TomonkenTohoku40th(20150125)

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都道府県立図書館の
危機に備える
－神奈川のケースからの問題提起
図書館問題研究会第40回東北集会
日時：2015年1月25日（日）
たざわこ芸術村温泉ゆぽぽ
岡本真
アカデミック・リソース・ガイド株式会社
代表取締役／プロデューサー

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概説：神奈川の県立図書館問題
－2012年の財政問題に端を発して4

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2012年秋の「神奈川県緊急財政対策」
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 神奈川県緊急財政対策本部による発表
 「神奈川県緊急財政対策」（ 2012年10月）
 黒岩知事緊急財政アピール（2012年11月）
 2013年、2014年で「1600億円もの財源不足が生ずる」
見込み

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神奈川県の現状
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 人口（2014年12月1日現在）：
 総数：9,101,625名
 男性：4,549,730名
 女性：4,551,895名
 県勢：
 33市町村（19市、13町、1村）
 うち、3市が政令指定都市
 22.5%の高齢化率（65 歳以上人口の占める割合）
 全国平均25・2%
 横浜・川崎の東部への集中
 東高西低の政治・経済環境

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「神奈川県緊急財政対策」のインパクト
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 県有施設の一律見直しという施策
 以下の4つの選択肢
1. 「施設廃止」
2. 「市町村・民間への移譲」
3. 「指定管理者制度等民間活力の導入」
4. 「運営・収支改善を図り引き続き見直営」
 神奈川県立図書館に関する方針
 「機能の純化・集約化を含めた検討」
 「純化」とは？
 「集約化」とは？

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神奈川の県立図書館の現状
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 神奈川の県立図書館
 横浜・川崎の2館体制
 参考：複数館体制の都道府県：東京、千葉、埼玉、鹿児島
 神奈川の2館
 神奈川県立図書館（紅葉ケ丘）
 神奈川県横浜市に立地
 「社会・人文系リサーチ・ライブラリー」を標榜
 かながわ資料室、戦時文庫、ACC文庫等が有名
 神奈川県立川崎図書館
 神奈川県川崎市に立地
 「科学と産業の情報ライブラリー」を標榜
 社史コレクションが群を抜いて有名

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「純化・集約化」構想のインパクト
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 純化
1. 閲覧・貸出サービスの廃止（市町村立図書館を通じての閲
覧に限定）
2. 専門書の収集、図書の相互貸借システムの運営、司書の
研修等、支援機能に特化
 集約化
1. 県立川崎図書館の廃止
2. 県立図書館への一本化

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神奈川県内外の反響（図書館関係団体）
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 神奈川県資料室研究会（神資研）
 第14回図書館総合展（2012年11月）でアンケートを実施
 アンケート結果の神奈川県への提出（2013年2月）
 要望書の神奈川県への提出（2013年3月）
 神奈川県図書館協会
 県立図書館機能の見直し案に対する要望書（2013年3月）
 図書館問題研究会
 全国委員会の緊急アピール（2013年1月）
 神奈川の図書館を考えるつどい
 要望を神奈川県に提出（2013年2月）

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神奈川の県立図書館を考える会
の活動
－その基本ビジョンとアドボカシー戦略11

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神奈川の県立図書館を考える会の発足
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 2012年11月7日（水）以降：
 各種報道機関、県立図書館の純化・集約化方針の報道を
開始
 2012年11月8日（木）：
 神奈川の県立図書館を考える会Facebookページ作成
 2012年11月9日（金）：
 神奈川の県立図書館を考える会Facebookグループ作成
 2012年11月16日（金）：
 さくらWORKS＜関内＞オープンナイトVol.11「いま、ヨコハ
マで図書館を考える－図書館総合展、そして神奈川県立
図書館」を開催

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神奈川の県立図書館を考える会の実態
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 Facebookグループが基盤
 メンバー267名（2015年1月20日時点）
 図書館関係者、神奈川県民、横浜を中心としたまちづくり関係者
 コアメンバーは約10名程度で変動
 公的な関係上の主宰は岡本真
 明確な規約を持つ組織ではない
 活動基盤としてのFacebookとオフラインの定例会
 Facebookグループでの情報の集約と共有
 Facebookページでの情報発信
 定例会（過去22回開催）による意見の交換・集約
 シンポジウム、アイデアソン、ワークショップ等のイベント開
催

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神奈川の県立図書館を考える会の活動風景
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神奈川の県立図書館を考える会の
基本ビジョン
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1. 勝者・敗者をつくらない（役割の尊重）
2. 反対ではなく提言する（政策の提言）
3. 図書館運動にしない（民意の反映）

