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現場での教育における
振り返りの重要性
-プリセプターの仕組みを活かして学ぶには-
笑顔のおうちクリニック松戸
全日本患者安全組織文化学習支援財団
松本尚浩
この内容は公開されています。
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 2
https://bit.ly/2vEsmq0
自己紹介(1/2)
• 略歴
– 1962年 福岡県久留米市で出生
– 1987年 産業医科大学医学部卒業
– 1987~2014年 麻酔科医
– 2014年~ 在宅医療と患者安全
• 主な出来事
– 1995年 鱒淵マラソンで2時間57分
– 2001年~心肺蘇生術インストラクター
– 2015年 全日本患者安全組織文化学習支援財団
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 311 May 2019
自己紹介(2/2)
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 4
http://www.nhk.or.jp/salameshi/archives/a150803.html
11 May 2019
あなたの携帯端末で
投票準備をお願いします
5
http://goo.gl/BuAec6The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring11 May 2019
投票画面のご案内
6
回答を
選びます
質問や
コメント
歓迎です
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring11 May 2019
今日の参加方法
一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2-3項目、2-3分で
共有
•二人(ときに三人以上)で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 7
ステップ・ラダー法の応用
11 May 2019
本日のまとめ
• 誰もが「自然に」教えるのはモンダイあり
– 指導者技能を身に着けましょう
• 自己評価のチカラを向上させましょう
– 過大評価が、中堅以後の伸びを止めます
– 過小評価では、適切な役割を果たせません
• 実践を振り返って学ぶチカラを獲得しましょう
– 振り返り会話の練習が必要
– 自分で適切なフィードバックができる医療者に
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 8
大人の学びの場で起こっていること
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9
眼の前の指導者が、
適切な指導者かどうか、疑っている
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 10
53
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11 May 2019
大人は指導者を疑っても、
「疑いを一旦、止めよう」が
出来るから、
指導者が指導できている
ように見える
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 1111 May 2019
残念な指導者
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 12
「自ら学べるようになる」支援活動に
取り組み続けています、が
https://goo.gl/Au27sz https://goo.gl/W9QdaU
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 13
【白状】
99.9%の学習者は、
松本を指導者に
選びません
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 1411 May 2019
【私見】自由な学びの場で
「指導者」として選ばれる条件
• □「学べている」と認めてくれる
• □何を学ぶべきか決める手伝いをしてくれる
• □少し難しい課題を与えてくれる
• □適切な支援をしてくれる
• □学んでいる状況を見守ってくれる
• □学ぶ内容に関して熟達者と感じさせる
• □この指導者みたいになりたいと憧れられる
• □将来は自ら学べるようになれると期待させる
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身近な指導者に、該当しますか?
慣れに慣らされては、危ない
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 16
学校の先生のマネをすると
教育できる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
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D E F
11 May 2019
学校の真似で、学べるのか?
学校 現実(職場)
学ぶ内容 与えられる 自分で決める
学べたかどうか 試験 実践改善
学ぶ方法 教室で話を聴く
自分の好みで
選ぶ
自分に役立つか 不明
役立たつことを
学びたい
指導者 割り当てられる
自分で選ぶ/
プリセプター制
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 18
割り当てられた指導者は
適切な学びの場を創ることができる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
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E
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11 May 2019
社会組織での訓練が
上手くいかない理由?
ロジャー・シャンク (Roger Schank)
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 20
俺なら、
上手くいかない訳を、
4語でいえるぜぇ
It’s Just Like School.
(Roger Schank, p7, Designing World-Class E-Learning)
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 21
(社会組織での訓練・教育は)
学校教育みたいに
やっても
上手くいかない
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 22
学校での学びの過程
方法教材
•学ぶべき知識・技術などを選ぶ
•学ぶ順序を決める
教育
•教える
•試験
社会実践
•社会で役立つかも
•資格試験
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 23
社会人の学びの過程
出来事
ふり返り
会話
改善
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メンターとの会話が
効果的
プリセプターの仕組みを
役立てる方法
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 25
教えてみると、
自分の学びの程度がわかる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
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11 May 2019
「教育できる!」
という、思い込みを
捨てよう
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 2711 May 2019
「プリセプターに適格」という
指導者技能の基準が設定されている
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 28
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C
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E
4%
(2)
F
11 May 2019
他者に学べというならば、
その指導者自身が
学ぶ姿を見せないと
説得力はない
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 2911 May 2019
【おすすめ】
プリセプターは
指導者技能を
身に着けよう
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 30
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring
プロフェッショナルとしての基礎
1. 効果的なコミュニケーションを行う。
2. 専門分野の知識やスキルを常に磨いておく。
3. 規定の倫理や法を順守する。
4. プロフェッショナルとしての信用を確立する。
企画と準備
5. インストラクションと方法と教材を企画準備する。
6. インストラクションに必要な具体的な準備をする。
方法と戦略
7. 受講者が意欲的に、集中して学べるように働きかける。
8. プレゼンテーションを効果的に行う。
9. ファシリテ-ションを効果的に行う。
10. タイミングよく的確に質問をする。
11. 明確な説明とフィードバックを与える。
12. 学んだ知識やスキルが持続するように働きかける。
13. 学んだ知識やスキルが実際に使えるように働きかける。
14. メディアやテクノロジーを使って学習効果を高める。
評価
15. 学習成果とその実用性を評価する。
16. インストラクションの効果を評価する。
マネジメント
17.学習効率と学んだことの実践を促進する環境を維持する。
18.適切なテクノロジーを使って、インストラクションのプロセスを管理する。
国際標準のインストラクター能力
教える技能18項目の
習得を目指そう
31
日本語訳もあります
• 論文「インストラクターコンピ
テンシーの医療者教育への
応用」
– ibstpi インストラクターコン
ピテンシーの解説と応用提案
• 資料「ibstpi インストラク
ターコンピテンシー 第4章」
– 18項目の粗訳
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 32
指導者技能を学ぶセミナー
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring
https://goo.gl/MYkYmu
11 May 2019 33
プリセプターが指導者技能を
身につけるにはどうすればいいか?
