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ユーザーにうれしいチャットボットのUX 7原則
2022年4⽉3⽇(⽇)
⽇本ウェブデザイン株式会社 / HCD-Net認定 ⼈間中⼼設計専⾨家
⽻⼭ 祥樹 @storywriter
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7 Principles to Design UX of Chatbots
ユーザーにうれしいチャットボットのUX 7原則
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No 項⽬ 解説
1 会話に⼈格を感じるか 情報を探すだけならばチャットボットはGoogle にかなわない。それでも⼈がチャットボットを利⽤するのは「そこに相⼿がいる感じ
がすること」に価値を感じるからである。チャットボットは「インタラクティブ(対話)を楽しむインターフェース」である。
2 ワンストップで解決策が得られるか 2022年の今⽇においても、ウェブサイトのユーザビリティテストをすると、かならず⼀定数のユーザーは(それも世代を問わず)
「調べるよりとりあえず電話したほうが早いと思う」という層がいる。チャットボットは「電話をする」と「ウェブサイトを⾃⼒で調べる」の
中間にあり、「電話をかけたときのように」 ワンストップで⽬的の情報が出てくることを期待されている。
3 会話が噛み合わなくてもフォローで
きているか
2022年現在のテクノロジーでは⼈間と同じように完全に⾃然⽂理解をしたり、⽂脈をくみとったりすることはできない。他⽅で、
ユーザーはチャットボットの擬⼈化が進むほど、「⼈間のように会話を理解してくれる」 印象を受け、いざ会話が成り⽴たなかったと
きのガッカリ感は⼤きい。かならず会話の⾷い違いが発⽣する前提をもち、フォローの流れを⽤意する。
4 再⽣より再認で進んでいけるか ユーザーの認知負荷は再⽣より再認のほうが低い。⾃由⼊⼒させるより、画⾯に表⽰される選択肢を選んでいくだけのほうがラ
クである。
5 回答できる範囲がわかるようになっ
ているか
AIはトレーニングデータの範囲しか回答できない(AIの専⾨⽤語でフレーム問題と呼ぶ)。そのため、あらかじめそのチャットボッ
トが回答できる範囲をユーザーに伝えて、期待値を調整しておく。
6 センシティブな話題こそ回答が得ら
れるか
ユーザーは「どうせロボットだ」と思うので、⼼理的に⼈間相⼿に訊きづらいセンシティブな質問が、かえってしやすい側⾯がある。
(例: 介護の悩み、メンタル不調、教師に相談すると怒られそうな学習の悩みなど)
7 ⼀般的なユーザビリティ原則にした
がっているか
チャットボットもインターフェースの⼀種である。⼀般的なユーザビリティ原則にしたがって設計されている必要がある。
1. 会話に⼈格を感じるか
3
情報を探すだけならばチャットボットはGoogle にかなわない。それでも⼈がチャットボットを利⽤するのは「そこに相⼿がいる感じがすること」
に価値を感じるからである。チャットボットは「インタラクティブ(対話)を楽しむインターフェース」である。
No 項⽬
1 ⼈間味のあるキャラクターにする。
2 キャラクターに細かい設定を与える。
3 キャラクターにあわせた語調や反応のしかたを決め、会話のトーン&マナーを統⼀する。
4 発⾔はユーザーの発⾔をオウム返しすることからはじめる。
5 雑談に応じる。
6 スタンプやアニメーションなど、ビジュアルをともなう感情表現をする。
7 回答まで「ひと息の間」を⼊れる。「会話⼊⼒中」のアニメーションを挟んでもよい。(⼈間はミリセカンドの間で返信することはないため)
8 回答に 「うーん」 「えー」 などフィラー(⾔いよどみ)を⼊れる。
9 インターフェースを「吹き出し」つきのデザインにする。
10 ユーザーに選択肢を提⽰するときは「会話調」の選択肢にする。
11 「⼈格がある」と「⼈格があるように⾒える」は異なる。(知能感受性) 「⼈格があるように⾒える」ことは演出できる。
2. ワンストップで解決策が得られるか
4
2022年の今⽇においても、ウェブサイトのユーザビリティテストをすると、かならず⼀定数のユーザーは(それも世代を問わず)「調べるより
