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中学生の英語力を予測する要因の検討
-「全国学力・学習状況調査」中学校英語問題
と質問紙調査結果のデータ解析から-
斉田 智里(横浜国立大学)
渡邊 大志(横浜国立大学教育学研究科、神奈川県立藤沢工科高等学校)
並河 陽(横浜国立大学教育学研究科)
1
目的
• 「全国学力・学習状況調査」は、毎年4月に小6と中3の学力や学習状
況を把握・分析し、教育政策、教育指導、学習状況の教育改善を図
るために、(近年では)悉皆調査として実施されている。
• H31に教科として初めて英語が中学で実施、学習指導要領の目標
や内容に基づいて英語4領域から調査問題が作成・実施された(国
立教育政策研究所、2019a)。(R5、2度目の中学校英語が実施)
• 生徒質問紙調査には英語の学習に関する質問、学校質問紙調査に
は英語科の指導方法に関する質問が含まれている(国立教育政策
研究所、2019b)。
• 中学生の英語力(この調査問題で測られる学力)を予測する要因を
生徒質問紙、学校質問紙の調査項目から検討することを目的とした。
2
方法(データの準備)
• IRT(2PLM)を用いて英語26項目の項目特性値を推定した(Saida, 2022)。
• 推定された項目特性値を用いて924,400人の中学生(4領域全ての受験者)の英語能力
値(θ)を推定(EAP法)した。
• 学校ごとに受験生徒のθ平均値を求め、学校θとした。
• 生徒質問紙調査回答とθとの関係分析には、924,400人の回答データを用いた。
• 学校質問紙調査回答と学校θとの関係分析には、公立校(国立校、私立校、特別支援
学校を除く)8,948校の回答データを用いた。
• 生徒質問紙調査回答の選択肢は、解釈がしやすいように、回答順序を反転させた(選
択肢の数が大きくなるにつれて、その質問項目により肯定的な回答になる)。
• 学校質問紙調査回答の選択肢も、解釈がしやすいように、回答順序を反転させ、実数
や割合を選択する質問項目の場合は、小さい値から大きい値になるよう変換した。
• 質問紙調査項目への無回答やその他の回答は、欠測値として処理をした。
• 生徒質問紙調査からθを予測し、学校質問紙調査から学校θを予測するために、それぞ
れステップワイズ法による重回帰分析を行った。 3
方法(英語調査問題、生徒・学校質問紙調査項目)
• H31全国学力学習状況調査中学校英語
聞くこと7項目、読むこと6項目、書くこと8項目、話すこと5項目:全26項目
(テスト問題は、19mondai_chuu_eigo.pdf (nier.go.jp)参照)
国立教育政策研究所(2019a)平成31年度全国学力・学習状況調査報告書 中学校英語.
• H31全国学力学習状況調査 生徒質問紙調査:全69項目
(質問項目と選択肢:19shitumonshi_chuu_seito.pdf (nier.go.jp)参照)
国立教育政策研究所(2019b)平成31年度全国学力・学習状況調査報告書 質問紙調査
• H31全国学力学習状況調査 学校質問紙調査:全80項目
(質問項目と選択肢:19shitumonshi_chuu_gakkou.pdf (nier.go.jp)参照)
国立教育政策研究所(2019b)平成31年度全国学力・学習状況調査報告書 質問紙調査
4
結果:(1) 生徒質問紙調査項目とθとの相関
• 全69項目とθとの相関係数を求めた。
• 全て有意な値で、Q69(英語の解答時間
は十分だった)のみ負の関係、それ以外
の項目とは正の関係がみられた。
• .2以上の相関は22項目、相関係数の大
きい順に右表にまとめた。
• .2未満の質問項目は、その番号とθとの
相関係数のみを下表にまとめた。
番号 相関係数 番号 相関係数 番号 相関係数
Q34 .195** # Q16 .113** # Q36 .060**
Q1 .182** # Q69 -.113**# Q35 .059**
Q42 .180** # Q44 .105** # Q52 .059**
Q17 .179** # Q12 .100** # Q10 .057**
Q21 .175** # Q26 .098** # Q29 .052**
Q32 .167** # Q67 .096** # Q3 .046**
Q4 .162** # Q11 .095** # Q40 .044**
Q62 .158** # Q7 .093** # Q19 .042**
Q66 .154** # Q9 .091** # Q14 .041**
Q65 .149** # Q20 .089** # Q43 .038**
Q22 .146** # Q31 .079** # Q28 .037**
Q50 .131** # Q2 .075** # Q8 .031**
Q13 .128** # Q41 .075** # Q30 .030**
Q5 .119** # Q68 .072** # Q23 .029**
Q39 .119** # Q24 .070** # Q15 .027**
Q6 .116** # Q27 .068** 5
生徒質問紙調査項目とθとの相関係数( .2以上)
番号 質問内容 θ
Q56 英語の授業の内容はよく分かる .447**
