不明熱16. 症例1
40歳男性
「後から出てきてあっという間に」
17. 40歳 男性 発熱 (古典的不明熱)
現病歴
• 入院約1ヶ月前から発熱、腰背部痛を自覚してい
た。
• 尿路感染症が疑われ抗菌薬が投与されたが改善
せず。
• その後、前医で発熱の入院精査が行われたもの
の原因の同定に至らず、約1ヶ月持続する「不明
熱」の精査目的で当院に入院した。
19. 入院時身体所見
T 37.9℃、PR 73、BP 116/73、RR 14、SpO2 98%
身長 176cm、体重 56kg
口腔内所見なし
頸部に血管雑音を聴取しない
心音整・雑音なし、呼吸音清
腹部平坦・軟、自発痛・圧痛なし
神経学的局所所見なし
腫脹・圧痛を有する関節なし
爪に所見なし、爪周囲紅斑なし
腰背部に軽度の鈍痛を認めるが、叩打痛なし
仙腸関節炎を示唆する所見なし
20. 血液検査所見
• WBC 11200 (Neu 81.2, Lym 9.8, Mono 8.1, Eos 0.7), Hb
10.2, Hct 32.3, Plt 333,000
• AST/ALT 16/25, LDH 126, GGT/ALP 82/434
• BUN/Cre 10/0.7
• CRP 12.1, ESR 111mm/hr
• Ferritin 454ng/mL
• RF陰性、ANA 陰性
• MPO-ANCA 1.3未満、PR3-ANCA 31.7 U/mL
• β-Dグルカン 陰性、CMVアンチゲネミア 陰性
• HIV抗体 陰性
その他の特異抗体・抗リン脂質抗体は陰性
甲状腺機能正常、尿一般・沈渣に異常なし
33. 外因性発熱物質 グリア細胞 PGE 体温調節中枢
終末血管器官
Blood Brain Barrier OVLT
マクロファー
ジ
単球
免疫 内因性
外因性発熱物質 線維芽細胞 PGE
活性細胞 発熱物質
筋細胞
35. 古典的不明熱: 定義と分類
• 3週間以上続く
• そのうち数回(several occations)は38.3℃
(101F)を超える
• 3回の外来診療 or 3日間の入院診療で診断
未確定
• 古典的不明熱以外:
– Nosocomial(院内発症)、HIV関連、好中球減尐関連
37. cf. ヒューリスティック
(英: heuristic, 独:
Heuristik)
必ず正しい答えが導けるわけではないが、
ある程度のレベルで正解に近い解を得るこ
とが
出来る方法。
38. なぜ私たちは診断を誤るのか
Diagnostic Errors
Availability heuristic errors
• a clinician has encountered a similar presentation and jumps to the
conclusion that the current diagnosis must be the same as in the
最近診断した、似たような症候を来す診断名に飛びつく
previous case.
Anchoring heuristic errors
• a clinician holds to an initial impression, such as might occur when a
referring physician has provided a diagnosis that is then accepted at
前医の診断を額面通りに受け取る
face value.
Blind obedience to an authority (such as of a resident to an attending
権威への盲従 (blind obedience)
physician) as well as premature closure of the thought process can
prevent the important expansion of a differential diagnosis.
鑑別診断を考えるのをすぐにやめてしまう (premature
close)
MKSAP 15
40. 鑑別診断の項序
• Common manifestations of common disease
• Uncommon manifestations of common disease
• Common manifestations of uncommon disease
• Uncommon manifestations of uncommon disease
リウマチ性疾患・膠原病の
頻度的に このあたり?
