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2019経営分析論⑬
- 1.
- 2.
- 3.
• 財務諸表をもとに下記の比率を計算してみよう。
カルビーの財務業績推移
2010 20112012 2013 2014 2015 2016 2017
株主資本当期利益率 6.30% 5.83% 8.82% 10.19% 11.57% 11.88% 13.72% 14.03%
総資産営業利益率 10.18% 10.78% 11.29% 12.65% 13.99% 14.93% 16.08% 15.85%
売上高営業利益率 6.51% 6.89% 7.50% 8.80% 9.86% 10.89% 11.43% 11.43%
売上高当期利益率 2.74% 2.73% 4.35% 5.26% 6.04% 6.35% 7.33% 7.51%
総資産回転率 1.564 1.565 1.505 1.438 1.418 1.372 1.407 1.387
株主資本比率 68.09% 73.37% 74.13% 74.27% 74.11% 73.35% 75.18% 74.20%
財務レバレッジ 1.469 1.363 1.349 1.346 1.349 1.363 1.330 1.348
ROEの上昇は売上高当期利益率の上昇によってもたらされた。
- 4.
• 基本経営方針
イノベーション(成長戦略)とコスト・リダクション(コスト削減)
カルビーの経営戦略と今後の経営課題
Corporation(ユニバーサル ロビーナコーポレーション)
との合弁会社を設立いたしました。
今期もより一層のスピードと競争力を持って事業活動を
進め、売上高2,130億円、営業利益225億円を目指します。
を生み出す力でも
これからも「継
革新を続けてい
転換」を進めてま
経営の二本柱
継続的成長と高収益体質の実現
コスト・リダクション
原材料費の低減
生産の効率化及び
稼働率の向上
販売費の適正化
イノベーション
(成長戦略)
新製品
開発
海外事業
の拡大
ペプシコと
の連携強化
国内シェア
拡大
新規事業
開発
L&A
※L&A(ライセンス契約と事業買収)
500
1,500
2,000
2,500
売上高(億円)
0
1,000
1,7
1,632
122
2011
売上高・営業利益の推
■ 売上高 ■ 営業利
コスト低減 収益最大化
収益最大化とコスト最小化による利益最大化
- 5.
• コスト・リダクションに向けた取り組み
売上高営業利益率 15%を目標とする。
カルビーの経営戦略と今後の経営課題
売上原価率の推移
海外展開
■北米
Snapea Crispsは大幅増収
Ruffles® Crispy Friesは計画を下回る
■ 中国
4月開始の康師傅とのJVは計画を下回る
四洲貿易とのJV(CFSS)は好調
■ 韓国
ポテトチップス、Jagabeeが好調
各国の状況■ 国別売上高
2013年
3月期
2014年
3月期
伸び率
北米 百万円 2,029 5,006 +146.6%
中国 百万円 1,041 2,518 +141.8%
韓国 百万円 1,929 2,425 +25.7%
タイ 百万円 2,025 2,528 +24.8%
香港 百万円 1,949 2,499 +28.2%
台湾 百万円 246 814 +230.8%
売上高(円ベース)
海外展開
■ 北米
Snapea Crispsは大幅増収
Ruffles® Crispy Friesは計画を下回る
■ 中国
4月開始の康師傅とのJVは計画を下回る
四洲貿易とのJV(CFSS)は好調
■ 韓国
ポテトチップス、Jagabeeが好調
■ タイ
主力製品のJAXXが好調
■ 香港
Jagabeeが好調
■ 台湾
Jagabeeが好調
各国の状況■ 国別売上高
2013年
3月期
2014年
3月期
伸び率
北米 百万円 2,029 5,006 +146.6%
中国 百万円 1,041 2,518 +141.8%
韓国 百万円 1,929 2,425 +25.7%
タイ 百万円 2,025 2,528 +24.8%
香港 百万円 1,949 2,499 +28.2%
台湾 百万円 246 814 +230.8%
2013年
3月期
2014年
3月期
伸び率
北米 千ドル 24,288 49,568 +104.1%
中国 千元 78,886 153,764 +94.9%
韓国 百万ウォン 25,807 26,362 +2.2%
タイ 千バーツ 746,258 796,443 +6.7%
香港 千HKドル 181,662 193,024 +6.3%
台湾 千NTドル 79,504 243,332 +206.1%
売上高(円ベース)
売上高(現地通貨ベース)
• イノベーション(成長戦略)
国別売上高の推移
単位:百万円 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
売上高 146,452 155,529 163,268 179,411 199,941 222,150 246,129 252,420
売上原価 88,041 90,482 94,187 100,889 112,731 124,588 139,095 140,847
売上原価率 60.12% 58.18% 57.69% 56.23% 56.38% 56.08% 56.51% 55.80%
- 6.
