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誰も教えてくれなかった
カルテの書き方
名古屋市立大学病院 シニアレジデント 林紘太郎
医学部5年生用講義資料
Version: 1.1.0 (April 10, 2015)
自己紹介
‣ 名古屋市立大学卒→名古屋市立大学病院で研修
‣ シニアレジデント1年目=卒後3年目(?)
‣ 趣味:カメラ,旅行
‣ 好きな被写体:風景,人物,猫
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カルテとは何か?
POS/POMRとは何か?
RIMEモデルとは何か?
SOAP形式とは何か?
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本日の内容
その前に…
‣ 実際にカルテを書いてみよう!
(医療面接のロールプレイ 15分)
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息切れを主訴に受診した75歳男性.
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息切れを主訴に受診した75歳男性.20年前より糖尿病を指摘され,近医で投薬を
受けHbA1c 6%前後で推移していた.2014年12月に血尿を契機に膀胱癌を指摘さ
れ12月18日に膀胱鏡手術を受けた.1日20本×50年喫煙していたが以後禁煙した.
普段からたまに咳が出ていたが放置していた.数年前までは近所のスーパーまで歩
行できたが,労作時息切れが徐々に増悪し,ここ1年は自宅内を動くだけでも息切
れがするようになった.2015年4月1日から39℃の発熱と悪寒が出現,息切れが増
悪し改善しないため4月2日に当院総合内科を受診した.旅行なし,庭仕事なし,
ペット飼育なし,鳥と接触なし.咳嗽あり,喀痰は白色粘稠.鼻汁なし,咽頭痛な
し.夜間呼吸苦なし.内服薬は近医からテネリア錠(20)1T/朝のみ.飲酒なし.ア
レルギー歴なし.身長157cm,体重43kg,やせ型.意識清明,体温37.9℃,脈拍
96回/分,血圧129/67mmHg,呼吸数24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分).結
膜貧血黄染なし,口腔内やや乾燥,頸部リンパ節触知せず.両下肺野でwheezeを
聴取する.心音整,心雑音なし.腹部平坦・軟,圧痛なし.ばち指なし,下腿浮腫
なし.WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万/μL,TP 7.9g/dL,alb
3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,CK 61 IU/L,CRP
10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,157mg/dL,Na
138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.静脈血ガス(room air)
でpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3- 29.0mEq/L.心電図
は洞調律.胸部単純X線写真で両肺の過膨張,滴状心を認め,右下肺野にair
bronchogramを伴う斑状影を認める.喀痰グラム染色で多数のグラム陽性双球菌
を認める.
出典:「カルテはこう書け!」より改変
検査所見
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血液検査 静脈血ガス(room air)
WBC 12800/μL LDH 219IU/L pH 7.396
Hb 13.5g/dL CK 61 IU/L PaCO2 68.3Torr
PLT 15.5万/μL CRP 10.17mg/dL PaO2 48.5Torr
TP 7.9g/dL BUN 11.1mg/dL HCO3- 29.0mEq/L
alb 3.7g/dL Cre 0.61mg/dL Na 138mEq/L
AST 30IU/L Glc 157mg/dL K 4.1mEq/L
ALT 17IU/L HbA1c 6.6% Cl 98mEq/L
【身体情報】
身長157cm,体重43kg,やせ型.
【バイタルサイン】
意識清明
体温 38.0℃,脈拍 96回/分,血圧 129/67mmHg,
呼吸数 24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分)
検査所見
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胸部単純X線写真 心電図(II誘導)
喀痰グラム染色
カルテ記載例
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‣ 上手に書けました
か?
‣ 本当にそれでOK?
‣ そもそも学校では
誰も教えてくれない
<S>
【主訴】呼吸苦
【現病歴】
数年前から労作時呼吸苦あり
昨日から発熱・呼吸苦が出現.
【既往歴】
糖尿病,膀胱癌
<O>
【身体所見】
BT 37.9℃, RR 24, SpO2 93%
両下肺野にてwheezeあり.
【検査所見】
炎症反応高値,CO2貯留あり,
Xpにて右下肺野に肺炎像あり.
<A>
#肺炎の疑い
<P>
抗生物質による治療を行う.
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カルテとは何か?
POS/POMRとは何か?
RIMEモデルとは何か?
