新型コロナウイルスによる交通崩壊の危機を訴える
オンラインイベントを開催した話
東京大学 生産技術研究所
伊藤昌毅
Pre CIVIC TECH FORUM ONLINE 2020
2020年5月9日
オンライン開催
1
• 国交省・運輸
局・県や市町・
交通事業者を支
援
• 2015年から今
までで1件から
300近い事業者
に普及
伊藤昌毅: 公共交通オープンデータ(GTFS)の推進
2
新型コロナウイルスの影響で公共交通も大変
連休中の昼間の小田急新宿駅連休中の昼間の小田急電車内
乗客が減ったバスは減便
3
• マスクの利用(運転手・乗客にも要請)
• 窓の開放
• バス最前席の使用禁止
• 運転席にビニールシート
• 頻繁な消毒
• 間隔を空けた着席
従業員や乗客の感染予防策を試行錯誤
https://mainichi.jp/articles/20200424/ddl/k33/040/401000c
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/412730
4
• 交通局従業員に98名の死者(5月1日報道)
– エッセンシャルワーカーとしてコロナ禍においても運行
を続けている
• 地下鉄の停車パターンと感染の拡がりとの
関連を指摘し、地下鉄車内での感染を示唆
する論文も
– ほんとうに電車内で感染が起こっているかは要検討だと
思います(伊藤)
ニューヨークでは地下鉄が感染源との報道も
https://www.nydailynews.com/coronavirus/ny-coronavirus-98-mta-workers-dead-20200501-uirfe2gddzdadigpgtehewrvfy-
story.html
http://web.mit.edu/jeffrey/harris/HarrisJE_WP2_COVID19_NYC_24-Apr-2020.pdf 5
• 日本の公共交通の原則は独立採算制
– 民間企業が競争し合い、運賃収入で利益を上げて運営するのが制度の基本
– 欧米では市など行政が主体で運営することが多い(特に都市・地域交通)
• 運賃収入の減少が経営難に直結
– 鉄道・バスは運行継続が期待されており、運行コストは変わらない
– 多くの利用者が「不要不急の外出を避け」たらどうなるか?
• 事業者の窮状は一般に理解されていない?
– 地域の老舗・大企業だから大丈夫だろう
– どうせ税金が投入されているんだろう
• いざという時も事業者が声を上げにくい雰囲気?
– 支援して欲しい、資金が欲しい、という声が出てこない
日本では経営もつらい
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• 業界団体
– 政治家への陳情は実施
– 事業者への情報提供はなし
– 業界の状況をデータとして把握出来ていない
• 国土交通省
– 1.7兆円のGoToキャンペーン
– 中国人観光客が減ったタイミングでの立案
– 「今」に響かない
支えるべき組織が「今」の
要請に応えられていない
7
公共交通はIT以前からCivic Tech
8
• 全国各地に公共交通を支える有志団体・NPOなどが存在
– 路面電車の活性化・LRTの推進
– モビリティマネジメントの推進
– わかり易いバスマップの作成
– 福祉輸送・公共交通空白地有償運送
• マニア視点だけでなく行政や経営の立場を理解しながら地域を盛り
上げる存在
• 地域組織に加えて全国的にネットワーク化されている
• IT以前からの組織ではあるけれど…
– 最近は若い世代との連携も進み、幅広い年齢層のネットワークになりつつある
専門知識を持った市民団体などが支えてきた
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くらしの足をみんなで考える全国フォーラム
• 移動困難者の問題解決を多くの関係者で議論する「場」
– 福祉輸送NPOの全国組織「全国移動ネット」などが中心であったが、「くらしの足」を
掲げ、タクシー・バス・鉄道な様々な移動に関わる事業者、行政、ITエンジニア等々幅
広い交流の場を作ってきた
– 2013年から毎年200-300名超規模のイベント開催
– 伊藤も2016年から委員として参画。IT分野の議論を取り込んできた
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• 4月7日の実行委員会にて
– 本年は10月に新潟で100名超のイベントを企画
– 開催の可否そのものも見通せない中、伊藤が「10月開催にこだわる必要はない。
オンラインで今から2週間後でもいい」と発言
– 日程の空く4月27日開催(20日後)がその場で決定
• 外部メンバーにも頼りながら3回のミーティングを実施
– 4月10日(金)・4月15日(水)・4月21日(火)
– コアメンバーによるFacebookチャットでのディスカッション
開催に至った経緯
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企画の方向性
• 社会に対する問題提起
– 公共交通の今の現状を掘り起こしてデータとともに届ける
– 鉄道・バス・タクシー・福祉輸送など幅広い公共交通に目を配る
• 事業者に対する短期的支援の必要性を訴える
– 感染予防の情報提供
– 資金的なサポート
• 提言書をまとめ届ける
– 誰が何をするべきかを明確にする
– 自分たちも責任を果たす覚悟を示す
くらしの足をなくさない!緊急フォーラム
−新型コロナウイルスによる#交通崩壊 を止めろ−
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• 交通事業者へ数多くインタビュー、
目下の安全や事業継続のために必要
な要望を取りまとめ
– 行政に支援を求める際の下敷きになること
を意図
• 現場と強い繋がりを持つ研究者だか
らこそ出来た仕事
– 短期的、長期的に必要になる支援を具体的
に明示
背景: 井原雄人氏(早大)による支援要望書の
取りまとめ(4月6日公開)
https://docs.google.com/document/d/19R47ljlwweriRjzl5m5pSYaEL8OMBnSxlDlZ_Zi09Eg/edit
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• 公共交通に片足(両足?)を突っ込んでいるIT系研究者
