日本心理学会第83回 (2019年) のシンポジウム「あなたは『伝えるための心理統計』を実践できていますか？―著者・査読者・編集者に向けた諸提言―」の企画主旨です。

1. 著者・査読者・編集者に向けた諸提言
あなたは
｢伝えるための心理統計｣
を実践できていますか？
日本心理学会第83回大会
公募シンポジウムSS-028
2019年9月11日
企画：
樫原 潤 (日本大学・日本学術振興会)
市川 玲子 (株式会社イデアラボ)
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2. 企画主旨
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3. ｢伝えるための心理統計｣の理想
 専門家を越えて，社会に研究成果を伝えていく
｢p < .05｣ ｢有意｣などの専門用語だけで済ませない
個々の研究文脈に見合った分析を選択し，受け手に
とっての「ちょうど良い」伝え方を模索する
(※ あえてシンプルに，もときには必要)
 応用研究者と心理統計家が協働して｢伝え方｣を考える
応用研究者
分析や伝え方の取捨選択，｢こんなツールがほしい｣の提案
心理統計家
分析やツールの開発，研究実践に関する問題提起
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4. ｢伝えるための心理統計｣の現実？
 応用研究者が受け身的すぎる？
｢○○先生の教科書にあったのでこの分析にした｣
｢××分析が『正しい』のに，難しくてできない｣
 心理統計家の言葉が単純化されて消費されている？
結果をvividに伝えるため，効果量や信頼区間を有効
活用すべき (大久保・岡田, 2012)
→｢最近はいろいろうるさいから，効果量や信頼区間を
書かないと採択されない｣
ベイズ統計を使えば，データの特徴やモデルに合わ
せた分析がしやすい (三浦・岡田・清水, 2018)
→｢帰無仮説検定じゃダメらしいから，ベイズ勉強しな
いと！｣
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5. 理想と現実のギャップはなぜ生まれる？
 応用研究者の受け身的な姿勢 (前ページ参照)
心理統計法の論文を読むなど，自助努力が必要
 応用研究者を取り巻く環境・システムの要因
心理学の業界全体で，｢もっと伝えるために試行錯誤
しよう｣という機運を高められているか？
例えば，｢査読者・編集者｣の働きかけ次第で，
｢著者｣の試行錯誤をもっと後押しできるのでは？
 応用研究者と心理統計家の相互交流の場が少ない
どちらかの立場の先生方が集まったシンポは多いが，
｢両者の対話｣はなかなかない
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6. 企画主旨のまとめ
 ｢より良い心理統計の伝え方｣をみなで議論し合いたい
｢心理統計のユーザー｣3名による話題提供
心理統計学者による指定討論
フロアディスカッション
 ｢心理統計のユーザー (例：著者)｣だけでなく，｢ユー
ザーを支援する立場の人々 (例：査読者・編集者)｣にも
メッセージを発信したい
ユーザー個人の努力にも限界がある
ユーザーの工夫をどう後押ししていくか，システム
面でテコ入れの余地はないか
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7. 登壇者・タイムテーブル
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8. 本シンポの登壇者
 話題提供者・演題
樫原 潤 (日本大学・日本学術振興会)
｢効果の個人差と分布｣に着目して基礎研究の結果を伝えよう：
｢帰無仮説検定禁止｣ジャーナルへの投稿体験を踏まえた諸提言
竹林 由武 さん (福島県立医科大学)
臨床疫学研究における臨床的有意性
市川 玲子 さん (株式会社イデアラボ)
心理学の研究結果を他分野研究者や非研究者によりよく伝える
ために：研究コンサルタントの立場から
 指定討論者
宇佐美 慧 さん (東京大学)
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9. タイムテーブル
15:45～16:10 話題提供① (樫原)
16:10～16:35 話題提供② (竹林さん)
16:35～17:00 話題提供③ (市川さん)
17:00～17:20 指定討論 (宇佐美さん)
17:20～17:40 フロアディスカッション
※各話題提供の間には，事実確認の質問のみお受けします。
ぜひ最後，活発にディスカッションしましょう！
※本日の発表資料 (市川さん分を除く) は，SlideShareの
樫原の個人ページよりダウンロード可能です。
https://www.slideshare.net/JunKashihara/
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10. 文献
三浦 麻子・岡田 謙介・清水 裕士 (2018). 統計革命：Make statistics great
again――特集号の刊行にあたって―― 心理学評論，61(1), 1–2.
大久保 街亜・岡田 謙介 (2012). 伝えるための心理統計――効果量・信頼区
間・検定力―― 勁草書房.
※本日の発表資料 (市川さん分を除く) は，SlideShareの
樫原の個人ページよりダウンロード可能です。
https://www.slideshare.net/JunKashihara/
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