SOAP形式とは何か?
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本日の内容
カルテとは何か?
‣ ドイツ語で「カード」を意味する「Karte」に由来
英語では「medical record」「chart」など
‣ 医師法に規定
医師法第24条1項に、医師は患者を診療したら遅滞なく
「経過を記録すること」が義務づけられており,これを
「診療録」としている.また,2項で記録後最低5年間は
保存することが義務づけられている(wikipedia)
‣ 単なる診療のメモではない
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カルテは何のために書くのか?
‣ 日々の記録
‣ 診療のプロセスを助ける
‣ チーム医療のため
‣ 臨床研究の資料
‣ 公文書として医療訴訟の証拠にも
‣ 良いカルテを書こう!
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良いカルテの条件とは?
‣ 正しい日本語で書く
接続詞や「てにをは」の使い方,文の長さや配列が適切
‣ 簡潔
個人的な思いや診断や方針に関連しない情報などがない
‣ フォーマット(型)に沿う
日記やメモではなく,所定の位置に適切な情報がある
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フォーマットに沿ったカルテの利点
‣ 1)業務効率の改善
‣ 2)診断推論能力の習得
‣ 3)多職種連携に活きる
‣ 4)トラブルが減る
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フォーマットに沿ったカルテの利点
‣ 1)業務効率の改善
型通りに書けばいいので,書く前に考える必要がない。
また,整理された情報は後で閲覧・検索しやすいため,
速やかに現状や全体像を把握できる。カギはSOAP形式に
おけるS欄・O欄の書き方。
‣ 2)診断推論能力の習得
診断推論の論理的考え方に沿って記載することによって,
毎日カルテを書くだけで自然と診断能力が身につく。
特に問題リストを含めたA欄をきちんと書くべし。
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フォーマットに沿ったカルテの利点
‣ 3)多職種連携に活きる
コメディカルが読んでも現状・今後の方針を理解できるた
め,関係者全員が主体的に治療にかかわることができる。
P欄が乏しいと,こうはいかない。
‣ 4)トラブルが減る
情報収集や計画のチェックリストにもなるため,漏れや忘
れが減り,判断ミスによる患者への不利益を予防できる。
万が一,訴訟などに発展したときにも強力な証拠となる。
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では、どんなフォーマットが良い?
‣ 「POS」の考え方に基づいた
「SOAP形式」のカルテが推奨される
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カルテとは何か?
POS/POMRとは何か?
RIMEモデルとは何か?
SOAP形式とは何か?
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本日の内容
POS/POMRとは
‣ POS(Problem-oriented system)
日本語では「問題志向型診療システム」
‣ POMR(Problem-oriented medical records)
日本語では「問題志向型診療録」
‣ 米国で発祥
Lawlence L Weed先生が考案.ハーバード大学で採用され
たことから全米に広がった
‣ 日本でも普及
電子カルテの普及に伴い、標準的で科学的な診療録の記載
法としてPOS/POMRが急速に普及
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「問題志向型」とは?
‣ 旧来の診療録では
主治医が患者を見て自分で立てた仮説にあう事柄を記載し,
仮説に合わないことや重要でないと思ったことは記載しな
い=「疾患志向型」
‣ POS/POMRでは
患者の抱えている問題ごとに「プロブレム」を立案し、解
決していく過程を記載する=「問題志向型」
‣ 「患者中心の医療」の精神に基づく
患者がさんが今困っていることは,これから病気として顕
在化してくるものかもしれない…
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要するに何が特徴?
‣ 患者ごとに「プロブレムリスト」を作成し,それ
に則って診療を行う
‣ 例えば先ほどの
「息切れを主訴に受診した75歳男性」ならば
<A>
【プロブレムリスト】
#1.糖尿病
#2.COPD
#3.膀胱癌
#4. 急性肺炎 というように…
もっと詳しく知りたい人は後で質問してくださいね.
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プロブレムリストの作り方
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#1. プロブレム①
#2. プロブレム②
#3. プロブレム③
病歴や身体所見から,「病気」がいくつあるか考える
これからが本題
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カルテとは何か?
POS/POMRとは何か?
RIMEモデルとは何か?
SOAP形式とは何か?
