患者報告アウトカム(patient-reported outcome, PRO)は、quality of life (QOL)や満足度を含む概念であり、健康状態や治療に対する患者自身による評価を指す。患者の視点からの評価という点で、従来の合併症率など医療提供者の視点からの評価を補完しうる。特に形成外科の治療の多くが、機能とともに患者のQOLを改善させることが本質的な目的であることから、治療から生じるコスト・侵襲を正当化するためにも、PROは重要な評価指標となりえる。外科系学会社会保険委員会連合でも、手術の新たな評価指標としてPROを取り入れて、診療報酬の改定に反映させる試みが行われている。PROは抽象的な概念であり、現在は曖昧な用語として頻用されているが、計量心理学的な手法によりその構成要素を明確化させ、客観的に点数化することが可能となっている。本講演では、形成外科におけるPRO研究の基礎、現況と課題につき紹介する。
治療成績の適切な評価基準が少ない形成外科領域における新しい方法として、また新しい研究テーマとして、多くの先生方に興味を持っていただきたいと考えています。
動画で解説:https://youtu.be/ve8pc9u2YDE
解説した論文:Mustafa RA, Garcia CAC, Bhatt M, Riva JJ, Vesely S, Wiercioch W, Nieuwlaat R, Patel P, Hanson S, Newall F, Wiernikowski J, Monagle P, Schünemann HJ. GRADE notes: How to use GRADE when there is "no" evidence? A case study of the expert evidence approach. J Clin Epidemiol. 2021 Mar 3;137:231-235.
https://www.jclinepi.com/article/S0895-4356(21)00069-X/fulltext
患者報告アウトカム(patient-reported outcome, PRO)は、quality of life (QOL)や満足度を含む概念であり、健康状態や治療に対する患者自身による評価を指す。患者の視点からの評価という点で、従来の合併症率など医療提供者の視点からの評価を補完しうる。特に形成外科の治療の多くが、機能とともに患者のQOLを改善させることが本質的な目的であることから、治療から生じるコスト・侵襲を正当化するためにも、PROは重要な評価指標となりえる。外科系学会社会保険委員会連合でも、手術の新たな評価指標としてPROを取り入れて、診療報酬の改定に反映させる試みが行われている。PROは抽象的な概念であり、現在は曖昧な用語として頻用されているが、計量心理学的な手法によりその構成要素を明確化させ、客観的に点数化することが可能となっている。本講演では、形成外科におけるPRO研究の基礎、現況と課題につき紹介する。
治療成績の適切な評価基準が少ない形成外科領域における新しい方法として、また新しい研究テーマとして、多くの先生方に興味を持っていただきたいと考えています。
動画で解説:https://youtu.be/ve8pc9u2YDE
解説した論文:Mustafa RA, Garcia CAC, Bhatt M, Riva JJ, Vesely S, Wiercioch W, Nieuwlaat R, Patel P, Hanson S, Newall F, Wiernikowski J, Monagle P, Schünemann HJ. GRADE notes: How to use GRADE when there is "no" evidence? A case study of the expert evidence approach. J Clin Epidemiol. 2021 Mar 3;137:231-235.
https://www.jclinepi.com/article/S0895-4356(21)00069-X/fulltext