はじめに
1 なぜ今、連携なのか?
2 企業連携の種類
                  4
3 連携するきっかけ

4 成功する企業連携の流れ
5 戦略企画フェーズ
6 連携先調査・打診フェーズ
7 連携計画策定フェーズ
8 契約フェーズ
9 実施・モニタリングフェーズ
10 解消フェーズ
11 企業連携成功の勘所
12 国の支援策

                      54
   4章では、企業連携を行うための大きな流れ(フェーズ)を説明
    します。
   次に各フェーズのいくつかのステップにわけて、ポイントを解
    説していきます。
    (事業やビジネスを立ち上げるための内容については深堀し
    ません。)
   大きな流れは6つのフェーズに分解することができます。

    (1)      (2)      (3)      (4)     (5)       (6)
              連携先     連携計画               実施
    戦略企画                        契約                解消
             調査・打診      策定             モニタリング
     フェーズ                     フェーズ             フェーズ
              フェーズ    フェーズ            フェーズ

                      企業連携の6つのフェーズ

                                                         55
   (1)戦略企画フェーズ
    自社単独で行うのと同様ビジネス戦略について必要事項を検
    討します。ただし連携を前提としてどの部分を他社に委ねるの
    かを、前章の分類を参考に明確にします。
   (2)連携先調査・打診フェーズ
    企画フェーズで明確にした目的および戦略に従い、連携先
    パートナー候補を調査して選別します。さらに初回ミーティング
    以降の事前検討を行います。
   (3)連携計画策定フェーズ
    前ステップまでで、戦略レベルでパートナー企業との合意がで
    きました。ここからは連携体の運営ルール構築にはじまり、具
    体的な“行動“計画に落とし込んでいきます。

                                56
   (4)契約フェーズ
    前段階でも、NDA、基本合意書、覚書等の契約を結ぶんでい
    るはずですが、ここでは連携体として事業を推進するに必要な
    正式な契約を結びます。
   (5)実施モニタリングフェーズ
    契約後は連携体による事業/ビジネスが立ち上がり、実行およ
    びマネジメントが行われていきます。
   (6)解消フェーズ
    最後のフェーズは解消であるが、事業/ビジネスが成功した場
    合若しくは失敗した場合、または失敗しそうな場合、問題を大
    きくしない解消方法を知っておきます。



                               57
はじめに
1 なぜ今、連携なのか?
2 企業連携の種類
                  5
3 連携するきっかけ
4 成功する企業連携の流れ

5 戦略企画フェーズ
6 連携先調査・打診フェーズ
7 連携計画策定フェーズ
8 契約フェーズ
9 実施・モニタリングフェーズ
10 解消フェーズ
11 企業連携成功の勘所
12 国の支援策

                      58
   (1)戦略企画フェーズ
    自社単独で行うのと同様ビジネス戦略について必要事項を検
    討します。ただし連携を前提としてどの部分を他社に委ねるの
    かを、前章の分類を参考に明確にします。




         ステップ① ビジネス戦略策定

         ステップ② 連携戦略の方針、与件の明確化

          ステップ③ 連携を前提としたビジネスモデルの策定

           ステップ④ 連携先企業に求める要件の明確化

                戦略企画フェーズの4つのステップ     59
   ステップ① ビジネス戦略策定

   省略




                     60
   ステップ② 連携戦略の方針、与件の明確化
   パートナーありきではじまる連携も少なくありませんが、自社
    がコア企業であるならば、
     何のために(目的)(≒ミッション)

     どこを目指して(目標)(≒ビジョン)

     なぜ(与件)

   連携を行うのかを、明確にしておく必要があります。

   価値観や文化の異なる他社と共に進めていく中で、様々なコ
    ントロールを行うための大きな指針になります。
   常にこの目的(≒ミッション)と目標(≒ビジョン)に立ち戻って
    様々な判断をするべきです。
                                     61
   目的は、企業の上位概念である経営戦略、事業戦略を実現す
     るためのものであるべきで、かつステークホルダーに対して魅
     力的な価値が無ければなりません。
    目標は目的に沿って進んでいくべきゴールを見える化したもの
     です。
    どちらもトップダウンで十分な説明と共に明確に示しましょう。

