はじめに
1 なぜ今、連携なのか?
2 企業連携の種類
                  7
3 連携するきっかけ
4 成功する企業連携の流れ
5 戦略企画フェーズ
6 連携先調査・打診フェーズ

7 連携計画策定フェーズ
8 契約フェーズ
9 実施・モニタリングフェーズ
10 解消フェーズ
11 企業連携成功の勘所
12 国の支援策

                      87
   (3)連携計画策定フェーズ
    前ステップまでで、戦略レベルでパートナー企業との合意がで
    きました。ここからは連携体の運営ルール構築にはじまり、具
    体的な“行動“計画に落とし込んでいきます。




         ステップ⑨ 企業連携プロジェクトの環境整備

         ステップ⑩ 詳細事項の検討・調整・交渉

          ステップ⑪ 基本計画(実行計画)のまとめ

           ステップ⑫ 計画のレビューと承認

               連携計画策定フェーズの4つのステップ   88
   ステップ⑨ 企業連携プロジェクトの環境整備
   環境整備とは、この後のいろいろな作業がスムーズにいくよう
    に必要な取り決めをしておきましょうということです。
   それは、
     重要メンバー固定

     会議運営ルール

     お互いの重要な制約条件の理解

   の3つです。




                                   89
   一つ目の重要メンバー固定について
   企業連携プロジェクトの計画段階における基本的な体制は
    以下の通りです。




            企業連携の基本的な体制
                                 90
   社長(担当役員)
    最高意思決定者。重要な判断、問題解決を行い、リソースの
    調達、計画の変更等に責任を持つ。
   プロジェクトマネージャー
    企業連携プロジェクトの実行責任者。社内外の調整および各
    タスクの推進、会議の司会進行を行う。ドキュメントも作成する
    ことが多いため、連携の規模によっては、補佐担当を置いても
    良い。
    また、検討初期、戦略構想から携わっているメンバーであるこ
    とが多い。課長、部長クラスが望ましい。
   事務局
    プロジェクト全体の庶務を担当する。意思決定にかかわらない
    調整毎、管理を率先して行える能力があると良い。
                                91
   コンサルタント(外部支援者)
    企業連携経験者。社内に営業、法務等の専門家が居ない場
    合はこれを兼任する形での参加となることもある。
   営業担当
    連携先との交渉およびマーケティング、販売準備を行う。交渉
    ごとはプロジェクトマネージャーと重複する部分でもあるが、プ
    ロジェクトマネージャーが販売準備活動を行う余裕が無い場
    合は、営業担当をアサインしたほうがよい。
   法務担当
    関連法律の調査、契約書作成、締結。中小企業の場合は社
    内に専門家が居ないケースが多い。
   業務担当
    関連する業務の責任者。プロジェクトには通常業務との兼任と
    なる。各部門の調整権限を持つ役職が望ましい。        92
   これらのメンバーを早期に固定し、作成した戦略、ビジネスプ
    ラン、計画資料を説明し、理解させます。
   プロジェクトの期間と、週・月・どの時期にどれだけの作業ボ
    リュームが必要になるのかをあらかじめ提示し、ラインの責任
    者に理解を得る事が重要です。

   通常、社内には、(隠れた)抵抗勢力がいるものです。




                                   93
   二つ目の会議運営ルールについて
   具体的な計画を策定していくためには、連携先企業との度重
    なる打ち合わせが必要になってきます。
   ただし、ただ顔をあわせて話せばよいというものではなく、あら
    かじめ今日は何をどこまできめる、というやり方で進めなくては
    なりません。
   そのためには、以下を決めます。
       会議体の整理
       会議運営の役割
       会議スケジュール
       意思決定、合意形成の方法
       議事録の扱い、承認の方法
       場所、必要機器、情報共有のツール
                                94
   会議体の一例です。




           企業連携をすすめるための会議体の例

                               95
   次に意思決定、合意形成の方法です。
   基本は双方の意見が折り合い、理解と納得が得られる所に落
    ち着けば良いのですが、すべてがそうなるものではありません。
   ひとつの方法として、代替案を出し、ある軸で評価して、双方
    の納得レベルが見えるようにするやり方をお勧めします。