Q54 英語の勉強は好きだ .411**
Q53 数学の問題で、全ての書く問題で最後まで解答を書こうと努力した .406**
Q48 国語の問題で、全ての書く問題で最後まで解答を書こうと努力した .362**
Q55 英語の勉強は大切だと思う .322**
Q61 英語を読んで、概要や要点をとらえる活動が行われていた .299**
Q57 英語の授業で学習したことは、将来社会にでたときに役に立つと思う .293**
Q37 課題解決に向けて自分で考え、自分から取り組んでいた .291**
Q51 数学の授業の内容はよく分かる .267**
Q59 将来積極的に英語を使う生活や職業に就きたいと思う .263**
Q60 英語を聞いて、概要や要点をとらえる活動が行われていた .262**
Q64 自分の考えや気持ちを英語で書く活動が行われていた .258**
Q18 学校の授業時間外に、一日あたりの勉強時間 .249**
Q38 自分の考えを発表する機会では、様々な工夫をして発表していた .242**
Q63
スピーチやプレゼンテーションなど、まとまった内容を英語で発表する活動が
行われていた
.242**
Q46
国語の授業で自分の考えを話したり書いたりするとき、うまく伝わるように理由
(根拠)を示したりするなど、話や文章の組み立てを工夫している
.229**
Q45 国語の授業では、目的に応じて、自分の考えを話したり書いたりしている。 .227**
Q58 学校の授業以外で、日常的に英語を使う機会が十分にある .224**
Q25 外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知ったりしてみたい .214**
Q33 授業で学んだことを、他の学習に生かしている .209**
Q47
国語の授業で文章や資料を読む時、目的に応じて、必要な語や文を見つけた
り、文章や段落どうしの関係を考えたりしながら読んでいる
.203**
Q49 数学の勉強は好きだ .200**
注: * p < .01
結果:(2) 生徒質問紙調査からθを予測
• 全69項目のうち、θと0.2以上の相
関係数がある22項目でθを予測し
た。
• 全22項目による決定係数(R2乗)
は.350。多重共線性は生じていな
いことを確認した。
(参考:全69項目でθを予測した場
合の決定係数は .441)
• 右に示す7項目でθの分散を
34.4%説明、次の項目を投入して
もR2乗は0.002しか変化しなかっ
たため、このモデルで結果をまと
めた。
• Q56,53,48,54がθをよく予測してい
る。
6
重回帰分析結果(生徒質問紙項目7項目からθを予測)
番号 質問内容 B 標準誤差 ベータ
切片 1.989 0.003
Q56 英語の授業の内容はよく分かる 0.196 0.001 0.207
Q53
数学の問題で、全ての書く問題で
最後まで解答を書こうと努力した
0.349 0.002 0.215
Q48
国語の問題で、全ての書く問題で
最後まで解答を書こうと努力した
0.319 0.002 0.164
Q54 英語の勉強は好きだ 0.131 0.001 0.156
Q18 学校の授業時間外に、一日あたりの勉強時間
0.058 0.001 0.079
Q63
スピーチやプレゼンテーションな
ど、まとまった内容を英語で発表
0.046 0.001 0.045
Q58
学校の授業以外で、日常的に英
語を使う機会が十分にある
0.038 0.001 0.045
注:R2乗 = .344
結果:(3) 生徒質問紙調査【英語学習法】からθを予測
• 英語の学習に関する7項目
(Q60~Q66)のみでθを予測、
すべて有意。
• ステップワイズ法による重
回帰分析を実施、7項目でθ
を11.6%を説明(右表)
• 多重共線性の疑いはなし。
• Q61, 64, 63でθを11%予測
• Q66, 65(領域統合の活動)
はθを負の方向に予測(?)、
影響は非常に小さい。
• Q62, 60はほとんど予測に寄
与していない。
平均値 標準偏差 回答者数
Q60 1.91 0.83 913081
Q61 1.86 0.81 913081
Q62 2.2 0.95 913081
Q63 1.87 0.91 913081
Q64 1.83 0.85 913081
Q65 1.88 0.89 913081
Q66 1.97 0.88 913081
θ 0.00 0.92 913081
7
重回帰分析の結果(英語学習法からθを予測)
番号 質問事項 B 標準誤差 ベータ R2 乗
切片 0.727 0.003
Q61 英語を読んで、概要や要点を捉える活動(R) 0.240 0.002 0.211 0.090 0.090
Q64 自分の考えや気持ちを英語で書く活動(W) 0.175 0.002 0.162 0.104 0.014
Q63
スピーチやプレゼンなど、まとまった内容を英語で発
表する活動(SP)
0.112 0.001 0.110 0.108 0.005
Q66
聞いたり読んだりしたことを、英語でまとめたり考えを
書いたりする活動(LRW)
-0.083 0.002 -0.079 0.114 0.006
Q65
聞いたり読んだりしたことを、生徒同士で英語で問答
したり意見を述べあったりする活動(LRS)
