Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
Ichitani Toshihiro
市⾕聡啓
デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー
組織のデジタル化から、分断を乗り越えて組織変⾰にたどりつくまで
市⾕ 聡啓
Ichitani Toshihiro
DX伴⾛⽀援 (株式会社レッドジャーニー)
特に専⾨は


・仮説検証 (サービスデザイン)


・アジャイル開発
https://ichitani.com/
株式会社リコー CDIO付DXエグゼクティブ
2022.2.21
https://www.amazon.co.jp/dp/4798172561/
“私達” の「組織」の話をしよう
そもそもDXとは何か
ウメオ⼤学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授が


2004年に提唱した概念。


「ITの浸透が、⼈々の⽣活をあらゆる⾯で


より良い⽅向に変化させる」
DXという⾔葉には、定義がある。
そのとおり…だけども、具体的には良くわからない
DXとは?
DX推進ガイドライン(2018年経産省)の定義
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、


データとデジタル技術を活⽤して、顧客や社会のニーズを基に、


製品やサービス、ビジネスモデルを変⾰するとともに、


業務そのものや、組織、プロセス、企業⽂化・⾵⼟を変⾰し、


競争上の優位性を確⽴すること。
つまり、顧客の体験を変える新たな価値を


⽣み出し続けられるようにすること
DXとは?
顧客や社会のニーズ
製品 サービス
ビジネス


モデル
業務
プロセス
組織
企業⽂化・⾵⼟
データと


デジタル技術
環
境
変
化
競
争
上
の
優
位
性
提供価値の変⾰ 組織の変⾰
「2つの変⾰」を起こすためのもの
つまり、DXとは?
提供価値 (製品、サービス、ビジネスモデル) ⾃体を変える


とともに、組織の体制、プロセス、⽂化そのものを変える


→ 組織と社会の接点、組織の内側まで変えることに他ならない
DX = 組織⾃体を作り変える
⽇本のDXはどうなっているのか?
情報処理機構IPAによるDXのレポート(⽇⽶⽐較)
11
12
⽇本のDX取り組み状況:45%


(⽶国は70%強)
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-1.pdf
⽇本全体としての進みは弱いが


進んでいるところは全社戦略レベルで


取り組んでいるという状況
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf
Photo credit: Thank you, my friends, Adam! on Visualhunt.com
DX格差
組織に何が不⾜しているのか?
効率化、改善のための「深化」


だけでは組織を取り巻く外部環境の変化


には適応できない


そもそも組織が取り得る選択の幅を


広げる「探索」が必要


現実にはあてのないコストとリスクを


敬遠し、⾃組織の得意な領域で「深化」に


フォーカスしてしまう(成功の罠)
“次の可能性”を掘り当てるための「探索」
知の探索 (新規事業)
知の深化 (既存事業)
(出所)オライリー、タッシュマン(2016)「両利きの経営」


(監訳・解説:⼊⼭(2019))
両利きの状態
成功の罠
企業は事業が成熟するに伴い


「深化」の実施に偏る傾向がある
圧倒的に不⾜している活動と能⼒
Photo on VisualHunt
探索と適応
変化を現実のものにするための
選択肢を広げるため


の仮説⽴案と検証
結果から分かったことで


次の判断と⾏動を変える
選択の幅最⼤


(セットベース)
検証


計画
仮説⽴案


(モデル化)
検証
評価
価値探索


(正しいものを探す)
MVP特定
開発計画


(リリースプラ
ンニング)
スプリント


プランニング
スプリント


開発
スプリント


レビュー
スプリント


レトロスペク
ティブ
MVP検証
アジャイル開発


(正しくつくる)
次の価値探索へ
選択の振れ幅最⼩


(ポイントベース)
探索と適応のための組織能⼒


仮説検証とアジャイル
仮説検証


選択肢を⼗分に


広げた後に絞る
アジャイル


構想を早く形にして


フィードバックを得る
時間
変化量
深化で必要な変化量
探索で必要な変化量
必要とする変化に組織が対応できない
この傾きに組織が対応していく
算段が全くないまま、


ただ「DX」を推し進めよう


としたところで強烈な


「ハレーション」が起こる
荒ぶるDX四天王
Photo on Visual hunt
屏⾵のトラ DX
プランだけが過密に描かれており肝⼼の実⾏体制や⽅法が無い
Photo credit: kuhnmi on Visualhunt
裸の王様 DX
上層部はDXへの取り組みに満⾜しているが実態は成果に乏しい
Photo credit: Andreas Ebling on Visualhunt
⼤本営発表 DX
社内外にDXの成果を発信しているが現場は疲弊し頓挫しかけている
Photo credit: torbusfoto on VisualHunt.com
眉間に皺寄せてやる DX
経験したことがない仕事が⼭程ありすぎて終わりない疲弊が続く
Photo on VisualHunt
⼈が膨⼤な時間を費やし


