研究
- 11. Strain gauge
落錘衝撃試験(衝撃吸収性評価試験)
11
Guide tube
Impactor (A7075-T65)
Mass : 380 [g]
Length : 1000 [mm]
Inner shell
Polystyrene foam
Size : 70×70×15 [mm]
Specimen
Soft epoxy,FRP
Size : 70×70×4.7 [mm]
High speed camera
(16000 [fps])
Drop height : 2 [m]
Specimen temperature :
15 [℃], 25 [℃], 30 [℃], 35 [℃]
1000 [mm]
250 [mm]250 [mm]
Prescale
F(t)
F(t)=AE[ε1(t+t1)+ε1(t-t1)-ε2(t)]
G1 G2
衝撃力測定方法
変位測定方法
衝突時 変形時
衝突時からの変位を測定
- 12. 落錘衝撃試験結果(衝撃力と変位の関係)
1212
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
0 5 10 15 20
衝撃力[N]
変位 [mm]
epoxy(100:100)
CFRP
GFRP
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
0 5 10 15 20
衝撃力[N]
変位 [mm]
epoxy(100:100)
CFRP
GFRP
0
200
400
600
800
1000
1200
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0 5 10 15 20
衝撃力[N]
変位 [mm]
epoxy(100:100)
CFRP
GFRP
0
200
400
600
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1000
1200
1400
0 5 10 15 20
衝撃力[N]
変位 [mm]
epoxy(100:100)
CFRP
GFRP
15 [℃]
30 [℃] 35 [℃]
25 [℃]
衝撃力・変位ともにピーク値を評価
Editor's Notes
- 現在スポーツ時に着用されているプロテクターには,一般的に軟質フォームからなる軟質プロテクターと,硬質な外殻と軟質な内殻からなる硬質プロテクターがあります.
軟質プロテクターは,物体との衝突において,衝撃力が局所化してしまうというデメリットがありますが,装着性が良いというメリットがあります.
一方で,硬質プロテクターは,衝撃力が一様分散するというメリットがありますが,装着箇所が非可動部に限定されるというデメリットがあります.
- そこで,先行研究によって,外殻材料にエポキシ樹脂の機械的特性を用いて,
ヒトの運動時において柔軟であり,衝撃負荷時のみ高剛性となるプロテクターの開発が行われてきました.
しかし,エポキシ樹脂には,温度依存性により高温で剛性が低下することや,樹脂としての剛性に限界があるという問題点があります.
- そこで,本研究では,
「柔軟性を維持しつつ,既存のエポキシ樹脂の温度依存性を緩和し,衝突時の剛性・強度を強化すること」
を目的とします.
- それではまず軟質エポキシ樹脂の特性について説明します.
軟質エポキシ樹脂は,ビスフェノールA型エポキシ樹脂の主剤とアミン系硬化剤からなります.
これらの配合比を調整することで架橋密度を操作し,硬さを容易に変えることが可能です.
主剤と硬化剤の配合比が100:50のとき過不足なく反応する化学量論比配合となり,最も硬質となります.
硬化剤を増やしていくと,硬化剤過多となり次第に柔らかくなります.
本研究では柔軟な配合比100:100を選択し,強化の対象とします.
- 強化方法について説明します.
強化材料は炭素繊維とガラス繊維の2種類とし,炭素繊維によって強化されたものをCFRP,ガラス繊維によって強化されたものをGFRPと呼ぶこととします.
柔軟性を確保するために,曲げ変形に影響のない中立面に強化材料を挿入します.
また,強化材料に引張強度の高い材料である繊維を挿入することでエポキシ自体の引張強度を強化することを狙います.
- 引張強度を強化することで伸びにくくなり,局所変形を抑制することができます.
局所変形を抑えることで小さい面積でしか衝撃を吸収できなかったものを,より広い面積で衝撃を吸収することができます.
これにより衝撃吸収性の向上が期待されます.
以上の強化を施したCFRPとGFRPを既存のエポキシ樹脂の評価方法に従い,性能評価を行いました.
- まず,柔軟性評価試験について説明します.
関節部のプロテクターに試験片を装着し,腕を水平状態から自由落下させます.
ストッパーにより上腕が停止し関節部に回転が生じます.
その様子を高速度カメラで撮影し,角度・角速度を算出します.
結果が右のグラフです.
最大角速度,最大角度が同程度であることから,繊維挿入後もほぼ同等の柔軟性を確保することができました.
- まず,柔軟性評価試験について説明します.
関節部のプロテクターに試験片を装着し,腕を水平状態から自由落下させます.
ストッパーにより上腕が停止し関節部に回転が生じます.
その様子を高速度カメラで撮影し,角度・角速度を算出します.
結果が右のグラフです.
最大角速度,最大角度が同程度であることから,繊維挿入後もほぼ同等の柔軟性を確保することができました.
- まず,柔軟性評価試験について説明します.
関節部のプロテクターに試験片を装着し,腕を水平状態から自由落下させます.