一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2-3項目、2-3分で
共有
•二人(ときに三人以上)で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 3411 May 2019
【共有】プリセプターが指導者技能を
身につけるにはどうすればいいか?
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 3511 May 2019
残念な指導者2
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 36
日々の仕事なら何となくできる
• 麻酔科医になって15年余りの頃
• 自分の領域の知識・技術は、ある程度もつ
– かつては、毎日「明日のため」学んでいたけど
– 指導者からのいろいろな指摘もなくなった
• 最近、伸びてないんじゃないか、自分は?
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 37
【白状】
評価される場がないと
自分を伸ばそうとしない
性質でした、僕は
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 3811 May 2019
伸びない中堅者(プリセプター)
• 中堅者
– 日々の業務は一人でできる
– 通常、大きな失敗はない
• 改善すべき「失敗点」がみあたらない
– 改善する必要性を感じない
• 自分の事例を提示するのは、怖い
– 失敗を探られるのでは?
– 他者の前で恥をかきたくない
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 39
心肺蘇生教育の提言論文が
「臨床医は自己評価能力が乏しい」と
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 40
【私見】自ら進んで
評価を受けないと
中堅以降、熟達が難しい
自己評価は
通常
過大評価か
過小評価(Med Educ. 26:310-6, 1992)
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring11 May 2019 41
プリセプター(中堅者)こそ
振り返り会話が重要
新人 中堅者
振り返りの焦点 失敗事例 失敗なし事例
分析すべきこと 失敗の原因
失敗しない理由
何故上手くいくのか
改善計画 失敗原因を避ける より上手くいく計画
会話のメンバー 新人・中堅者 熟達者(メンター)
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 42
新人の頃から
振り返り会話技能を高めよう
新人
中堅
熟達者
専門職
知識技能
時間
知
識
・
技
能
レ
ベ
ル
中堅
熟達者
振り返り会話
技能
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring11 May 2019 43
仕事の知識技術を教えるだけでなく
学習方法の獲得も支援しよう
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 44
指導者は、仕事に必要な
知識・技術を与えればよい
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 45
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A
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C
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(1)
E
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F
11 May 2019
数年(数十年)前に比べると、
学ぶべき内容が増えている
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 46
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A B
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D
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E
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11 May 2019
職場には、学ぶべき内容を網羅する
教育の仕組みがある
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 47
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A
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C
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11 May 2019
すべての経時的変化は指数関数的
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 48
時間
進
化
・
増
加
学ぶべき内容も
指数関数的に増加
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 49
時間
学
ぶ
べ
き
内
容
必要な知識・技術を
教え続けられるのか?
自分には、学ぶチカラがある
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
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A
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(10)
C
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D
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E
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(1)
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11 May 2019
プリセプターの
最も重要な役割は、
「実践して振り返り学ぶ」
学習能力を獲得させること
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 5111 May 2019
熟達には実践と振り返りが鍵
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 52
「熟達者を育てる」教育は、
不可能かもしれない程、難しい
プリセプターは、フィードバックや
振り返り会話技能を習得してから教える
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 53
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A
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B
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(5)
C
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(2)
E F
11 May 2019
【おすすめ】
フィードバック・
振り返り会話技能
を身に着けよう
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 54
「フィードバック」
で
何が起こるか?
