2019/9/25-6に開催されたUnite Tokyo 2019の講演スライドです。 田中 勤（サミー株式会社） 高橋 孝平（サミー株式会社） 中村 孝司（サミー株式会社） こんな人におすすめ ・現状のワークフローに課題を抱えている方 ・映像開発に携わっている方 受講者が得られる知見 ・非ゲームでのUnity活用方法 ・ぱちんこ映像開発環境を構築する方法 ・Unityの最新機能NodeGraphやTimelineの活用方法 Unityのイベント資料はこちらから： https://www.slideshare.net/UnityTechnologiesJapan/clipboards

2. Unityでこんなに変わった！
ぱちんこ映像開発ワークフロー
サミー株式会社
高橋 孝平 / 田中 勤 / 中村 孝司

3. 3
セガサミーグループ
パチンコ・パチスロ遊技機の製造・開発
「新しいことはサミーから」を開発テーマに
全てのユーザーに楽しんで頂ける遊技機
を開発しています。
サミー株式会社

4. 4
ぱちんこの映像開発ワークフローにおいて
旧来の手法から脱却し、新しい環境を構築。
その中で、なぜUnityを採用したのかと、
Unityだからこそ実現できた事を紹介します。
セッションの概要

5. ぱちんこの映像
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6. ぱちんこの映像開発とは
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7. ぱちんこ映像演出のパターンと流れ
図柄変動
パターン2
停止
スーパーリーチ
ライオン
ハズレ
ぱちんこの映像開発とは
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図柄変動
パターン1
ルーレット
リーチ
ライオン群
炎EF
当り
カットイン
スーパーリーチ
ダチョウ
時間
描画
順序

8. ぱちんこの映像開発とは
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— タイミング・遷移・描画プライオリティの管理が膨大
— 映像編集ソフトだけで全てを作ることはできない
（AfterEffectsなど）
— 映像データの組立作業が重要な部分の大半を占める
— 専用のツールは用意されていない

9. ぱちんこ映像開発のスタンダードツール
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10. 10
Excel

11. 11
ぱちんこ映像開発のワークフロー

12. — Excelベースのワークフロー
プログラマデザイナ
ぱちんこ映像開発のワークフロー
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実機表示プログラマ
へ指示書
Ae
映像
データ
シーン・
演出構築
制御
プログラム
確認できるまでの待ち時間が長い

13. 13
Excelベースの
ワークフローを改善したい

14. Excelベースのワークフローを改善したい
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改善の要望
— プログラマとの非効率なやり取りを減らしたい！
— 映像を確認しながら直観的に編集したい！
— 使いやすいUIで楽しく開発したい！
— 感覚的な要望に応えやすい環境にしたい！

15. — 新しい ワークフロー
プログラマデザイナ
Excelベースのワークフローを改善したい
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実機表示制御
プログラム
シーン・
演出構築
Ae
映像
データ
確認・修正サイクルが早い

16. なぜ、
ぱちんこ映像開発でUnityなのか
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17. なぜ、ぱちんこ映像開発でUnityなのか
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ぱちんこ映像開発で欲しい機能が揃っていた。
– グラフィカルなインターフェース
– 充実したプレビュー環境
– タイムライン
– グラフビュー
– 便利なツール群

18. 18
Unityをカスタマイズして
ぱちんこ映像開発に使えるのでは？

19. 19
Unityを、ぱちんこ映像開発の
スタンダードツールにしよう！

20. 新しい ぱちんこ映像開発ツール
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21. Savaの紹介
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22. 22
タイムライン
ノード
リストグラフビュープレビュー画面

23. 遷移の組み立て
（デモ）
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24. タイミングの調整
（デモ）
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25. 描画プライオリティの編集
（デモ）
25

26. 26
旧来のワークフローと
Savaのワークフローの違い

27. 旧来のワークフローと
Savaのワークフローの違い
27
— 遷移の組み立て
— タイミング調整
— 描画プライオリティ

28. 28
遷移の組み立て

29. 遷移の組み立て （旧来の手法）
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エクセルで羅列することで制御
テキストベースで、細かい
繋がりを表現出来ない為
遷移を把握し難い

30. 遷移の組み立て （Sava）
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グラフビューのノード接続で制御
映像を見ながら
直感的に編集出来るため
遷移を把握して作業しやすい

31. 31
タイミング調整

32. タイミング調整 （旧来の手法）
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エクセルにタイマーの時間値を入力して調整
数値で指定する為、感覚的な
要望への対応が困難
見た目を想像しながら
プログラマが数値を調整

33. タイミング調整 （Sava）
33
タイムラインのクリップ移動で調整
映像を見ながら、クリップを移動
出来る為、直感的に調整が出来て
感覚的な要望への対応が容易

34. 34
描画プライオリティ

35. 描画プライオリティ （旧来の手法）
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エクセルにファイル名を列挙して管理
テキストベースのため
ファイル名から映像の内容を
イメージできないと編集が困難

36. 描画プライオリティ （Sava）
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Unity上にプライオリティリストを作成して管理
映像を確認しながら
直接編集可能な為
色々なパターンを
切り替えて調整出来る

37. 直観的な編集が可能になったことで
飛躍的に作業効率が高まった
37

38. 38
ツール導入による効果

39. ツール導入による効果
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プログラムコード量の削減
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
他タイトルA 他タイトルB 他タイトルC 他タイトルD Savaによる開発