進化してきたように


組織にもその形態進化の


段階が必要である


(ただし残された時間はそう⻑くはない)
デジタル


トランスフォーメーション


ジャーニー
“デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー”


(DXの4つの段階設計)
業務のデジタル化


(特にコミュニケーション)
スキルの


トランスフォーメーション
ビジネスの


トランスフォーメーション
組織の


トランスフォーメーション ① これから始める変化を⽀える⾜場を作る


 - まず第⼀にコミュニケーションのデジタル化を進める


② 探索の為のケイパビリティを獲得する


 - 組織に新たな組織能⼒として仮説検証とアジャイルを宿す


③ 仮説検証に基づく実験を繰り返し、


  ⼩さくとも結果(=学び)を積み上げていく


 - 既存事業の価値向上と新規の価値創出を


  仮説検証型アジャイル開発で繰り返しトライする


④ 探索と適応が可能な組織作り


 - 組織のOSとして深化だけではなく探索をインストールする
①
②
③
④
業務のデジタル化
スキルの


トランスフォーメーション
どのような道具を選ぶかで


仕事のスタイル⾃体が変わる
構想と実現の両輪は


仮説検証とアジャイルで培う
ビジネスの


トランスフォーメーション
仮説検証型アジャイル開発の実践
と事業戦略と現場活動の⼀致を


作る(アジャイルCoE)
Photo credit: Israel Defense Forces on Visual hunt / CC BY-NC
アジャイル ブリゲード
組織のトランスフォーメーションに向けた布⽯
アジャイルブリゲードとは
・組織と組織の境界に結成する「越境チーム」


 - 縦割りで交わることがなかった役割同⼠、組織同⼠で混成する


 - 異なる利害で⼀つのミッションの遂⾏にあたるため協働の仕組みが不可⽋


   = アジャイルな運営が前提


・希少な専⾨性を偏在させず、⼀箇所集中とする


 - 仮説検証やアジャイル、デジタルサービス作りに必要な技術


 - 組織内だけでは成り⽴たないため外部の専⾨⼈材を採⽤、委託、副業など


  あらゆる⼿段で招聘する(ただし、外部に丸投げして「屏⾵のトラ」にならないようにする)
DX推進部署 既存事業部⾨
アジャイル・ブリゲード
よく聞かれる質問


「⽇本でDX成功した組織はどこか?」
Photo credit: Daryl DeHart on VisualHunt.com
われわれは直⾯しているのは
1980年代から連綿と培われて
きた “深化” の呪縛
標準化


ルール化
より効率化
より


標準化


ルール化
効率化
もっと効率化
“最適化” への最適化
組織が勝つための最適化の最適化
迷わないようにするために


選択肢を絞る = 標準化


絞り続ければ…選択肢は1つ!
度を過ぎた最適化 = 思考停⽌
Photo credit: vd1966 on Visualhunt.com
Photo credit: akahawkeyefan on Visualhunt.com / CC BY-NC-SA
40年分の負債を返す為


にかける時間とは?
・・・
希望はある
Photo on VisualHunt
アジャイル
本当?
本当です
20年前のソフトウェア開発
Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
だからこその ”炎上”
仕事の⼿戻りが起きないように


“⼯程” を置いて決めたことにする
決定! 決定! 決定! 決定!
Phase Phase Phase Phase Phase
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Repeat Death March
無限性のあるブラック ”プロジェクト”
不条理、⾮効率、機械的
Photo on VisualHunt
アジャイル開発
アジャイルとは
2001年に作られた⾔葉
XP → 1999年頃


スクラム → 1993年 (via 1986)
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チームで仕事するための「アジャイル」


(⾒える化とカイゼン)
探索と適応のための「アジャイル」


(既存事業、新規事業問わず)
アジャイルマインドの理解


(「協働」のメンタリティ)
組織運営のためのアジャイル
基礎
1F
2F
3F
※アジャイルが適⽤しにくい領域とは?


  すべての⾏為が時間割で決められている、またそれを⾒直す余地が少ない場合
アジャイル・ハウス(アジャイルの構造)
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チームで仕事するための「アジャイル」


(⾒える化とカイゼン)
探索と適応のための「アジャイル」


(既存事業、新規事業問わず)
アジャイルマインドの理解


(「協働」のメンタリティ)
組織運営のためのアジャイル
基礎
1F
2F
3F
※アジャイルが適⽤しにくい領域とは?


