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More from toshihiro ichitani (20) チーム仕事のはじめ方 〜「チームビルド」から「チームマージ」へ2. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
http://about.me/papanda0806
Ichitani Toshihiro
市⾕聡啓
ソフトウェア開発16年
SIer→サービス→受託→起業
仮説検証とアジャイル開発
ギルドワークス株式会社 代表
株式会社 エナジャイル 代表
⼀般社団法⼈ 越境アジャイルアライアンス代表理事
DevLOVE コミュニティ ファウンダ
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4. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
チームビルディングって
いろんなワークがあるけど
どれをやればいいの?
インセプションデッキ?
ドラッカー⾵エクササイズ?
Working Agreement?
デリゲーションポーカー?
5. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
ちょっと待った。
「チームで、チームの、何を知りたいか」を
まずは、整理してみよう。
チームビルディングって
いろんなワークがあるけど
どれをやればいいの?
6. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
チームで知るべき3つのこと
①⽇常の仕事を通じて分かること
②⽇常の仕事を通じてでは分かりづらいこと
= チームのWhat
(個々の技術、経験、強み、パフォーマンス、振る舞い⽅)
= チームのWhy
(個々の信念、価値観、考え⽅)
③⽇常の仕事とワークショップで使い分けること
= チームのHow
(仕事のやり⽅)
8. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「⾃分が⾃分について理解していること」
「⾃分は知らない、他⼈が知っている⾃分のこと」を
把握するのに、ワークショップはとても役に⽴つ。
でも、技術とかスキルって「ゼロイチ」以上に勿論
「度合い」だよね。だから「表明」するだけでは本当
のところは分からないよね。
おや、強みとか、個々のスキルを
把握するのって、
ドラッカー⾵エクササイズが有名だよね?
「できる」「できない」は、ずれやすい。
9. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
信念、価値観、考え⽅は表に出て来にくい。
表に出てくるタイミングが合うまでお互いに
分からない。(「え、そんなこと考えてたの?」)
チームビルディングのワークショップとは
「タイミング」を恣意的に合わせる⼿段のこと。
(ワークショップって⾮⽇常感あるよね)
10. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
現状のやり⽅の改善は⽇常の仕事の中で
新しいやり⽅の獲得や練習は
⽇常の中に無い場合がある
= ワークショップで恣意的に
「タイミング」を作り出す
11. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「ふりかえり」と「むきなおり」
⽇常の延⻑線上には無い可能性を恣意的に⽣み出す
ためには「ふりかえり」だけではなく「むきなおり」
が必要。(ワークショップはその⼿段)
12. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
ワークショップだけ、たとえ100回やっても
“チーム仕事で結果を出せるチーム” にはならない。
⽇常の仕事を通じてしか分からないことがある。つまり、
13. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
本を読んでるだけでプログラミングの達⼈になれる?
書かないとダメだよね。
でも、本を読んで知識を得るのはプログラミングを上
達するためには⼤事なこと。
それと同じで、ワークショップで考え⽅や仕事の
やり⽅を知るのは⼤事なこと。
でも、チームビルディングのワークショップ
をやっているだけではチーム仕事が
できるようにはならない。
補⾜
14. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
え?でも、それってどうしたらいいの。
新しく集まったチームだから、
どうやってチーム仕事をはじめたら
良いか分からないわけなんだけど。
15. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
という考え⽅を紹介するね。これはギルドワークスで
「いろんな背景」の⼈たち (100名近いフリーランス) の
組み合わせで、「さまざまな⽬的」(のべ200プロジェクト)
でチーム仕事をしてきた結果、分かったことなんだ。
チームマージ
え?でも、それってどうしたらいいの。
新しく集まったチームだから、
どうやってチーム仕事をはじめたら
良いか分からないわけなんだけど。
16. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
その前に、いくつかの概念について
認識をあわせておこう
「プロダクト」と「チーム」
「グループ」と「チーム」
「ビルド」と「マージ」
18. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「グループ」と「チーム」の違い
集まりとして⽬的や⽬標の共有感が薄く、適宜個⼈で
仕事をしている。
“チーム仕事で結果を出せる”かが関⼼事になっていない。
組織でもグループを使うことがあるけど「ビジネスの
種類」とか「対象とする業界」とかでまとめているのは
それが「経営層の関⼼事」だったりするからだよね。
グループとは何か?
19. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「グループ」と「チーム」の違い
仕事をする上で、⽬的を揃えて、⽬標に向かって、
それぞれが持ち味を出して、協⼒しあうことで個⼈で
やるよりもっとパフォーマンスを出せる集まり、
それがチームだ。
だから「①チームの⽬的を揃える ②共通の⽬標を認識する
③お互いの持ち味を把握する ④協働で仕事するためのやり
⽅を整える」ことがチームには必要だ。
チームとは何か?
22. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「プロダクト」と「チーム」の違い
チームもインクリメンタルにつくられる!
チームもいきなり最⾼の状態から始まるわけではない。
時間とともに、知るべきことを知り、練度を⾼めていく。
チームとは何か?
24. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「ビルド」と「マージ」の違い
ビルドという⾔葉には建築物を⽴てるイメージがある。
これは、話し⼿の主観でしかないけど、ビルドには
①部品を組み上げるイメージ
→ 組み上げてから分解できる。Complicated
部品として代替が可能。
②他⼈の⼿が介在できるイメージ
→ チームの外側から「チーム」をつくる
を感じるんだ。
ビルドとは何か?
25. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「チームになる」のに、決まった⼿順があって、
それを上から流せば良い、そんなことはないよね。
チームの主語は「⾃分たち」
⾃分たちで整えたり、考えたり、動いたりする
からこそ、⾃分たちの⼒を引き出せるはずだ。
27. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
あなたの⼿を動かせる⼈は誰だろう?
よくわからないなー。
どういうこと?
誰か偉い⼈に「ここまでやれ!」と⾔われるのと
「⾃分たちでやるべきだと考えてやる」のでは
どっちが早かったり、持続したりするかな?
あるいは「このとおりにやれ!」と⾔われて、
限られた範囲の作業の最適化はできるかもしれない
けど、それ以上にはなれないよね。
28. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
「ビルド」と「マージ」の違い
①⾃分たちで⾃分たちの考え⽅や振る舞いを整える
→ チームの内側から「チーム」になる
②チームという個体としての最適化を⽬指すことになる
→ 分解しても、個々⼈だけでチームそのものを
代替できるわけではない。Complex
つまり、
「ビルドする(組み上げる)」というよりは
「マージする(融合する)」ことを⽬指したい。
30. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
で、どうやってインクリメンタルに
チームをマージしていけばいいの?
⼩さく、短く、⼀巡させる。
先に⾔ったように”チーム仕事で成果を出せるチーム”
になるためには、チーム仕事をやらないとダメだ。
だから、チーム仕事を⼩さく、短く、⼀巡させること
から始めるんだ。⼀巡すると、そこに軌跡が残る。
チームの軌跡があれば、ふりかえりができる。
ふりかえりができたら、変わる機会が得られる。
32. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
マージのための補助線を引こう
チームの変化、成⻑を説明する2つのモデル
①タックマンモデル
②成功循環モデル
を使って、インクリメンタル・チーム・マージ
の指針を得よう。
要は、⼩さく始めたら良いってこと?
