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2014 年 6 月 16 日
神奈川の県立図書館の今後にご関心を持つすべての方々へ
神奈川の県立図書館を考える会
第二次政策提言
「神奈川の県立図書館の再整備における用地選定」
【趣意】
2012 年秋に神奈川県が「神奈川県緊急財政対策」を発表し、その一環として神奈川県立
の 2 つの図書館のあり方に関する議論が広く喚起されました。その後、県民市民の声、新聞
各紙による報道、県議会議員による議会質問等を経て、2013 年 12 月に黒岩祐治・神奈川県
知事や神奈川県庁によって、神奈川県立図書館について、
1.横浜(紅葉ヶ丘):建て替えを視野に入れた再整備
2.川崎:かながわサイエンスパーク(KSP)(神奈川県川崎市高津区)への移転
という方針が示されている状態です。
当初案にこだわらず、県民市民の声や報道・議会の指摘に耳を傾け、よりよいあり方を模
索する知事と県庁の姿勢には敬意を表し、また感謝します。
しかし、その一方で、新たな方針表明から間もなく半年が経過しますが、その後の具体的
な検討内容が伝えられない状態になっています。黒岩知事、並びに神奈川県庁には、引き続
き対話的な姿勢を堅持し、県民市民と協働して県政にあたっていただくことをあらためて
要望します。同時に、「対決ではなく対話」「反対ではなく提言」を旨として活動してきた私
ども・神奈川の県立図書館を考える会としては、現在示されている 2 案について、新たな提
言をまとめましたので、ここに発表します。先に発表した政策提言「民間からの政策提言-
これからの県立図書館像」(2013 年 6 月)とあわせて、ご高覧いただけますと幸いです。
【概要】
本提言は、
1.紅葉ヶ丘を前提とした再整備案への代替候補地の提案
2.かながわサイエンスパーク(KSP)を前提とした移転案への代替候補地ほかの提案
を実施するものです。本提言は対話のための提言であり、提言内容をもって、本会の最終見
解とするものではありません。また、用地の具体的な取得可能性を示すものでもありません。
※これらの 2 案については、便宜上第二次提言と称します。また、2013 年 6 月に発表した政策提言「民間からの政策提
言-これからの県立図書館像」を第一次提言と称します。なお、内容的に両提言間に食い違いがある際は、第二次提言
の内容を優先します。
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紅葉ヶ丘を前提とした再整備案への代替候補地の提案
<基本的な考え方>
2013 年 12 月の神奈川新聞の報道等によれば、現在神奈川県横浜市西区にある神奈川県
立図書館(紅葉ヶ丘)は、建物の改修や建て替えを視野に入れた再整備を行う旨を黒岩知事
が発言されています。
本会では、知事のこの判断を敬意と感謝を持って迎えます。しかし、同時に、再整備を現
行施設地に限定せずに、広く全県的な観点から検討することを提言します。なぜならば、県
立図書館は神奈川県民の税負担によって設置・運営されるものであり、その用地の選定にお
いては、できる限り多くの県民が納得できる合意形成が必要と考えるためです。そこで、県
内全域を見渡し、利便性や発展性、公益性や公平性の観点から、最大公約数的な合意を得ら
れる再整備候補地を以下に提言します。
なお、本会メンバーのうち、大部分は横浜市・鎌倉市に在住・在勤でありますが、上記の
観点、特に公益性や公平性の観点から全県的な議論を行うことが必要という点において同
意しています。
<再整備候補地>
 横浜市西区紅葉ヶ丘地区:
現在の神奈川県立図書館の設置地域での再整備(知事案)は、現実的な案の一つと
考えます。特に蔵書構成やサービス提供内容が異なる横浜市中央図書館に近く、集
中的な調査・研究を行ううえでは快適な環境と考えられます。
他方、周辺用地の手狭さを考えた場合、建築史的に重要とされる現行施設や周辺施
設の改廃に着手する必要、あるいは地下空間を大規模に開発する必要が発生し、費
用が増大することを懸念しています。
 横浜市中区港町地区:
現在の横浜市役所の立地地域となります。横浜市役所は 2020 年までに現行の市役
所を同じ横浜市中区の北仲地区に全面移転する予定であり、移転後の跡地利用に
関しては未定となっています。周辺地域は JR 関内駅に隣接しており、現在の県立
図書館以上に交通は極めて至便であり、「圧倒的なマグネット力のある図書館」が
集客力を指すのであれば、最適な用地の一つであると考えます。
なお、同地区は津波発生時の浸水が予想されますが、地下、並びに 1 階部分に図書
館施設を設けなければ、運用は可能と考えられます(新高知県立図書館の例あり)。
 神奈川県央・湘南地域:
海老名市、厚木市、または藤沢市湘南台地区も、実現の可能性を検討すべき候補地
であると考えます。これらの地域は県域全体からのアクセシビリティを考えた際
に、現行の横浜・川崎に比較して全県的な公平性を備えています。また県央地域は
相模鉄道線と JR 線、東急東横線の直通が準備されており、将来的には東京都心部
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からのアクセスもより向上し、調査・研究を目的とした利用の増加が見込めます。
 神奈川県西地域:
小田原市、秦野市、南足柄市といった県西地域も可能性を検討すべきと考えます。
確かに全県的なアクセシビリティという観点では県東部地域からのアクセスに課
題を残しますが、県西地域に接する湘南地域の秦野市を中心に大学キャンパスの
立地が多いことからの大学との連携、広大な用地取得が比較的容易であることか
らの大規模施設の整備とそれに伴う市町村支援の充実等、この地域ならではの施
策を展開できます。
以上の理由から、本会では上記 4 案を神奈川県立図書館の整備候補地として提言します。
以上。
図:神奈川県全図
