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CDNとCDSPビジネスの
動向と展望
Networld + Interop Tokyo 2002
July-3-2002
鍋島 公章
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はじめに
 このセッションの歴史(複製技術のトレンド)
 1998
 次世代情報サーバ
 1999
 WWWキャッシュ&複製技術最前線
 2000
 コンテンツ ディストリビューションサービスの技術
 2001
 ストリーミングCDNの動向
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もくじ
 CDSPの役目
 CDSPビジネス
 CDSPの基本モデルの変化
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CDSPの役目
 Content Distribution Service Provider (CDSP),
CDN (Content Distribution Network)の役割
 ネットワークボトルネックの解消
 エッジサーバの利用
 コンテンツ配信ASP
 多数のエッジサーバの共用
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CDSPの役目
 セグメント化されたInternetの解消
 帯域の不十分なリンクで分断化
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CDSPの役目
 セグメント内に、コンテンツの複製、スプリッタを配置
Original Server
Edge Server
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CDSPの役目
 エッジサーバ(サロゲート)
 複製のプレイスホルダ
 リバースプロキシ
 部分的ミラーサーバ
 スプリッタ
 コンテンツ・レゾルバ(リクエストルータ)
 最適な複製(エッジサーバ)を選択
 コンテンツ&Logマネージメント
 複製の配置、アクセスLogの回収
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CDSPの役目
 CDNはInternetでのコンテンツ配信の主要インフラ
 高品質にコンテンツを配信するにはCDNが必須
 Eビジネスのベース機能
 ISPの美味しい所取り
 上手くいけば、コンテンツとユーザの支配
 TV局…
 だったはず、、、しかし
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CDSPビジネス
 サービス会社の現状
 生き残り組
 Akamai、Speedera、Mirror Image
 買収され組
 Digital Island、IBEAM
 倒産組
 Adero、Edgix
 あまり上手くいっていないCDSPビジネス
 CDSP
 ユーザ、既存システムへの高い適応性
 コンテンツホルダにとっては、サービスを受けるのも簡単だが、
サービスを止めるのも簡単
 簡単に倒産してしまうCDSP
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CDSPビジネス
 Internetバブルの崩壊
 バブル期
 将来性への過剰期待、活発な投資、シェア争い、過剰投資
 CDSP
 積極的なエッジサーバ展開、競合CDSPとの規模争い
 WWWオーナ
 積極的なCDN活用、WWWレスポンス向上への投資
 バブルの崩壊
 将来性への失望、投資熱の低下、資金調達の困難性、運転
資金の不足、多数の倒産企業
 CDSP、 WWWオーナ
 早期黒字化、事業コストの低減
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CDSPビジネス
 CDSP(付加価値インフラ産業)
 赤字体質
 過剰投資に見合うマーケットの出現待ち
 マーケット成長の遅さ
 コンテンツ自体への課金の遅れ
 Internet企業の倒産、コスト意識への回帰
 e-businessインフラASPへ
 配信ASPだけではコスト競争のみ
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CDSPビジネス(国内)
 CDSPの苦戦
 日本語コンテンツの狭域性
 英語コンテンツ=世界への情報発信
 日本語コンテンツ=日本国内への情報発信
 国内の接続性の良さ(ISP間)
 大手町一極集中
 ライブストリーミングの不採算性
 ISP内CDNの構築
 ISP内の接続性はまだまだ
 CDNピアリング
 ポータルサイトのCDN化
 チャネルへの道
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CDSPビジネス
 ストリーミングマーケット
 STBが普及するまでは、コアコンテンツの視聴が中心
 教育、アダルト…
 本当のマス向けコンテンツで儲かるのは数年先?
 無料ストリーミングはアーリーマジョリティ
 広告、販促ストリーム
 ストリーミングに視聴料を払うのは、まだイノベーター?
 元来、ユーザはエンタメコンテンツにどれだけの金を
払うのか?
