本発表は、特に英語学習に困難を感じている中学生の自由英作文能力の向上を目的として行った「視写活動」についての実践報告である。与えられたモデル英文の視写活動を通して、「英語を書くことへの慣れ」や「語彙・表現の定着」が促されるのではないかと考えた。
本調査は公立中学校2年生およそ120名に対して実施した。生徒たちは学校の評定に基づき「上位層」、「中位層」、「下位層」に分類された。調査の目的は、(1)約5分間英文を写す視写活動を12回行うことによって英作文の質・量に変化が起こるのか、(2)英作文を書く時に生徒は何に困っているのか、また視写活動はそれを解決するための学習方法となり得るのか、ということであった。
視写活動は、生徒の習熟度および対象(能力面か情意面か)によりその効果が異なることがわかった。本調査を実施したことにより、英作文指導のより幅広い可能性が示唆された。