    対応難易度・・・3:困難だがなんとか頑張る、2:課題はあるが通常の努力の範囲、1:全然問題ない




                   企意思決定、合意形成の方法の例
                                                      96
   議事録の作成と承認方法については、一般的なビジネスルー
    ルになるので省略します。
   特に、決定事項については、どのように合意されたか?キー
    になる部分を誰が発言したか?保留事項については、課題は
    何か?誰がいつまでに対応するか?
   責任の所在がどこにあるのか?どういうプロセスで物事が決
    まってきたのか、後で見てわかるように書きましょう。
   基本的には、コア企業の事務局が記載し、回欄の後、双方企
    業のプロジェクトマネージャーが承認する流れがよいでしょう。
   決して、「若手の仕事」にしないでください。



                                    97
   ステップ⑩ 詳細事項の検討・調整・交渉
   これから進めていくべき事項について、抜け漏れの無いように、
    自社でじっくりと考えてリストアップしてみてください。
       ビジネスモデル、業務プロセス、商品に関する連携事項
       既存設備、施設利用
       営業、広告宣伝、販売方法
       契約内容、契約条項、制約条件
       想定リスク、対応方法
       費用負担、成果・利益配分
       チェックポイント、事業撤退条件、連携解消条件
   など、思いつくことはすべて何でもいいので文章、絵にします。



                                    98
   続いて、連携先企業と突き合わせて、ひとつひとつ確認してい
    きます。
   このとき、初めて具体的な調整事項がでてくるかもしれません
    が、いきなり対立モードにならないようにしてください。
   相手は一緒にいいものをつくっていく仲間です。議論を楽しん
    で下さい。




                                   99
   この時点でのポイントは、「やってみないとわからないから今
    は細かく考えなくていいや」をなくしておくことです。
   たとえば、連携内容によっては、商品開発プロセス上の選択
    肢として、A案、B案、C案と複数の方向性が生じるかもしれま
    せん。この場合は、予想できる結果毎に次にどうアクションす
    るかを決めておくべきです。
   望ましいのは、上位方針である企業連携戦略に従って、一番
    ベストな案は何かを決めておくことでしょう。
   またリスクについても、「顕在化してから考えればいいや」では
    なく、リスク対応方針、方法についてもこのステップで考えます。




                                100
   ステップ⑪ 基本計画(実行計画)のまとめ
   ステップ⑧では戦略レベルの合意、ステップ⑨⑩ではプロジェ
    クトを推進していく上での詳細事項を確認しました。
   これらを踏まえ、このステップでは、これまで検討してきた内容
    を、それぞれの担当者が迷わず実行できるレベルの計画書に
    落とし込んで、基本計画としてまとめます。

   各企業内で別々で作成することになりますが、コア企業がベー
    スを作成し、連携企業に提供してもよいでしょう。




                                101
   基本計画書に記載するべき内容は以下の通りです。
                         事業の必要性・背景、市場のニーズ、現状分析・市場構
    問題提起                 造(データ、分析結果)

    連携ビジネスビジョン           事業の目的・目標・展望、基本方針、スローガン

                         商品・サービスのコンセプト、ポジショニング、差別化要
    連携ビジネス(商品)コンセプト   素、提供価値

    市場、ターゲット             顧客ターゲット(地域、業種、嗜好etc)、市場規模

                         ①商品開発方法、②営業方法、③チャネル、④価格戦略、
    各実行計画の内容             ⑤ブランド戦略、⑥知財等、その他の具体的なアクション
                         連携内容、連携方法、契約内容、制約条件、プロジェクト
    連携の内容                推進ルール

    事業リスク                リスクおよび問題、課題と対応方法

    収支計画                 損益計画、投資、資金調達、助成金利用等

    作業計画                 WBS、体制、役割分担

    撤退条件、他               チェックポイント、撤退条件、データ、関連資料他        102
   基本計画書の例です。
   これを見れば行動に迷わないというレベルで作成します。




              企業連携計画書の例
                                 103
   ステップ⑫ 計画のレビューと承認
   前ステップで作成した計画を各社必要な機関でレビューし、承
    認を得ます。
   実担当者、プロジェクトマネージャーとして進めてきた人にとっ
    ては、この時点で大きな山場を越えたと感じると思います。
   休息がとれれば一息ついてほしいものです。