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アドボカシー戦略（初期段階）
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1. 署名は集めない（対話による政治）
2. 報道を動かす（県民による政治）
3. 議会を動かす（議員による政治）

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神奈川の県立図書館を巡る動き（初期段階）
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 2012年11月16日（金）：
 さくらWORKS＜関内＞オープンナイトVol.11「いま、ヨコハマで図書館を考える－図
書館総合展、そして神奈川県立図書館」を開催
 報道関係者の誘致
 2012年12月～2013年1月：
 報道関係者向けのアドボカシー活動
 2013年1月29日（火）～2月8日（金）：
 神奈川新聞、「県立図書館「廃止」を問う」を連載
 考える会主宰として岡本は3回登場
 2013年2月21日（木）：
 神奈川県議会2013年第1回定例会の本会議代表質問にて議員質問
 初期方針の「修正」答弁
 2013年3月1日（金）：
 神奈川の県立図書館を考える会第1回政策提言シンポジウムを開催、以下の4つ
を提言
 「1. 類縁機関との機能的連動の確立」「2. 川崎図書館の機能強化」「3. 横浜図書館のミッ
ションの再定義」「4. 県民的な論議と合意のための仕組み設置」
 2013年3月11日（月）：
 神奈川県議会2013年第1回定例会の予算委員会にて議員質問
 川崎図書館の存続答弁

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＜参考＞神奈川の県立図書館を考える会
第1回政策提言シンポジウムでの提言（1）
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アドボカシー戦略（現段階）
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1. 市民に広聴する（アイデアソン）
2. 政策を提言する（シンポジウム）
3. 行政と対話する（懇談会）

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神奈川の県立図書館を巡る動き（現段階）
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 2013年5月～6月（第一次の提言作成期）
 神奈川の県立図書館を考える会アイデアソンの5日間連続
開催（提言に反映）
 2013年6月～8月（第一次の提言普及期）
 第一次政策提言を発表、政策提言シンポジウムを2回開催
 2013年12月（県の方針修正）
 神奈川県、再整備方針を表明
 2014年5月～6月（第二次の提言普及期）
 第二次政策提言を作成
 2014年6月～11月（第二次提言普及期）
 第二次政策提言を発表、政策提言シンポジウムを3回開催
 2015年1月～3月（第三次の提言作成期）
 ワークショップを3回開催予定

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の政策提言骨子
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1. 第一次：
1. 都道府県・都道府県立図書館の役割論
 二重行政批判への反論
2. 神奈川県立川崎図書館のあるべき姿
 世界基準のサイエンス・産業支援ライブラリー
 産業政策としての図書館行政の主張
3. 神奈川県立図書館のあるべき姿
 高度な専門性を持った調査・研究型図書館
 経済政策としての図書館行政の主張
4. 財源対策としての県立類縁施設の統合
 それによる経費削減と機能充実
5. 図書館経営の多角化
 図書館協議会の設置（再開）
 第二次：
1. 紅葉ヶ丘を前提とした再整備案への代替候補地の提案
2. かながわサイエンスパーク（KSP）を前提とした移転案への代替
候補地ほかの提案

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神奈川の県立図書館を巡る論点と教訓
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 論点として、
 都道府県の役割
 都道府県立図書館の役割
 公共のあり方
 公共サービスは何を何で担保するのか
 「したい・できる・すべき」の3軸
 公共を担うのは誰か
 「アマチュアとしての政治」
 教訓（Lesson）として、
 ビジョンの重要性
 戦略の重要性
 アドボカシーの重要性

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神奈川の県立図書館の今後
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都道府県立図書館の危機に備える
－図書館関係者に求められる取り組み27

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提案：危機に備えての予防的アドボカシー
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ビジョンの確立とアドボカシー
図書館協議会の健全な運用
周縁的サポーターの形成

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討論：危機に備えての予防的アドボカシー
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ビジョンの確立とアドボカシー
図書館協議会の健全な運用
周縁的サポーターの形成
方法論としての妥当性を中心に

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＜参考＞
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https://www.facebook.com/groups/130704170413865/
https://www.facebook.com/KanagawaLib

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＜参考＞
組織経営上のマネジメントポイント
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1. 大同小異
2. 未来志向
3. 対話傾聴
4. 技術活用

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都道府県立図書館の
危機に備える
－神奈川のケースからの問題提起
図書館問題研究会第40回東北集会
日時：2015年1月25日（日）
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