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Similar to 誰も教えてくれなかったカルテの書き方 (20) More from 林整形外科クリニック (11) 誰も教えてくれなかったカルテの書き方6. 検査所見
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血液検査 静脈血ガス(room air)
WBC 12800/μL LDH 219IU/L pH 7.396
Hb 13.5g/dL CK 61 IU/L PaCO2 68.3Torr
PLT 15.5万/μL CRP 10.17mg/dL PaO2 48.5Torr
TP 7.9g/dL BUN 11.1mg/dL HCO3- 29.0mEq/L
alb 3.7g/dL Cre 0.61mg/dL Na 138mEq/L
AST 30IU/L Glc 157mg/dL K 4.1mEq/L
ALT 17IU/L HbA1c 6.6% Cl 98mEq/L
【身体情報】
身長157cm,体重43kg,やせ型.
【バイタルサイン】
意識清明
体温 38.0℃,脈拍 96回/分,血圧 129/67mmHg,
呼吸数 24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分)
8. カルテ記載例
8
‣ 上手に書けました
か?
‣ 本当にそれでOK?
‣ そもそも学校では
誰も教えてくれない
<S>
【主訴】呼吸苦
【現病歴】
数年前から労作時呼吸苦あり
昨日から発熱・呼吸苦が出現.
【既往歴】
糖尿病,膀胱癌
<O>
【身体所見】
BT 37.9℃, RR 24, SpO2 93%
両下肺野にてwheezeあり.
【検査所見】
炎症反応高値,CO2貯留あり,
Xpにて右下肺野に肺炎像あり.
<A>
#肺炎の疑い
<P>
抗生物質による治療を行う.
39. RIMEモデルとは
39
Reporter, Interpreter, Manager, Educatorの頭文字を
取ったもの;研修医の発達段階を表す
Level 2
Level 3
Level 1
Top Level
Reporter
(情報を正しく報告できる)
Interpreter
(情報を自分で考えて適切に判断できる)
Manager
(自分で考えた判断に基づいて実際に行動できる)
Educator
(判断や行動原理について他の人に教えられる)
40. RIMEモデルとは
40
Reporter, Interpreter, Manager, Educatorの頭文字を
取ったもの;研修医の発達段階を表す
Reporter
Interpreter
Manager
Educator
情報を正しく報告できる段階.
SOAPのS・Oがしっかり書ける相当する.
情報を自分で考えて適切に判断を下せる段階.
SOAPのAがしっかり書ける段階に相当する.
自分で下した判断に基づいて適切に行動できる段階.
SOAPのPに相当する.いわゆるデキレジ.
自分の判断や行動原理を他の人に教えられる段階.
ここまでできれば超研修医級!?
48. OPQRST/TLQQSFAって何だっけ?
痛みのOPQRST
‣ Onset of the event(発症様式)
‣ Provocation or Palliation(増悪寛解因子)
‣ Quality of the pain(痛みの性状)
‣ Region and Radiation(痛みの場所と放散痛)
‣ Severity(重症度 - 10段階評価など)
‣ Time(時間経過による変化)
バリエーション:PをPosition(場所)とする場合や,
「AAA」を追加し「OPQRST-AAA」とする場合もある
‣ Aggravation/alleviating factors(増悪寛解因子)
‣ Associated symptoms(随伴症状)
‣ Attributions/adaptations(思い当たる原因/症状への対処)
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出典:Wikipedia.com
57. 75yo Male, CC: dyspnea
57
75yo Male, CC: dyspnea. HPI: 普段からたまにcoughが出ていたが放置.数年前
までは近所まで歩行できたが,dyspneaが徐々に増悪.2015年4月1日から39℃の
feverとchillが出現,dyspneaが増悪し改善しないため4月2日に当科を受診.旅行
(-),庭仕事(-),ペット(-),鳥(-).cough (+),喀痰は白色粘稠.鼻汁(-),咽頭
痛(-).夜間呼吸苦(-).PMH: DM, bladder Ca. Meds: 近医にてテネリア.
喫煙:1日20本×50年,以後禁煙.飲酒(-).アレルギー(-).PE:身長157cm,体
重43kg,やせ型.cons. : alart,BT 37.9℃,HR 96回/分,BP 129/67mmHg,
RR 24回/分,SpO2 93%(NC1L).conj. not anemic, not icteric,口腔内ややdry,
頸部LN触知せず.両下肺野でwheezeを聴取する.No M.腹部s&f,tenderness(-
).ばち指なし,edemaなし.L/D: WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万
/μL,TP 7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,
CK 61 IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,
157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.
Vgas(room air)にてpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3-
29.0mEq/L.ECG: sinus.CXRにて両肺の過膨張,滴状心(+),右下肺野に斑状影
(+) air bronchogram(+).喀痰gram stainにて多数のGPCを認める.
‣ これはこれでかっこいい(?)ですが,
学生さんや患者さんには読めません.
Editor's Notes <S/O>
75歳男性.呼吸苦を主訴に来院.
<A>
発熱と低酸素血症を認める. 肺炎,COPDの急性増悪のほかに心不全,喘息,心筋梗塞,肺塞栓,気胸などが鑑別に上がる.
CURB65で1点(外来治療)A-DROP2点(外来または入院),適切な酸素投与と抗菌薬投与が必要
<P>
・酸素は経鼻酸素2L/分で開始しSpO2 90-94%を目標に漸増する.
・肺炎球菌尿中抗原検査を追加.スパイロメトリーを行う.
・COPDに合併した市中肺炎であり,想定される微生物はS. pneumoniae, H. influenzae, Molaxella, Legionella, S. aureus(まれ)
・SanfordによればLVFX500mg po daily または CTRX 1g div daily + AZM 500mg daily for 3 days