                                104

ビジネス連携 Vol6

  • 1.
    はじめに 1 なぜ今、連携なのか? 2 企業連携の種類 7 3 連携するきっかけ 4 成功する企業連携の流れ 5 戦略企画フェーズ 6 連携先調査・打診フェーズ 7 連携計画策定フェーズ 8 契約フェーズ 9 実施・モニタリングフェーズ 10 解消フェーズ 11 企業連携成功の勘所 12 国の支援策 87
  • 2.
    (3)連携計画策定フェーズ 前ステップまでで、戦略レベルでパートナー企業との合意がで きました。ここからは連携体の運営ルール構築にはじまり、具 体的な“行動“計画に落とし込んでいきます。 ステップ⑨ 企業連携プロジェクトの環境整備 ステップ⑩ 詳細事項の検討・調整・交渉 ステップ⑪ 基本計画(実行計画)のまとめ ステップ⑫ 計画のレビューと承認 連携計画策定フェーズの4つのステップ 88
  • 3.
    ステップ⑨ 企業連携プロジェクトの環境整備  環境整備とは、この後のいろいろな作業がスムーズにいくよう に必要な取り決めをしておきましょうということです。  それは、  重要メンバー固定  会議運営ルール  お互いの重要な制約条件の理解  の3つです。 89
  • 4.
    一つ目の重要メンバー固定について  企業連携プロジェクトの計画段階における基本的な体制は 以下の通りです。 企業連携の基本的な体制 90
  • 5.
    社長(担当役員) 最高意思決定者。重要な判断、問題解決を行い、リソースの 調達、計画の変更等に責任を持つ。  プロジェクトマネージャー 企業連携プロジェクトの実行責任者。社内外の調整および各 タスクの推進、会議の司会進行を行う。ドキュメントも作成する ことが多いため、連携の規模によっては、補佐担当を置いても 良い。 また、検討初期、戦略構想から携わっているメンバーであるこ とが多い。課長、部長クラスが望ましい。  事務局 プロジェクト全体の庶務を担当する。意思決定にかかわらない 調整毎、管理を率先して行える能力があると良い。 91
  • 6.
    コンサルタント(外部支援者) 企業連携経験者。社内に営業、法務等の専門家が居ない場 合はこれを兼任する形での参加となることもある。  営業担当 連携先との交渉およびマーケティング、販売準備を行う。交渉 ごとはプロジェクトマネージャーと重複する部分でもあるが、プ ロジェクトマネージャーが販売準備活動を行う余裕が無い場 合は、営業担当をアサインしたほうがよい。  法務担当 関連法律の調査、契約書作成、締結。中小企業の場合は社 内に専門家が居ないケースが多い。  業務担当 関連する業務の責任者。プロジェクトには通常業務との兼任と なる。各部門の調整権限を持つ役職が望ましい。 92
  • 7.
    これらのメンバーを早期に固定し、作成した戦略、ビジネスプ ラン、計画資料を説明し、理解させます。  プロジェクトの期間と、週・月・どの時期にどれだけの作業ボ リュームが必要になるのかをあらかじめ提示し、ラインの責任 者に理解を得る事が重要です。  通常、社内には、(隠れた)抵抗勢力がいるものです。 93
  • 8.
    二つ目の会議運営ルールについて  具体的な計画を策定していくためには、連携先企業との度重 なる打ち合わせが必要になってきます。  ただし、ただ顔をあわせて話せばよいというものではなく、あら かじめ今日は何をどこまできめる、というやり方で進めなくては なりません。  そのためには、以下を決めます。  会議体の整理  会議運営の役割  会議スケジュール  意思決定、合意形成の方法  議事録の扱い、承認の方法  場所、必要機器、情報共有のツール 94
  • 9.
    会議体の一例です。 企業連携をすすめるための会議体の例 95
  • 10.
    次に意思決定、合意形成の方法です。  基本は双方の意見が折り合い、理解と納得が得られる所に落 ち着けば良いのですが、すべてがそうなるものではありません。  ひとつの方法として、代替案を出し、ある軸で評価して、双方 の納得レベルが見えるようにするやり方をお勧めします。 対応難易度・・・3:困難だがなんとか頑張る、2:課題はあるが通常の努力の範囲、1:全然問題ない 企意思決定、合意形成の方法の例 96