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 55
「教えたはずなのに何故できないの?」
とフィードバックを受けたことがある
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 56
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A
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B
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E
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F
11 May 2019
フィードバックのあり方:その1
実践1 声かけ 実践2
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 57
フィードバック・キュー(信号)短縮語を
フィードバックと呼ぶあり方
フィードバックのあり方:その2-1
実践計画
フィードバック・キュー
実践結果
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 58
改善
実践
フィードバック・システム短縮語を
フィードバックと呼ぶあり方
フィードバックは、
「学べた」を確認して
終わると効果的
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 5911 May 2019
自己評価能力を高めるために
「フィードバック」や「デブリーフィング」
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring
https://bit.ly/2BCWSUt
60
皆さんを手伝います1
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring
「振り返って学ぶ」ために知識を
身に着けましょう
61
皆さんを手伝います2
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring
振り返り会話の練習会いかがですか?
62
振り返り会話は
患者安全にも役立つ
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring
ご希望の施設のポスター作成します
63
責めない・認め合う
振り返り会話に
取組んだ、ある看護部
離職率が低下
(関連性は不明)
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 6411 May 2019
「指導者を割り当てる仕組み」を
活かして、共に学ぶための処方箋
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 65
実践の振り返り場面で、
他者に失敗を晒すのは怖い
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 66
0
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A B C D E F
11 May 2019
人も組織も変わるのが難しい
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 67
変わるのは
怖いから
学ぶ場面では「恐れ」に配慮が必要
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 68
https://bit.ly/2DnH5cV
【学びの処方箋1/4】
「人は変わりにくい」ことを認めよう
• 必要な時間をかければ誰も学ぶことができる。
– 反復練習の機会を設ける
– 適切なフィードバックを実施する
• 適切な難易度の課題に取り組ませる
– 簡単すぎ・難しすぎると、意欲が下がる。
– 「成功確率50%」の課題と、適切な「はしごがけ」
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 69
職業人として、今、
自分は何を学ぶべきか分かっている
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 70
0
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A B C D E F
11 May 2019
【私案】面談基盤型カリキュラム
面談
学習方略
選択
学習実践
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 71
面談基盤型カリキュラム
面談
•行動結果面接(BEI)を応用
•体験と学習を記述する(語る)
学習方
略選択
•学習内容検討
•学習方法・教材・指導者選択
学習
実践
•講義や独習など
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 72
学びに「行動結果面接」を応用
• 自分の実践で、重要な出来事を書き出す
– 肯定的・前向きな出来事
• その後、どのようにして学んだかを記述する
• 学びの背景にある考え・動機を記述する
• 参照
– https://goo.gl/zYV6SD
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 73
自分の体験・学び・考え・動機を
面接で明らかにする
【学びの処方箋2/4】
「面接」で学びはじめ、学び続けよう
• 「面接」実施
– 実践と学習を結びつける
• 学ぶ内容、学ぶゴール、学ぶ方法を決める
– より良い実践につながる学習内容
– 明確なゴール設定
– 自分の好きな、学習内容に適切な学習方法
• 学習する
– 自分で、仲間と、指導者と
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 74
学び続けたいという意欲をもたせる
指導(学習者支援)ができる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 75
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A B C D E F
11 May 2019
動機づけを改善する
ARCSモデル、お勧めです!
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 76
インターネットでも多様な資料があり
例: https://goo.gl/eK0lWK
【学びの処方箋3/4】
学びを認めて、学ぶ意欲を維持しよう
• 学びの成果を示すよう促す
– 教える役割を実践してもらう
– 学んだ内容を実践で応用してもらう
• 「学べているね」と認める
– 実践の改善を認める
• 例:以前10分かかった処置が8分でできている
• 次の目標を立てる支援をする
– 更に改善するための計画を立案させる
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 77
職業人を引退したら、
学ぶ必要はなくなる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 78
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A B C D E F
11 May 2019
教える・学ぶ「いい関係」を
創れないと
人生100年時代を
いきいきと生きるのが
難しくなる
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 7911 May 2019
自分で学べるようになるように
手伝うことができる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 80
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11 May 2019
フィードバックのあり方
内省
変化
変化
保証
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 81
(松本尚浩、医療職の能力開発 ;2:25-34,2013)
「フィードバック」
に
指導者が必要?
