Waston  が拓拓く  UX  の新しい地平
〜~  UX  デザイナーが  IBM  Waston  を使ってみた  〜~
HCD-‐‑‒Net認定  ⼈人間中⼼心設計専⾨門家
⽻羽⼭山  祥樹  @storywriter
1	
2017年年  4⽉月22⽇日(⼟土)
⽻羽⼭山  祥樹  HAYAMA  Yoshiki
v インフォメーションアーキテクト
•  使いやすいWebサイトをつくる専⾨門家
•  HCD-‐‑‒Net認定  ⼈人間中⼼心設計専⾨門家
v Web業界に20年年くらい
v 担当したWebサイトが、雑誌のWebユーザビリティランキン
グで国内トップクラスの評価を受ける  ほか実積多数
v 主な専⾨門分野
•  ユーザーエクスペリエンス、情報アーキテクチャ、
⼈人間中⼼心設計、アクセシビリティ、⼤大規模CMS、AI、ライター
Twi$er:@storywriter	
  	
   WebSite:	
  storywriter.jp	
 2	
ユーザー⼼心理理を
つかむプロです
3	
メンタルモデル
ユーザーへの共感から⽣生まれるUXデザイン戦略略
Amazonで購⼊入:
http://www.amazon.co.jp/dp/4621088068
コンピュータ・IT  >  インターネット・Web開発  >  Web開発  最⾼高「1位」
コンピュータ・IT  総合  最⾼高「9位」
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AI(⼈人⼯工知能)とのかかわり:
1年年ほど前から、UXデザイナー  および  エンジニア  の
⽴立立場で、AI  の実務をしています。
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IBM  Watson:
IBM  の  Watson  は、⼿手軽に使える  AI  です。
IBM  のクラウドサービス  Bluemix  を
契約すると(個⼈人でもOK)、すぐに使えます。
従量量課⾦金金制で、さらに無料料枠もあるので、
試すくらいなら、個⼈人でも安⼼心。
備考:
IBM  ⾃自⾝身は、Watson  を「⼈人⼯工知能」だとは⾔言っていません。「ヒトの認知
能⼒力力を⽀支援する  Cognitive  Systems(認知システム)」と表現しています。
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まず解かなければいけない誤解:
IBM  の  CM  で「やるじゃん、Watson」という、
⾃自然な会話をしている⾵風のものがありますが
あれは、嘘とまではいかないまでも、
CM  ⽤用に、ガチガチに実装されています。
なぜなら、Watson  には、2017年年4⽉月時点で:
•  ⽂文脈を理理解する能⼒力力はない。
•  ⾔言語を⽣生成する能⼒力力はない。
•  「考える」能⼒力力はない。
7	
それでも  UXデザイナーが  Watson  を使う理理由:
それでも  UXデザイナーは、
Watson  を今のうちに使ってみるといい、と思います。
なぜなら、
  Watson  は「⼈人間の認知を代替」する  AI
だからです。将来の  UI  のヒントが含まれています。
8	
とりあえず  Watson  を使ってみよう:
IBM  Bluemix  のアカウントをつくる。
デモ
引⽤用:
https://console.ng.bluemix.net/
9	
とりあえず  Watson  を使ってみよう:
「カタログ」から
「Watson」  >  「Speech  To  Text」
を選んで「公開」をクリック。
これで  ⾳音声認識識API  がもう使える。
デモ
引⽤用:
https://console.ng.bluemix.net/
10	
とりあえず  Watson  を使ってみよう:
「ダッシュボード」から、先ほど作った
「Speech  To  Text」を選択、「サービス資格情報」に、
APIのURL、ユーザーID、パスワードがある。
デモ
引⽤用:
https://console.ng.bluemix.net/
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とりあえず  Watson  を使ってみよう:
⽤用意した⾳音声:
デモ
https://github.com/storywriter/Watson-‐‑‒Speech-‐‑‒To-‐‑‒Text-‐‑‒201612/raw/
master/audio-‐‑‒file-‐‑‒ja.flac
12	
とりあえず  Watson  を使ってみよう:
curl  -‐‑‒X  POST  -‐‑‒u  <username>:<password>  
-‐‑‒-‐‑‒header  "Content-‐‑‒Type:  audio/flac”  
-‐‑‒-‐‑‒header  "Transfer-‐‑‒Encoding:  chunked”  
-‐‑‒-‐‑‒data-‐‑‒binary  @<path>audio-‐‑‒file-‐‑‒ja.flac  
"https://stream.watsonplatform.net/speech-‐‑‒
to-‐‑‒text/api/v1/models/ja-‐‑‒JP_̲BroadbandModel/
recognize?continuous=true"
デモ
13	
とりあえず  Watson  を使ってみよう:
戻り値は  JSON  形式で返ってくる:
デモ
{  "results":  [  {  "alternatives":  [  {
    "confidence":  0.73,
    "transcript":  "ただいま  ワトソン  の  テスト  中  ⻑⾧長芋  
と  その  テスト  中  の  ⽇日  は  晴天  なり  の  ⽇日  は  晴天  な
り  ”
}  ],  “final”:  true  }  ],    “result_̲index”:  0  }
14	
これだけで  Watson  が使えた!:
かんたん設定と、コマンド⼀一発で、いきなり使える。
デモ
リンクスタート!
15	
UXデザインの観点では、何が起きたか?:
⾼高度度な技術が必要と思っていた
「⼈人間の⽿耳」の認知機能が、かんたんに代替できた!