Innovator
Early Adaptor
Early Majority
Late Majority
Laggard
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CDSPの基本モデルの変化
 ISP内CDN
 CDNピアリング
 ポータルサイトのCDN化
 コンテンツのシンジケーション
 ストリーミングとDRM
 Webサービス
 P2P型CDN
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ISP内CDN
 既存CDSP
 ISP内CDN
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ISP内CDN
 既存CDSP
 ISP間CDN
 エッジサーバはISP単位で配置
 1万台のエッジサーバと言っても、実際のコンテンツルーティン
グはISP単位
 エッジサーバはISP内ではクラスタリング配置
 DNSベース・コンテンツルーティングの制限
 ターゲットサイト
 全世界へコンテンツを配信する企業
 世界規模のCDN
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ISP内CDN
 ISP内CDN(ISPが自分で構築)
 ISP内ボトルネックの顕在化
 ストリーミングトラフィック
 県内網
 既存CDSPではカバー不可能
 リダイレクション等によるコンテンツルーティング
 グローバルCDNの無意味化
 コンテンツを高品質に配送するにはISP内CDNが必須
 グローバルCDNは、ISPのバックボーンにコンテンツを配置す
るのみ
 グローバルCDNとISP内CDNは無統合
 →コンテンツピアリング
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コンテンツピアリング
 コンテンツピアリングの基本
 ピアリングに必要な機能
 ピアリングと切り売りモデル
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コンテンツピアリング
 複数のCDNを結合し、カバー範囲の広いCDNを
作り出す
 Content Bridge (2000年~)
 CRNF (2001年~)
 IETF
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コンテンツピアリング
 必要な機能
 コンテンツルーティング
 階層的ルーティング
 比較的容易
 サーバ負荷の取得が困難
 ディストリビューションとアカウンティング
 リソース管理
 各CDNのポリシー問題
 ユーザ認証
 CDNにおけるユーザ認証自体が困難
 各CDNのポリシー問題
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コンテンツピアリング
 コンテンツピアリング
 CDN間で同一URLの保持
 プライマリサーバは一つ
 エッジサーバの共用
 解くべき問題が山積みに
 CDNの単純性が損なわれる
 コンテンツの切り売りモデルの可能性
 各CDNにミラーサーバの配置
 シンジケーションモデル
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コンテンツピアリング
 コンテンツの切り売りモデルの可能性
 プライマリサーバ上のコンテンツをISPのポータルにコ
ピー
 ISP単位にプライマリーサーバを配置
 問題の単純化
 現在のコンテンツピアリングのアプローチは不要に
 ミラーサーバはアクセスされない問題
 ISPのポータルサイトの存在意義
 無料コンテンツは難しいが、有料コンテンツなら可能性あり
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ポータルサイトのCDN化
 ポータルサイトのCDN化の狙い
 米国TVネットワーク事情
 ポータルサイトのCDN化と一般CDSP
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ポータルサイトのCDN化
 TVメディア
 TVの強さ
 チャンネルの独占
 ユーザのお茶の間の映像の独占
 TVネットワーク(チャネル)→直営・系列局(ユーザ数)
 優良なコンテンツ→系列局の増加
 ユーザの増加(系列局の増加)→広告費の増加→優良なコンテンツ
 TVネットワークがコンテンツとユーザを支配
 Internet
 ポータルサイト(ポータル=チャネル?)のCDN化
 配信の高品質化
 CATVの囲い込み(エッジサーバの配置)
 ユーザ数の獲得
 他のコンテンツの締め出し
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ポータルサイトのCDN化
 米国TVネットワークの規制
 カバー率制限
 96年以前
 直営局数:12、カバー率:25%以内
 96年以降
 直営局数:制限なし、カバー率:35%以内
 (VHFは実数、UHFは0.5倍)
 フェアネス・ドクトリン
 放送局に政治的公平を義務付け
 FCC、1949年制定、1987年廃止(レーガンの規制緩和)
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ポータルサイトのCDN化
 米国のTVネットワークの規制
 フィンシン・ルール
 1970年制定、1995年廃止
 TVメディアによる映像の一極集中を防止
 Financial Interest and Syndication Rule
 3大ネットワークの外部制作番組の配給・販売権の所持を禁止
 制作会社に番組の権利を残す
 自社製作番組のマーケットへの放出を義務付け
 独立系TV局、CATVに番組を提供
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ポータルサイトのCDN化
 米国のTVネットワークの規制
 プライムタイム・アクセスルール
 1971年制定、1995年廃止
 米国200の放送エリアのうち上位50エリアの放送局
が対象
 プライムタイムのうち一時間はネットワーク番組以外
の番組の放送を義務付け
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ポータルサイトのCDN化
 TVネットワークの衰退
 黄金の60~70年代
 地方都市では2,3チャネルしか存在しない時代
 80年代から衰退、90年代に加速
 CATVによるマルチチャネル化
 新興ネットワークの台頭
 3大ネットワーク→6大ネットワーク
 チャネルあたりの視聴時間の低下
 広告収入の低下
 制作費の低下
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ポータルサイトのCDN化
 TVネットワークが買収の対象に
 ディズニーのABC買収、1996
 ハリウッドスタジオのTVネットワークの買収
 ABCはディズニーの宣伝チャンネル?