41. いつも難しいこと
“Potentially Diagnostic Clues” (PDCs)が後から出て
くる
• 結核の肺野粟粒陰影が後から出てくる
あるいは「見えているのに見えない」
• リンパ腫なのにリンパ節生検が空振った
• 小さな深部膿瘍がCTに映らない
“Potentially Diagnostic Clues” (PDCs)だと思ったも
のが、Diagnosticではない
47. 成人スティル病分類基準
大頄目
① 39℃以上1週間以上続く発熱
② 2週間以上続く関節症状
③ 定型的皮疹
④ 80%以上の好中球増加を伴う白血球増加 (>1 万)
小頄目
① 咽頭痛
② リンパ節腫脹あるいは脾腫
③ 肝機能異常
④ リウマトイド因子陰性および抗核抗体陰性
• 大頄目2頄目以上を含む総頄目数5頄目以上あれば成人スティル病と分類できる。
除外頄目
① 感染症 (特に敗血症,伝染性単核球症)
② 悪性腫瘍 (特に悪性リンパ腫)
③ 膠原病 (特に結節性多発動脈炎,悪性関節リウマチ)
(Yamaguchi M,et al: J Rheumatol 19 :424,1992)
49. 「血液検査で診断できない」不明
熱
• 血管炎 • サルコイドーシス
– 結節性多発動脈炎 • 再発性多発軟骨炎
– 高安動脈炎 • Behçet病
– 巨細胞性動脈炎
• 周期性発熱症候群
– (早期)ANCA関連血管炎
• 炎症性腸疾患
• リウマチ性多発筋痛
症
• 成人発症Still病
六反田諒 et al. 「不明熱の鑑別」 リウマチ科 2012: 47(3); 215-222より改変・
引用
51. 症例2
60歳男性
「猿も小蓑をほしげ也」
52. 60歳男性
• X-1年11月中旬より感冒症状あり。
• 12月4日両側の難聴の悪化を自覚し、翌5日に頭痛が出現した。
• 近医耳鼻科で両側中耳炎と診断され、抗菌薬を内服したが頭痛改善
を認めず。
• 某大学病院を紹介受診し、12月18日精査目的で入院したが診断に至
らず、発熱・難聴とも自然軽快した。この時 抗核抗体陽性(40
倍)、抗カルジオリピン抗体陽性を指摘された。
• 頭痛が側頭部であったため、側頭動脈生検が予定されていたが、軽
快したため施行されていない。髄液異常所見なし。
• また、入院中に抗菌薬が投与されたが、発熱には影響しなかった。
• X年1月17日 退院したが、1月31日 発熱が再度出現した。
• 2月7日 当院感染症内科を紹介受診し、同年2月9日 不明熱の精査目
的で入院した。
53. 感染症内科での精査
• 血液培養 4セット陰性、経食道心エコー:vegetationなし
• 腰椎穿刺再検:髄液異常所見なし(抗酸菌培養・Tb-PCR陰性)
• 大血管MRI:大動脈の炎症所見なし
• 眼科:異常所見なし
• TSH上昇あり→levothyroxineによる治療開始(発熱に影響せず)
• 自己抗体検査:β2GPI依存性抗カルジオリピン抗体陽性、その他抗
核抗体を含む自己抗体は陰性、ACE低値
• 頚胸腹骨盤造影CT:縦隔を中心としたリンパ節腫大、両腎の不均一
な造影(右腎背側の一部は楔状の低濃度域→腎梗塞疑い)
• 入院時、全身のリンパ節腫脹を認め、FDG-PETで横隔膜上下のリン
パ節・脾臓への集積が認められた。
• 2月19日 左鼠径リンパ節生検、4月2日 左腋窩リンパ節生検が施行さ
れた
→ 明らかなリンパ腫やEBV関連リンパ増殖性疾患の所見なし
鼠径リンパ節にはEBER-ISH陽性細胞が散在。
EBV serologyは既感染パターン。
• 骨髄生検でも軽度のHypercellularity以外の異常なし。
54. 血液内科での精査
• 退院後、2週間程度のサイクルにて38℃以上の発熱とCRPの上昇をみと
め、7月24日の採血にてCRP 21.09mg/dlとなったため、精査のため7月
30日血液内科に入院した。
• 入院後8月4日より、38℃を超える発熱が認められた。
• 入院時を含め、血液培養を複数回施行したがすべて陰性。
• 血中IL-6計測したところ46.8pg/mLと高値。
• 8月9日に解熱したが、再度8月20日より38℃を超える発熱が認められた
• 以前のリンパ節生検組織を用いて免疫グロブリンH鎖JH再構成、T細胞
レセプターγ鎖Jγ再構成を検査したが、再構成は認められなかった。
• 8月27日の造影CTで脾腫が新出しており、腹部MRI(SPIOダイナミッ
ク)で「真菌によるmicroabscessに最も像が近く、他に悪性リンパ腫の
浸潤・髄外造血の可能性がある(放射線科reading)」とされた。
• 8月23日に測定したカンジダ゙抗原(+)〔抗原価 2〕であったため、「真
菌感染による脾膿瘍の疑い」でイトリゾール液の内服が開始された。
57. 発熱のパターン Acetoaminophen
内服
有熱期