ストッパーにより上腕が停止し関節部に回転が生じます.
その様子を高速度カメラで撮影し,角度・角速度を算出します.
結果が右のグラフです.
最大角速度,最大角度が同程度であることから,繊維挿入後もほぼ同等の柔軟性を確保することができました.
- 次に,落錘衝撃試験について説明します.
試験片温度は15, 25, 30, 35 [℃]としました.
2 [m]の高さからインパクタを自由落下させ,衝突の様子を高速度カメラで撮影します.
インパクタには2枚のひずみゲージが貼付されており,こちらの式で衝撃力を算出します.
さらに撮影した動画から,衝突時からの変位を測定します.
- 各試験片温度で試験を行った結果の衝撃力と変位の関係がこちらのグラフです.
今回は衝撃力・変位ともにピーク値を対象として評価しました.
- 試験を行い,ピーク値の平均をまとめたグラフがこちらです.
試験片は,試験片温度15 [℃]において,epoxy3枚,CFRP3枚,GFRP3枚の計9枚とし,各試験片について3回ずつ試験を行っています.
25~35 [℃]においても同様に試験を行いました.
まず,15 [℃]の結果をみると,衝撃力・変位ともに繊維挿入による影響は小さいです.
次に,25 [℃]の結果をみると,繊維挿入による衝撃力への影響は小さいですが,変位量は抑えられています.
最後に,30, 35 [℃]の結果をみると,繊維挿入によって衝撃力・変位量ともに低減できています.
このことから,強化繊維を挿入することで,高温での温度依存性を緩和することができました.
- 試験を行い,ピーク値の平均をまとめたグラフがこちらです.
試験片は,試験片温度15 [℃]において,epoxy3枚,CFRP3枚,GFRP3枚の計9枚とし,各試験片について3回ずつ試験を行っています.
25~35 [℃]においても同様に試験を行いました.
まず,15 [℃]の結果をみると,衝撃力・変位ともに繊維挿入による影響は小さいです.
次に,25 [℃]の結果をみると,繊維挿入による衝撃力への影響は小さいですが,変位量は抑えられています.
最後に,30, 35 [℃]の結果をみると,繊維挿入によって衝撃力・変位量ともに低減できています.
このことから,強化繊維を挿入することで,高温での温度依存性を緩和することができました.
- 試験を行い,ピーク値の平均をまとめたグラフがこちらです.
試験片は,試験片温度15 [℃]において,epoxy3枚,CFRP3枚,GFRP3枚の計9枚とし,各試験片について3回ずつ試験を行っています.
25~35 [℃]においても同様に試験を行いました.
まず,15 [℃]の結果をみると,衝撃力・変位ともに繊維挿入による影響は小さいです.
次に,25 [℃]の結果をみると,繊維挿入による衝撃力への影響は小さいですが,変位量は抑えられています.
最後に,30, 35 [℃]の結果をみると,繊維挿入によって衝撃力・変位量ともに低減できています.
このことから,強化繊維を挿入することで,高温での温度依存性を緩和することができました.
- 試験を行い,ピーク値の平均をまとめたグラフがこちらです.
試験片は,試験片温度15 [℃]において,epoxy3枚,CFRP3枚,GFRP3枚の計9枚とし,各試験片について3回ずつ試験を行っています.
25~35 [℃]においても同様に試験を行いました.
まず,15 [℃]の結果をみると,衝撃力・変位ともに繊維挿入による影響は小さいです.
次に,25 [℃]の結果をみると,繊維挿入による衝撃力への影響は小さいですが,変位量は抑えられています.
最後に,30, 35 [℃]の結果をみると,繊維挿入によって衝撃力・変位量ともに低減できています.
このことから,強化繊維を挿入することで,高温での温度依存性を緩和することができました.
- 試験を行い,ピーク値の平均をまとめたグラフがこちらです.
試験片は,試験片温度15 [℃]において,epoxy3枚,CFRP3枚,GFRP3枚の計9枚とし,各試験片について3回ずつ試験を行っています.
25~35 [℃]においても同様に試験を行いました.
まず,15 [℃]の結果をみると,衝撃力・変位ともに繊維挿入による影響は小さいです.
次に,25 [℃]の結果をみると,繊維挿入による衝撃力への影響は小さいですが,変位量は抑えられています.
最後に,30, 35 [℃]の結果をみると,繊維挿入によって衝撃力・変位量ともに低減できています.
このことから,強化繊維を挿入することで,高温での温度依存性を緩和することができました.
- まとめです.
繊維なしのエポキシ樹脂に対して,繊維挿入後も柔軟性の保持を確認することができました.
また,試験片の温度を変えた落錘衝撃試験から,繊維を挿入することで,高温でのエポキシ樹脂の温度依存性を緩和できることがわかりました.
繊維挿入による耐貫通性の向上を確認するために貫通試験の実施を予定しています.
試験片温度20 [℃]における落錘試験の実施を予定しています.
試験片温度を変更した柔軟性評価試験の実施を予定しています.