2014年10月31日開催の名古屋アジャイル勉強会の資料です。

1. 明日からできる、
いきいきプロジェクト管理
2014-10-31 名古屋アジャイル勉強会
山本 博之

2. 自己紹介
● 山本 博之（やまもと ひろゆき）
● ベンダー勤務プログラマ
● パッケージ製品の設計〜テストを行っています
● テスト駆動開発とチケット駆動開発実践中
● 見積りが外れるのと、そもそも計画が見積りよりもリ
ソース都合に合わせて決められているので、計画を
順守できなくて苦労しています

3. アジェンダ
● プロジェクト管理とは
● プロジェクト管理の現状
● アジャイル開発におけるプロジェクト管理
● プロジェクト管理体験ワーク
● まとめ

4. プロジェクト管理とは
● プロジェクト管理とは
● プロジェクト管理の現状
● アジャイル開発におけるプロジェクト管理
● プロジェクト管理体験ワーク
● まとめ

5. プロジェクト管理とは
● 「プロジェクトを成功裏に完了させるために行われる活
動」(wikipedia)
● 「プロジェクトの成功」とは
– 期待レベルの品質(Quality)で
– 予算(Cost)内で
– 期限(Delivery)内に
– 目的を達成する(Scope)
● プロジェクトマネージャ(PM)はQCDSを定義し、達成状
況を監視・管理します

6. よくある？「状況の管理・監視」
● 上位への報告の期限の前に
● その時点で期待される達成状況（計画）に対して現
状がどうなっているか
● 報告（80%とかですね）を受け
● 遅れているようなら叱責し、対策を指示します
● 報告する側は、期日までは、順調ですと報告します
うーん、
問題あるね！

7. プロジェクト管理とは
● プロジェクトは生き物ですので、必ずしも計画通りに
進みません
– 計画通り進んでいないことが明らかになること自体は、
よいことと言えます
● そこからいかにゴールにこぎつけるかが本質です
– プロジェクト管理の観点や手法は、そのための手段
● manage
〔+to do〕どうにかして〈…〉する，うまく〈…〉する
（研究社 新英和中辞典 http://ejje.weblio.jp/content/manage）

8. プロジェクト管理の現状
● プロジェクト管理とは✔
● プロジェクト管理の現状
● アジャイル開発におけるプロジェクト管理
● プロジェクト管理体験ワーク
● ふりかえり・まとめ

9. プロジェクトマネジメント難度の変化
分からない 17%
ここ1 〜2年で、システム開発の
プロジェクトマネジメントの難度は
どのように変化していると思いますか？
大幅に難しくなっている 29%
変わらない 16%
やや難しくなっている 38%
日経コンピュータ2014.10.2

10. システム開発プロジェクトに関する現状
の問題点は何だと思いますか？
要件定義や見積りなど上流工程の甘さ
開発人員のスキル低下や知識不足
予算の減少や抑制
開発対象システムの複雑化や大規模化
納期の短期化
関係者間のコミュニケーション不足
品質要求の高度化
テストの不備など下流工程の甘さ
日経コンピュータ 2014.10.2
0 10 20 30 40 50 60

11. ワーク#1 あなたのプロジェクトの
プロジェクト管理ふりかえり
● あなたの参加しているプロジェクトのプロジェクト管
理をふりかえってみましょう
● ふりかえり用KPT台紙に各自記入してください
– Keep：うまくいっている（いた）こと、続けたいこと
– Problem：問題点、改善すべきこと
– Try：改善案、試してみたいこと

12. プロジェクト管理ふりかえりの共有
● 自己紹介を兼ねて、ふりかえり結果を、グループ内
で発表してください
– お名前
– 私のプロジェクトのプロジェクト管理のKPT（の要点）
● 一人２分でお願いします
● 終わったら、質疑応答、コメント交換をしましょう

13. アジャイル開発における
プロジェクト管理
● プロジェクト管理とは✔
● プロジェクト管理の現状✔
● アジャイル開発におけるプロジェクト管理
● プロジェクト管理体験ワーク
● まとめ

14. アジャイル開発
● フィーチャー（機能）あるいはプロダクトバックログ項
目単位に開発します
– まとめて開発しません
● プロジェクトの初期から成果が順次提供される(は
ず)
● フィーチャー・プロダクトバックログ項目は、完了（完
成）したか、あるいはしていないかのいずれかです
– 完了条件を事前に明確にしておきます
– テストプログラムで評価・判断できるようにします

15. アジャイル開発
● フィーチャーやプロダクトバックログ項目は、作業タス
クに分解して、それを消化するという形で進めていきま
す
● タスクもまた、完了しているかいないかのいずれかで
す
– 完了条件を事前に明確にしておきます
– プログラムやシステムの変更であれば、テストプログラムで
評価します
● タスクボードやバーンダウンチャートで状態を見える化
します