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本日の内容
SOAP形式とは
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Subjective, Objective, Assessment, Planの頭文字を
取ったもの; 現在の電子カルテの標準的な形式
Subjective
Objective
Assessment
Plan
主観情報.主訴,現病歴,既往歴,その他が含まれる.
客観情報.身体所見,検査所見が含まれる.
アセスメント=評価.
プロブレムリストもここに含まれる.
プラン=計画.
いつ,誰が,何を行うのか具体的に記す.
S(Subjective)に何を書くか
(1)【主訴】
(2)【現病歴】
(3)【既往歴】
(4)【その他】
大きく分けてこの4つ
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(1)【主訴】
‣ 患者側の視点で今回の主題を明確にする
‣ 基本的に「医学用語」に置き換える
(1’)【受診理由】も併記
‣ 特に,本人が困っていない場合や,本人と周囲の
問題意識が異なる場合に重要
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見通しを良くする為,詳細に入る前にまず全体像を明確にする.
(2)【現病歴】
‣ 経過
診断上最も価値の高い「時間経過」を明確にする.
医師が知った順番ではなく,患者に起きた順番に記載
‣ 症状解析
「痛みのOPQRST」「TLQQSFA」などで詳述
‣ Review of systems(ROS)
鑑別にかかわる臓器系に絞って記載
‣ ナラティブ
「かきかえ」=解釈,期待,感情,影響 など
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病気が発生してから現在に至るまでの出来事すべてを記載する.
(3)【既往歴】
‣ 今も活動性のある疾患
病状や治療内容,かかりつけ医なども併記
‣ 過去に治癒した疾患
発症時期と治癒時期,後遺症の有無などを併記。
手術歴,輸血歴,アレルギー歴,妊娠・出産歴も
‣ (3’)【服薬歴】
医原性の問題を検討しやすくため,併存症・既往症と独立
して記載
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生まれてから現在に至るまでの,既に確定している疾患の情報.
(4)【その他】
【家族歴】
‣ 同様の症状の近親者だけでなく,
同居家族・キーパーソンも記載
入院の適応や退院の目標を設定する上で重要
【生活歴】
‣ 嗜好品:飲酒・喫煙など
‣ 生活習慣:食事・運動,排泄状況など
‣ 社会歴:職業,交友関係,居住地・家屋など
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O(Objective)に何を書くか
(5)【身体所見】
(6)【検査所見】
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(5)【身体所見】
‣ 全身状態
パッと見の重篤感・ABCの評価
‣ バイタルサイン
意識,体温,脈拍,血圧,呼吸数,SpO2
重症度・病態判断に必須
‣ 全身診察
頭頸部→胸部→腹部→背部→四肢→皮膚など
頭の先からつま先まで網羅
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医療者が,現時点で直接観察した身体診察の結果
※ABC=airway, breathing, circulation
(6)【検査結果】
‣ 検体検査
血液検査(血算・生化学・凝固・血ガス),尿検査など
‣ 生理検査
超音波検査,心電図等
‣ 画像検査
胸部単純X線写真,CT等
※サルも聴診器
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その時点でわかっている検査結果
酸素,ルート,モニター,超音波,心電図,胸部単純X線
(救急外来で困った時はとりあえずこれをやっておく)
ちょっと休憩…
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A(Assessment)に何を書くか
(7)【問題リスト】
‣ プロブレムリストとも
SOAP形式のキモ
(8)【評価・方針】
‣ プロブレムごとに評価,
鑑別診断と方針を記す
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A(Assessment)に何を書くか
【問題リスト】
#1.急性冠症候群,#2.ショック,#3.糖尿病
【評価】
#1.急性冠症候群 (プロブレム名)
多重する心血管リスクを認める患者の,30分以上持続する
胸部絞扼感.心電図異常と心筋逸脱酵素上昇を伴い,急性
冠症候群(ACS)の基準に合致する.(brief summary)
鑑別診断としては心膜心筋炎,たこつぼ型心筋症,心筋以外
からの酵素逸脱が挙げられるが,諸検査の結果からその可能
性は低いと考える.
ACSの評価目的で心臓カテーテル検査は速やかに行うので,
この結果をみて診断を確定し,ACSであれば引き続き治療を
行う。(方針)
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P(Plan)に何を書くか
(9)【計画】
‣ 診断プラン
検査の日時や,いつ・どうなるまで経過観察か記載
‣ 治療プラン
具体的な薬品名や用法・用量も明確に記載
‣ 説明プラン
Informed consentの内容や生活習慣の改善など
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もう少し!
