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1 命題 数列 𝑎 𝑛 はaは収束する とその否定命題をε-N論法で求めよ。
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𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑛
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𝑎 𝑛 =+∞より全てのMに対しあるNが存在してn≧Nならばan≧M
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑛
𝑛
=
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑁−1
𝑛
+
𝑎 𝑁+⋯+ 𝑎 𝑛
𝑛
>=
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑁−1
𝑛
+
𝑁−𝑁+1
𝑛
𝑀 =
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑁−1
𝑛
+ 1 −
𝑁+1
𝑛
𝑀
>
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑁−1
𝑛
+ 1 −
𝑁+1
𝑁
𝑀=
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑁−1
𝑛
+
1
𝑁
𝑀
また全てのε1>0に対してある整数N0が存在し全てのn≧N0に対して|1/n|<ε1 となる
ε1をε1=|
1
𝑎1+⋯+ 𝑎 𝑁−1
|とすると
>-ε1 (𝑎1 + ⋯ + 𝑎 𝑁−1)+
1
𝑁
𝑀=-1+
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よって全てのMに対してあるNが存在してn≧Nならば
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𝑛
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