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患者中心の医療技法
能美 雅之
患者中心の医療技法
•カナダのウエスタン・オンタリオ大学家庭医学科で開発された手法
•1980年代に発表され、北米・ヨーロッパ・中近東、南米、オセアニア、東南
アジアなどで医学部教育・卒後教育に組み込まれている
•家庭医療後期研修・総合診療医後期研修において、BPSモデルや家族志向ケ
ア、地域志向ケア等と並んで中心となる理論
•4つのコンポーネントで構成され、相互に関係している
共通基盤を形成する
①問題の定義
②目標と優先順位の設定
③お互いの役割の明確化
患者中心の医療技法
患者-医師関係を強化する
人生、家族、仕事
文化、地域、制度、政治
全人的に理解する
病い
疾患
健康観
統合的に理解する
Stewart M, Brown JB, Weston WW, et al:Patient-Centered Medicine; Trans-forming the Clinical Method. 3 rd ed, Radcliffe Medical Press, Oxon 2014を基に一部改変
こんなことってありませんか
•医学的に正しい診断、正しい治療法を選択しても、患者に受け入れてもらえない
•例1)頭痛を主訴に来院した患者
• 3CやOPQRST、VINDICATE-P等を駆使して緊張性頭痛と診断
• 診察結果を説明しても患者はスッキリしない表情、“MRIを撮ってくれませんか?”と
• 緊張性頭痛にMRIは不要なことを伝えても納得していない様子…
•例2)糖尿病で外来通院中の患者
• 診断当初は治療に前向きでHbA1cの数値も順調に経過していた
• 数年が経過すると徐々に数値が悪化、薬の数や種類も増えていく
• 食事や運動について何度も指導するけど、やる気が感じられない…
なぜそういったことが起こるのか
• 同じ症状・同じ診断でも、その患者が病院・診療所へくる理由は様々
患者の真の受診理由(actual reason coming)を探る必要がある
• 患者を“悩みを抱えた一人の人間”として理解して、対応する
• そのための方法として、患者中心の医療技法を用いる
患者を理解するために:疾患(disease)と病い(illness)
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病歴や身体診察、検査などで判明する病気の情報
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患者個人によって体験がことなるため、一般化することができない
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病い(illness)を理解するためのキーワード:かきかえ
• 患者の訴えや非言語的なメッセージを逃さない
• 場合によってはこちら側から質問して把握する
か 感情(Feeling) 自分の健康問題についてどう思っているか
き 期待(Expectation) 医療者に何を期待するか、何を求めて来院したのか
か 解釈(Ideas) 自分の健康問題が何に由来していると考えるか
え 影響(Function) 自分の健康問題が日々の生活やADL、社会生活にどう影響しているか
主訴:頭が痛い
鑑別診断
3C
OPQRSRT
VINDICATE
Review of systems
バイタルサイン
身体診察
血液検査
画像検査
感情
解釈
期待
影響
疾患
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病い
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行き来しながら
バランスよく
すすめていく
Stewart M, Brown JB, Weston WW, et al:Patient-Centered Medicine; Trans-forming the Clinical Method. 3 rd ed, Radcliffe Medical Press, Oxon 2014を基に一部改変
患者を理解するために:全人的に理解する
一人の人間としての患者全体を理解する
• 時間的な理解:生活史、ライフサイクルの理解
• 空間的な理解:Context(背景)の理解
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職業 家計
教育
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文化
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思春期
青年期
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全人的に理解する:生活史・ライフサイクルの理解
• 今までの人生でどういう経験を積んできたかを知ることで、
患者をより理解できる
患者の病いの体験には、患者の過去の人生経験が影響を与えることがある
• 個人の発達段階(思春期や壮年期、老年期)にみられる
課題を理解することが役立つ
発達段階の課題を理解しておくことで、
健康問題を患者の全体像の中で捉えることができる
全人的に理解する:Context(背景)の理解
• 患者の背景にある様々な要素が疾患(disease)の発症や増悪、
患者の病い(illness)に影響を与える
• その結果、同じ疾患でも患者一人一人は異なる様相を見せる
• 近位コンテクスト
家族、家計、教育、職業、余暇、社会サポート
• 遠位コンテクスト
地域、文化、経済状況、ヘルスケアシステム、歴史、地理、マスメディア、生態系
共通基盤を形成する
❶ 問題を定義する
• 患者が抱えている問題について医師と患者がお互いに理解し、問題点を明らかにする
• 健康に対する問題点が何であるかについて、患者と医師が合意する
❷ 治療の目標と優先順位を設定する
• 医師が選択肢を提示して患者と交渉し、治療方針を決定する
❸ お互いが担う役割を明確化する
• 医師と患者がそれぞれの役割を認識して、遂行する
• とくに学生・初期研修医のうちは、疾患
の方に目がいってしまいがちになります
※もちろん、正しく診断・治療が行えるようにな
ることはとても大切です
• 現場で実際に目の前に現れるのは“疾患を
持った一人の人間”としての患者さんです
• “一人の人間“としての患者さんの問題を
解決できるよう、学んでいきましょう
最後に

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患者中心の医療技法

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  1. これまでの病いや全人的な理解をまとめたものを家庭医療学では患者中心の医療、といいます。これは患者さんの抱える症状に対して疾患と病い、さらには患者さん自身の健康感観を踏まえた上で理解し、患者さんの背景も理解した上で、健康問題に対する現状の理解と問題に対する方針、それぞれの役割を共有して、共通基盤を形成することを目標にしています。 ここで注意点が一つあります。患者中心の医療は患者さんの希望を一方的に叶えるものではありません。患者さんとの共通理解を築くことが大切なので、たとえば検査を希望される場合でもその検査の必要性や妥当性について患者さんと話し合い、検査をする、しないについて納得してもらうことが必要です。
  2. 同じ疾患を抱えていても、患者さんの抱えている悩みは人によって違う、このことを理解するための考え方が私たち家庭医療学の分野にはあり、疾患と病いと呼ばれています。 疾患とは病歴や身体診察、検査などから得られる客観的な情報で、同じ症状・診察所見・県所見であれば疾患は一つに決まります。一方で病とは病気によってその人自身が受ける様々な苦しみのことを指し、その人それぞれによって異なっていることから、個別性が高いものです。
  3. そんな病いを患者さんから聞き出すためのキーワードしてあるのがかきかえです。これらは感情、期待、解釈、影響の頭文字を撮ったもので、それぞれ自分の健康問題についてどう感じているか、何を求めて受診したか、心当たりはなにか、今の健康問題が自分の生活に同影響しているのか、を明らかにするものです。
  4. 疾患に対する軸としては鑑別診断や身体所見、検査所見などの一般的な診察の流れがあり、病いに対しては書き換えがひとつの軸となります。ここで大切なのは疾患だけ、病いだけに偏って診療していくのではなく、両者を行き来しながらバランス良く診療を進めていくことです。