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カルテとは何か?
POS/POMRとは何か?
RIMEモデルとは何か?
SOAP形式とは何か?
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本日の内容
RIMEモデルとは
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Reporter, Interpreter, Manager, Educatorの頭文字を
取ったもの;研修医の発達段階を表す
Level 2
Level 3
Level 1
Top Level
Reporter
(情報を正しく報告できる)
Interpreter
(情報を自分で考えて適切に判断できる)
Manager
(自分で考えた判断に基づいて実際に行動できる)
Educator
(判断や行動原理について他の人に教えられる)
RIMEモデルとは
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Reporter, Interpreter, Manager, Educatorの頭文字を
取ったもの;研修医の発達段階を表す
Reporter
Interpreter
Manager
Educator
情報を正しく報告できる段階.
SOAPのS・Oがしっかり書ける相当する.
情報を自分で考えて適切に判断を下せる段階.
SOAPのAがしっかり書ける段階に相当する.
自分で下した判断に基づいて適切に行動できる段階.
SOAPのPに相当する.いわゆるデキレジ.
自分の判断や行動原理を他の人に教えられる段階.
ここまでできれば超研修医級!?
まずはReporterになる!
‣ 診断推論の根拠となるS・Oをちゃんと把握できて
いないと,どうしてもアセスメントが突飛なもの
になったり,プランも穴だらけになったりしがち
です
‣ 背伸びせず,まずはReporterになってから次に行
きましょう
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Take Home message
‣ 良い医者は良いカルテから!
‣ SOAP形式にトライしよう!
‣ OPQRST/TLQQSFAは覚えよう!
‣ 背伸びせず,まずはReporterになろう!
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参考資料
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カルテは
こう書け!
総合プロブレム
方式
診療録の記載と
プレゼンテーション
のコツ
80ページと薄く読みやすい.
総合プロブレム方式の入門
編のような図書.会話形式,
step by stepで進む.価格も
手頃(2800円+税)
総合プロムレム方式の元祖。
「カルテはこう書け!」では
物足りない人向け.会話形式
が苦手な人はいきなりこちら
でもいいかもしれない.
診療録にまつわる法律や,
S・Oの部分の書き方が書い
てあるのが特徴.プレゼン
テーションについても書い
てあり,侮れない一冊.
参考資料
Name of Quotation’s Author
実は一番参考にしたのはこれ!
参考資料
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質問はありませんか?ご清聴ありがとうございました
よくある質問
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OPQRST/TLQQSFAって何だっけ?
痛みのOPQRST
‣ Onset of the event(発症様式)
‣ Provocation or Palliation(増悪寛解因子)
‣ Quality of the pain(痛みの性状)
‣ Region and Radiation(痛みの場所と放散痛)
‣ Severity(重症度 - 10段階評価など)
‣ Time(時間経過による変化)
バリエーション:PをPosition(場所)とする場合や,
「AAA」を追加し「OPQRST-AAA」とする場合もある
‣ Aggravation/alleviating factors(増悪寛解因子)
‣ Associated symptoms(随伴症状)
‣ Attributions/adaptations(思い当たる原因/症状への対処)
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出典:Wikipedia.com
OPQRST/TLQQSFAって何だっけ?
TLQQSFA
‣ Timing(時間)
‣ Location(部位)
‣ Quality(症状の質)
‣ Quantity(症状の強さ)
‣ Setting(状況)
‣ Factor(寛解増悪因子)
‣ Association(随伴症状)
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出典:名古屋市立大学講義プリント
SとOをどう区別するか
‣ 身体所見も医師の主観を通して観察した所見
「Sは主観的情報,Oは客観的所見」という分類では混乱も
‣ 「誰が,いつとったか」という基準で区別する
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SとOをどう区別するか
‣ S=「患者や家族,前医などの他人」から収集した
「過去から現在に至る」までの「間接的情報」で
「患者や家族の証言,前医の手紙やカルテに記載
された情報」と定義
‣ O=「医師自身や,診察能力を把握している同僚」
が取った,「現時点」で「直接観察した所見」で
「診察時の身体所見と検査所見」と定義
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※前医の身体診察所見や検査結果などは過去のものであり,
その精度も自らは保障できない=「間接的情報」
自分自身のカルテの書き方は?