-0.044 0.001 -0.042 0.115 0.001
Q62 (即興で)自分の考えや気持ちを英語で伝え合う活動(SI)
-0.029 0.001 -0.030 0.116 0.000
Q60 英語を聞いて、概要や要点を捉える活動(L) 0.030 0.002 0.027 0.116 0.000
注:R2乗 = .108
R2 乗
変化量
θ Q60 Q61 Q62 Q63 Q64 Q65 Q66
θ 1 0.262 0.299 0.158 0.242 0.259 0.148 0.154
Q60 1 0.821 0.485 0.463 0.514 0.461 0.494
Q61 1 0.483 0.481 0.529 0.463 0.491
Q62 1 0.483 0.498 0.490 0.516
Q63 1 0.561 0.479 0.497
Q64 1 0.589 0.648
Q65 1 0.680
Q66 1
結果:(4) 学校質問紙調査項目からθを予測
• 全80項目と学校θとの相関係数
を求めた。
• 80項目中、学校θとの間に有意
な相関がない13項目と有意でも
相関係数.1未満の37項目の計
50項目を除外。30項目と学校θ
との相関を求めた。
• 学校θとの相関係数|0.2|以上
の項目を右表(上)に掲示。
• Q6(就学援助率)のみ負の関係
• 相関係数|0.2|の10項目で学校
θを予測、Q10は不安定な項目
で除外し、9項目で重回帰分析
を実施、結果は右表(下)、決定
係数は.218
• (参考)全80項目で学校θを予
測したときの決定係数は.317
項目間相関係数
Q6 Q8 Q9 Q33 Q47 Q51 Q55 Q59 学校θ
Q6 1 .142** .133** .120** .051** .057** .055** .047** -.243**
Q8 1 .479** .472** .263** .281** .210** .199** .335**
Q9 1 .338** .202** .211** .170** .156** .281**
Q33 1 .313** .312** .241** .224** .268**
Q47 1 .465** .239** .239** .238**
Q51 1 .403** .394** .276**
Q55 1 .397** .245**
Q59 1 .212**
学校θ 1
** p < .001
学校θと|0.2|以上の相関係数が得られた学校質問紙調査項目
番号 質問内容 学校θ
Q8 生徒は熱意をもって勉強している .335**
Q9 授業中の私語が少なく、落ち着いている .281**
Q51 英語の指導で、発展的な学習の指導を行った .276**
Q33 授業では課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組むことができている。 .268**
Q55 英語でスピーチやプレゼンテーションなどまとまった内容を英語で発表する言語活動を行った .245**
Q6 就学援助を受けている生徒の割合 -.243**
Q47 数学の指導として、発展的な学習の指導を行った .238**
Q54 英語の指導として、即興で自分の考えや気持ちなどを英語で伝えあう言語活動を行った .233**
Q10 礼儀正しい .214**
Q59 教室を実際のコミュニケーションの場とする観点から英語で授業を行った。 .212**
8
重回帰分析結果(9項目で学校θを予測)
B 標準誤差 ベータ
切片 0.741 0.017
Q8 0.095 0.007 0.158
Q6 -0.032 0.002 -0.182
Q51 0.042 0.006 0.081
Q55 0.044 0.006 0.089
Q9 0.057 0.006 0.103
Q47 0.037 0.006 0.07
Q59 0.024 0.006 0.043
Q33 0.03 0.007 0.049
Q54 0.018 0.005 0.039
注:R2乗 = .218
結果:(5) 学校質問紙調査【英語科指導方法】からθを予測
• 英語指導に関する全14項
目(Q50-Q63)(ICT活用含
む)で学校θを予測する。
• θとの相関係数が .1以下の
Q50,60,61,62,63の5項目を
除外して、9項目で重回帰
分析(ステップワイズ法)を
行った。多重共線性なし
• 予測に有効な項目は5項目
Q51,52,53,55,59。結果を右
下表にまとめた。
• 予測に有効な5項目で学校
θを11%説明している。
• 予測から除去された4項目
はQ53, 56, 57, 58で、右上
表に質問内容をまとめた。
項目間相関係数
Q51 Q52 Q53 Q54 Q55 Q56 Q57 Q58 Q59 学校θ
Q51 1 .418** .411** .451** .403** .405** .404** .453** .394** .276**
Q52 1 .605** .407** .361** .385** .373** .383** .403** .192**
Q53 1 .356** .346** .404** .308** .363** .362** .171**
Q54 1 .439** .386** .511** .471** .439** .233**