         <連携戦略の方針>                     <連携のための与件>
         【目的】                          【内部環境】
          ・何のために連携するのか?                 ・何が足りないのか?
          ・連携で実現したい本質は何か?               ・どうしてそうなのか?
 ステップ①
          ・顧客への提供価値は何か?                 ・連携によってどうなりたいのか?
ビジネス戦略
         【目標】                          【外部環境】
  の内容
          ・財務目標                         ・業界の構造はどうなっているのか?
          ・定量的な目標(シェア、顧客数etc)           ・競合はどういう状況なのか?
          ・定性的な目標(ブランド、スキル、新ビジネス    ・顧客ニーズは?潜在的にはどう感じて
         モデル)                         いるのか?

                                                         62
   与件とは、目的・目標を達成するための前提条件としてとらえ
    ればよいでしょう。
   内部環境とは自社の条件であり、
       パートナーから提供してもらいたい資源
       自社では提供できない理由はどこにあるのか?
       どんなレベルで連携すべきか?
       そのために受け入れるべき風土、文化 etc
   外部環境とは、連携事業をするにあたって知っておくべき、外
    の情報です。
       連携することによる顧客の変化、新たな競争の発生
       業界でのポジションはどうかわるか?
       同業他社は同様の悩みをどう解決しているのか? etc
   こういった情報を連携初期に関係者全体で共有する事によっ
    て、「まじめ」に議論が進みます。                 63
   ステップ③ 連携を前提としたビジネスモデルの策定
   単独企画のとき同様、ビジネスモデルを見える化します。
   単純な「流れ」でなく、「収益を生むための仕組み」として捉え
    ます。
   記載項目は、単独企画のものと同様です。




           戦略企画フェーズのビジネスモデル考察資料の例   64
   このステップではポイントが2つあります。
   一つは、ビジネスモデルのレベルです。そのレベルは
      業界の構造レベル

      対象ビジネス単体の話

      業務プロセスにフォーカスした話

      商品レベルの話

   の4つに分ける事ができます。
   2つ目の、対象ビジネス単体について論じることがビジネスモ
    デルの基本になります。
   考えている連携の粒度によっては、業界構造レベルで、より業
    務プロセスに特化していれば業務プロセスのレベルで考える
    必要があります。
                                   65
   もうひとつのポイントは、ステップ①のビジネス戦略およびス
    テップ②の連携戦略の方針、与件を元に、複数のビジネスモ
    デルが出来ることです。
   言いかえれば、この時点で連携先は決まっていないわけです
    から、どの部分を連携によって実現するかで、いくつか複数の
    ビジネスモデルの候補が挙がるはずです。

   最終形が見えていることもあろうかと思いますが、それを見据
    えて企画するのではなく、ゼロベースで考えられるかどうかが
    ポイントです。




                                   66
   ステップ④ 連携先企業に求める要件の明確化
   何しろ企業連携ありきの企画なわけですから、誰を何をどうす
    るのか?これが重要です。
   最上流の戦略企画フェーズでこの項目を明確にする必要があ
    ります。

   前ステップの複数のビジネスモデル毎に、連携先企業に求め
    る要件を洗い出しておきます。(この段階では詳細レベルの内
    容でなくても結構です。)




                                   67
   そしてこの段階で候補になり得る企業をいくつかリストアップし
    てみます。
   リストアップしたら、候補企業のそれぞれの情報を調査してい
    きましょう。




           連携先企業の要件と候補企業のリストアップ     68
   連携に必要な体制については後述しますが、この調査を自社
    の要員で行う事をお勧めします。
   この調査を行うと、ビジネスモデルの具体的なイメージがしや
    すくなるからです。
   ここで得たヒントをもとに、ビジネスモデル戦略をブラッシュアッ
    プする、もしくはステップ①で記載すべき内容(外部動向、創出
    価値等など)を再定義してもかまいません。