これが⾰革新的。⼈人間の側に「⽿耳」がなくてよい。
⽿耳の認知⽿耳の認知
シ
ス
テ
ム
シ
ス
テ
ム
⼈人
間
⼈人
間
16	
AI  には、いろいろな種類がある:
AI  には、いろいろな種類があります。
Watson  は「認知型」の  AI  です。
⼈人間と外界とのインタフェースを代替することが
できます。
統計に強
いAI
特定⽤用途
に特化し
たAI
強化学習
や深層学
習のAI
認知を代
替するAI ・・・
他いろいろ
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Watson  が得意とする範囲:
Watson  は「⼈人間の認知を拡張する」のが得意。
•  ⾔言語処理理
•  画像処理理
•  ⾳音声認識識処理理
だからこそ、⼈人間の認知をあつかう仕事である、
僕ら  UXデザイナー  は  Watson  をさわるといい。
備考:
⾔言ってしまえば  Watson  でなくてもよい。Microsoft  でも  Google  でも。
18	
Watson  が苦⼿手とする範囲:
あまり得意でないのは、数値演算。Math  関数もない。
(つまり  1  +  1  の計算もできない)
統計解析モジュールもあるけれど、SPSS(統計解析ソフト)を買収して
ブランドに⼊入れただけの印象で、いまいち統合されてない。
19	
Watson  を使ってみよう:
今度度は「Visual  Recognition」を試してみましょう。
画像認識識API  です。
デモ
引⽤用:
https://console.ng.bluemix.net/
20	
Watson  を使ってみよう:
とりあえず写真をアップロードしてみる。
デモ
curl  -‐‑‒X  POST  -‐‑‒F  
"images_̲file=@<path>self.jpg"  
"https://gateway-‐‑‒
a.watsonplatform.net/visual-‐‑‒
recognition/api/v3/classify?
api_̲key=<api_̲key>&version=2016-‐‑‒
05-‐‑‒20"
21	
Watson  を使ってみよう:
戻り値は  JSON  形式で返ってくる(抜粋):
デモ
{  "class":  "steward",  "score":  0.876,  
"type_̲hierarchy":  "/person/steward”  },
{  "class":  "person",  "score":  0.877  },
{  "class":  "coal  black  color",  "score":  0.821  }
⿊黒服の執事・・・。
22	
Watson  に学習させてみよう:
学習させたい対象の写真を、50枚(+α)⽤用意して、
「Yoshiki_̲Hayama」とタグづけして、アップロード。
デモ
23	
Watson  に学習させてみよう:
判定したい写真をアップロードする。
デモ
curl  -‐‑‒X  POST  -‐‑‒F  
"images_̲file=@<path>self.jpg"  -‐‑‒F  
"parameters=@<path>myparams.j
son"  "https://gateway-‐‑‒
a.watsonplatform.net/visual-‐‑‒
recognition/api/v3/classify?
api_̲key=<api_̲key>&version=2016-‐‑‒
05-‐‑‒20”
24	
Watson  に学習させてみよう:
戻り値は  JSON  形式で返ってくる(抜粋):
デモ
{  "class":  "Yoshiki_̲Hayama",  "score":  
0.612198  }
...
{  "class":  "steward",  "score":  0.876,  
"type_̲hierarchy":  "/person/steward"  },
{  "class":  "person",  "score":  0.877  },
{  "class":  "coal  black  color",  "score":  0.821  }
Yoshiki_̲Hayamaと認識識!
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これだけで  Watson  が使えた!:
かんたんな⼿手順、少量量のデータで、
それなりの学習がされて、使える。
デモ
オーディナルスケール起動!
26	
UXデザインの観点では、何が起きたか?:
⾼高度度な技術が必要と思っていた
「⼈人間の⽬目」の認知機能が、かんたんに代替できた!
⼈人間の側に「⽬目」がなくてよい。
⽬目の認知⽬目の認知
シ
ス
テ
ム
シ
ス
テ
ム
⼈人
間
⼈人
間
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Watson  が代替・拡張する認知能⼒力力:
アイデアの例例:
例例えば、全盲者が、スクリーンリーダーで
ウェブページを読みあげていたとき、
alt  属性が適切切でない画像を、
「Visual  Recognition」にかけることで、
内容を知ることができる。
視覚が、Watson  によって代替・拡張された。
28	
Watson  が拓拓く  UX  の新しい地平:
これまで、⼈人間がシステムの都合に寄り添って、
インタフェースを設計してきた。
29	
Watson  が拓拓く  UX  の新しい地平:
今後は、システムが⼈人間の認知に寄り添う。
⼈人間の代わりにシステムが認知する。
UXデザイナーは、その設計をするのが仕事に。
それ取って
30	
Watson  が拓拓く  UX  の新しい地平:
Watson  は⼈人⼯工知能の⾰革新というより
インタフェースの⾰革新である。
31	
まとめ:
1.  Watson  は、⼿手軽に使える  AI。
2.  Watson  は、かんたんに、
⼈人間の認知を代替することができる。
その意味で、UXデザインにとって⾰革新的。
3.  UXデザイナーは、今から  Watson  に
ふれるといいと思う。
Watson  でなくても、認知型  AI  なら  Microsoft  でも  Google  でも。
32	
ありがとうございました。
⽻羽⼭山  祥樹
Twitter:  @storywriter
Facebook:  storywriter.jp
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Waston が拓く UX の新しい地平 〜 UX デザイナーが IBM Waston を使ってみた 〜:2017年4月22日 AI eats UX meetup