– 普段は公共交通オープンデータの推進とかやってます
• 周りは交通のプロばかり
– 岡村敏之教授(東洋大学) 専門は交通計画・自治体の委員なども数多く務める
– 加藤博和教授(名古屋大学) 公私ともにバスに乗りまくる現場主義研究者
– バス・タクシー事業者・交通専門のジャーナリストなど
• ここでの自分の役割: 声を届ける環境作りに専念
– オンライン配信の仕組み作りを引き受ける
– イベント企画の具体化、広報、その他雑用多々
自分(伊藤)の立場
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全体構成
進行の連絡・指示
講演・司会進行・画面共有視聴
質問・回答反応 #交通崩壊
転送
反応取り上げ
視聴者サイド 運営サイド
全体構成
進行の連絡・指示
講演・司会進行・画面共有視聴
質問・回答反応 #交通崩壊
転送
反応取り上げ
視聴者サイド 運営サイド
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• Zoomのみを使ってオン
ラインイベント開催
– スマホだけでも登壇可能
• 視聴者はYouTubeで視聴
– いつものツール・使いやすい
• 細かいノウハウは思い付
く限り記事化しました
方法・ノウハウはこちら参照
https://note.com/niyalist/n/nfbea730cba0b 16
• 趣旨説明 加藤博和(名古屋大学)
• 賛同団体からのご挨拶 川鍋一朗(全国ハイヤー・タクシー連合会)
• 蔵持京治・国土交通省総合政策局交通政策課長インタビュー 聞き手:加藤博和
• コロナウイルス影響下における交通事業者の現状と取り組み事例紹介 井原雄人
(早稲田大学)
– イーグルバス株式会社の現状報告 谷島賢(イーグルバス)
– 新型コロナウイルス感染拡大を受けた熊本県内乗合バス事業者の対応について 高田晋(熊本都市バ
ス)
– 数字で見る鉄道への新型コロナウイルスの影響 太田恒平(トラフィックブレイン)
– 地方鉄道の事例(速報) 加藤博和(名古屋大学)
– タクシー事業の現状 井原雄人(早稲田大学)・吉田樹(福島大学)
– ハートフルタクシーの取り組み 篠原俊正(ハートフルタクシー)
– 福祉有償運送・たすけあいの交通 清水弘子(かながわ福祉移動サービスネットワーク)
• 提言書のまとめ
– 進行 岡村敏之(東洋大学)発言者:加藤博和・井原雄人・吉田樹・清水弘子
プログラム
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• x
交通事業者の現状紹介(バス)
谷島賢(イーグルバス社長)
高田晋(熊本都市バス社長)
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• xx
交通事業者の現状紹介(鉄道)
太田恒平(トラフィックブレイン)
加藤博和(名古屋大学)
19
• xx
交通事業者の現状(タクシー)
とりまとめ: 井原雄人(早稲田大学)
20
• xx
交通事業者の現状紹介(介護タクシー・福祉運送)
21
提言書作成
• セッション中40分+
公開延長戦50分+ク
ローズ後約1時間徹
底ディスカッション
– Google Docsを共有し
てライブで作成
• 当日中に国土交通大
臣宛の提言書にまと
める
– 疲れ果ててZoom飲み会
する気力が…
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• 参加登録者 1,002名(Peatix)
• YouTube累計再生回数 3,565回(5月9日時点)
• 最大同時視聴者数: 485人
イベントの参加者実績
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• イベント開催や熊本都市
バスの現状などを紹介
• 全員集合の画面はTV写り
がいい(あとで気付い
た)
翌日のNHKニュースで紹介
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200424/k10012404901000.html
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ご関心ある方
• アーカイブやスライド公開し
ています
– https://zenkokuforum.jimdofree
.com/新型コロナ-交通崩壊を止め
ろ/
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• 交通事業者への情報提
供
– 感染防止のためのノウハウ
– 国・自治体からの支援情報の
まとめ
• イベントのまとめ
– 提言の掲載など
• リンク集
– 関連団体・記事など
特設サイトの開設
https://covid19transit.jp
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例えばバス車内に貼り出す素材の提供(井原先生)
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全国自治体の支援事業の紹介(井原先生)
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• 「現場を知らない」「現場に関われるわけではない」ならそれなり
の関わり方
– 平時: ITが活用される時代に向けた業界の進化を支援・同時に人的ネットワークを深め
る
– 緊急時:手を動かす。今存在するもので最大限の効果を素早く得る方法を実現
– 結果的に交通事業者らしくないスピード感と規模でアピールを実現出来た
• オフラインのリアルな繋がりがあったからこそ、緊急時に素早く動
けた
– 知識も日頃の信頼関係も必要。交通に関わるには専門知識が要求される
• いきなり「アフターコロナ」とか言わない
– 目の前の状況に動ける反射神経を磨きたい
ITの立場から公共交通に関わって思うこと
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#交通崩壊 を防ごう!
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新型コロナウイルスによる交通崩壊の危機を訴えるオンラインイベントを開催した話