2016年度経営分析論Ⅰの第1回講義のスライドです。

1. 経営分析論1①
ガイダンス：経営分析を学ぶ意義

2. 講義目的
• シラバス
本講義は，企業の1年間の経営成績を表す財務諸表
（貸借対照表・損益計算書・キャッシュ・フロー計算書）を
中心とした会計情報を読み解くことを通じて，
企業の良し悪しを判断するための基礎的な方法を学習することを
目的とします。
そのため，講義は2回あるいは3回で1つのテーマを取り上げます。
初めの1回で会計情報を用いて経営分析するための計算式への理解，
次の1回ないし2回でケーススタディやVTRを通じて計算式から企業経営
の仕組みをどう読み取ることができるのかについて講義します。
これにより，企業経営の良し悪しを判断するための基本的な方法を
学びます。

3. • 基本的には財務諸表の読み方を学ぶ。
→簿記や会計学の講義は財務諸表作成のための手続きや
ルールを学ぶ。
• 実際の企業活動と関連付けながら，財務諸表を読むポイントを
学ぶ。
→会計数値は企業活動を貨幣的価値に集約している。
どんな講義をするのか？
☞ どのような企業活動が行われているかを財務諸表と
その他の情報と突き合わせながら理解していく。

4. • 自分が抱く企業への「イメージ」だけで判断しない。
→企業の良し悪しの判断を下す第一歩は
利益を出せているかどうか？
• なぜ利益を出せているかどうかが重要なのか？
→企業は企業活動を行う中でさまざまな利害関係者に
便益をもたらしている。
• その企業はどのようなビジネスモデルを持っているのか？
→その利益はどのような仕組みから得られているのか？
• 利益＝売上 − 費用
→利益はモノを仕入れ，あるいは加工して販売すること
によって得られる。
どんな講義をするのか？

5. どんな講義をするのか？
• ケーススタディ：企業業績とイメージは一致していますか？
下の2つの地図はコーヒーショップを営む2社の天神から博多駅に
かけての店舗展開図です。A社とB社はなんという企業でしょうか？
両社の店舗展開の特徴を考えてみましょう。
A社 B社

6. どんな講義をするのか？
勘定科目の意味
売上高 製品・商品をどれだけ販売したか
売上原価 販売された製品・商品の生産・仕入にかかった費用
売上総利益 粗利益：モノを作って（仕入れて）販売した差額
販売費及び一般管理費 製品・商品の販売，生産などに必要な広告宣伝，施設費用などの費用
営業利益 本業でのもうけ：ある企業の本業で得た利益

7. どんな講義をするのか？
• A社とB社の業績を財務比率で比較する。
比率の意味 計算式
売上総利益率 売上高に対して総利益（粗利益）がどれだけあるか？ 売上総利益÷売上高
（売上高）営業利益率
売上高に対して本業でのもうけである営業利益がどれだけあるか
？
営業利益÷売上高
店舗あたり売上高（日
次）
1店舗あたりの1日あたりの売上高は概ねいくらになるか？
（売上高÷店舗数）
÷365

8. どんな講義をするのか？
• A社とB社に抱くイメージと財務数値からわかることをいくつか挙げて
みましょう。
A社： B社：
・店舗展開が駅・ビジネス街中心
→博多駅，呉服町，中洲川端，薬院
北天神エリア
・店舗展開が商業地域中心
→キャナルシティ，西鉄天神駅周辺
・売上高は両社ともほぼ同じ。 ・売上高は両社ともほぼ同じ。
・売上総利益がB社より低い。
売上総利益率がB社より低い。
・売上総利益がA社より高い。
売上総利益率がA社より高い。
・営業利益が少しずつ下がり始めて
いる。
・営業利益が少しずつ上がり始めて
いる。
・1店舗あたりの売上高が低い。
→顧客あたりの単価が低い？
・1店舗あたりの売上高が高い。
→顧客あたりの単価が高い？
コーヒーを安く，ビジネスマンに 良いコーヒーをくつろぎながら楽しむ

9. どんな講義をするのか？
• A社：コーヒーを安くビジネスマンに
1杯200円からコーヒーを飲めるドトールコーヒー

10. どんな講義をするのか？
• B社：良いコーヒーをくつろぎながら楽しむ
美味しいお菓子と一緒にスターバックス

11. • 経営戦略は普遍ではない。
→外部環境あるいは市場が飽和すれば，新たな市場に出て行かざるを
得ない。
どんな講義をするのか？
都市型
郊外型
リーズナブル
コストリーダーシップ
高級感
差別化
＋
←ドライブスルー
←ブランド名を変えて進出

12. • 星乃珈琲店のHPを見ると…
どんな講義をするのか？

13. • 経営分析論の目的は「企業の良し悪しを理解する方法」を
学ぶこと。
• 簿記・会計の知識と経営学の知識を融合させることで企業の
全体像を理解する。
→企業へのイメージだけで語るのではなく，どのような
ビジネスモデルでしっかりと利益が得ているのかを知る。
例）ある会社の経営戦略やマーケティングを知る。→本当に儲かってるの？
ある会社はめちゃめちゃ儲けている。→何か問題はないの？
産業，事業内容ごとに特徴がある。→その違いを勉強しましょう。
• この講義で得られる知識はどこに行っても役立つ（はず）。
今日のまとめ