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 82
「指導者あり」のフィードバック
内省
•実践の情報を与える(指導者あり)
•自分の出来映えを認識(指導者なし)
変化
•指導者が練習・発展支援
•自分で練習・変化(指導者なし)
変化
保証
•指導者が改善確認
•自分で実践して変化を確認
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 83
(松本尚浩、医療職の能力開発 ;2:25-34,2013)
指導者なくてもフィードバック
内省
•実践の情報を与える(指導者あり)
•自分の出来映えを認識(指導者なし)
変化
•指導者が練習・発展支援
•自分で練習・変化(指導者なし)
変化
保証
•指導者が改善確認
•自分で実践して変化を確認
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 84
(松本尚浩、医療職の能力開発 ;2:25-34,2013)
「フィードバックで学ぶ方法」を身につけて
できる指導者、自分で学べる人へ
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 85
効果的・効率的・魅力的フィードバック技能の
練習会ご希望あればお問い合わせください
【学びの処方箋4/4】
自分でフィードバックできる学習者へ
• 自分で内省できる
– 何を学ぶべきかわかる
• 自分で変化できる
– 自分に適切な学習方法を選ぶことができる
– 学習内容に適切な学習方法を実施できる
• 自分で変化を保証できる
– 学んだことを実践する場を自分で創る
– 熟達者に学習状況を確認してもらう
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 86
プリセプターが「フィードバック」や
「振り返り会話」技能を身につけるには
一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2-3項目、2-3分で
共有
•二人(ときに三人以上)で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 8711 May 2019
【共有】プリセプターが「フィードバック」や
「振り返り会話」技能を身につけるには
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 8811 May 2019
庄司友和実行委員長からのお題
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 89
お題
1. 胸部レントゲンで気胸を見逃して、患者を帰
宅させてしまった際の指導方法
2. 腹部レントゲンでイレウスを見逃して、患者
を帰宅させてしまった際の指導方法
3. 胸部レントゲンで結核を見逃して、同じ部屋
で複数名の患者を撮影してしまった際の指
導方法
4. CT室で造影剤アレルギーで患者が急変し、
何も手を出せない放射線技師
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 90
松本の提案(1/2):
事例1-3) 見逃して帰宅させた事例
• あなたの「放射線部」のパフォーマンス向上に何
が役立つでしょうか?
– 1:教育・訓練
– 2:仕組み創り
– 3:休暇・待遇改善
– 4:配置転換
• 【提案】組織パフォーマンス向上に、教育・訓練が
役立つ可能性は20%程度。この事例では、仕組
み創りが重要でしょう。
– 教育・訓練はどちらかといえば、最後の手段
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 91
「CT室で造影剤アレルギーが発生!」を
見抜くことができる
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 92
1
vote at Tak-Mats.participoll.com
A B C D E
100%
(1)
F
11 May 2019
松本の提案(2/2):
事例4) 稀な場面への対応事例
• CT室で造影剤アレルギー患者発生場面で、以下の役
割を示しましょう。
– 初心者の役割:アレルギー発生を見抜く先輩に学ぶ、造影
剤を止める、助けを呼ぶ、、、
– 中級者の役割
– 上級者の役割
• 何も手を出せなかった放射線技師さんには、上記段
階の最も簡単な役割から取り組み、その先への発展
を誰かが支援する仕組みを創りましょう
– 参照:発達の最近接領域(ヴィゴツキー)
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 93
訓練プログラム創りお手伝いします
「疑いを一旦、止めよう」と、
学習者(プリセプティー)が
思わなくてもいい
指導者(プリセプター)に
なれるよう、
指導者技能の獲得を
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9411 May 2019
これから、どうする。
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9511 May 2019
「勉強になりました」で
終わる場は、
学んだことになりません。
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9611 May 2019
「明日から、
現場で何か変えよう」を、
続けて、周りに広げる
学び方を工夫しましょう。
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9711 May 2019
オンラインでお手伝いします1
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9811 May 2019
さらに、学びを深めたい方、
お手伝いします。
• 「チャットワーク」で学習支援開始
– チャット・メッセージで情報交換・質疑応答
– ファイル添付・共有可能
– カメラ会議も可能
• 手順
– オンライン会議室「チャットワーク」で無料アカウント
• http://www.chatwork.com/ja/price/
– アカウント作ったら、松本(ID:180462)へメールで
連絡を
• takahiro.matsumoto418@gmail.com
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 9911 May 2019
オンラインでお手伝い2
フェイスブック「松本尚浩」 LINE
11 May 2019 The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 100
明日からの変化こそが、大切です
満足度アンケート
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 10111 May 2019
自分に役立つ内容だった
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 102
41
vote at Tak-Mats.participoll.com
2%
(1)
A
2%
(1)
B C
7%
(3)
D
37%
(15)
E
51%
(21)
F
11 May 2019
教材(プレゼンテーション・投票など)が
効果的だった
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 103
0
vote at Tak-Mats.participoll.com
A B C D E F
11 May 2019
周りの知人に、この内容を知らせたい
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 104
2
vote at Tak-Mats.participoll.com
A B
50%
(1)
C D E
50%
(1)
F
11 May 2019
続けて、今日の内容を学びたい
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 105
0
vote at Tak-Mats.participoll.com
A B C D E F
11 May 2019
懇親会で話したい
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
The 73rd JSRT_Tokyo 2019 spring 106
26
vote at Tak-Mats.participoll.com
A
4%
(1)
B C
23%
(6)
D
27%
(7)
E
46%
(12)
F
11 May 2019

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