<S>
【診察日時】
【情報源と信頼性】
【主訴】
【受診理由】
【現病歴】
・時間経過
・症状解析
・ROS
・ナラティブ
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【併存症】
【既往歴】
【服薬歴】
【アレルギー】
【家族歴】
・誰と何人暮らし
【生活歴】
・喫煙,飲酒
(1)
(2)
(3)
(4)
(0)
自分自身のカルテの書き方は?
<O>
【バイタルサイン】
・意識
・体温
・脈拍数と血圧
・呼吸数とSpO2
【身体所見】
・全身状態(表情)
・頭頸部
・胸部
・腹部
・背部
・四肢
・皮膚
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【検体検査】
・血液検査,尿検査
【生理検査】
・心電図,エコー
【画像検査】
・Xp, CT, MRI
(5)
(6)
自分自身のカルテの書き方は?
<A>
【問題リスト】
#1. 正式プロブレム①
#2. 正式プロブレム②
#3. 正式プロブレム③
#a. 暫定プロブレム①
#b. 暫定プロブレム②
#c. 暫定プロブレム③
【評価・方針】
#1.
brief summary
評価とその根拠
大まかな方針
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<P>
【計画】
・いつ
・誰が
・どのように
・何をするのか
具体的に書く
(8)
(9)
自分自身のこだわりポイントは?
‣ 他の人が読めるように書くこと.
(たとえ学生や患者さんでも!)
そのために
‣ 「てにをは」を抜かさない.
‣ 「にて」を連発しない.
‣ 略語や外来語は極力使わない.
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息切れを主訴に受診した75歳男性.
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息切れを主訴に受診した75歳男性.20年前より糖尿病を指摘され,近医で投薬を
受けHbA1c 6%前後で推移していた.2014年12月に血尿を契機に膀胱癌を指摘さ
れ12月18日に膀胱鏡手術を受けた.1日20本×50年喫煙していたが以後禁煙した.
普段からたまに咳が出ていたが放置していた.数年前までは近所のスーパーまで歩
行できたが,労作時息切れが徐々に増悪し,ここ1年は自宅内を動くだけでも息切
れがするようになった.2015年4月1日から39℃の発熱と悪寒が出現,息切れが増
悪し改善しないため4月2日に当院総合内科を受診した.旅行なし,庭仕事なし,
ペット飼育なし,鳥と接触なし.咳嗽あり,喀痰は白色粘稠.鼻汁なし,咽頭痛な
し.夜間呼吸苦なし.内服薬は近医からテネリア錠(20)1T/朝のみ.飲酒なし.ア
レルギー歴なし.身長157cm,体重43kg,やせ型.意識清明,体温37.9℃,脈拍
96回/分,血圧129/67mmHg,呼吸数24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分).結
膜貧血黄染なし,口腔内やや乾燥,頸部リンパ節触知せず.両下肺野でwheezeを
聴取する.心音整,心雑音なし.腹部平坦・軟,圧痛なし.ばち指なし,下腿浮腫
なし.WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万/μL,TP 7.9g/dL,alb
3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,CK 61 IU/L,CRP
10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,157mg/dL,Na
138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.静脈血ガス(room air)
でpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3- 29.0mEq/L.心電図
は洞調律.胸部単純X線写真で両肺の過膨張,滴状心を認め,右下肺野にair
bronchogramを伴う斑状影を認める.喀痰グラム染色で多数のグラム陽性双球菌
を認める.
息切れにて受診した75歳男性.
息切れにて受診した75歳男性.20年前より糖尿病を指摘され,近医にて投薬を受
けHbA1c 6%前後で推移していた.2013年12月に血尿にて膀胱癌を指摘され12月
18日に当院にて膀胱鏡手術を受けた.1日20本×50年喫煙していたが以後禁煙した.