とりあえず電話したほうが早いと思う」という層がいる。チャットボットは「電話をする」と「ウェブサイトを⾃⼒で調べる」の中間にあり、「電話を
かけたときのように」 ワンストップで⽬的の情報が出てくることを期待されている。
No 項⽬
1 さまざまな質問に対して、チャットボットで⽬的の回答が得られるようにする。開発者の思い込みでトレーニングデータをつくるのではなく、ユーザーイン
タビューやユーザビリティテストなどを駆使して、本物のユーザーが求めていることの多い質問を集める。
2 トレーニングデータを充実させ、チャットボットの回答精度を⾼める。
3 回答の確信度が低いときは、複数の回答候補を表⽰する。
4 頻度の少ない質問には、チャットボットの外の検索システムなどへ誘導する。
3. 会話が噛み合わなくてもフォローできているか
5
2022年現在のテクノロジーでは⼈間と同じように完全に⾃然⽂理解をしたり、⽂脈をくみとったりすることはできない。他⽅で、ユーザーは
チャットボットの擬⼈化が進むほど、「⼈間のように会話を理解してくれる」 印象を受け、いざ会話が成り⽴たなかったときのガッカリ感は⼤き
い。かならず会話の⾷い違いが発⽣する前提をもち、フォローの流れを⽤意する。
No 項⽬
1 回答の発⾔はAIが認識したユーザーの質問の意図からはじめる。ユーザーの質問に対してAIが正しい分類をしなかったとき、ユーザーは回答の冒
頭でそれに気がつくことができる。
2 AIが質問の意図を正しく分類できず、とんちんかんな回答をしたときも、フォローできる流れを⽤意しておく。
3 AIが質問の意図を正しく分類できていたとしても、ユーザーが求めている回答でないときも、フォローできる流れを⽤意しておく。
4 AIが質問の意図を分類できないときも、フォローできる流れを⽤意しておく。
5 あえて回答しない質問を決める(性的なネタや差別的な発⾔など)。 回答しない質問には、⾓が⽴たないように流す回答をする。
6 精度があまり期待できないチャットボットのときは、幼い印象のキャラクターを設定する。
7 チャットボットが正しく回答できなくても、ユーザーが先に進むことができる流れを⽤意しておく。
8 回答に対して、ユーザーにとってそれが正しかったのかフィードバックができるようにする。(これはその瞬間のユーザーの体験には影響しないが、⻑期
のUX改善に必要である)
4. 再⽣より再認で進んでいけるか
6
ユーザーの認知負荷は再⽣より再認のほうが低い。⾃由⼊⼒させるより、画⾯に表⽰される選択肢を選んでいくだけのほうがラクである。
No 項⽬
1 最初に「よくある質問」をボタンとして並べておく。
2 シナリオを組んで、たいていのユーザーは画⾯に表⽰される選択肢を選ぶだけで先に進めるようにする。
3 ⾃由⼊⼒しなければ進めない箇所は最⼩限にする。
4 ⾃由⼊⼒するときは、⼊⼒に応じて「よくある質問」をサジェストするようにする。
5 複雑な項⽬を⼊⼒させるときは、段階的開⽰を⽤いて、順を追って⼊⼒できるようにする。
6 複雑な項⽬を⼊⼒させるとき、チャットボットで⼊⼒を求めずにシステム側であらかじめ埋められる項⽬は、埋めておく。
5. 回答できる範囲がわかるようになっているか
7
AIはトレーニングデータの範囲しか回答できない(AIの専⾨⽤語でフレーム問題と呼ぶ)。そのため、あらかじめそのチャットボットが回答で
きる範囲をユーザーに伝えて、期待値を調整しておく。
No 項⽬
1 最初に「よくある質問」を⾒せることで、ユーザーがこのチャットボットで回答できる範囲を推測できるようにする。
2 「システムだから完璧な回答をするはず」という期待値を調整する。とくに利害関係が⼤きい内容を回答するときに、チャットボットがその回答をした理
由がわかるようにする。
3 「どうせアルゴリズムでしょ」という期待値を調整する。
4 期待値はチャットボット本体だけでなく、広告やプロダクトのオンボーディング、マニュアルでも調整できる。
5 オンボーディングに段階的開⽰を⽤いて、チャットボットの全体像を徐々につかめるようにする。
6 チャットボットが予測やレコメンドをするとき、なんのデータをもとにそれを判断しているのか、ユーザーがわかるようにする。
7 AIの確信度をユーザーに⾒せる場合は、ユーザーにとって意味のある⾒せかたにする。たとえば数字で確信度 89%と 87%と⾒せたとき、ユーザー