16. タスクボード
"Simple Task Kanban" by Rakuten, Inc. - 投稿者自身による作品. Licensed under Creative Commons Attribution-
Share Alike 3.0 via ウィキメディア・コモンズ -
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Simple_Task_Kanban.jpg#mediaviewer/File:Simple_Task_Kanban.jpg

17. バーンダウンチャート
"Burn down chart" by I8abug - Own work. Licensed under Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 via Wikimedia
Commons - http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Burn_down_chart.png#mediaviewer/File:Burn_down_chart.png

18. アジャイル開発でのプロジェクト管理
● 見える化されているので状況は丸見えです
● フィーチャー/プロダクトバックログ項目単位の短い
期間の開発の繰り返しであり、フィードバックと見直
しの機会が多いです
● 監視と管理のためのロールの必要性はあまりあり
ません

19. アジャイル開発における
プロジェクトマネージャの役割
● 主要なアジャイル開発手法には「プロジェクトマ
ネージャ」というロールはありません
– プロダクト（スコープ）に責任を持つ人：顧客、プロダクト
オーナー
– 自発的自律的に開発・運用を遂行するとともに、プロ
ジェクトの状態や成果の透明性を担保する人：開発チー
ム
– 顧客との対話やチーム内のコミュニケーション、問題解
決やパフォーマンスの向上を支援する人：スクラムマス
ター、コーチ

20. アジャイル開発における、
従来のPMの役割
PMの古典的な役割アジャイルな組織での分担
スコープを定義し達成する開始時の定義はマネージャが行うとして、以後の見
直しと達成はチーム全体の責務
期限を守るチーム全体（進捗状況の透明化・見える化はチーム
の責務）
コストを目標内に収める、削減するマネージャ
品質を保証、向上するチーム
人的資源を管理するマネージャ
コミュニケーションを維持向上するチーム
コーチやマネージャによる支援
調達に関わるあれこれを行うマネージャ
リスクを管理するチーム
関係者への報告責任を果たす顧客へはチームが直接報告する
翻訳を伴う経営層への報告はマネージャ
プロジェクトの中断や見直しを判断するマネージャ

21. ここまでの理解度チェック
● ここまでの理解を「表明じゃんけん」で確認します
– よくわかった、問題ない：パー
– イマイチだが、進んでよい：チョキ
– 全然分からない：グー
● せーの！で出して（表明して）ください
● ご質問があれば？

22. ワーク#2
プロジェクト管理体験
● プロジェクト管理とは✔
● プロジェクト管理の現状✔
● アジャイル開発におけるプロジェクト管理✔
● プロジェクト管理体験ワーク
● まとめ

23. ペーパータワーづくり
● 千代紙を使ったペーパータワーづくりを、チームで
行います
● 目的：他のグループよりも高いペーパータワーを
作ってください
● 作業時間：10分間
● 材料：千代紙30枚のみ
● 品質要件：作業完了後、計測終了するまで自立して
いること

24. ワークのスケジュール
● 作戦タイム（20分）
● 作業タイム（１０分）
● 計測タイム
● ふりかえり
● ふりかえりの共有

25. 作戦タイム
● この作戦タイムを20分、作業タイムを10分とります
が、時間経過はお伝えしません。チームで時間管理
してください
● どのようなタワーを作りますか？
● どのようにタワーを作りますか？
● 各メンバーの役割は？
● 目標（他チームより高いタワーを作ること）を達成す
るために何を行いますか？

26. 作業タイム
● 時間は１０分です
● 他チームより高いタワーを作ってください！

27. 計測タイム
● 各チームの成果物の高さを計測します
● どのチームが一番高いタワーを作ることができたで
しょうか

28. ふりかえりタイム
● 勝因（敗因）はなんでしたか？
● 作戦通りにいきましたか？
● 時間管理はうまくできましたか？
● 役割分担はうまくいきましたか？
● 他チームより高いタワーを作るための工夫はうまく
いきましたか？
● もう一度行うとしたら、何を工夫しますか？

29. ふりかえり共有タイム
● 各チームのふりかえりの内容を紹介してください
● コメントや質問があったらお願いします

30. まとめ
● プロジェクト管理とは✔
● プロジェクト管理の現状✔
● アジャイル開発におけるプロジェクト管理✔
● プロジェクト管理体験ワーク✔
● まとめ

31. まとめ
● プロジェクトマネジメントはプロジェクトのQCDSを
管理し、プロジェクトを成功に導きます
● アジャイル開発プロジェクトでは、指示命令形のマ
ネジメントは必要ありません。基本的にチームが自
発的・自律的に開発を進めます
● それでもマネージャとしての仕事はあります
● ペーパータワーづくりを通じて、計画づくりとプロ
ジェクト管理を体験しました。

32. 以上です。おつかれさまでした