有熱期が2週間ほど持続し、無熱期になる
59. 身体所見
<General Status and Vital Signs>
Height 166.7cm, Weight 53.6kg, T 36.7℃, BP 136/66mmHg, PR
72bpm reg, SpO2 98%(室内気), RR 14/min, cons: alert
<頭頚部> 所見なし
<胸腹部> 心音整・雑音なし、呼吸音清、腹部平坦・軟、圧痛惹起され
ず、肝・脾・腎触知せず
<リンパ節> jugular: not swollen /supraclavicular(+:右鎖骨上リン
パ節1.5cm )/axillary(+; 両側腋窩リンパ節1cm程度)/inguinal(+:
右鼠径リンパ節1cm程度2個) いずれも弾性硬、可動性良好・圧痛なし
<血管> 側頭動脈の拍動触知良好・圧痛なし
<四肢> 下肢に軽度のpitting edema (+)
<神経> 脳神経異常なし、運動・感覚の局在所見なし
<関節・皮膚> 爪周囲紅斑・梗塞なし、手掌紅斑なし、紫斑なし
腫脹・圧痛を有する関節なし
左前胸部に痂皮化したφ7mm程度の皮疹あり
60. 転科時検査所見
<CBC>
WBC 14700/μl↑(Stab 1.0%, Seg 68.0%, Eos 3.0%, Baso 1.0%, Mono
5.0%, Lym 22.0%), RBC 314×万/μl↓, MCV 90.0fl, Hgb 9.1g/dl↓, Hct
28.3%↓, Plt 36.0×万/μl, Reti 1.1%
<Coagulation>
PT % 61.2%↓, PT-INR 1.39, APTT 35.5秒, Fibrinogen 544mg/dl↑
D-dimer 2.8μg/ml↑
<Chemistry>
ALB 2.9g/dL↓, LDH 174IU/L, AST 18IU/L, ALT 18IU/L, γ-GTP 33IU/L, ALP
198IU/L, T.B 0.5mg/dL, Ca 7.9mg/dL↓, iP 2.6mg/dL, BUN 12.1mg/dL, Cre
1.11mg/dL↑, Na 139mEq/L, K 3.5mEq/L, Cl 103mEq/L, U.A 6.7mg/dL, CK
26IU/L↓, Fe 25μg/dL↓
<Serological test>
RF 20IU/mL以下, 抗核抗体 陰性, 抗SS-A抗体 陰性, ANCA 陰性, ACE 9.0IU/L,
IgA 45mg/dL↑, IgG 2159mg/dl↑, IgM 43mg/dl, CRP 7.55mg/dl↑, ESR 116mm↑,
BNP 983.6pg/ml↑, Glu 95mg/dl, Hb-A1c 5.5%, sIL-2R 4362U/mL
β2GPI依存性抗カルジオリピン抗体 12.1U/mL↑
<Infection>
RPR/TPHA (-), HBs-Ag (-), HCV-Ab (-), HIV-Ab (-)〔過去6ヶ月で複数回陰性〕
β-Dグルカン 2.0pg/ml (↓以下)
<U/A>
SG 1.010, PH 6.0, Prot (-), Glu (-), Ket (-), OB (-), Uro (+-), BIL (-), Nit
(-), WBC (-), Sedimentation: WNL
61. Keyとなる検査・画像所見の詳細(1)
病理報告: 8 x 10 x 8mm大のリンパ節(左鼠径)
リンパ濾胞は散在性に観察されるが胚中心は小型で萎縮調である.
濾胞間は拡大し小型リンパ球または組織球によって構成されている.一部の
組織球はメラニンを貪食している.
上記所見からは皮膚病性リンパ節炎が背景にあるリンパ節と考えられる.
免疫染色にて濾胞間の細胞を見ると,
● CD3陽性細胞に軽度の大小不同と核異型がある
(反応性でも観察される程度か?)
● EBER-ISH陽性細胞が僅かであるが散在性に観察される.
上記所見をあわせると,以下等の可能性を考えます.他の部位を再生検し,
総合的に判断する必要があると考えます.
1) EBV-LPDが全身に広がっている.
a) 他のリンパ節腫脹の部位も同様の像の可能性.
b) 他の部位はリンパ腫と確定できる像が観察されるが,今回の鼠径リンパ節
は僅かにinvolveされているのみである可能性.
2) 病変の本体は他の部位にあり,今回の鼠径リンパ節は2次的な変化であり
EBVに感染した細胞が反応性に腫大したリンパ節に観察される可能性.
63. Keyとなる検査・画像所見の詳細(3)
腹部単純・造影MRI、SPIOダイナミック
解釈の難しい所見でした。
悪性リンパ腫の脾浸潤だけでなく、真菌性膿瘍や髄外造血などの可能性もある
と思います。画像のみからは真菌性膿瘍を第一に疑いますが、臨床像はいかが
でしょうか?
