026 ライブラリー・リソース・ガイド 2016年春号
これが図書館の広報だ!
4. ブランディング
ブランドは、経営やマーケティングにとって非常に重要なものとして認識され
るようになってきました。「ブランド(brand)」の語源は、「焼き印(burned)」から
といわれています。放牧する牛を識別するために施された焼き印ですが、ブラン
ドを考える時「識別」がキーワードとなります。
ブランドへの関心が高まってきたのは、アメリカでは1980年代終わり頃から
といわれています。アメリカでは自社の価値を高めることを目的としたM&A(合
併と買収)が行われるようになりました。また競合他社がいる中で、よく知られ
たブランドは消費者からの指名買いが行われたため、取引が有利に展開できると
いうメリットが認識されました。1990年代後半、バブル経済の崩壊で危機に立
たされた日本の企業はアメリカのトレンドを知り、ブランドに関心を高めました。
アメリカ・マーケティング協会によると、ブランドとは「個別の売り手もしく
は売り手集団の財やサービスを識別させ、競合他社の財やサービスと区別するた
めの名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたも
の★3
」と定義されます。
行政もシティプロモーションを行い、他の市町村との差別化を図っています。
また一番危機に立たされているのが少子化の影響を受けている大学です。近年、
大学ではユニバーシティ・アイデンティティを確立させて、他の大学との差別化
を図り、入試志願者を増やすための施策が取られています。
Elisabeth Doucettが2009年に出版した”Creating Your Library Brand”(American
Library Association)では、ブランディングの重要性について以下のような記述が
あります。
“Branding is important for every type of library [especially] public libraries that
have to continuously justify their existence in ways that and academic or special
library might not have to. However in an era when so much is available for free
on the internet it makes sense for every library to articulate its reason for being
in terms that are absolutely clear to both users and funders.★4
”
「ブランディングはすべての図書館において重要な事柄です。大学や専門図書
館が必ずしも行う必要がないと思われる、自分たちの存在を継続的に正当化する
064 ライブラリー・リソース・ガイド 2016年春号
これが図書館の広報だ!
7.4 プレスリリースの配信の例
プレスリリースは、実際に書かれたものを見るのが一番勉強になります。プレ
ス向けに配信されているリリースを公開している図書館があります。千代田区立
図書館(http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/about/press-release/)と日比谷図書
文化館(http://hibiyal.jp/hibiya/PR.html)はその一例です。PDF形式になったプレ
スリリースという実際に記者が手にするものが見られます。
図書館独自にプレスリリースを配信せず、自治体の広報課が発信している場合
が大半ではないでしょうか。その場合、自治体のプレスリリースのサイトで図書
館に関するものが見られるケースもあります。最近であれば、長野県のウェブサ
イトにある「発表資料(プレスリリース)」(http://www.pref.nagano.lg.jp/kensei/
koho/pressreleases/)に、「長野県立図書館では図書館記念日(4月30日)にあわせ
て『信州のとしょかんマップ』を公開します」というタイトルのプレスリリースが
掲載されています。
プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのサイトの中には、そのサ
イトを使って配信されたプレスリリースを見られるものもあります。私がよく
参考にするのは「PR TIMES」です。PR TIMES では企業、団体、大学などさまざ
まなセクターから発信されたプレスリリースを見ることができます。同サイト
に検索窓があり、そこに「図書館」と打ち込むと、関連するプレスリリースを見
ることができます。たとえば2016年4月27日に株式会社ドトールコーヒーが
配信したプレスリリース「公立図書館施設内に初出店 ドトールコーヒーショッ
5W 5H
Who 誰が How どのように
What 何を How much お金(価格、売上目標など)
When いつ How many 数(参加者目標など)
Where どこで How long 時(いつからいつまでなどキャンペーン期間)
Why なぜ How in future 将来(今後の方針など)