にとってこの2%の差がうまく理解されないことがある。
6. センシティブな話題こそ回答が得られるか
8
ユーザーは「どうせロボットだ」と思うので、⼼理的に⼈間相⼿に訊きづらいセンシティブな質問が、かえってしやすい側⾯がある。(例: 介護
の悩み、メンタル不調、教師に相談すると怒られそうな学習の悩みなど)
No 項⽬
1 センシティブな話題を⼊⼒しても、その内容が誰にも開⽰されないことを宣⾔する。
2 センシティブな話題に回答を⽤意しておく。
7. ⼀般的なユーザビリティ原則にしたがっているか
9
チャットボットもインターフェースの⼀種である。⼀般的なユーザビリティ原則にしたがって設計されている必要がある。
No 項⽬
1 「ヤコブ・ニールセンのユーザーインタフェースデザインのための10ユーザビリティヒューリスティックス原則(Jakob Nielsen, 1994, 2020)」などの
⼀般的なユーザビリティ原則にしたがう。
2 会話はやり直しができるようにする。
3 対話とは時系列をもち、ユーザーの時間を拘束するシステムである。会話のひとつひとつが良い体験になるようにする。
4 ユーザーに主権を与える。チャットボットとの会話のペースは、つねにユーザーの側にあるようにする。
5 チャットボットのAI性能以前に、そもそものプロダクト全体がユーザーにとって使える状態にする。
チャットボットの設計でもっとも重要なこと
10
ユーザーは、あなたのチャットボットを使うことが⽬的ではなく、ユーザーの⽬的を果たすための
過程にあなたのチャットボットがあるだけです。チャットボットだけのUXや、機械学習の精度だ
けを議論することは本質ではありません。ユーザーが⽬的を果たすまでの全体のUXが好まし
いものになるように設計しましょう。
参考⽂献
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本ドキュメントは、⽻⼭がこれまでに⾏った以下の登壇資料および翻訳⽂献をまとめたものです。
登壇資料
翻訳⽂献
• チャットボットが⽣み出す新しいユーザーエクスペリエンス(UX)
https://www.slideshare.net/storywriterjp/uxline-platform-uiux-01-chat-bot
• ⼈にうれしいAIのUXデザイン - Googleの「People + AI Guidebook」をひもとく
https://www.slideshare.net/storywriterjp/aiux-googlepeople-ai-guidebookdevlove-x
• チャットボットのUXと、導⼊現場のリアル(第2版)
https://www.slideshare.net/storywriterjp/ux2-110342916
• AIとUXデザイン 〜ユーザーのためのAIを設計するために〜
https://www.slideshare.net/storywriterjp/aiux-ai22-machine-learning-15minutes
• ⼈にうれしいAIのためのUXデザインガイド(Google の People + AI Guidebook の⽇本語訳)
https://storywriter.jp/pair/
⽻⼭ 祥樹 @storywriter
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⽇本ウェブデザイン株式会社 代表取締役CEO
使いやすいプロダクトをつくる専⾨家
HCD-Net認定 ⼈間中⼼設計専⾨家
Web業界に22年、AIシステムのプロダクトマネージャーとUXデザインを5年
主な実績など
2009年 ⽇経パソコン 企業サイトランキング2009
⽇本の主要企業696サイト中、ユーザビリティ/アクセシビリティ分野で第3位
2011年 Webユーザビリティランキング2011 企業サイト編
⽇本の⼤⼿企業150サイト中、第4位
主な専⾨分野
ユーザーエクスペリエンス、⼈間中⼼設計、情報アーキテクチャ、アクセシビリティ、ライター
13
ありがとうございました
⽻⼭ 祥樹 (⽇本ウェブデザイン株式会社)
Twitter: @storywriter
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