• 国内菓子市場の推移とスナック市場シェア
カルビーの経営戦略と今後の経営課題
22Copyright ©2014 CALBEE, Inc. All rights reserved.
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
5,000
5,500
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2.2
2.4
2.6
2.8
3.0
3.2
3.4
国内スナック市場
出所 全日本菓子協会
菓子小売額
3.18兆円
チョコレート 4,520億円チョコレート 4,520億円
スナック菓子 4,135億円スナック菓子 4,135億円
(億円)
(兆円)
米菓 3,413億円米菓 3,413億円
カルビー
50.1%
ジャパンフリトレー
2.7%
国内スナック市場シェア国内菓子市場
カルビー
50.8%
ジャパンフリトレー
3.1%
出所 ㈱インテージSRI調べ 金額ベース
2013年4月~2014年3月累計
- 7.
• コスト削減をどう捉えるか?:考え方と実践
コストをどう切り分けるか?
→ 一般的には「変動費」と「固定費」だが,
減価償却費をコントロールする必要がある。
investment(投資)とexpense(出費)かを見極める。
→ 減価償却費をコントロールするということは,設備投資を
コントロールすることと同義である。
カルビーの経営戦略と今後の経営課題
包装代を削減=価格2割引を実現
→ 商品の包装代が原価に占める割合として高い。
→ 発注方法の見直し:工場ごと仕入から本社での一括仕入
商品販売力の向上=工場稼働率の向上
→工場稼働率60% = 働かないことが常態化する。
→工場稼働率を80%に上げることで固定費を一気に低減する。
- 8.
- 9.
• 応用編:マネジメント・コントロール・システムという考え方
→ 戦略を実現するために,社員が目標に向かって自然に行動できる
実行の仕組みを構築する方法論
→ 組織成員を導くコントロール(手段・プロセス)にはいくつかの
方法がある。
カルビーの経営戦略と今後の経営課題
例1)Merchant andVan der Stede:結果・行動・環境
結果:会計数値に基づくコントロール
行動:標準化・マニュアル化による行動を規定するコントロール
環境:組織文化・組織デザイン等を用いたコントロール
例2)Simons:理念型(信条・境界)と会計型(診断型・相互作用型)
信条:経営理念やクレドなどが組織成員に影響を与える(+)。
境界:組織成員が取り組むべきこと・活動に制限を加える(−)。
診断型:組織目的と組織成員の行動を形式化し,調整することを
通じて動機づけを与える仕組み(−)。例)予算:ノルマ
相互作用型:組織成員間の対話と組織学習を通じて,関心を市場の変化への
対応に導く(+)。
- 10.
アンケートに見る中小企業経営者の管理会計・財務管理に対する意識
• 飛田〔2012〕から
中小企業の組織規模とMCSの機能の相違
判断されるが, カイ乗はサンプル全体と同様
にカイ 乗値が高いのでモデルを採択すること
ができない。 大人数企業ではサンプル全体と全
く同じパスを描くことができる。 また, モデル
の適合性を示す指標はカイ 乗検定を含めたい
ずれの指標でも適合的であるとの結果が得られ
意確率 %とすればモデルを採択することがで
きる。 全く同じパスを描く大人数企業では, 基
本モデルと同様にカイ 乗検定を含めたいずれ
の指標でもモデルの適合性があるとの結果が得
られた。 一方, 少人数企業では基本モデルと同
様にカイ 乗検定ではモデルの適合性があると
中小企業のマネジメントコントロールシステムと組織成員の動機付けに関する実証研究
図表 共分散構造分析による基本モデルの分析結果
サンプル全体 少人数企業 大人数企業
被説明変数 説明変数 推定値 確率 推定値 確率 推定値 確率
モデルの適合度指標
カイ 乗
自由度
有意確率
注) : %有意, : %有意, : %有意を意味する。
少人数企業(29名未満)では会計によるコントロールが有意ではない。
→ 会計によるマネジメントはある程度の規模を必要とするのか?
• Simons(1995,2000)によるMCS
① Belief System(信条のシステム)
経営理念やクレドなどが組織成員に影響を
与える(+)。
② Boundary System(境界のシステム)
組織成員が取り組むべきこと・活動に
制限を加える(−)。
③ Diagnostic Controls
(診断的コントロールシステム)
組織目的と組織成員の行動を形式化し,
調整することを通じて動機づけを与える
仕組み(−)。 例)予算:ノルマ
④ Interactive Controls
(相互作用的コントロールシステム)
組織成員間の対話と組織学習を通じて,
関心を市場の変化への対応に導く(+)。
- 11.