所見
脾腫は認めませんが、脾実質にはT2WI高信号、T1WIで脾実質よりわずかに高信
号を示し、拡散の制限された無数の数mm大の結節を認めます。結節のみられ
ない部位にhemosiderin沈着を認め、脾周囲には腹水を認めます。SPIO投与後病
変はよりよく描出されています。Dynamic studyでは漸増型の淡い増強効果を示
します。カンジダなどの真菌によるmicroabscessは像が近いです。悪性リンパ腫
にしてはT2WIの信号が高く、周囲の腹水も説明しにくい。結核、サルコイドー
シスとしてはT2WIの信号があわない。脾の髄外造血は、T2WIの信号や鉄沈着は
合うが、周囲の腹水は説明しにくい。
右腎上極背側に指摘されている病変は、腎盂側に細長い先端を向ける涙滴状の
14x9mm大で、水に近い信号を示します。充実成分が明らかではなく、拡散制
限もなくpartial volume effectの反映された腎嚢胞を疑います。
左腎上極の病変は10mm大の平滑なnodeで、内部が水の信号を示し、充実成分
が明らかでなく嚢胞と思われます。
腹腔動脈リンパ節・傍大動脈リンパ節がめだちますが、有意な腫大ではありま
せん。
肝・胆・膵・両側副腎に異常を認めません。
69. さるコイドーシス
猿 初
も し
小 ぐ
蓑 れ
を
ほ みのサイクリン
し
げ
也
芭
蕉
72. 症例: 75歳男性
【現病歴】
• 2010年11月 排尿時の切迫感を主訴にA病院受診。
• Tamsulosin(ハルナール®)処方され、すぐに軽快したが、そ
の後PSAの上昇あり。
• B病院で前立腺MRI施行され、異常は指摘されなかったが、
PSAの上昇傾向が遷延するため、2011年5月 C病院を紹介受診
した。
• 前立腺生検でGleasonスコア 4+5
→ Stage 3の前立腺癌と診断された。
• 放射線化学療法の目的で2011年11月 当院泌尿器科を紹介受
診した。
73. 症例: 75歳男性
【現病歴】
• 10月31日~ Goserelin(LH-RHアナログ: ゾラデックス®) 3.6mg/4
週ごとの皮下注射, Bicalutamide(抗アンドロゲン薬: カソデック
ス®)が開始された。
• 12月初旬から「全身の倦怠感・脱力」を自覚。
– 筋力トレーニング中に以前ほどの負荷で行えなくなった。
• 12月10日過ぎから37℃後半~38℃の体温上昇が出現し、下腻浮腫が
目立つようになった。
• 12月27日 泌尿器科の予約外来を受診。
– CRPの上昇、肝逸脱酵素の上昇を指摘され、細菌感染症の疑いで緊急入院し
た。
• 抗菌薬投与でも検査異常は改善せず、熱源不明の発熱精査目的で
2012年1月5日 内科に転科した。
74. 症例: 75歳男性
システムレビュー
《陽性所見》
• 睾丸痛(+) :持続時間は数秒、入院前から自覚してお
り、入院後も2回ほど痛みを感じた。
• 食欲低下、体重減尐(+): 1ヶ月で2kg
《陰性所見》
• 頭痛なし、咳嗽なし、呼吸困難感なし、腹痛症なし
• 吐き気・嘔吐なし、下痢・便秘なし
• 口腔内アフタなし、皮疹なし、日光過敏なし、脱毛な
し
75. 【既往歴】 特記すべき既往なし
【家族歴】 リウマチ性疾患・膠原病の既往歴な
し
【アレルギー歴】 薬剤・食事とも指摘された事はない
【生活歴】 喫煙:35歳時に卒煙、飲酒:機会飲
酒
職業:健康食品の販売業
最近の国内/海外旅行歴 2011年2月 カリブ海クルー
ズ
ペット飼育歴/曝露歴 なし
野山のトレッキング歴 なし
被爆者: 小学校 4年生の時 長崎(長与)で被爆
【入院時処方】
(カソデックス → 入院後に中止)
76. 【入院時身体所見】
身長 168cm, 体重 69kg
Temp 38.1℃, PR 108/min, BP 115/60mmHg,
RR 16/min, SpO2 97% with ambient air
頭皮の異常なし・圧痛なし、側頭動脈は両側で良好に触知
瞳孔正円同大・対光反射正常
鼻翼・耳介の変形なし
頸部血管雑音聴取せず
心音整・雑音なし、呼吸音清
腹部平坦・軟、圧痛なし、自発痛なし
脊椎棘突起の叩打痛なし、CVA tendernessなし
精巣の圧痛・腫脹なし
下腻浮腫(+): 腓腹筋に圧痛あり
神経学的所見: 脳神経 Ⅱ~Ⅻ 異常なし
両側近位筋の筋力低下(MMT 4/5程度)を認める
末梢神経障害を疑わせる感覚・運動障害なし
77. 【入院時検査所見】
〔血算〕 〔生化学〕
WBC 13,500/μL TP 3.5 g/dL ↓ CRP 15.1 mg/dL ↑
Neu 83.9% Alb 2.0 g/dL ↓ IgG 1192 mg/dL
Lym 8.5% T.Bil 1.2 mg/dL IgA 242 mg/dL
Mono 5% ALP 251 IU/L IgM 70 mg/dL
Eos 2.3% AST 136 IU/L ↑ CH50 34.9 IU/mL
Baso 0.3% ALT 151 IU/L ↑ C3 98 mg/dL
Hb 10.6 g/dL LDH 212 IU/L C4 18 mg/dL
Ht 31.2% CK 37 IU/L RF 33 IU/mL
Plt 31.4×104/μL Na 134 mEq/L 抗核抗体 40 (H)
K 3.9 mEq/L SS-A 陰性
〔凝固〕 Cl 99 mEq/L MPO-ANCA 227 EU
PT 14.7 sec BUN 11.7mg/dL PR3-ANCA 10未満
PT-INR 1.29 Cre 0.6 mg/dL
APTT 32.5 sec Ferritin 556 ng/mL HBsAg/HBcAb 陰性
HCV-Ab 陰性
Fib 377 mg/dL 〔尿所見〕
D-dimer 11.3μg/dL Prot/Glu/OB (-)
異常沈渣を認めない
81. Instant poll
診断: ANCA関連血管炎
(顕微鏡的多発血管炎)
主な障害臓器: 筋肉
• 罹患臓器の組織も採取したので
ステロイドによる加療を開始してよい
か?