Q55 1 .485** .379** .395** .397** .245**
Q56 1 .366** .473** .356** .181**
Q57 1 .637** .388** .176**
Q58 1 .379** .194**
Q59 1 .212**
学校平均θと相関がほぼない(0.1未満)英語科指導の調査項目
番号 質問内容 相関係数
Q50 英語の指導で、補充的な学習指導を行った .045**
Q60 英語教育で、小学校との連携の頻度 -0.016
Q61 ALTの活用頻度 .036**
Q62 ALTとの共通認識の下協力して授業を行っている .067**
Q63 ICTを活用した授業の頻度 .053**
学校θの予測で除去された質問事項
Q53
英語を読んで(全体の)概要や
要点を捉える言語活動を行った
Q56
英語の指導として、自分の考え
や気持ちなどを英語で書く言語
活動を行った
Q57
英語の指導として、聞いたり読
んだりしたことについて、生徒
同士で英語で問答したり意見を
述べ合ったりする言語活動を
行った
Q58
英語の指導として、聞いたり読
んだりしたことについて、その
内容を英語で書いてまとめたり
自分の考えを英語で書いたりす
る言語活動を行った
9
重回帰分析(ステップワイズ法)結果:学校θを予測する英語科指導法に関する質問事項
番号 質問内容 B 標準誤差 ベータ
切片 0.385 0.014
Q51 英語の指導として、発展的な指導を行った 0.084 0.006 0.161**
Q55 英語でスピーチやプレゼン、まとまった内容を英語で発表する言語活動を行った 0.056 0.006 0.113**
Q54 (即興で)自分の考えや気持ちを英語で伝え合う言語活動を行った 0.033 0.006 0.072**
Q59 教室を実際のコミュニケーションの場とする観点から、授業は英語で行った 0.034 0.007 0.061**
Q52 英語を聞いて、(全体の)概要や要点を捉える言語活動を行った 0.016 0.006 0.030*
注:R2乗= .107, * p < .01, ** p < .001
考察・まとめ1
• 「全国学力・学習状況調査」の生徒質問紙調査全69項目の回答から英語能
力値(θ)を予測できるのは41.1%、学校質問紙調査全80項目の回答から学校
平均θを予測できるのは31.7%で、いずれも50%未満の予測率である。
• 英語学習法に関する7項目ではθを11.6%予測し、英語科指導法に関する14
項目のうち予測に有効なのは5項目で学校θを10.7%予測していた。これらの
調査項目からθを予測できる割合は小さい。
• 予測率が高くないのは、質問紙調査内容や回答方法、英語調査問題の内容
や難易度などの影響が考えられる。
• 生徒質問紙調査項目で、最もθをよく予測するのは、①英語の授業が分かる
こと、②③数学や国語でも最後まで問題を解こうと努力する態度、④英語の
勉強が好きであること、である。
• 生徒質問紙調査の英語の学習に関する質問で最もθをよく予測するのは、①
英語を読んで、概要や要点を捉える活動、②自分の考えや気持ちを英語で
書く活動、③まとまった内容を英語で発表する活動であった。英語調査問題
の内容によく対応している質問項目である。 10
考察・まとめ2
• 学校質問紙調査項目で、最も学校θをよく予測するのは、①生徒の熱意ある
勉強態度で、②就学援助率の高さは学校θを下げる要因となっている。
• 学校質問紙調査の英語科の指導方法に関する質問で最も学校θをよく予測
するのは、①英語の授業で発展的な指導を行っていること、②英語でスピー
チやプレゼンなどまとまった内容を英語で発表する言語活動を行っているこ
と、であった。
• 「全国学力・学習状況調査」の英語問題は、学習指導要領の目的や内容に
基づいて作成されている。この調査で測られるような英語力を育成していく
ためには、生徒が分かる授業をすることが最も重要で、教科に関わらず最
後まで努力を続ける粘り強い学習習慣を身に付けさせることも重要である。
授業では、まとまった内容や自分の考えや理由を書いたり、発表したりする
発展的な言語活動をより多く行っていくことが効果的である。生徒が熱意を
もって学べるような学校環境を作っていくことも有効である。学校θには家庭
のSES(社会的経済的地位)が関連していそうなことも明らかとなった。
11
引用文献
• 国立教育政策研究所 (2019a). 平成31年度(令和元年度)全国学力・学習
状況調査報告書中学校英語.
https://www.nier.go.jp/19chousakekkahoukoku/report/19middle/19meng/
• 国立教育政策研究所 (2019b). 平成31年度 (令和元年度)全国学力・学習
状況調査報告書質問紙調査.
https://www.nier.go.jp/19chousakekkahoukoku/report/question/
• Saida, C. (2022). Analysis of the junior high school English test items of
the national assessment of academic ability using item response theory.
