救急部 木村 圭一
• 救急診断の特徴について理解する
• 救急診断は時間との勝負である
• 確定診断は必ずしも必要ない
普通の診療の流れ
• 診察
• 検査
• 診断
• 治療
一つ一つ時間をかけて行えるし、
そうでなければならない
確実な診断と治療!
救急診療の流れ
• 診察
• 検査
• 診断
• 治療
全部いっぺんに必要なことも
診断は暫定的
診断は適当でいい?
• 糖尿病ケトアシドーシスを「過換気」
• 心筋炎を「風邪」
• 食道破裂を「気のせい」
• くも膜下出血を「風邪」
より診断が大切
診察や検査の精度
• 感度
病気の人を病気だと診断する割合
• 特異度
病気でない人を病気でないとする割合
女性であれば妊娠である
妊娠している 妊娠していない 合計
女性 2 98 100
男性 0 100 100
合計 2 198 200
女性であれば妊娠である
・感度は100%
女性でない(つまり男性)のであれば、妊娠は否定で
きる。
・特異度は約50%
女性だとしても妊娠とは言いにくい。
ただし、検査が陽性であれば、1%の頻度が2%には高
まる。
• 高い検査は否定に使えます。
• D-dimerは、肺塞栓の否定に使えます。
• 胃洗浄は消化管出血の否定に使えません
。
胃洗浄と消化管出血
上部消化管出血 なし 合計
陽性 41 18 59
陰性 59 180 239
合計 100 198 298
胃洗浄と消化管出血
・感度は41%
チューブから血が引けなくても、消化管出血の可能性
は残っている(24.6%)。
・特異度は91%
チューブから血が引ければ、消化管出血の可能性は高
いが、100%ではない(69.4%)。
• 高い検査は診断に使えます。
• トロポニンは特異度が高いです。
• D-dimerやCRPは特異度が低いです
。
AKB48ならフリーである
フリー 彼氏がいる 合計
メンバー
294 0 294
一般人
90 210 300
合計 384 210 594
AKB48ならフリーである
・特異度は100%
AKB48のメンバーであれば、フリーである可能性は100%
・感度は76.5%
一般人だったとしても、フリーである可能性は結構高い。
64.6%の割合が、30%に低下する。
検査の結果は事前確率による
• 「女性ならば妊娠である」を産婦人科の
前でやるのと、4南病棟でやるのとでは
結果が異なるはず。
• 事前確率をしっかり考える。
インフルエンザ
• インフルエンザと診断された家族がいる
• 高熱を出して受診
• インフルエンザの検査の感度は高くない
• どうしたらいいですか?
検査せず治療を
• インフルエンザである可能性は非常に高い。
• 感度が高くない検査は否定に使えない。
• 検査が陰性でも可能性は低くならない。
日本はいい国です
• 世界中のタミフルの8割を使えます。
• 不利益はそれほど大きくありません。
• インフルエンザを疑ったら、
インフルエンザ薬を出して良いです。
胃がんの手術をします
• 胃カメラで胃がんに見える腫瘤がある。
• 病理検査は癌ではないと言う結果。
• これだけで手術をしますか?
再検査します
• 胃がんの手術はそれによる利益も大きいです
が、不利益も大きいです。
• よって診断は確実でなければなりません。
• 時間的余裕もあります。
胸痛でアスピリン
• 胸痛の患者さんに早期にアスピリンを飲ませ
ると予後が良いことが証明されている。
• 解離だったらどないすんねん!
• 解離の頻度はそれほど高くないので、胸痛の
患者さんにはアスピリンを。
造影CT
• 単純CTだけでは見逃す可能性が高い。
• 腎機能が悪化する可能性がある。
• クレアチニンもあてにならない。
• 前者の方が明らかに頻度が高く重要。
救急で大切なこと
• 時間との闘いなので、ちゃんとしたデータが
とれない。
• 侵襲的検査や治療を必要とする場合がある。
• 危険と利益を天秤にかけるしかない。
救急で大切なこと
• この行動をすることがどのぐらいの
利益があり、どのぐらいの不利益が
あるのかを認識していることが大切
• あとでごちゃごちゃ言うのは簡単。
漢方薬による副作用
• 証があわないため?
• 漢方を使う時にもきちんと診断すべき
• 診断的治療という物もあります。

救急診断について