87. 臨床経過
• 筋生検翌日の1月17~19日 メチルプレドニゾロン
1000mg/日 によるステロイドパルスを施行
• パルス終了翌日の1月20日 早朝~
冷汗を伴う胸部苦悶感・呼吸苦が出現
• 肺血栓塞栓症疑いのため、造影CTへの搬送途中に
心肺停止
→ 救急外来で蘇生され、心拍は再開した。
• 造影CTで管腔外・腹腔内に出血を認め、
緊急血管造影が施行された。
91. 臨床経過
• 蘇生翌日の1月21日 頭部MRIからの帰室中にエレ
ベーター内で再度の心肺停止。
• 心室頻拍・心室粗動(VT/Vf)を繰り返し、蘇生を
行いつつPCPS挿入。
• しかしFlowが取れなくなり、濃厚赤血球 12単位・
FFP 6単位を投与したが反応なし。
• ヘモグロビン値は2.0g/dLまで低下した。
• その後の蘇生努力に反応せず、同日ご永眠され
た。
97. "Internists know everything and do nothing;
Surgeons know nothing and do everything;
Psychiatrists know nothing and do nothing;
Pathologists know everything and do everything
but it's too late."
98. 血管炎の分類
結節性多発動脈炎
中~小血管炎
中血管炎: 結節性多発動脈炎・川崎病 細動静脈・毛細血管は侵さない
顕微鏡的多発血管炎
細血管炎
大血管炎: 高安動脈炎・巨細胞性動脈炎 (Capillaries/Venules/Arterioles)
中~小血管炎も”may be present”
Goodpasture症候群
特発性皮膚白血球破砕性血管炎
Henoch-Schonlein紫斑病・クリオグロブリン血症
顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症
Arthritis Rheum
(Wegener)・好酸球性肉芽腫性多発血管炎
1994: 37(2); 187-192
(CSS)
99. ANCA関連血管炎としての症状
Serra et al. Savage et al. D’Agati et al. Adu et al. Guillevin et al.
(n=53, 1984) (n=34, 1985) (n=20, 1986) (n=43, 1987) (n=85, 1999)
全身症状
(発熱、筋痛、 79 76 73
関節痛)
高血圧症 26 29 35 21 34
腎 100 100 100 100 79
皮膚 60 35 53 62
肺 55 55 34 25
消化管 51 56 30
耳・鼻・咽 30 20
喉
目 30
末梢神経 19 18 15 14 58
中枢神経 15 18 40 0 12
心臓 15 9
Ball and Bridges Jr. “Vasculitis” 2nd ed. OXFORD 2008より改変・引用
100. ANCA関連血管炎で腹腔内出血を来した症例
年齢 性別 診断名 自己抗体 出血源 転帰
61 男 GPA(W) PR3-ANCA 脾臓(被膜) 回復
51 男 HSP - 出血性膵炎 死亡
56 男 GPA(W) PR3-ANCA 左胃動脈 死亡
55 男 GPA(W) PR3-ANCA 肝動脈 死亡
69 男 MPA MPO-ANCA 胃十二指腸動脈・脾動 死亡
脈
78 女 ?GPA(W) MPO-ANCA 胃粘膜下動脈瘤 死亡
58 女 ?AAV PR3-ANCA 腸間膜動脈・中結腸動 死亡
脈
77 女 E-GPA MPO-ANCA ? 回復
61 女 GPA(W) PR3-ANCA 上膵十二指腸動脈・ 回復
胃十二指腸動脈
70 女 MPA MPO-ANCA 左胃動脈 死亡
75 男 MPA MPO-ANCA 左胃動脈 死亡
Clin Exp Nephrol 2009: 13; 512-7より改変・引用
102. 検査閾値と治療閾値
検査閾値 治療閾値
Pretest Probability
0 1.0
検査も治療もしな 検査して、結果によっ 検査の結果を待たず
い て治療する に治療する
104. 1990年アメリカリウマチ学会(ACR)
結節性多発動脈炎 分類基準
1. 体重減尐(4kg以上)
2. 網状皮斑(Livedo reticularis)
3. 睾丸痛(自発痛もしくは圧痛)
4. 筋肉痛・筋力低下・多神経炎
5. 単神経炎、多発性単神経炎もしくは多神経炎
6. 拡張期血圧 90mmHg以上
7. BUN 40mg/dL以上、もしくはCreatinine 1.5mg/dL
以上
8. HBs抗原もしくはHBs抗体陽性
9. 動脈造影所見の異常
10. 小~中血管の生検で顆粒球(もしくは顆粒球+
単核球)の血管壁への集簇
105. 1990年アメリカリウマチ学会(ACR)
結節性多発動脈炎 分類基準
• 感度 82.2%, 特異度 86.6%で結節性多発動脈
炎と分類される。
• しかし、Positive Predictive Valueは17-29%
(Rao JK et al. Ann Intern Med 1998: 129; 345-
52)
108. 中~大血管炎の画像評価
• DSA(いわゆる「アンギオ」)
– 侵襲(++)
– 血管内腔しか評価できない
• CT angiography
– DSAより太いレベルの血管まで
– 造影要:腎機能低下患者では困難
– 血管の石灰化が著しい患者では評価困難
• MR angiography
– 時間がかかる
– 空間分解能はCTAにわずかに务る
110. —42-year-old man with fever, myalgia, arthralgia, and peripheral neuropathy.