ARELE, 33, 33–48. https://doi.org/10.20581/arele.33.0_33
1.発表予稿集作成の際の重回帰分析に用いた変数が異なること、及び、学校選択にあたって公
立校のみを分析対象としたことから、発表予稿集の値と異なる値となっている。
2.本研究は,平成31年度全国学力・学習状況調査の教科に関する調査 (中学校英語) の個票
データ貸与を受け、JSPS科研費 21K0084の助成を得て行われた。
注
12

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中学生の英語力を予測する要因の検討 -「全国学力・学習状況調査」中学校英語問題と質問紙調査結果のデータ解析から-

  • 2. 目的 • 「全国学力・学習状況調査」は、毎年4月に小6と中3の学力や学習状 況を把握・分析し、教育政策、教育指導、学習状況の教育改善を図 るために、(近年では)悉皆調査として実施されている。 • H31に教科として初めて英語が中学で実施、学習指導要領の目標 や内容に基づいて英語4領域から調査問題が作成・実施された(国 立教育政策研究所、2019a)。(R5、2度目の中学校英語が実施) • 生徒質問紙調査には英語の学習に関する質問、学校質問紙調査に は英語科の指導方法に関する質問が含まれている(国立教育政策 研究所、2019b)。 • 中学生の英語力(この調査問題で測られる学力)を予測する要因を 生徒質問紙、学校質問紙の調査項目から検討することを目的とした。 2
  • 3. 方法(データの準備) • IRT(2PLM)を用いて英語26項目の項目特性値を推定した(Saida, 2022)。 • 推定された項目特性値を用いて924,400人の中学生(4領域全ての受験者)の英語能力 値(θ)を推定(EAP法)した。 • 学校ごとに受験生徒のθ平均値を求め、学校θとした。 • 生徒質問紙調査回答とθとの関係分析には、924,400人の回答データを用いた。 • 学校質問紙調査回答と学校θとの関係分析には、公立校(国立校、私立校、特別支援 学校を除く)8,948校の回答データを用いた。 • 生徒質問紙調査回答の選択肢は、解釈がしやすいように、回答順序を反転させた(選 択肢の数が大きくなるにつれて、その質問項目により肯定的な回答になる)。 • 学校質問紙調査回答の選択肢も、解釈がしやすいように、回答順序を反転させ、実数 や割合を選択する質問項目の場合は、小さい値から大きい値になるよう変換した。 • 質問紙調査項目への無回答やその他の回答は、欠測値として処理をした。 • 生徒質問紙調査からθを予測し、学校質問紙調査から学校θを予測するために、それぞ れステップワイズ法による重回帰分析を行った。 3
  • 4. 方法(英語調査問題、生徒・学校質問紙調査項目) • H31全国学力学習状況調査中学校英語 聞くこと7項目、読むこと6項目、書くこと8項目、話すこと5項目:全26項目 (テスト問題は、19mondai_chuu_eigo.pdf (nier.go.jp)参照) 国立教育政策研究所(2019a)平成31年度全国学力・学習状況調査報告書 中学校英語. • H31全国学力学習状況調査 生徒質問紙調査:全69項目 (質問項目と選択肢:19shitumonshi_chuu_seito.pdf (nier.go.jp)参照) 国立教育政策研究所(2019b)平成31年度全国学力・学習状況調査報告書 質問紙調査 • H31全国学力学習状況調査 学校質問紙調査:全80項目 (質問項目と選択肢:19shitumonshi_chuu_gakkou.pdf (nier.go.jp)参照) 国立教育政策研究所(2019b)平成31年度全国学力・学習状況調査報告書 質問紙調査 4
  • 5. 結果:(1) 生徒質問紙調査項目とθとの相関 • 全69項目とθとの相関係数を求めた。 • 全て有意な値で、Q69(英語の解答時間 は十分だった)のみ負の関係、それ以外 の項目とは正の関係がみられた。 • .2以上の相関は22項目、相関係数の大 きい順に右表にまとめた。 • .2未満の質問項目は、その番号とθとの 相関係数のみを下表にまとめた。 番号 相関係数 番号 相関係数 番号 相関係数 Q34 .195** # Q16 .113** # Q36 .060** Q1 .182** # Q69 -.113**# Q35 .059** Q42 .180** # Q44 .105** # Q52 .059** Q17 .179** # Q12 .100** # Q10 .057** Q21 .175** # Q26 .098** # Q29 .052** Q32 .167** # Q67 .096** # Q3 .046** Q4 .162** # Q11 .095** # Q40 .044** Q62 .158** # Q7 .093** # Q19 .042** Q66 .154** # Q9 .091** # Q14 .041** Q65 .149** # Q20 .089** # Q43 .038** Q22 .146** # Q31 .079** # Q28 .037** Q50 .131** # Q2 .075** # Q8 .031** Q13 .128** # Q41 .075** # Q30 .030** Q5 .119** # Q68 .072** # Q23 .029** Q39 .119** # Q24 .070** # Q15 .027** Q6 .116** # Q27 .068** 5 