事でいちばんやりがいのあるこ
とを3つ挙げてください。
(ドロシー・リーズ『その気にさせる質問力トレーニング』より)
- 39. 質問の種類
• 自律的思考を促す質問
– 本当の問題は何だと思うか?
– ここでのあなたの選択肢は何だと思
うか?
– その方向に進んだら、どのような結
果になると思うか?
(ドロシー・リーズ『その気にさせる質問力トレーニング』をもとに改変)
- 40. 質問の種類
• 問題解決のための質問
– 「~ができない。」
→「どうすれば~ができるようになるだろうか?」
– 「~が悪い。」
→「どうすれば~がよくなるだろうか?」
→「~をよくするために私に何ができるだろう
か?」
(ハワード・ゴールドマン『すごい考え方』をもとに改変)
- 41. 質問の種類
• 相手のニーズに応える質問
– ただ聞いて欲しいだけなのですか?
– こちらも質問をして、会話に参加してもらいたい
のですか?
– 私からのアドバイスが欲しいのですか?
– 今日あなたは、私にどんな役割を期待していま
すか?
– 私は、あなたのためにどんなアウトプットを出せ
ばよいのですか?
(ドロシー・リーズ『その気にさせる質問力トレーニング』をもとに改変)
- 43. 回答を引き出す困難度
難
最も困難な状況
コンテンツ理解
の難易度
易
低 高
アウトプットに対する
相手の抵抗
(船川淳志『ロジカルリスニング』をもとに改変)
- 44. 回答の理解しやすさ
高
一見雄弁だが
最も理解しやすい
筋道がわかりにくい
相手の発話力
口数は少ないが
最も理解しにくい
筋道がわかりやすい
低
低 高
相手の論理力
(船川淳志『ロジカルリスニング』をもとに改変)
- 45. 質問の態度
• 「受容・共感」モードと「探索・検証」モード
を状況に応じて使い分ける。
• 「質問」が「詰問」にならないように。反語
的に受け取られかねない質問に注意。
• 「具体と抽象、個人的な体験と大きな問題
をうまく往復させる。
- 46. 質問の態度
• 自分のことも「少し」話す。
• 知らないことを恥だと思わない。むしろ質
問のきっかけにする。
• ただし取材の準備はしっかりと。
• 相手に対する敬意と関心を持つ。
- 47. 質問内容のヒント
• 質問の前にまず前提を共有する。
• 「あなたが今おっしゃられたことは、Aの場合はB
という意味だと思うのですが、そうすると逆にC
の場合はDということになるのではないでしょう
か?」
• 選択肢を示し、選んでもらう。
• 「これについては「○○」「△△」という2つのケー
スが考えられると思うのですが、あなたはどちら
の可能性が高いと考えますか?」
- 48. 質問内容のヒント
• 具体例を挙げてもらう。
• 「具体的にどのような時にそう思いました
か?」
• 相手の話したいことを質問する。
• 「あなたは今控えめに~とおっしゃいまし
たが、実際には~を目指しておられるの
ではないでしょうか?」
- 49. 質問の際の注意事項
• メモを取る(キーワードだけでもよい)。
• 数字と固有名詞(あとになって裏を取れ
ない情報)は必ず確認する。
• 意見と事実を峻別する(根拠を尋ねる)。
• 定性的な答えを定量的に確認する。
- 50. 質問の機能と効果
• 情報を引き出す。
• 場の状況をコントロールする。
• 相手への関心を伝える。
• 相手に、特定の問題に注意を向けさせる。
• 相手の心の中に、能動性、当事者性、新
しい発見を生み出す。
- 51. 質問が作り出す学習と問題解決
• 「アクションラーニング」
• グループによる問題解決・学習・チーム
ワーク構築を同時に行う手法
• 会話は必ず「質問」から始めなければな
らない。
(マイケル・J・マーコード『アクションラーニング入門』より)
- 52. 質問が生み出すリーダーシップ
• 「リーダーは適切な質問をする人で
あり、マネジャーはその質問に答え
ることを仕事とする人」
– ジョン・P・コッター
(ハーバード・ビジネススクール教授)
(マイケル・J・マーコード『アクションラーニング入門』より)