上⼿くいくのかなぁ…。
33. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
タックマンモデル
形成期 混乱期 統⼀期 機能期
時間
成果
⼼理学者タックマンが唱えたモデル。
チームを形成していくプロセスには段階がある。
①形成期(Forming)お互いのことを知らない。⽬標も不明瞭。
②混乱期(Storming)お互いの役割・考え⽅で意⾒が⽣まれて対⽴する。
③統⼀期(Norming)⾏動規範や役割が確⽴し他⼈の考え⽅が受容できる。
④機能期(Performing)⼀体感が⽣まれ、⽬標達成に向かう状態。
34. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
成功循環モデル
ダニエル・キム⽒が提唱している理論。
成功循環モデルでは、成功や成果といった
“結果の質”を⾼めるためには、まず、メンバー間
の”関係の質”を⾼めるべき、という考え⽅に⽴っ
ている。
関係性が良くなれば、個⼈の”思考の質”も向上
する。思考の質が⾼まれば”⾏動の質”も良く
なり、結果の質が向上していく。
逆に、結果が伴わないために対⽴・押し付けが
増えて、関係の質が悪化することもある。関係が
悪くなれば、協調に⽋け、思考の質が低下する。
積極的に動かなくなり、⾏動の質の低下に繋がり、
結果が出ない…というサイクルも考えられる。
関係の質
思考の質
⾏動の質
結果の質
35. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
成功循環モデルでアジャイル開発を捉えてみる
関係の質
思考の質
⾏動の質 アジリティ、⾃⼰組織化、共創など
変化への適応、試してみる、シンプル、Whyから始めよ
持続可能性、フィードバック駆動、ユーザーファースト
ふりかえり、むきなおり、制約理論など
尊重、協調、感謝、対話、いきいき、透明性、信頼など
プラクティスという⾏動の前に、原則という考え⽅を。
そして、考え⽅の背景には、価値観がある。
価値観をすりあわせて、「チームの関係性」を⾼めたい。
補⾜
36. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
インクリメンタル・チーム・マージの原則
原則① お互いのDiffを取る
→ 違いを理解する。
コードと同じで、差分を取ることから始める。
差分を明らかにするワークショップを活⽤する。
原則② ⼩さく、短く、⼀巡させる
→ 正すべきことを早く明らかにする。
タックマンモデルの混乱期に早期に突⼊し、ふりかえりを
中⼼にして、チームの意思を少しずつ整えていく。
原則③ 結果から、関係性を⾼める
→ 成功体験駆動。ただし、⼩さな。それで良い。
成功循環モデルの「良い結果が良い関係性を⽣む」に則る。
⼩さな成功を、早く、何度も循環させる中で、関係性から
思考の質を⾼め、⾏動の質へと繋げる。
37. Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.
統⼀期に⾄る
まで繰り返す
原則②③
基本的な関係作りを
恣意的に⾏なう
原則①
インクリメンタル・チーム・マージモデル
…
原則① お互いのDiffを取る (違いを理解する)
原則② ⼩さく、短く、⼀巡させる (正すべきことを早く明らかにする)
原則③ 結果から、関係性を⾼める (成功体験駆動。ただし、⼩さな。それで良い)
チームの⽅向性と
理解の更新を
恣意的に⾏なう
原則①
38. Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.
形成期のチームマージ
形成期こそワークショップ
最初の関係の質、思考の質を⾼める期
①何を⽬指すのか
= 「インセプションデッキ」
②どんな⼈がいるのか
= 「ドラッカー⾵エクササイズ」
原則①
39. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
チーム仕事をはじめる際に⾒ておきたいこと
動けるか?
考えられるか?
関係性ができているか?
スクラムのプロセスや、アジャイル開発のプラクティスの
やり⽅を知っているか。やったことがあるか。
プロセスやプラクティスの導⼊にあたって背景となる原則
から、チームの共通理解となっているか。
チームの基本的な関係性づくりができているか。 関係の質
思考の質
⾏動の質
状態に応じて形成期のワークショップを⾏なう。
40. Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.
混乱期のチームマージ
さっそくチーム仕事を
⼩さく、短く、⼀巡させる
⼀巡⽬の”⾏動の質”は低いが
早く結果を出すことを優先する
⼩さな成功体験から
関係性を⾼める
⼀巡⽬の結果は⼤したもの
ではない。だが、ゼロから
イチが⽣み出されたのは事実
ふりかえりによって
さっそく改善を始める
⼀巡の結果分かったことから
次にやることを定める。
(コンフリクトを回避しない)
⼆順⽬の⾏動の質を⾼める。
このサイクルを繰り返し、巡回毎に質を⾼める。
41. Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.
統⼀期のチームマージ
チームの規範や役割を再定義
混乱期を通じて得られた学びで整える
「インセプションデッキ」
「ドラッカー⾵エクササイズ」
「Working Agreement 」など更新や再定義
チームの⽅向性と
理解の更新を
恣意的に⾏なう
原則①
42. Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
どんなに偉い⼈や有り難い本があっても、
それだけではチームは歩みを進められない。
⾃分たちの今ココを卑下したりせず、
チームの外側から、学びを得ながら、
チームの内側で、⾃分たちを
マージしていこう。
43. Copyright (c) 2017 Guild Works Inc.
https://ikinari.guildworks.jp/
まだ良くわからない?
じゃあ、⼀緒に、
⼩さく、短く、⼀巡させてみましょう!