普段からたまに咳が出ていたが放置していた.数年前までは近所のスーパーまで歩
行できたが,労作時息切れが徐々に増悪し,ここ1年は自宅内にて動くだけでも息
切れがするようになった.2015年4月1日から39℃の発熱と悪寒が出現,息切れが
増悪し改善しないため4月2日に当院総合内科を受診した.旅行なし,庭仕事なし,
ペット飼育なし,鳥と接触なし.咳嗽あり,喀痰は白色粘稠.鼻汁なし,咽頭痛な
し.夜間呼吸苦なし.内服薬は近医にてテネリア錠(20)1T/朝のみ.飲酒なし.ア
レルギー歴なし.身長157cm,体重43kg,やせ型.意識清明,体温37.9℃,脈拍
96回/分,血圧129/67mmHg,呼吸数24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分).結
膜貧血黄染なし,口腔内やや乾燥,頸部リンパ節触知せず.両下肺野にてwheeze
を聴取する.心音整,心雑音なし.腹部平坦・軟,圧痛なし.ばち指なし,下腿浮
腫なし.血液検査にてWBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万/μL,TP
7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,CK 61
IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,
157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.静脈
血ガス(room air)でpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3-
29.0mEq/L.心電図は洞調律.胸部単純X線写真にて両肺の過膨張,滴状心を認め,
右下肺野にair bronchogramを伴う斑状影を認める.喀痰グラム染色にて多数のグ
ラム陽性双球菌を認める.
75yo Male, CC: dyspnea
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75yo Male, CC: dyspnea. HPI: 普段からたまにcoughが出ていたが放置.数年前
までは近所まで歩行できたが,dyspneaが徐々に増悪.2015年4月1日から39℃の
feverとchillが出現,dyspneaが増悪し改善しないため4月2日に当科を受診.旅行
(-),庭仕事(-),ペット(-),鳥(-).cough (+),喀痰は白色粘稠.鼻汁(-),咽頭
痛(-).夜間呼吸苦(-).PMH: DM, bladder Ca. Meds: 近医にてテネリア.
喫煙:1日20本×50年,以後禁煙.飲酒(-).アレルギー(-).PE:身長157cm,体
重43kg,やせ型.cons. : alart,BT 37.9℃,HR 96回/分,BP 129/67mmHg,
RR 24回/分,SpO2 93%(NC1L).conj. not anemic, not icteric,口腔内ややdry,
頸部LN触知せず.両下肺野でwheezeを聴取する.No M.腹部s&f,tenderness(-
).ばち指なし,edemaなし.L/D: WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万
/μL,TP 7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,
CK 61 IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,
157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.
Vgas(room air)にてpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3-
29.0mEq/L.ECG: sinus.CXRにて両肺の過膨張,滴状心(+),右下肺野に斑状影
(+) air bronchogram(+).喀痰gram stainにて多数のGPCを認める.
‣ これはこれでかっこいい(?)ですが,
学生さんや患者さんには読めません.
方針(A)と計画(P)はどう違う?
例えると…
‣ 「方針」は上司が「最近仕事も大変だったし,
パーッと飲みに行って気晴らししよう!」という
ような,考え・提案.
‣ 「計画」は,幹事が「4月16日19時から居酒屋
『萬々事々』で,『兼松』の名前で予約」という
ような,参加者全員が共有しないと実行に支障が
出るような具体的な行動目標.
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本当に誰も教えてくれなかったの?
ウソです。
タイトルは野口善令
先生の
「誰も教えてくれな
かった診断学」から
取りました。
読んで損はない名著
です。
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Enjoy everything!
60

誰も教えてくれなかったカルテの書き方

Editor's Notes

  • #41 <S/O>  75歳男性.呼吸苦を主訴に来院.   <A> 発熱と低酸素血症を認める.  肺炎,COPDの急性増悪のほかに心不全,喘息,心筋梗塞,肺塞栓,気胸などが鑑別に上がる.  CURB65で1点(外来治療)A-DROP2点(外来または入院),適切な酸素投与と抗菌薬投与が必要 <P> ・酸素は経鼻酸素2L/分で開始しSpO2 90-94%を目標に漸増する. ・肺炎球菌尿中抗原検査を追加.スパイロメトリーを行う. ・COPDに合併した市中肺炎であり,想定される微生物はS. pneumoniae, H. influenzae, Molaxella, Legionella, S. aureus(まれ) ・SanfordによればLVFX500mg po daily または CTRX 1g div daily + AZM 500mg daily for 3 days