40. 組み込み工数の削減効果1/2を達成
40
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
過去プロジェクト工数 「Sava」を使用したプロジェクト
Sava業務
プログラム業務
プログラム業務
ツール導入による効果

41. 結果として起こった変化
41

42. 結果として起こった変化
42
デザイナ、プログラマ間の必要以上のやりとり
を軽減、それぞれがやるべきことに注力出来る
ようになった。
Ae
確認・修正
デザイナ
プロジェクト
業務自動化
制御プログラム
作成とチェック
プログラマ

43. 43
映像のクオリティを左右する部分までも
プログラマが作業していたが、
映像のクオリティにこだわるべきデザイナーが
作業できる環境を整えることができた

44. 44
Unityでツール開発するうえで
得られた知見

45. Unityで作成したデータを
遊技機で動かすには
45

46. 46
通常Unityで作成したアプリケーションは、最後にビルドを行
い、実行形式を出力します。
ただし、
遊技機で使用している基板はUnityが対応しておりません。
Unityで作成したデータを遊技機で動かすには
実行形式

47. 47
遊技機の基板でも動作する実行形式への出力を
Unityにカスタマイズ対応してもらうと、
大きなコストがかかります。
Unityで作成したデータを遊技機で動かすには
遊技機基板専用の
実行形式

48. Savaのデータは遊技機で
どの様に動かしているのか？
48

49. 49
Unityのビルドは使用せず、
データ出力のスクリプトをオリジナルで作成し、
そのデータが動作するライブラリの新規開発を行いました。
Unityで作成したデータを遊技機で動かすには
Savaデータ ＋
Savaデータを読み込み
演出が再生されるライブラリ

50. 50
下記の情報をUnityのC#スクリプトで出力
 ノードの遷移情報
 タイムラインのクリップ情報
 描画プライオリティ情報
 サウンドの情報
Unityで作成したデータの出力

51. 51
動作するデータは、
弊社オリジナルのデータフォーマットに限定し、
データ出力の開発コストを最小にしました。
Unityで作成したデータを遊技機で動かすには
低レベルネイティブプラグインインターフェースを利用し、
オリジナルのアニメーションデータを
DirectXとFFmpegにより描画。

52. Unity上に構築した
メリット
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53. 53
 操作性が良い既知感のあるインターフェース
 低コスト・短期間による環境開発
 Unityバージョンアップの恩恵
 Unityスクリプトで簡単にエディタを拡張できる
 3D表現が可能
Unity上に構築したメリット

54. 54
Windowsの標準インターフェースは事務的で
映像制作に向いていない。
操作性が良い既知感のあるインターフェース

55. 55
Unityのインターフェースなら操作性も良く既知感がある。
特にタイムライン、カーブエディタ、ノードグラフの開発はコストが大きくかかる。
操作性が良い既知感のあるインターフェース

56. 56
9カ月で、ぱちんこ映像開発エディタ ver1.0を開発できた
低コスト・短期間による環境開発
仕様作成
Unity機能検証
Unityエディタ開発 製品開発開始
2月 8月4月 10月 12月
実機データ再生ランタイム開発

57. 57
Unity 2017のグラフビュー
Unityバージョンアップの恩恵

58. 58
Unity 2018のグラフビュー
Unityバージョンアップの恩恵

59. 59
Unity 2018のタイムライン
Unityバージョンアップの恩恵

60. 60
製品開発固有の機能をつけることも可能です。
Unityのスクリプトで
簡単にエディタを拡張できる
製品固有の拡張部分
Savaの標準機能

61. 61
3D表現が可能

62. 62
3D表現が可能（HDRP）

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CADデータの取り込み
筐体の表示にCADデータの取り込みが必要
そこで、PiXYZ STUDIOを検証しました！
PiXYZ STUDIOとは？
CADデータから最適化されたメッシュを
生成できるツールです。

64. 64
CADデータの取り込み
PiXYZ STUDIOを使わない場合：
CAD→STL形式→DCCツール→FBX
約 2週間
PiXYZ STUDIOを使った場合：
CAD→PiXYZ STUDIO→DCCツール→FBX
約 半日～1日

65. Unity上に構築した
デメリット
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66. 66
 仕様外の制御が難しい
 バージョンアップの保守作業
Unity上に構築したデメリット

67. 67
Timelineのカスタマイズで、あるクリップを動かしたときに
他のクリップも自動的に動かしたい。
Unity仕様外の制御が難しい

68. 68
Timelineのカスタマイズで、あるクリップを動かしたときに
他のクリップも自動的に動かしたい。
どう実装したか？
EditorApplication.updateにデリゲートを登録して、
毎秒200回の早さで、動いたかチェックしてます。
Unity仕様外の制御が難しい

69. 69
特に開発中のExperimental（研究）枠の
ノードグラフの変更は大きく大変でした。
Unityバージョンアップの保守作業
２０１７
２０１８

70. 70
まとめ

71. 71
非ゲームでのUnity活用方法
Unityのビルドは使用せず、
データの出力と受け取りの環境を整えることで、
遊技機で活用できました。

72. 72
 プログラマが見た目に関する感覚的な要望から解放され、
デザイナが見た目を追及できる環境になった
 エクセルベースから脱却し、プレビュー環境提供できた
 製品開発の映像組み込み工数１／２を実現した
ぱちんこ映像開発ワークフローを
1段底上げすることができた