生徒質問紙調査項目とθとの相関係数( .2以上) 番号 質問内容 θ Q56 英語の授業の内容はよく分かる .447** Q54 英語の勉強は好きだ .411** Q53 数学の問題で、全ての書く問題で最後まで解答を書こうと努力した .406** Q48 国語の問題で、全ての書く問題で最後まで解答を書こうと努力した .362** Q55 英語の勉強は大切だと思う .322** Q61 英語を読んで、概要や要点をとらえる活動が行われていた .299** Q57 英語の授業で学習したことは、将来社会にでたときに役に立つと思う .293** Q37 課題解決に向けて自分で考え、自分から取り組んでいた .291** Q51 数学の授業の内容はよく分かる .267** Q59 将来積極的に英語を使う生活や職業に就きたいと思う .263** Q60 英語を聞いて、概要や要点をとらえる活動が行われていた .262** Q64 自分の考えや気持ちを英語で書く活動が行われていた .258** Q18 学校の授業時間外に、一日あたりの勉強時間 .249** Q38 自分の考えを発表する機会では、様々な工夫をして発表していた .242** Q63 スピーチやプレゼンテーションなど、まとまった内容を英語で発表する活動が 行われていた .242** Q46 国語の授業で自分の考えを話したり書いたりするとき、うまく伝わるように理由 (根拠)を示したりするなど、話や文章の組み立てを工夫している .229** Q45 国語の授業では、目的に応じて、自分の考えを話したり書いたりしている。 .227** Q58 学校の授業以外で、日常的に英語を使う機会が十分にある .224** Q25 外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知ったりしてみたい .214** Q33 授業で学んだことを、他の学習に生かしている .209** Q47 国語の授業で文章や資料を読む時、目的に応じて、必要な語や文を見つけた り、文章や段落どうしの関係を考えたりしながら読んでいる .203** Q49 数学の勉強は好きだ .200** 注: * p < .01
  • 6. 結果:(2) 生徒質問紙調査からθを予測 • 全69項目のうち、θと0.2以上の相 関係数がある22項目でθを予測し た。 • 全22項目による決定係数(R2乗) は.350。多重共線性は生じていな いことを確認した。 (参考:全69項目でθを予測した場 合の決定係数は .441) • 右に示す7項目でθの分散を 34.4%説明、次の項目を投入して もR2乗は0.002しか変化しなかっ たため、このモデルで結果をまと めた。 • Q56,53,48,54がθをよく予測してい る。 6 重回帰分析結果(生徒質問紙項目7項目からθを予測) 番号 質問内容 B 標準誤差 ベータ 切片 1.989 0.003 Q56 英語の授業の内容はよく分かる 0.196 0.001 0.207 Q53 数学の問題で、全ての書く問題で 最後まで解答を書こうと努力した 0.349 0.002 0.215 Q48 国語の問題で、全ての書く問題で 最後まで解答を書こうと努力した 0.319 0.002 0.164 Q54 英語の勉強は好きだ 0.131 0.001 0.156 Q18 学校の授業時間外に、一日あたりの勉強時間 0.058 0.001 0.079 Q63 スピーチやプレゼンテーションな ど、まとまった内容を英語で発表 0.046 0.001 0.045 Q58 学校の授業以外で、日常的に英 語を使う機会が十分にある 0.038 0.001 0.045 注:R2乗 = .344
  • 7. 結果:(3) 生徒質問紙調査【英語学習法】からθを予測 • 英語の学習に関する7項目 (Q60~Q66)のみでθを予測、 すべて有意。 • ステップワイズ法による重 回帰分析を実施、7項目でθ を11.6%を説明(右表) • 多重共線性の疑いはなし。 • Q61, 64, 63でθを11%予測 • Q66, 65(領域統合の活動) はθを負の方向に予測(?)、 影響は非常に小さい。 • Q62, 60はほとんど予測に寄 与していない。 平均値 標準偏差 回答者数 Q60 1.91 0.83 913081 Q61 1.86 0.81 913081 Q62 2.2 0.95 913081 Q63 1.87 0.91 913081 Q64 1.83 0.85 913081 Q65 1.88 0.89 913081 Q66 1.97 0.88 913081 θ 0.00 0.92 913081 7 重回帰分析の結果(英語学習法からθを予測) 番号 質問事項 B 標準誤差 ベータ R2 乗 切片 0.727 0.003 Q61 英語を読んで、概要や要点を捉える活動(R) 0.240 0.002 0.211 0.090 0.090 Q64 自分の考えや気持ちを英語で書く活動(W) 0.175 0.002 0.162 0.104 0.014 Q63 スピーチやプレゼンなど、まとまった内容を英語で発 表する活動(SP) 0.112 0.001 0.110 0.108 0.005 Q66 聞いたり読んだりしたことを、英語でまとめたり考えを 書いたりする活動(LRW) -0.083 0.002 -0.079 0.114 0.006 Q65 聞いたり読んだりしたことを、生徒同士で英語で問答 したり意見を述べあったりする活動(LRS) -0.044 0.001 -0.042 0.115 0.001 Q62 (即興で)自分の考えや気持ちを英語で伝え合う活動(SI) -0.029 0.001 -0.030 0.116 0.000 Q60 英語を聞いて、概要や要点を捉える活動(L) 0.030 0.002 0.027 0.116 0.000 注:R2乗 = .108 R2 乗 変化量 θ Q60 Q61 Q62 Q63 Q64 Q65 Q66 θ 1 0.262 0.299 0.158 0.242 0.259 0.148 0.154 Q60 1 0.821 0.485 0.463 0.514 0.461 0.494 Q61 1 0.483 0.481 0.529 0.463 0.491 Q62 1 0.483 0.498 0.490 0.516 Q63 1 0.561 0.479 0.497 Q64 1 0.589 0.648 Q65 1 0.680 Q66 1
  • 8. 結果:(4) 学校質問紙調査項目からθを予測 • 全80項目と学校θとの相関係数 を求めた。 • 80項目中、学校θとの間に有意 な相関がない13項目と有意でも 相関係数.1未満の37項目の計 50項目を除外。30項目と学校θ との相関を求めた。 • 学校θとの相関係数|0.2|以上 の項目を右表(上)に掲示。 • Q6(就学援助率)のみ負の関係 • 相関係数|0.2|の10項目で学校 θを予測、Q10は不安定な項目 で除外し、9項目で重回帰分析 を実施、結果は右表(下)、決定 係数は.218 • (参考)全80項目で学校θを予 測したときの決定係数は.317 項目間相関係数 Q6 Q8 Q9 Q33 Q47 Q51 Q55 Q59 学校θ Q6 1 .142** .133** .120** .051** .057** .055** .047** -.243** Q8 1 .479** .472** .263** .281** .210** .199** .335** Q9 1 .338** .202** .211** .170** .156** .281** Q33 1 .313** .312** .241** .224** .268** Q47 1 .465** .239** .239** .238** Q51 1 .403** .394** .276** Q55 1 .397** .245** Q59 1 .212** 学校θ 1 ** p < .001 学校θと|0.2|以上の相関係数が得られた学校質問紙調査項目 番号 質問内容 学校θ Q8 生徒は熱意をもって勉強している .335** Q9 授業中の私語が少なく、落ち着いている .281** Q51 英語の指導で、発展的な学習の指導を行った .276** Q33 授業では課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組むことができている。 .268** Q55 英語でスピーチやプレゼンテーションなどまとまった内容を英語で発表する言語活動を行った .245** Q6 就学援助を受けている生徒の割合 -.243** Q47 数学の指導として、発展的な学習の指導を行った .238** Q54 英語の指導として、即興で自分の考えや気持ちなどを英語で伝えあう言語活動を行った .233** Q10 礼儀正しい .214** Q59 教室を実際のコミュニケーションの場とする観点から英語で授業を行った。 .212** 8 重回帰分析結果(9項目で学校θを予測) B 標準誤差 ベータ 切片 0.741 0.017 Q8 0.095 0.007 0.158 Q6 -0.032 0.002 -0.182 Q51 0.042 0.006 0.081 Q55 0.044 0.006 0.089 Q9 0.057 0.006 0.103 Q47 0.037 0.006 0.07 Q59 0.024 0.006 0.043 Q33 0.03 0.007 0.049 Q54 0.018 0.005 0.039 注:R2乗 = .218
  • 9. 結果:(5) 学校質問紙調査【英語科指導方法】からθを予測 • 英語指導に関する全14項 目(Q50-Q63)(ICT活用含 む)で学校θを予測する。 • θとの相関係数が .1以下の Q50,60,61,62,63の5項目を 除外して、9項目で重回帰 分析(ステップワイズ法)を 行った。多重共線性なし • 予測に有効な項目は5項目 Q51,52,53,55,59。結果を右 下表にまとめた。 • 予測に有効な5項目で学校 θを11%説明している。 • 予測から除去された4項目 はQ53, 56, 57, 58で、右上 表に質問内容をまとめた。 項目間相関係数 Q51 Q52 Q53 Q54 Q55 Q56 Q57 Q58 Q59 学校θ Q51 1 .418** .411** .451** .403** .405** .404** .453** .394** .276** Q52 1 .605** .407** .361** .385** .373** .383** .403** .192** Q53 1 .356** .346** .404** .308** .363** .362** .171** Q54 1 .439** .386** .511** .471** .439** .233** Q55 1 .485** .379** .395** .397** .245** Q56 1 .366** .473** .356** .181** Q57 1 .637** .388** .176** Q58 1 .379** .194** Q59 1 .212** 学校平均θと相関がほぼない(0.1未満)英語科指導の調査項目 番号 質問内容 相関係数 Q50 英語の指導で、補充的な学習指導を行った .045** Q60 英語教育で、小学校との連携の頻度 -0.016 Q61 ALTの活用頻度 .036** Q62 ALTとの共通認識の下協力して授業を行っている .067** Q63 ICTを活用した授業の頻度 .053** 学校θの予測で除去された質問事項 Q53 英語を読んで(全体の)概要や 要点を捉える言語活動を行った Q56 英語の指導として、自分の考え や気持ちなどを英語で書く言語 活動を行った Q57 英語の指導として、聞いたり読 んだりしたことについて、生徒 同士で英語で問答したり意見を 述べ合ったりする言語活動を 行った Q58 英語の指導として、聞いたり読 んだりしたことについて、その 内容を英語で書いてまとめたり 自分の考えを英語で書いたりす る言語活動を行った 9 重回帰分析(ステップワイズ法)結果:学校θを予測する英語科指導法に関する質問事項 番号 質問内容 B 標準誤差 ベータ 切片 0.385 0.014 Q51 英語の指導として、発展的な指導を行った 0.084 0.006 0.161** Q55 英語でスピーチやプレゼン、まとまった内容を英語で発表する言語活動を行った 0.056 0.006 0.113** Q54 (即興で)自分の考えや気持ちを英語で伝え合う言語活動を行った 0.033 0.006 0.072** Q59 教室を実際のコミュニケーションの場とする観点から、授業は英語で行った 0.034 0.007 0.061** Q52 英語を聞いて、(全体の)概要や要点を捉える言語活動を行った 0.016 0.006 0.030* 注:R2乗= .107, * p < .01, ** p < .001
  • 10. 考察・まとめ1 • 「全国学力・学習状況調査」の生徒質問紙調査全69項目の回答から英語能 力値(θ)を予測できるのは41.1%、学校質問紙調査全80項目の回答から学校 平均θを予測できるのは31.7%で、いずれも50%未満の予測率である。 • 英語学習法に関する7項目ではθを11.6%予測し、英語科指導法に関する14 項目のうち予測に有効なのは5項目で学校θを10.7%予測していた。これらの 調査項目からθを予測できる割合は小さい。 • 予測率が高くないのは、質問紙調査内容や回答方法、英語調査問題の内容 や難易度などの影響が考えられる。 • 生徒質問紙調査項目で、最もθをよく予測するのは、①英語の授業が分かる こと、②③数学や国語でも最後まで問題を解こうと努力する態度、④英語の 勉強が好きであること、である。 • 生徒質問紙調査の英語の学習に関する質問で最もθをよく予測するのは、① 英語を読んで、概要や要点を捉える活動、②自分の考えや気持ちを英語で 書く活動、③まとまった内容を英語で発表する活動であった。英語調査問題 の内容によく対応している質問項目である。 10
  • 11. 考察・まとめ2 • 学校質問紙調査項目で、最も学校θをよく予測するのは、①生徒の熱意ある 勉強態度で、②就学援助率の高さは学校θを下げる要因となっている。 • 学校質問紙調査の英語科の指導方法に関する質問で最も学校θをよく予測 するのは、①英語の授業で発展的な指導を行っていること、②英語でスピー チやプレゼンなどまとまった内容を英語で発表する言語活動を行っているこ と、であった。 • 「全国学力・学習状況調査」の英語問題は、学習指導要領の目的や内容に 基づいて作成されている。この調査で測られるような英語力を育成していく ためには、生徒が分かる授業をすることが最も重要で、教科に関わらず最 後まで努力を続ける粘り強い学習習慣を身に付けさせることも重要である。 授業では、まとまった内容や自分の考えや理由を書いたり、発表したりする 発展的な言語活動をより多く行っていくことが効果的である。生徒が熱意を もって学べるような学校環境を作っていくことも有効である。学校θには家庭 のSES(社会的経済的地位)が関連していそうなことも明らかとなった。 11
  • 12. 引用文献 • 国立教育政策研究所 (2019a). 平成31年度(令和元年度)全国学力・学習 状況調査報告書中学校英語. https://www.nier.go.jp/19chousakekkahoukoku/report/19middle/19meng/ • 国立教育政策研究所 (2019b). 平成31年度 (令和元年度)全国学力・学習 状況調査報告書質問紙調査. https://www.nier.go.jp/19chousakekkahoukoku/report/question/ • Saida, C. (2022). Analysis of the junior high school English test items of the national assessment of academic ability using item response theory. ARELE, 33, 33–48. https://doi.org/10.20581/arele.33.0_33 1.発表予稿集作成の際の重回帰分析に用いた変数が異なること、及び、学校選択にあたって公 立校のみを分析対象としたことから、発表予稿集の値と異なる値となっている。 2.本研究は,平成31年度全国学力・学習状況調査の教科に関する調査 (中学校英語) の個票 データ貸与を受け、JSPS科研費 21K0084の助成を得て行われた。 注 12