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かながわサイエンスパーク(KSP)を前提とした移転案へ
の代替候補地ほかの提案
<基本的な考え方>
現在、示されているかながわサイエンスパーク(KSP)への神奈川県立川崎図書館の移転
には、一部に懸念を感じます。確かに、かながわサイエンスパークは神奈川県が誇る最先端
のインキュベーションセンターですが、従来の神奈川県立川崎図書館を利用し、また支援し
てきた神奈川県資料室研究会の会員企業・団体にとっては、アクセスの点で大きな利便性低
下をもたらします。また、すでに大規模開発を終えた段階にある施設のため、現在の神奈川
県立川崎図書館の機能をそのまま移転することが難しく、機能を限定しての移転となる恐
れを感じています。
しかし、神奈川県立川崎図書館は、基礎科学から応用科学まで、さらには科学教育から企
業史研究までを包括的に一ヶ所で行えるという「科学と産業の情報ライブラリー」という性
格を持っています。そして、これだけの機能の集約があるからこそ、これまで大きな役割を
果たして来ています。以上の点を踏まえると、最低限、現行の川崎図書館と同様、あるいは
それを上回る施設面積規模を確保できなければ、神奈川県立川崎図書館のかながわサイエ
ンスパーク(KSP)への移転は適切とは思えません。この点に十分にご留意いただきつつ、
同時にかながわサイエンスパーク(KSP)を唯一の選択肢としない幅広い候補地選定を希望
します。以上の見解を踏まえ、本会としては、以下の候補地をかながわサイエンスパーク
(KSP)以外の候補地として提言します。
<再整備候補地>
 川崎市幸区鹿島田地区:
特に JR 新川崎駅周辺が候補地として最適な場所の一つと考えます。同地区は近年成長
が著しい武蔵小杉地区と現在の川崎図書館が立地する川崎駅周辺地区との間にあり、
JR 横須賀線・南武線・湘南新宿ラインが通る交通至便の場所となります。別途、紅葉
ヶ丘における提言でふれているように、将来的には相鉄線と JR 線、東急東横線との直
通が実現すると、県央部からのアクセスも向上します。近隣には企業施設が点在するほ
か、ビジネス支援・産業支援という面での川崎図書館の重要な利用者である神奈川県資
料室研究会の企業・団体会員にとっても利便性が損なわれません。
なお、上記はあくまで一例であって、大きな前提として、現在の神奈川県立川崎図書館が
立地する川崎市と十分な協議を行うことをあわせて提言します。川崎市は県立図書館の市
内での存続を要望しており、本件に関するもっとも重要な利害関係者であると考えます。
以上。
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参考:神奈川の県立図書館を考える会
本会のあらまし
神奈川の県立図書館を考える会は、2012 年 11 月 8 日(木)に、主宰者である岡本真(企
業経営者)の呼び掛けに寄り発足しました。
呼びかけは、主にインターネットのソーシャルネットワーキングサービス Facebook 上で
行われ、当初段階で約 150 名が、現段階では約 220 名が参加しています。
会としては、厳密な会則等は設けず、参加者各自が社会的な地位に左右されることなく、
対等な議論を行うように努めています。
なお、本会ではこれまで、20 回程度の定例会や勉強会を含め、以下の催しを開催してき
ました。
<イベント開催記録>
 2012 年 11 月 16 日(金):
さくら WORKS<関内>オープンナイト Vol.11「いま、ヨコハマで図書館を考え
る-図書館総合展、そして神奈川県立図書館」
於・さくら WORKS<関内>(神奈川県横浜市)
 2013 年 3 月 1 日(金):
神奈川の県立図書館を考える会第 1 回政策提言シンポジウム
於・さくら WORKS<関内>(神奈川県横浜市)
 2013 年 5 月 1 日(水)~2013 年 5 月 5 日(日・祝):
神奈川の県立図書館を考える会アイデアソン(全 5 回)
於・さくら WORKS<関内>(神奈川県横浜市)
 2013 年 6 月 1 日(土):
神奈川の県立図書館を考える会第 2 回政策提言シンポジウム
於・さくら WORKS<関内>(神奈川県横浜市)
<メディア紹介情報>
また、神奈川新聞の連載「県立図書館「廃止」を問う」(2013 年 1 月 29 日(火)~2 月
8 日(金))をはじめ、以下のメディアで紹介されました。
 神奈川新聞
 毎日新聞
 東京新聞
 共同通信(神戸新聞ほか)
<主宰者について>
主宰者の岡本真は神奈川県横浜市において、知識・情報の活用に関するコンサルティング
やプロデュースを行う企業を経営している者です。ただし、本会の活動はあくまで一県民、
一市民として個人的に行っています。
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<関連情報・連絡先>
関連情報:
Facebook ページ(広報用)https://www.facebook.com/KanagawaLib
Facebook グループ(議論用)https://www.facebook.com/groups/130704170413865/
連絡先:
〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町 3-61 泰生ビル さくら WORKS<関内>408
アカデミック・リソース・ガイド株式会社 内
神奈川の県立図書館を考える会
主宰者・岡本真
電話:070-5467-7032
メール:mokamoto@arg-corp.jp
なお、ご連絡は極力、メールでお願いいたします。
本提言の成り立ち
本提言は、上記の本会での定例会での議論や Facebook 上での議論を踏まえで作成したも
のです。なお、記述の骨子は本会主宰者である岡本真が作成し、本会メンバーからの指摘や
提案を反映し完成させています。

神奈川の県立図書館を考える会政策提言第2弾最終案