私の研究ではゲート酸化膜に注目しました。こちらのように、MOSトランジスタでは半導体部分に電流を流さず電界を掛けるために、ゲート酸化膜を形成しなければなりません。Si基板上に熱酸化法によって形成されたSiO2膜は、絶縁特性に優れておりゲート酸化膜として多用されています。しかし、同様の熱酸化法ではGaNに対してはそもそも絶縁膜を形成できません。また、SiCでは界面や酸化膜中に不純物であるCが析出してしまいます。CVD法では、膜が緻密ではなく欠陥が生じるなどの問題点があります。
よってGaN,SiCに最適なゲート酸化膜形成法は見つかっていません。そこで、新たなゲート酸化膜形成法の検討が必要です。
電界効果トランジスタ (FET)
ゲートの電圧(チャネルの電界)によって制御する方式のトランジスタである。ゲート電極が半導体酸化物の絶縁膜を介しているものを特に MOS FET という。