日本心理学会第87回大会の公募シンポジウム「心理療法研究の最前線：エビデンスと個別性の双方を尊重するために」で用いられたスライド資料です (8つある資料の5個目)。 山口 慶子 先生 (東京女子大学) に，エモーション・フォーカスト・セラピー (EFT) の観点から話題提供をいただきました。臨床心理学に携わるみなさまに，ぜひ目を通していただきたい内容です！ ※権利の関係で，一部のみ抜粋しての公開となります。

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話題提供
エモーション・フォーカスト・セラピー
におけるエビデンスと個別性
山口慶子
(東京女子大学)
心理療法研究の最前線：エビデンスと個別性の双方を尊重するために
日本心理学会第87回大会 公募シンポジウム
※ 本公開資料は発表内容の一部抜粋です。

2. アウトライン
エモーション・フォーカスト・セラピーとは (7min)
ー実証基盤、特徴、面接のプロセス
日本での展開とこれまで (3min)
課題と展望 (5min)
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3. エモーション・フォーカスト・セラピー
（emotion-focused therapy; EFT、感情焦点化療法）
Greenberg, Elliott, Watson, Goldmanらにより開発
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•RCTでエビデンス（Timulak et al., 2019）
•個人療法・カップル療法、家族療法
•国際EFT協会のリストでは、343名
のセラピスト（アジア地域47名）

4. セラピスト向けの書籍
感情に働きかける面接技法
2006年
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Emotion-Focused Therapy:
Coaching Clients to Work
Through Their Feelings
2002年, 2015年（第2版）
Case Formulation in
Emotion-Focused Therapy:
Co-Creating Clinical Maps
for Change
2014年

5. 日本での展開とこれまで
開発者の来日
• 講演、スーパービジョン、トレーニング、研究
2006年、2010年、2013年、・・・2017年、2018年、・・・2023年
翻訳
•感情に働きかける面接技法 2006年
•エモーション・フォーカスト・セラピー入門 2013年
エモーション・フォーカスト・セラピー研究所(iEFT Japan)の創設
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6. 研究例
プロセス研究
恥を解決するプロセス (岩壁, 2016, Iwakabe, Ito, & Yamaguchi, 2012)
Self-soothingのプロセス (伊藤, 2011）
長期療法における感情の変容プロセス (野田, 2017)
尺度開発
Self-soothing（伊藤, 2011, Yamaguchi, Ito, & Takebayashi, 2018)
効果研究
過去の感情的傷つきへのEFTの効果（野田・岩壁・中村, 2023）
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7. トレーニングプログラム
International Society for Emotion-Focused Therapy (isEFT) による
個人療法トレーニングのプログラム
5段階
Level A: Completion of Basic EFT Training
Level B: Completion of EFT Supervised Practice
Level C: Certified EFT Therapist
Level D: Supervisor
Level E: Trainer
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https://iseft.org/page-18205

8. 8
https://iseft.org/page-18205
まず、共感、
その後も
ずっと共感
面接動画（字幕付き）
＆逐語を用いたSV

9. 文献リスト
ゴールドマン, R. （2023）. EFTの発展と感情を深めるための関係性的な共感．
EFT特別講演会，2023年8月，東京．
Greenberg, L. S. (2002). Emotion-focused therapy: Coaching clients to work through
their feelings. American Psychological Association.
Greenberg, L. S. (2007). A guide to conducting a task analysis of psychotherapeutic
change. Psychotherapy Research, 17(1), 15-30.
伊藤正哉（2011）．自己静穏についての介入マニュアル．国立精神・神経
医療研究センター未公刊資料．
Yamaguchi, K., Ito, M., & Takebayashi, Y. (2018). Positive emotion in distress as a
potentially effective emotion regulation strategy for depression: A preliminary
investigation. Psychology and Psychotherapy: Theory, Research and Practice, 91(4)
509-525. 9

10. 文献リスト
Iwakabe, S., Ito, M., & Yamaguchi, K. (2012). The process of resolving shame: A task
analytic study. Paper presented at the annual meeting of the Society for
Psychotherapy Research, Virginia Beach, VA.
岩壁茂（2016）．第4章 プロセス研究と質的研究法ー課題分析を中心にー．
福島哲夫（編）『臨床現場で役立つ質的研究法ー臨床心理学の卒論・修論
から投稿論文までー』 新曜社．
岩壁茂・野田亜由美・山﨑和佳子（2021）．第９章 エモーション・フォー
カスト・セラピー．杉原保史・福島哲夫（編）『心理療法統合ハンドブッ
ク』 誠信書房, pp.136-149.
野田亜由美（2017）．長期療法における感情変容プロセスモデルの構築ー
理論構築型事例研究を用いてー．お茶の水女子大学心理臨床相談センター
紀要，19, 25-34.
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11. 文献リスト
野田亜由美・岩壁茂・中村香理 （2023）．過去の感情的傷つきに対するエ
モーション・フォーカスト・セラピーの効果．臨床心理学, 23(4), 459-467.
Pascual-Leone, A. (2009). Dynamic emotional processing in experiential therapy:
Two steps forward, one step back. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 77,
113-126.
Pascual-Leone, A., & Greenberg, L. S. (2007). Emotional processing in experiential
therapy: Why “the only way out is through.” Journal of Consulting and Clinical
Psychology, 75, 875-887.
Timulak, L., Iwakabe, S., & Elliott, R. (2019). Clinical implications of research on
emotion-focused therapy. In L. S. Greenberg & R. N. Goldman (Eds.) Clinical
handbook of emotion-focused therapy (pp. 93–109). American Psychological
Association.
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エモーション・フォーカスト・セラピーにご関心あれば、
お声がけいただけたら幸いです。
Thank you!