   外部機関を活用して調査をする方法も考えられますが、1社を
    深く調べる調査については、是非自社の要員で行っていただ
    きたいと思います。


                                   69

ビジネス連携 Vol4

  • 1.
    はじめに 1 なぜ今、連携なのか? 2 企業連携の種類 4 3 連携するきっかけ 4 成功する企業連携の流れ 5 戦略企画フェーズ 6 連携先調査・打診フェーズ 7 連携計画策定フェーズ 8 契約フェーズ 9 実施・モニタリングフェーズ 10 解消フェーズ 11 企業連携成功の勘所 12 国の支援策 54
  • 2.
    4章では、企業連携を行うための大きな流れ(フェーズ)を説明 します。  次に各フェーズのいくつかのステップにわけて、ポイントを解 説していきます。 (事業やビジネスを立ち上げるための内容については深堀し ません。)  大きな流れは6つのフェーズに分解することができます。 (1) (2) (3) (4) (5) (6) 連携先 連携計画 実施 戦略企画 契約 解消 調査・打診 策定 モニタリング フェーズ フェーズ フェーズ フェーズ フェーズ フェーズ 企業連携の6つのフェーズ 55
  • 3.
    (1)戦略企画フェーズ 自社単独で行うのと同様ビジネス戦略について必要事項を検 討します。ただし連携を前提としてどの部分を他社に委ねるの かを、前章の分類を参考に明確にします。  (2)連携先調査・打診フェーズ 企画フェーズで明確にした目的および戦略に従い、連携先 パートナー候補を調査して選別します。さらに初回ミーティング 以降の事前検討を行います。  (3)連携計画策定フェーズ 前ステップまでで、戦略レベルでパートナー企業との合意がで きました。ここからは連携体の運営ルール構築にはじまり、具 体的な“行動“計画に落とし込んでいきます。 56
  • 4.
    (4)契約フェーズ 前段階でも、NDA、基本合意書、覚書等の契約を結ぶんでい るはずですが、ここでは連携体として事業を推進するに必要な 正式な契約を結びます。  (5)実施モニタリングフェーズ 契約後は連携体による事業/ビジネスが立ち上がり、実行およ びマネジメントが行われていきます。  (6)解消フェーズ 最後のフェーズは解消であるが、事業/ビジネスが成功した場 合若しくは失敗した場合、または失敗しそうな場合、問題を大 きくしない解消方法を知っておきます。 57
  • 5.
    はじめに 1 なぜ今、連携なのか? 2 企業連携の種類 5 3 連携するきっかけ 4 成功する企業連携の流れ 5 戦略企画フェーズ 6 連携先調査・打診フェーズ 7 連携計画策定フェーズ 8 契約フェーズ 9 実施・モニタリングフェーズ 10 解消フェーズ 11 企業連携成功の勘所 12 国の支援策 58
  • 6.
    (1)戦略企画フェーズ 自社単独で行うのと同様ビジネス戦略について必要事項を検 討します。ただし連携を前提としてどの部分を他社に委ねるの かを、前章の分類を参考に明確にします。 ステップ① ビジネス戦略策定 ステップ② 連携戦略の方針、与件の明確化 ステップ③ 連携を前提としたビジネスモデルの策定 ステップ④ 連携先企業に求める要件の明確化 戦略企画フェーズの4つのステップ 59
  • 7.
    ステップ① ビジネス戦略策定  省略 60
  • 8.
    ステップ② 連携戦略の方針、与件の明確化  パートナーありきではじまる連携も少なくありませんが、自社 がコア企業であるならば、  何のために(目的)(≒ミッション)  どこを目指して(目標)(≒ビジョン)  なぜ(与件)  連携を行うのかを、明確にしておく必要があります。  価値観や文化の異なる他社と共に進めていく中で、様々なコ ントロールを行うための大きな指針になります。  常にこの目的(≒ミッション)と目標(≒ビジョン)に立ち戻って 様々な判断をするべきです。 61
  • 9.
