フォーカスするためには、たぶんどうやってフォーカスするか(前回)に加えて、何にフォーカスするかを決める必要があって、今回は後者、つまり「フォーカスポイントを決める」方の話です。
スタートアップの初期は Y Combinator 的に言うところの Do things that don’t scale (スケールしないことをしよう)をはじめとした明確なフォーカスポイントがあると思います。ただ次第に自分たちでフォーカスポイントを決めなければいけなくなってきて、そのときにどのようにフォーカス先を意思決定すれば良いのか、どうすれば良い意思決定ができるのか、という問いが出てきて、その際に方法論の必要性が生じます。
そこで意思決定の方法論を検討するのですが、スタートアップのような情報不足や資源の制約下では、ゲーム理論をはじめとしたいわゆる規範的な normative 意思決定理論よりは、行動経済学や認知心理学の記述的な descriptive 意思決定からのアプローチが良いのかなと思い、Kahneman をはじめとした行動経済学の研究成果をベースにしています。
2019年10月25日に開催された Location Based Marketing Conference Japan 2019 の PROGRAM 12 「行動データビジネスはELSIの時代にーー市場競争力としての倫理」のプレゼン資料です。
https://locationbasedmarketing-conference2019.peatix.com/?lang=ja
位置情報データを活用したマーケティングには期待が高まっていますが、不安や不信の声もあります。今回設立されたLBMA Japan Chapter (Location Based Marketing Association Japan) は、事業者団体として、こうした声に向き合うことになるでしょう。
そこで、先行事例(プロファイリングの自主的な規律形成の取組み)を紹介し、規律形成を積極的に仕掛けることで競争力にすることもできると示しました。