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非ITの宿泊業なのに、なぜDXを推進できるのか?
- 2. Hoshino Resorts Inc. 2
藤井 崇介
星野リゾート 情報システムグループ エンジニアチームリーダ
@ZooBonta
・SIerとして10年働いたのち、18年に中途採用で入社。
・入社後は1人からエンジニア組織を立ち上げ、内製化を促進
・アジャイル大好き/双子の父
- 23. Hoshino Resorts Inc. 24
業務の多くは自社開発システム
自社HP用
宿泊サイトエンジン
顧客満足度調査
可視化
オプション予約
レストラン予約
手配品管理
販売支援
予約担当向け
Webマニュアル
リピーターカルテ
滞在顧客情報管理
労働タスク記録
勤怠・人事
支払申請システム
法人/部門配賦
労働生産性
サービスチーム指標
可視化
- 25. Hoshino Resorts Inc.
構想と実行の分断が課題
◼ 構想(要件を考える人)と実行(システムを作る人)が分断されて
いた
◼ 分断が発生すると、以下の問題が起きる
◼ 改善する力が低下する
◼ 生産性が下がる
◼ 要件を考える人はシステムがわからないし、システムを作る人は要件を考えなく
なる
→スキルの分断
◼ ホテルの運営でも類似した課題があり、仕組みを変えてきた
26
- 31. Hoshino Resorts Inc. 32
コロナ禍を支えた攻めのシステム開発
ふるさと納税
大浴場混雑可視化 GoToキャンペーン対応
結婚式新サービス
6週間でリリース
1ヶ月でリリース
2ヶ月でリリース 3ヶ月でリリース
- 32. Hoshino Resorts Inc. 33
大浴場の課題に対する情シスの提案
温泉旅館「界」など入浴施設を持つ施設が多くあり、三密の回避がニーズにあった
清掃のタイミング以外はスタッフが常駐していない・滞在中は常に利用できる
ゲストのプライバシー考慮の為にカメラの使用は避けたい
ゲストのお好みの時間で滞在中どの時間もリアルタイムに混雑を可視化したい
- 34. Hoshino Resorts Inc. 35
パートナー会社と一緒に開発
パートナー開発
星野リゾート自社開発
Docomo/
KDDI
どちらも
OK
リモート
ファーム
更新の実現
管理画面は
kintone 。
保守機能の
追加も容易に
監視ログや
チューニングに高いノ
ウハウ
ゲストが直接見る可
視化の仕組は自前で 旅館に溶け込む
こだわりのデザイン
- 35. Hoshino Resorts Inc. 36
覚悟と確信で乗り切った初めてのIoT開発
設置場所確認や取付は現地で得意なメンバーで対応
導入直後のエラー起因のゲストのクレーム対応は覚悟
必要なのは星野リゾートの滞在に新たな発想であること
正解がわからないことは導入後に改善すればよい
必達条件である納期を最優先する
ミニマムの開発でリリース導入後の機能追加で育てる
目的
ゲストの
三密回避
現地
経営陣
情シス
ゴール 大浴場の混雑を可視化し顧客のデバイスでリアルタイム
に確認できる仕組みをサービスの一つとして提供する
必要なプロダクト
責任の所在が
全社
制約の中で
生まれた
ニーズは明確で
カタチがあることに意味がある
ビジネス上必要という確信と
どんな課題も乗り越える覚悟の元、
全員で乗り切った。
- 37. Hoshino Resorts Inc. 38
GoToトラベルキャンペーンの裏側
発表1ヶ月で受付開始
突然変更されるレギュレーション
予約以外にも、予算管理など、開発するも
のがたくさん
突如停止に伴うキャンセル作業
- 38. Hoshino Resorts Inc. 39
全員の協力があってこそ達成した結果
販売チーム 開発チーム
プロダクトオーナー
ノーコードチーム
• 販売戦略
• 情報収集
• 要件検討
• プロダクトデザイン作成
• 優先度決め
• 継続的なリリース
• 柔軟な変更対応
• 受付フォームや申請の
自動化
• 開発業務の削減
- 39. Hoshino Resorts Inc. 40
全員の協力があってこそ達成した結果
販売チーム 開発チーム
プロダクトオーナー
ノーコードチーム
• 販売戦略
• 情報収集
• 要件検討
• プロダクトデザイン作成
• 優先度決め
• 継続的なリリース
• 柔軟な変更対応
• 受付フォームや申請の
自動化
• 開発業務の削減
組織文化、多能工、権限移譲など
これまで培ってきた取組が大きく下支えした
- 49. Hoshino Resorts Inc. 50
DXが叫ばれる背景
2030年にIT人材は45万人が不足 2025年までにDXが進まなければ、
12兆円/年の経済損失が起きる
IT人材不足の深刻化 2025年の崖
- 50. Hoshino Resorts Inc. 51
星野リゾートにとってのDXとは
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会
のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、
プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
宿泊体験そのもの 星野リゾートの独自の運営力
マルチタスク/魅力創造/自社チャネル強化/RIET
フラットな組織文化
経済産業省の
DXの定義
DXは目的ではなく手段である
あらゆる企業活動がIT抜きでは成立しない現在、急激な変化前提のビジネス環境において、
企業が激しい変化に対応するために自ら変革(トランスフォーム)するには、変化前提のデジタル化能力を備えることは必然。
「デジタルで変革を起こす」ではなく、競争上の優位性を勝ち取るためには高いデジタル化能力が必要という認識。
- 51. Hoshino Resorts Inc. 52
全社員IT人材化
◼ 構想と実行の分断を生まないために、現場がITを活
用することが重要
◼ 育て上げた組織文化にアジャイル・スクラム開発は
マッチしている
◼ ノーコードツール活用やプロダクトマネジメントなど、
現場の業務経験と組み合わせられる領域はある
◼ 高度な専門領域を支えるために、エンジニアは必要
経営とITの一体化につながった
https://note.com/hoshino_technote/n/nfaffecfbea41
- 52. Hoshino Resorts Inc. 53
目指しているのはScrum@Scaleの世界
◼ 全プロジェクトでスクラムを取り組んでいる
◼ 組織をスケールしながら拡大している
◼ 現場も巻き込むのが目標
(参考) https://creators-note.chatwork.com/entry/2021/06/07/164722