Jee K N et al. AJR 2000;174:1675-1679
©2000 by American Roentgen Ray Society
112. 29歳女性 微熱・膝関節腫脹
• 外来で引き継いだ患者
• 前担当医からの引継ぎ:
「微熱を伴う線維筋痛症」
「ときどき膝関節が腫れます」
「炎症反応は陰性です」
• 患者の全身状態は良好(に見える)
「熱の原因はわかんなくても大丈夫!」
内服薬: プレドニゾロン 8 mg/day、アナフ
ラニール、
113. 生活歴:
旅行歴・職業歴(医療事務)・食事・嗜好に特記事頄なし
身体所見:
眼瞼結膜・眼球結膜・口腔粘膜 intact
頚部所見なし、胸部聴診異常なし、腹部所見なし
手・爪・爪周囲に異常なし
両膝関節がわずかに腫脹
(勤務先の病院で時々ヒアルロン酸関節注射を施行されて
いる)
Fibromyalgiaの圧痛点:12/18で陽性
検査所見:
血算、電解質、肝酵素、胆道系酵素、腎機能、CRP、ESR:
すべて正常範囲内
尿所見(沈渣を含めて)複数回異常なし、便潜血陰性×3
RFその他自己抗体陰性
胸部・腹部X線写真: 特記すべき異常なし
115. Familial Mediterranean Feverとして…
• Ethnicity:High prevalenceとは言い難い。
• Family History:
患者母親が「原因不明の腹痛」を時々起こしていた。
父親が「原因不明」の腎不全(透析中)
• Attack:Typicalとは言い難い。
(Attack and remissionではなく、「毎日」腹痛)
Serositis(腹水)を過去に指摘された?
Colchicineに対する反応を見てみること
に。
119. • FMF典型例では、発熱発作、漿膜炎発作が半日~3日以内のことが多
い。
• 非定型FMF症例では、発熱期間が典型例と異なり、数時間以内で
あったり、4日以上持続したり、38℃以上の発熱がみられない(微
熱)こともある。また、漿膜炎発作が典型的でなく(限局してい
る、激しい腹痛はなく腹膜刺激症状を伴わない)、関節痛、筋肉痛
などの非特異的症状がみられることがある。また関節炎は下肢に加
え、上肢にも認める。
• これら病像を呈する症例は非定型FMF(FMF variant)である可能性
があり、MEFV遺伝子解析が診断の補助となる 。
• FMF variantでは、MEFV遺伝子 exon10の変異は尐なくexon1 (E84K) 、
exon2 (E148Q、L110P-E148Q、R202Q, G304R)、exon3 (P369S-
R408Q) 、exon5 (S503C)の変異を伴っていることが多い。
• またFMF variantにおいてもコルヒチン投与により症例の改善を認め
ることが多く、診断的治療を兹ねてコルヒチン投与が望まれる。
http://www.nmc-research.jp/fmf/fmf2011.pdf
121. Colchicine: Mechanism of Action
• 好中球に作用
– 微小管重合阻害
– 内皮細胞への付着抑制
– 遊走阻止
• MΦに作用
– TNF合成阻害
– TNFαR↓
• COX-2/Prostanoid↓
124. • 《関節炎》 6: In most patients with
BD, arthritis can be managed with
colchicine
• 《皮膚症状》 9: Colchicine should be
preferred when the dominant lesion is
erythema nodosum
125. 37歳 女性 ベーチェット病
• 神経ベーチェット病(Acute attack)
– ステロイド大量療法で急性期病変は改善
• その後、退院間近より38℃を超える発熱
– 炎症反応(ESR, CRP)は陰性
– 神経ベーチェット病に伴う高体温症?
