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商位相とコンパクト化の問題
- 1. 距離空間 (X, d) の空でない真の閉部分集合を F とする.
X 上の同値関係 ∼ を x∼y ⇐⇒ x=y または「x∈Fかつ
y∈F」
により定め, X の ∼ による商位相空間を M = X/ ∼ とおく.
(1) M はハウスドルフ空間であることを示せ.
証明
まず距離空間はハウスドルフである[斎藤]集合と位相p139
x∼yでない2つの元xとyに対して,必ず片方はFを含まない。それをxとする。
yがFに含まれる時
X上でFとyを含まない開集合U(x)でF上の内点以外の1点zとX上での位相で分
離することができる。(例えばxを中心とした半径d(x,F)/2以下の近傍を取り、
U(z)も半径d(x,F)/3以下の近傍を取れば良い) M = X/ ∼ でも2つは開集合であ
り、 共通部分を持たないのでこの場合は分離できる。
(2) F ∩ G = ∅ なる X の任意の閉集合 G がコンパクト
であるならば, M はコンパ クトであることを示
せ.証明
X\F上で最大の閉集合Dは仮定からコンパクトである。
X\FUDは開集合である。この閉包をD’とする。またこのD’
は内点を持たない(持てはDの最大性に反する)よってX上D
の開被覆はD’を含んでしまう。この開被覆はM上で考えても
開被覆になるのでMはコンパクトである。
- 2. 距離空間 (X, d) の空でない真の閉部分集合を F とする.
X 上の同値関係 ∼ を x∼y ⇐⇒ x=y または「x∈Fかつy∈F」
により定め, X の ∼ による商位相空間を M = X/ ∼ とおく.
(3) X は連結でないが, M は連結であるような X と
F の例を挙げよ. また挙げた 例が要請をすべて満
たすことを示せ.
図のようにX=[-2,-1]x[0,1]U[1,2]x[0,1] F=[-1.5,-1]x[0,1]U [1,1.5]x[0,1]
とすればM=[0,2]x[0,1]となり、連結の定義[斎藤]集合と位相p141を満たす。