時計ブランドの垂直差別化
- 6. 基本モデルの解
大衆店A 高級店R
価格 ( PA PR ) PA =100 PR = 1500
需要量( XA XR ) XA = 0 XR = N
利潤 (πA πR) πA = 0 πR = 600N
(Xiは企業iの需要量 πiは企業iの利潤のことをあらわす。i=R,A)
このままだと、新規参入した大衆店Aでの需要量および利潤が0である
ので、
大衆店Aは品質を向上させて、高級店に対抗することにした。
- 9. 限界費用と品質
Zの値 0 1 2 3 ... 18 19 20
SA 1 1.1 1.2 1.3 ... 2.8 2.9 3.0
CA 100 140 180 220 ... 820 860 900
ZはA社が品質上昇する際の指標として利用する。
Zが1ふえると、A社の品質が0.1上昇し 限界費用が40ふえる。
SA=1+0.1Z CA=100+40Z (0≦Z<20)
と表すことができる。
注 Z=20の際 AとRの品質が等しくなるので 水平差別化になってし
まう。そのため定義域からはずす。
- 12. 一次式モデルの解
大衆店A 高級店R
価格(PA PR) 100+40Z 1500-30Z
需要量(XA XR) 0 (20-Z)/ (20-Z)=N
利潤(πA πR) 0 (600-30Z)N
一時式で限界費用を上昇させていっても、Aの需要量と利潤は0のまま
であった!
すなわち、Aはどうがんばって品質を上げても、つぶれてしまう運命で
ある。
なぜだろう?
- 16. 結果
。
大衆店A 高級店R
価格(PA PR) 品質を上げれば上げるほど
価格は上昇する。
Aの品質が上昇するほど、価
格は下がっていく。
需要量(XA XR) 品質にかかわらず一定で0 Aの品質にかかわらず一定で
N
利潤(πA πR) 品質にかかわらず一定で0 Aの品質が上昇するほど利潤
は下がっていく。(X=20で
利潤0になる。)
- 22. 二次式モデルの結果
大衆店A 高級店R
価格(PA PR) 300+4𝑍2 + 40𝑍
3
2 𝑍2-130 𝑍+4500
3
需要量(XA XR) 𝑍
45
N ー 𝑍+45
45
N
利潤(πA πR) -2 𝑍2( 𝑍-20)
135
N -2( 𝑍-20) ( 𝑍ー45)
2
135
N
- 30. πAの増減
πAについて・・・ -2 𝑍2( 𝑍-20)
135
N
𝑑πA
𝑑Z
=-
6
135
Z2
+
80
135
Z これが0になるとき Z=0、
40
3
増減表→
定義域内ではZ=40
3
まで増加、その後減少していく。
Z=0,20 のとき πA=0 よって定義域内で正値をとる。
Z=
𝟒𝟎
𝟑
のとき最大になる。 (SA=2.34 CA=455.56)
Z 0 40
3
dπA
dZ
ー 0 + 0 -
πA 減少 0 増加 極大 減少
- 33. 二次式モデルのまとめ
大衆店A 高級店R
価格(PA PR) 品質が上がれば上がるほど、価格は上
昇する。
常に減少し、A点の品質が上昇
するほど、価格は減少してい
く。
需要量(XA XR) 品質が増加すればするほど、需要量は
上昇する。
Aの品質が増加すればするほど、
需要量は減少していく。
利潤(πA πR) 20
3
の地点で最大になり、それ以上は
限界費用の増加率が高くなりすぎて、
かえって利潤がさがっていく。
Aの品質が増加すればするほど、
利潤は減少していく。