公共交通オープンデータ最前線2021
ジョルダン「乗換案内」での
鉄道・バスのリアルタイム情報活用の取り組み
2021.03.06
ジョルダン株式会社 安田 正治
「乗換案内」サービス紹介
ジョルダン株式会社が提供する経路検索サービス
iOS/Android、日本語/多言語、アプリ/web向けサービスをそれぞれ提供
月間検索数:2億3,000万回
アプリ累計DL数:3800万DL
全国の鉄道、空路、高速バス、空港連絡バス、路線バス、航路、タクシー等を網羅
地図ナビゲーションにも対応(徒歩ナビの検索エンジン・地図描画も自社開発)
オープンデータ活用例①:「鉄道リアルタイム遅延情報」
検索結果にリアルタイムな「列車の遅れ状況」を案内
東京公共交通オープンデータチャレンジで配信されている
「列車ロケーション情報」を活用し、JR東日本様・東京メトロ様・東京都交通局様
(都営地下鉄)の列車遅延情報を掲載
→首都圏の広範囲で「今から乗ろうとしている列車の遅れ」が確認可能に
オープンデータ活用例① :「鉄道リアルタイム遅延情報」
【活用の際に必要だったこと】
【課題と感じていること】
ODPTの列車ID(odpt:trainNumber)と、
時刻表提供元データ収録の列車番号(1131Mなど)とのマッチング
・あくまで「運行中(運行準備中)」の列車の情報のみの配信のため
「運休」となった列車の情報はわからない
→当初都営地下鉄のIDは、ODPT専用の列車IDが返却されていたため、
「列車番号の対照表」の作成が必要だった
→その後時刻表提供元データ形式の列車番号が返却されるようになり対照表は不要に
(ありがとうございます!)
→その他A線B線や車両所属会社判定などの文字列差分を調整
ODPTの路線名(odpt:railway)と乗換案内の路線名のマッチング
→直通元路線も含めた対照表の作成
(例:東京駅から乗る東海道線に遅れがあるかどうかは、高崎線や宇都宮線を運行中の列車を
参照する必要がある)
オープンデータ活用例②:「バスロケ」「バス混雑状況」
リアルタイムな「バス到着見込」「バス混雑状況」を案内
GTFS-RTや公共交通オープンデータセンター(これもGTFS-RT)
で配信されているバスロケーション情報を掲載
→横浜市交通局様の市営バスでは「バス混雑状況(OccupancyStatus)」も配信されるため
「到着見込み」と「混雑度」を見比べて乗車便を検討可能に
オープンデータ活用例②:「バスロケ」「バス混雑状況」
<バス到着見込み・バス混雑状況対応>
横浜市交通局(公共交通オープンデータセンター経由)
<バス到着見込み対応>
東京都交通局(公共交通オープンデータセンター経由)
北海道中央バス
会津バス
関東自動車
大阪シティバス(いまざとライナーのみ)
岡山電気軌道
両備バス
佐賀市交通局
祐徳自動車 (敬称略)
【GTFS-RT利用でのバスロケ対応会社】(2021/3/6現在)
→2018年11月にGTFS-RT初対応
それから少しずつ対応会社数を増やしています
【GTFS-RT以外でのバスロケ対応会社】(スマートフォンweb向け「乗換案内NEXT」で提供)
芸陽バス・広島電鉄・広島交通・広島バス・ボンバス(敬称略)
【活用の際にありがたかったこと】
→こちらも対照表の作成が必要
(ただし乗換案内のバスデータがGTFS-JPと連動している場合は不要)
・横浜市交通局様のバスのGTFS-RTでは<これから始発バス停出発予定>の便の
TripUpdateも収録されているため、
「RTのデータのみ」で<運行中のバス>と<これから出発予定>の便を合わせた
バスロケの提供が可能
※出発が先過ぎる便を出さない、などの配慮は行う
オープンデータ活用例②:「バスロケ」「バス混雑状況」
【活用の際に必要だったこと】
GTFS-RTと乗換案内のバス停名・系統名のマッチング
→「いまバスがどこにいるか」だけではなく
「あと何分で到着見込みか」を案内するために、
GTFS-JPのStaticデータと突合させて「見込み所要時間」の算出を行う
(TripUpdateが配信されている場合はそちらを利用可能)
配信が「VehiclePositionのみ」の場合の補完
オープンデータ活用例(予定):「バス運行情報」
検索結果に「バスの運行情報」を案内(予定)
GTFS-RTで配信されているAlertを、乗換案内の経路検索結果に反映予定
→バス会社様から配信される「運転変更や運転乱れの注意喚起」を直接掲載。
より即応性の高い情報伝達が可能に
NOW
PRINTING
【活用の際にこうなるとありがたいこと】
オープンデータ活用例(予定):「バス運行情報」
運行情報IDにおける、情報の連続性の担保
GoogleMap向けに作成されたAlertのオープンデータ化
→運行乱れが発生した際などに情報が発信されるが
その後発信された情報が「前の情報の続報」なのか「別の事象」なのかが
紐づけられないことがある
→運行情報IDが継続していれば「前の情報の続報」であることの判定ができ
「そのIDの情報の削除」をもって「運行乱れの解消」を判定することができる
→現在一部のバス会社様では、 GoogleMap向けにAlertを作成し公開されている
→これはバスを利用するお客さまにとって非常に有用な情報
→このAlertはダウンロード可能なので
オープンデータとしても公開いただけるとありがたい
→GoogleMap以外の経路検索サービスでも反映が可能になり
より多くのお客さまに情報を伝えることができるように
オープンデータの活用で移動をもっと便利に
オープンデータが広くお客さまに届く時代になりました
様々な経路検索サービスにおいてオープンデータの利活用が進み、
お客さまの移動シーンを便利にしています。
オープンデータがより充実していくことで、より多くのお客さまが
「最新で最適な移動情報」を入手できるようになっていきます。
時間通り運行しているかわからないから
公共交通機関は避けた方がいいかも?
公共交通機関を使って
安心してお出かけできるように
ではなく
→いつでも誰でも簡単に必要な情報にアクセスができるように
【乗換案内・オープンデータに関するお問合せ先】
ジョルダン株式会社
〒160-0022
東京都新宿区新宿2-5-10
TEL: 03-5369-4051 / FAX: 03-5369-4057
MAIL: ptd-hub-ml@jorudan.co.jp

ジョルダン「乗換案内」での鉄道・バスのリアルタイム情報活用の取り組み