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医療安全活動入門
~平時~
助永 親彦
ある年の4月に上司に呼び出され・・
今年度の医療安全担当を
お願いすることにしたから
よろしくね
あ、はい。
わかりました
えーー まじかーー
医療安全なんて全然わからんよー
インシデントレポートだって書いたことないし
何やったらいいの??
心の声
ある年の4月に上司に呼び出され・・
図:長尾能雅先生から提供
0 : 院内報告の活性化
1 : 院内のインシデント・アクシデント情報の集積
2 : レポートのトリアージ
3 : 会議での検討
4 : 課題の抽出 業務プロセスの標準化
5 : 改善活動の実施
6 : 効果・成果の測定
7 : 評価、フィードバック
8 : 促進的インシデントモニタリング
22:報告の重要性の理解
医療安全に関する組織図
隠岐病院の例
院長
診療部
看護部
医療技術部
事務部
地域連携部
統括副院長
医療安全管理室長
医療安全管理者
医薬品安全管理責任者
医療機器安全管理責任者
院内感染管理者
事務担当
医療安全管理室
副院長
運営会議
○○委員会 △△委員会
医療安全管理
委員会
医療事故対策
委員会
リスクマネージャー
部会
平時 有時
医療安全に関する組織図
隠岐病院の例
リスクマネージャー
各医療現場における医療安全管理、事故防止活動の推進責任者
として、職員の医療安全の意識付け、実地指導、教育等を行い、
医療安全対策を推進する
リスクマネージャー
リスクマネージャー
リスクマネージャー
リスクマネージャー
リスクマネージャー
●●病棟 ■■病棟
外来部門 リハビリ
診療部
レ
ポ
ー
ト
提
出
カ
ン
フ
ァ
レ
ン
ス
医
療
安
全
推
進
委
員
会
各
部
署
ワ
ー
キ
ン
グ
R
C
A
医
療
安
全
推
進
委
員
会
インシデントレポートの流れ
トリアージ 対策の決定 対策の評価
対策の検討
対策実施
医療安全と質管理
①
テ
ー
マ
選
定
②
現
状
把
握 ③
目
標
設
定
④
要
因
解
析
⑤
対
策
立
案
⑥
対
策
実
行
⑦
効
果
確
認
⑧
標
準
化
と
管
理
の
定
着
P D C A
患者影響レベル
レベル
障害の
継続性
障害の
程度
内容 報告タイミング
0 なし なし 医療標準にない間違った行為等が発生したが、患者等には実施されなかっ
た場合
速やかに上席者
又は医療安全管
理者へ報告する。
1 なし なし 事故により患者への実害はなかったが、何らかの影響を与えた可能性があ
り、観察の強化や心身への配慮の必要性が生じた場合
2 一過性 軽度 事故により患者への観察の強化の必要性とバイタルサインに変化が生じた、
または、検査の必要性が生じた場合
3a 一過性 中等度 事故のため治療の必要性が生じ、または、必要でなかった治療、処置の必
要や入院日数の増加等が生じた場合
3b 一過性 高度 濃厚な処置や治療を要した。(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の
装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折など) 発生後直
ちに
上席者へ。
上席者からは直
ちに医療安全管
理者→院長へと
報告する。
4a 永続的 軽~中 永続的な障害や後遺症が残ったが、優位な機能障害や美容状の問題は伴
わない
4b 永続的 中~高 永続的な障害や後遺症が残り、優位な機能障害や美容状の問題を伴う
5 死亡 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)
インシデント
アクシデント
インシデントトリアージ
明らかなミスの例
• ルール違反
• 誤薬
• 患者誤認
• 部位誤認
• 機器設定ミス
• 体内異物遺残
• 患者影響度
• 緊急性
• 過失感
• 時宜性
• 多職種感
• 改善性
• 犯罪性
• 倫理性
ポイント
SACマトリックス
破滅的な事故 重度の事故 中等度事故 軽度の事故
頻繁 3 3 2 1
たまに
1~2年に数回
3 2 1 1
稀に
2~5年に数回
3 2 1 1
ごく稀に
5~30年に数回
3 2 1 1
3に該当すれば RCA (root cause analysis) による分析を実施
• 人的要因(ひと)
• 物的要因(もの)
• 管理要因(かんり)
要因解析
対策効果のレベル
強力な対策 中等度の対策 弱い対策
施設・設備の改善
人員増加、業務の見直し、人員の適
正配置
ダブルチェック
機器の導入と整備 ITの利用 警告・注意を促す
機器の活用 環境改善 マニュアルの作成
業務プロセスの単純化 チェックリスト 教育・訓練
設備・プロセス・
ケアプランの標準化
類似物の除去 新たな学習
トップマネジメントのリーダー
シップ
記録やコミュニケーションの改善
参加型トレーニング
(シミュレーションなど)
異常の発生
標準があったか
標準に従っていたか
標準がない理由の
調査と対応
守らない理由の
調査と対応 標準の検証と改訂
Yes
Yes
No
No
Plan
Do
Check
Act
標準を決める
標準を守る
異常への気づき
標準の見直し
(改善)
平時のサイクル
0 : 院内報告の活性化
1 : 院内のインシデント・アクシデント情報の集積
2 : レポートのトリアージ
3 : 会議での検討
4 : 課題の抽出 業務プロセスの標準化
5 : 改善活動の実施
6 : 効果・成果の測定
7 : 評価、フィードバック
8 : 促進的インシデントモニタリング
22:報告の重要性の理解

医療安全活動入門 〜平時の対応〜 【ADVANCED2022】