  • 11.
    議事録の作成と承認方法については、一般的なビジネスルー ルになるので省略します。  特に、決定事項については、どのように合意されたか?キー になる部分を誰が発言したか?保留事項については、課題は 何か?誰がいつまでに対応するか?  責任の所在がどこにあるのか?どういうプロセスで物事が決 まってきたのか、後で見てわかるように書きましょう。  基本的には、コア企業の事務局が記載し、回欄の後、双方企 業のプロジェクトマネージャーが承認する流れがよいでしょう。  決して、「若手の仕事」にしないでください。 97
  • 12.
    ステップ⑩ 詳細事項の検討・調整・交渉  これから進めていくべき事項について、抜け漏れの無いように、 自社でじっくりと考えてリストアップしてみてください。  ビジネスモデル、業務プロセス、商品に関する連携事項  既存設備、施設利用  営業、広告宣伝、販売方法  契約内容、契約条項、制約条件  想定リスク、対応方法  費用負担、成果・利益配分  チェックポイント、事業撤退条件、連携解消条件  など、思いつくことはすべて何でもいいので文章、絵にします。 98
  • 13.
    続いて、連携先企業と突き合わせて、ひとつひとつ確認してい きます。  このとき、初めて具体的な調整事項がでてくるかもしれません が、いきなり対立モードにならないようにしてください。  相手は一緒にいいものをつくっていく仲間です。議論を楽しん で下さい。 99
  • 14.
    この時点でのポイントは、「やってみないとわからないから今 は細かく考えなくていいや」をなくしておくことです。  たとえば、連携内容によっては、商品開発プロセス上の選択 肢として、A案、B案、C案と複数の方向性が生じるかもしれま せん。この場合は、予想できる結果毎に次にどうアクションす るかを決めておくべきです。  望ましいのは、上位方針である企業連携戦略に従って、一番 ベストな案は何かを決めておくことでしょう。  またリスクについても、「顕在化してから考えればいいや」では なく、リスク対応方針、方法についてもこのステップで考えます。 100
  • 15.
    ステップ⑪ 基本計画(実行計画)のまとめ  ステップ⑧では戦略レベルの合意、ステップ⑨⑩ではプロジェ クトを推進していく上での詳細事項を確認しました。  これらを踏まえ、このステップでは、これまで検討してきた内容 を、それぞれの担当者が迷わず実行できるレベルの計画書に 落とし込んで、基本計画としてまとめます。  各企業内で別々で作成することになりますが、コア企業がベー スを作成し、連携企業に提供してもよいでしょう。 101
  • 16.
    基本計画書に記載するべき内容は以下の通りです。 事業の必要性・背景、市場のニーズ、現状分析・市場構 問題提起 造(データ、分析結果) 連携ビジネスビジョン 事業の目的・目標・展望、基本方針、スローガン 商品・サービスのコンセプト、ポジショニング、差別化要 連携ビジネス(商品)コンセプト 素、提供価値 市場、ターゲット 顧客ターゲット(地域、業種、嗜好etc)、市場規模 ①商品開発方法、②営業方法、③チャネル、④価格戦略、 各実行計画の内容 ⑤ブランド戦略、⑥知財等、その他の具体的なアクション 連携内容、連携方法、契約内容、制約条件、プロジェクト 連携の内容 推進ルール 事業リスク リスクおよび問題、課題と対応方法 収支計画 損益計画、投資、資金調達、助成金利用等 作業計画 WBS、体制、役割分担 撤退条件、他 チェックポイント、撤退条件、データ、関連資料他 102
  • 17.
    基本計画書の例です。  これを見れば行動に迷わないというレベルで作成します。 企業連携計画書の例 103
  • 18.
    ステップ⑫ 計画のレビューと承認  前ステップで作成した計画を各社必要な機関でレビューし、承 認を得ます。  実担当者、プロジェクトマネージャーとして進めてきた人にとっ ては、この時点で大きな山場を越えたと感じると思います。  休息がとれれば一息ついてほしいものです。 104