127. “Empirical Tx of FUO”
1. antibiotics for culture-negative endocarditis
2. low-dose corticosteroids for presumed
temporal arteritis
3. antituberculous drugs for suspected military
tuberculosis in elderly patients
4. Naproxen for suspected neoplastic fever.
• ? Colchicine for suspected FMF
130. 29歳 男性
【主訴】 発熱・発疹
【現病歴】
9月27日 発熱・咽頭痛・全身倦怠感が出現。
10月1日 前医を受診し、白血球減尐を指摘された。
10月4日より淡い皮疹が顔面に出現
10月9日 皮疹が急速に全身に拡大した。
10月12日 当院感染症科外来を受診、麻疹の診断で入院し
た。
【既往歴】
特記すべきことなし
132. 入院時検査所見 〔生化学〕
TP TChol 132 mg/dL
(1) 6.8g/dL TG 217
Alb 3.7 mg/dL
〔血算〕 〔凝固〕 g/dL
WBC 3,700/ ㎕ PT 15.4 Na 135 mEq/L 〔尿検査〕 肝機能異常
Meta 4.0 % sec K 4.2 mEq/L 比重 1.021
Stab 43.0 % PT% Cl 98 mEq/L pH 6.0
66% 蛋白 3+
Seg 26.0 % Cre 1.6
Lymph 22.0 % PT-INR 1.22
白血球低値 mg/dL 顆粒円柱 10-
BUN 15 mg/dL 99/HPF
A-Ly 5.0 % APTT 50.5
(前医 10/6の採血 sec AST 682 U/L 〔胸部X線写真〕
で Fib 363 ALT 269 U/L 特記すべき異常な
WBC 2,600/ ㎕ LDH 3,578 U/L し
mg/dL 〔ECG〕
Neu 1,600/ T-Bil 2.2
㎕ ) mg/dL HR 102 整
ALP 1,690 U/L 特記すべき異常な
し
RBC 540×104/㎕ CRP高値 Amy 150 U/L 〔腹部超音波検査〕
Hb 15.8 GGT 699 U/L 軽度の脾腫あり
g/dL CK 118 U/L
Ht UA 5.0
133. 入院時検査所見 〈感染症〉
麻疹IgM(EIA) (-)
(2) 0.3
麻疹IgG(EIA) (+)
〈免疫〉 107.0
RF 12 U/mL未 風疹IgM(EIA) (-)
満 0.8
抗核抗体 (-) 風疹IgM(EIA) (+)
MPO-ANCA 1.3 U/mL未満 35.7
PR3-ANCA 1.3 U/mL未満 EBV
CH50 23.9 U/mL 抗VCA-IgG 160
フェリチン
C3 114 mg/dL 抗VCA-IgM 10以下
めちゃくちゃ高い
C4 48.4 mg/dL CMV-IgG(EIA) (+)
IgG 978 mg/dL 38.6
IgA 243 mg/dL CMV-IgM(EIA)
〈血清中サイトカイ (-)
IgM 110 mg/dL 0.7
ン〉
HIV-抗体 185,684
M-CSF 陰性
〈生化学 2〉 血液培養
pg/mL 陰性×2
可溶性IL-2R 4,222 IL-18 2,144
U/mL pg/mL
フェリチン 86,892 IFN-γ 42.8
ng/mL IU/mL IL-12は測定感度以下
IL-2,
134. 経過表
白血球数 (/
フェリチン (ng/ mPSL pulse ㎕) 血小板数(/㎕)
㎕) IVIg
100000 14000
LDH (U/L)
Ibuprofen
90000
Loxoprofen 12000
80000
30万
70000 10000 10
白血球数
60000 8000
血小板数
50000 20万
6000
40000
5
30000 フェリチ 4000
10万
ン
20000
LDH 2000
10000 CRP
0 0 0 0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 CRP
(病 (mg/dL)
日)
全身倦怠感
139. 鞍鼻 Saddle Nose
“All that presents with saddle nose is not Wegener’s.”
GPA(W)
再発性多発軟骨炎
先天性梅每
Nasal NK/T cell Lymphoma
Cocaine-induced Midline
Destructive Lesion
Leprosy
Ball GV “Vasculitis 2nd ed “ OXFORD
140. 発熱・塞栓症状
Am J Med Sci 2009;338(2):161–163.
141. Wegener 顕微鏡的 特発性 Churg-Strauss
肉芽腫症 多発血管炎 RPGN 症候群
145. FDG-PET in FUO
• 感染性心内膜炎、骨・軟部組織感染症(慢性骨髄
炎など)、大血管炎、サルコイドーシス、亜急性
甲状腺炎、急性骨髄性白血病などについて尐数例
の報告あり。
• いずれもPETスキャンのみ: PET-CTでは更に診断
確度が上昇?