  すべての⾏為が時間割で決められている、またそれを⾒直す余地が少ない場合
アジャイル・ハウス(アジャイルの構造)
これからの2週間分の


やることを決める
毎⽇開発とコミュニケーション


(設計〜開発〜テスト)
できたものを確認し


フィードバックする
この2週間をふりかえり


カイゼン点を決める
アジャイルの意義 (早く形になることの意義)
フィードバックに基づく開発で、⽬的に適したシステムに
近づけていく
形にすることで、関係者の認識を早期に揃えられる
システム、プロセス、チームに関する問題に早く気付ける
チームの学習効果が⾼い
早く開発を始められる
システムの機能同⼠の結合リスクを早期に解消できる
利⽤開始までの期間を短くできる
協働を育み、チームの機能性を⾼める
開発のリズムが整えられる
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
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チームで仕事するための「アジャイル」


(⾒える化とカイゼン)
探索と適応のための「アジャイル」


(既存事業、新規事業問わず)
アジャイルマインドの理解


(「協働」のメンタリティ)
組織運営のためのアジャイル
基礎
1F
2F
3F
※アジャイルが適⽤しにくい領域とは?


  すべての⾏為が時間割で決められている、またそれを⾒直す余地が少ない場合
アジャイル・ハウス(アジャイルの構造)
Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
作る
試す
理解
する
間違ったものを正しくつくる
やっていることは正しい。


しかしスタートを間違えたら、その後いくら回しても間違い続ける
選択の幅最⼤


(セットベース)
検証


計画
仮説⽴案


(モデル化)
検証
評価
価値探索


(正しいものを探す)
MVP特定
開発計画


(リリースプラ
ンニング)
スプリントプ
ランニング
スプリント


開発
スプリント


レビュー
スプリント


レトロスペク
ティブ
MVP検証
アジャイル開発


(正しくつくる)
次の検証計画


(価値探索)へ
選択の振れ幅最⼩


(ポイントベース)
正しいものを正しくつくる


仮説検証型アジャイル開発
仮説検証


選択肢を⼗分に


広げた後に絞る
アジャイル


早く構想を形にして


フィードバックを得る
Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
チームで仕事するための「アジャイル」


(⾒える化とカイゼン)
探索と適応のための「アジャイル」


(既存事業、新規事業問わず)
アジャイルマインドの理解


(「協働」のメンタリティ)
組織運営のためのアジャイル
基礎
1F
2F
3F
※アジャイルが適⽤しにくい領域とは?


  すべての⾏為が時間割で決められている、またそれを⾒直す余地が少ない場合
アジャイル・ハウス(アジャイルの構造)
Social Change (⾃分から変わる)
思えばXPとは、分断を認めそれを乗り越えるための価値観であった
コミュニケーション シンプリティ フィードバック
勇気 リスペクト
Photo on VisualHunt
アジャイルとは


「⽅法」であり「あり⽅」
⽇本の組織は変われるのか?
勝てる
20年前の


ソフトウェア開発と


状況が同じ
標準化


ルール化
より効率化
より


標準化


ルール化
効率化
もっと効率化
“最適化” への最適化
組織が勝つための最適化の最適化
迷わないようにするために


選択肢を絞る = 標準化


絞り続ければ…選択肢は1つ!
度を過ぎた最適化 = 思考停⽌
Photo credit: vd1966 on Visualhunt.com
不条理、⾮効率、機械的
Photo credit: othree on Visualhunt.com
組織アジャイル


組織の運営や思考にアジャイルを適⽤する
68
69
70
組織アジャイルに向かうにあたって


最も⼤事なこと
誰が取り組むのか?
みんなのアジャイルとは


  (他ならぬ)


「⾃組織のアジャイル」ということ
“海外のアジャイル” でも


“コンサルのアジャイル” でもない
Photo credit: ilovememphis on Visualhunt
「みんな」には「あなた」も⼊る
“私達” の「組織」の話をしよう
Photo on VisualHunt
組織の芯はどこにあるのか?
Photo credit: othree on Visualhunt.com
「芯」とは、⾃分たちが居る


場所をより良くしようと


思う⼈に宿る
Photo credit: James Cridland on Visualhunt.com
現場であり、経営であり、顧客


との接点にあり、⽇々の仕事、
チャットに投じた⼀⾔にあり


組織のどこもが「芯」になりうる
難しそう…
どこかにたどり着かなくては


ダメなんて思わなくて良い
どこかにたどり着くために


その⽅⾓へと踏み出そうとする限り


私達は「何者か」であり続ける
Photo credit: ER's Eyes - Our planet is beautiful. on Visualhunt.com / CC BY-NC-SA
Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
越境しよう。
Photo credit: James Marvin Phelps via Visualhunt.com / CC BY-NC
Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
Photo credit: James Marvin Phelps via Visualhunt.com / CC BY-NC
越境とは、


⾃分が居る場所、前提から


踏み出すこと
どこかの、誰か、から変化が


始まるのではない
変化は「あなた」から始まる。
もう⼀度、旅をはじめよう。
Photo credit: digitalpimp. on Visualhunt.com / CC BY-ND
2022.2.21
https://www.amazon.co.jp/dp/4798172561/

Digitaltransformation Journey