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f(x),g(x)を2次の実係数多項式とする。ただし、方程式g(x)=0は実数解を持たないとする。F;R2→R
をF(x,y)=f(x)/g(x)で定義するとき,以下のそれぞれの場合にF(x,y)が極値を持つかどうかを判定せよ。
さらに極値を持つ場合は極値の取る点の個数を求めよ。
(1)f(x)=0も実数解を持たないとき。
(2)f(x)=0が2つの相違なる実数解を持つとき。
f(x),g(x)を2次の実係数多項式とする。ただし、方程式g(x)=0は実数解を持たないとする。F;R2→R
をF(x,y)=f(x)/g(x)で定義するとき,以下のそれぞれの場合にF(x,y)が極値を持つかどうかを判定せよ。
さらに極値を持つ場合は極値の取る点の個数を求めよ。
(1)f(x)=0も実数解を持たないとき。
計算
𝐹𝑥 =
𝑓𝑥
𝑔
𝐹𝑦 = −
𝑓𝑔 𝑦
𝑔2 𝐹𝑥𝑥 =
𝑓𝑥𝑥
𝑔
𝐹𝑥𝑦 = 𝐹𝑦𝑥 =
𝑓𝑥 𝑟𝑦
𝑔2 𝐹𝑦𝑦 = −𝑓・(𝑔𝑔 𝑦𝑦 − 2𝑔2
)/𝑔3
とある。またH=
𝐹𝑥𝑥 𝐹𝑥𝑦
𝐹𝑦𝑥 𝐹𝑦𝑦
=
𝑓𝑓𝑥𝑥 𝑔𝑔 𝑦𝑦−2𝑔 𝑦
2 +𝑓𝑥
2 𝑔 𝑦
2
𝑔4
f(x)=0が回を持たないとき
Fx = Fy = 0 ⇆ 𝑓𝑥 = 𝑔 𝑦 = 0となる。𝑓, 𝑔は2次の実係数多項式なので𝑓𝑥 = 𝑔 𝑥 = 0を満たす 𝑥, 𝑦
は唯一存在する。このとき 𝐻 =
𝑓𝑓𝑥𝑥 𝑔 𝑦𝑦
𝑔3 となるが𝑓, 𝑓𝑥𝑥及び𝑔, 𝑔 𝑦𝑦の符号はそれぞれ一致するのでH<0
となり、F(x,y)はR上で極値を持たない。
(2)f(x)=0が2つの相違なる実数解を持つとき。
𝑓 𝑥 = 𝑎 𝑥 − 𝛼 𝑥 − 𝛽 (𝑎≠0 α≠β)とする。
𝑓𝑥 = 2𝑎 𝑥 −
𝑎 + 𝑏
2
よりf x = 0の回はfx = 0を満たさない。
𝐹𝑥 = 𝐹𝑦 = 0 ⇆ 𝑓𝑥 = 𝑔 𝑦 = 0 このとき𝑥 =
𝛼+𝛽
2
𝑓𝑥𝑥 = 2𝑎だじゃらH =
a2 𝛼−𝛽 2gyy
2g3 > 0よってF(x,y)はR
上で極値を持つ。(1)と同じく 𝑓𝑥 = 𝑔 𝑦 = 0を満たす(x,y)はゆういつ存在し、𝐹𝑥𝑥 =
2𝛼
𝑔
の符号は
a>0でg(y)>0のとき+ a>0でg(y)<0のとき− a<0でg(y)>0のときー a<0でg(y)<0のとき+
よってag(y)>0ならばF(x,y)は点(x=
𝛼+𝛽
,y)で極小ag(y)<0ならばF(x,y)は点(x=
𝛼+𝛽
,y)で極大となる。

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