    目的は、企業の上位概念である経営戦略、事業戦略を実現す るためのものであるべきで、かつステークホルダーに対して魅 力的な価値が無ければなりません。  目標は目的に沿って進んでいくべきゴールを見える化したもの です。  どちらもトップダウンで十分な説明と共に明確に示しましょう。 <連携戦略の方針> <連携のための与件> 【目的】 【内部環境】 ・何のために連携するのか? ・何が足りないのか? ・連携で実現したい本質は何か? ・どうしてそうなのか? ステップ① ・顧客への提供価値は何か? ・連携によってどうなりたいのか? ビジネス戦略 【目標】 【外部環境】 の内容 ・財務目標 ・業界の構造はどうなっているのか? ・定量的な目標(シェア、顧客数etc) ・競合はどういう状況なのか? ・定性的な目標(ブランド、スキル、新ビジネス ・顧客ニーズは?潜在的にはどう感じて モデル) いるのか? 62
  • 10.
    与件とは、目的・目標を達成するための前提条件としてとらえ ればよいでしょう。  内部環境とは自社の条件であり、  パートナーから提供してもらいたい資源  自社では提供できない理由はどこにあるのか?  どんなレベルで連携すべきか?  そのために受け入れるべき風土、文化 etc  外部環境とは、連携事業をするにあたって知っておくべき、外 の情報です。  連携することによる顧客の変化、新たな競争の発生  業界でのポジションはどうかわるか?  同業他社は同様の悩みをどう解決しているのか? etc  こういった情報を連携初期に関係者全体で共有する事によっ て、「まじめ」に議論が進みます。 63
  • 11.
    ステップ③ 連携を前提としたビジネスモデルの策定  単独企画のとき同様、ビジネスモデルを見える化します。  単純な「流れ」でなく、「収益を生むための仕組み」として捉え ます。  記載項目は、単独企画のものと同様です。 戦略企画フェーズのビジネスモデル考察資料の例 64
  • 12.
    このステップではポイントが2つあります。  一つは、ビジネスモデルのレベルです。そのレベルは  業界の構造レベル  対象ビジネス単体の話  業務プロセスにフォーカスした話  商品レベルの話  の4つに分ける事ができます。  2つ目の、対象ビジネス単体について論じることがビジネスモ デルの基本になります。  考えている連携の粒度によっては、業界構造レベルで、より業 務プロセスに特化していれば業務プロセスのレベルで考える 必要があります。 65
  • 13.
    もうひとつのポイントは、ステップ①のビジネス戦略およびス テップ②の連携戦略の方針、与件を元に、複数のビジネスモ デルが出来ることです。  言いかえれば、この時点で連携先は決まっていないわけです から、どの部分を連携によって実現するかで、いくつか複数の ビジネスモデルの候補が挙がるはずです。  最終形が見えていることもあろうかと思いますが、それを見据 えて企画するのではなく、ゼロベースで考えられるかどうかが ポイントです。 66
  • 14.
    ステップ④ 連携先企業に求める要件の明確化  何しろ企業連携ありきの企画なわけですから、誰を何をどうす るのか?これが重要です。  最上流の戦略企画フェーズでこの項目を明確にする必要があ ります。  前ステップの複数のビジネスモデル毎に、連携先企業に求め る要件を洗い出しておきます。(この段階では詳細レベルの内 容でなくても結構です。) 67
  • 15.
    そしてこの段階で候補になり得る企業をいくつかリストアップし てみます。  リストアップしたら、候補企業のそれぞれの情報を調査してい きましょう。 連携先企業の要件と候補企業のリストアップ 68
  • 16.
    連携に必要な体制については後述しますが、この調査を自社 の要員で行う事をお勧めします。  この調査を行うと、ビジネスモデルの具体的なイメージがしや すくなるからです。  ここで得たヒントをもとに、ビジネスモデル戦略をブラッシュアッ プする、もしくはステップ①で記載すべき内容(外部動向、創出 価値等など)を再定義してもかまいません。  外部機関を活用して調査をする方法も考えられますが、1社を 深く調べる調査については、是非自社の要員で行っていただ きたいと思います。 69