• 血沈やCRPが正常なときには有用でないという報
告、正常なときにも有用という報告、いずれもあ
り。
• 早期に使用すればcost-effectiveか。 2012: 7: 181-189
PET Clin
150. RA患者における感染症診断は難しい
CRPが20mg/dlで微熱が続いている
活動性の高いRA? TCZ投与中に微熱,CRP正常
感染の合併? 感染がマスクされている?
CRP上昇
「原病の悪化」と「感染症合
併」を
発熱
区別できるマーカーはない
TKA術後2週間でCRP上昇
術後感染?
原病の治療中断による増悪? か? 人工関節の入った関節に
発赤, 熱感, CRP↑
感染か? 磨耗?
151. Procalcitonin (PCT)
・116アミノ酸よなる分子量役13kDaのペプチド
・正常では、calcitoninの前駆蛋白として、
甲状腺C細胞において産生される
・骨吸収を抑制
・細菌、寄生虫、真菌による重症感染時に、
その菌体や每素の作用により産生される
炎症性サイトカインの刺激により、肺、腎、肝、
脂肪細胞、筋肉などの全身臓器でPCTが
産生され、血中に分泌される。
・ウイルス感染では増加しにくい。
・小手術、人工置換術などでは増加しにくい。
・phlegmoneなどの局所感染では増加しにくい。
・2006年2月1日に保険収載された。
・適応は、敗血症(細菌性)を疑う患者。
・エンドトキシン定量検査を併せて実施した場合は、
主たるもののみ算定。
152. PCTによる細菌感染と炎症性疾患の鑑別
炎症性疾患患者 : 60人
細菌/真菌感染患者: 113人
細菌/真菌感染の検出
sensitivity: 65%
specificity: 96%
感度が低い!!
PCTはWegener肉芽腫症,
AOSD, 川崎病での上昇が
報告されている。
(Ann Rheum Dis 2003;62:337-40)
153. 新生児の感染症検出に
好中球上CD64が有用
Sepsisを疑う新生児 : 338人
感染の検出
うち実際の感染者 : 115人
sensitivity: 96%
NPV: 97%
(Pediatr Res. 2004;56:796-803)
感度が高い!!
NPVが高い!!
155. CD64 (Fcγ receptor I)とは?
機能 : 抗体依存性細胞障害
免疫複合体のクリアランス
IgGが付着した病原体の貪食
いつも発現:
単球 / マクロファージ、好酸球
以下の刺激によって好中球上に発現 :
microbial wall components (ex.LPS)
complement split products
cytokines (IFN-γ, G-CSF)
だいたい刺激から4-6時間でUpregulateされる
156. 各種感染時の好中球上CD64発現
・細菌感染
Clin Exp Immunol 1997;107:37-43
Pediatr Res 1999;45:871-6
Pediatr Res 2002;51:296-303
Pediatr Allergy Immunol 2002;13:319-27
種々の感染症を検出しう
・ウイルス感染
る!!
Clin Exp Immunol 1997;107:37-43
・結核感染
Clin Immunol 2001;100:87-95
163. M-CSF (pg/mL)
成人Still病の診断
に有用?
IL-18 (pg/mL)
J Rheumatol 2010;37;967-973
166. • 家族性地中海熱(Familial Mediterranean Fever:FMF)
• Mevalonate Kinase欠損症
– 古典的高IgD症候群(Hyper-Immunoglobulin D Syndrome:HIDS)*
– Mevalonic aciduria*
– Variant HIDS
• TNF受容体関連周期性発熱症候群(Tumor Necrosis Factor
Receptor-Associated Periodic Syndrome:TRAPS)
• Cryopyrin病
– 家族性寒冷自己炎症症候群 Familial Cold Autoinflammatory Syndrome*
– Muckle-Wells症候群
– Chronic Infantile Neurologic Cutaneous and Articular Syndrome:CINCA*
*を付した疾患の典型的発症年齢は1歳以
下、それ以外の疾患も多くは20歳以下で発
症
167. • PFAPA症候群(periodic fever, aphtous
stomatitis, pharyngitis, and adenitis
syndrome)
• PAPA(pyogenic arthritis with pyoderma
gangrenosum and acne)症候群
168. Figure 2 Patterns of fever seen in recurrent febrile syndromes
Simon A, Van der Meer JWM, Drenth JPH Familial Autoinflammatory Syndromes
in “Kelley’s Textbook of Rheumatology, 8th edition.” Chapter 113, 1863-1882.
173. "HE WHO KNOWS SYPHILIS,
KNOWS MEDICINE."
Sir William Osler
“THE PERSON WHO KNOWS FEVER,
KNOWS MEDICINE."
Sir William Osler in the 21st Century