 CBS:ヴァイアコム (MTV、パラマウント)、1999
 NBC:ジェネラル・エレクトリック
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ポータルサイトのCDN化
 ポータルサイトのCDN化と一般向けCDSP
 ポータルサイトのCDN化
 チャネルとしての可能性
 インターネットでXXXコンテンツと言えば○○というステータス
 課金等のポータル機能のASP化
 コスト高(過剰投資の可能性)
 一般向けCDSP
 配信のためのASP
 ユーザ・コンテンツホルダには透過なサービス
 コンテンツとユーザの板ばさみ
 コストの安さが命
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コンテンツのシンジケーション
 シンジケーション(TV業界)
 シンジケーション(Internet業界)
 シンジケーションとCDN
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コンテンツのシンジケーション
 シンジケーションマーケット
 米国のTV番組流通市場
 放送区域ごとにマーケットが存在
 CATVや独立系放送局のコンテンツ調達の主要手段
 弱小放送局の独立性を保つ手段
 番組の種類
 オフ・ネットワーク・シンジケーション番組:
 ネットワーク番組の再放送権利
 ファーストラン・シンジケーション番組:
 新規製作番組、海外番組の放送権利
 ポケモン、サウスウエスト…
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コンテンツのシンジケーション
 シンジケーションマーケット
 コンテンツ製作者へのインセンティブ
 番組の権利は製作者が持つ
 番組が当たれば、巨額の利益
 取引形態
 キャッシュ・シンジケーション
 番組と現金の交換
 現在では非主流
 バーター・シンジケーション
 広告枠と番組の交換
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コンテンツのシンジケーション
 Internetでのシンジケーション(米国)
 ポータルサイト等へのコンテンツの提供
 B2Cコンテンツの不振
 コンテンツマーケットの立ち上がりの遅さ
 ポータルサイト不足
 B2Bマーケットへ移行
 教育コンテンツ、ニュース番組を企業内ポータルへ提供
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コンテンツのシンジケーション
 コンテンツの複数のISP間での受け渡し
 コンテンツピアリング
 コンテンツのURLは唯一
 コンテンツをそのまま配信
 課金はオリジナルサイト
 CDNとして複雑な処理が必要
 シンジケーション型
 コンテンツの切り売りモデル
 コンテンツのURLは、それぞれのISPポータルのURLに
依存
 コンテンツをISPポータルに組み込み
 課金はISPのポータル
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コンテンツのシンジケーション
 シンジケーションモデルの限界(CDN的視点)
 ISP間のコンテンツ交換モデルのみが成立
 各ISPはポータルサイトを持つ
 ユーザは自分の属するISPのポータルにアクセス
 コンテンツピアリングが必要
 独立ポータルとISPのコンテンツ交換
 独立ポータル間のコンテンツ交換
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コンテンツのシンジケーション
 リクエストルーティング=Mobile-IP?
 Mobile-IP
 移動に関するIPアドレスの同一性保持
 10年たっても目を見ない技術
 プロトコルの複雑さと、マーケットの不在
 結局、DHCPで移動先ごとにアドレス払い出し
モデルが使われる
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ストリーミングとDRM
 映像コンテンツの普及
 ストリーミングCDN
 DRMによるHTTPベースCDNの復活
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ストリーミングとDRM
 映像コンテンツの普及
 ADSL等の高速足回りの普及による映像コンテンツの
活性化
 映像コンテンツ
 WWWコンテンツより重いコンテンツ
 ライブ映像トラフィックのピーク性
 国内ISP間トラフィックも厳しい
 CDNのターゲットがWWWから映像コンテンツへ
 ストリーミング技術
 動画の配信技術
 不正コピー防止策(HTTPよりはコピーが作成しずらい)
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ストリーミングとDRM
 ストリーミングCDNの困難さ
 プロトコルの複雑さと非完全性
 複製作成が困難
 主流は一部ベンダーの独自プロトコル
 Nonスタンダード、コンフィデンシャルプロトコル
 Windows Media, RealNetworks
 リダイレクションさえ自由に出来ない
 スタンダードベースのものは普及が遅い
 インプリメントの遅さ
 RTPの不完全さ
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ストリーミングとDRM
 DRMの登場
 コンテンツの正式な不正利用防止技術
 不正コピー防止技術としてのストリーミング技術の無意味化
 動画コンテンツの接合技術
 SMIL、Macromedia Flash
 バッファリング問題も徐々に回避可能に
 ストリーミングからHTTPへの回帰
 コンテンツ転送のHTTP化
 トラフィック増加の可能性
 実際には見ないコンテンツのフルダウンロード
 見ない部分のダウンロード
 トラフィック抑制の可能性
 同一コンテンツの複数回視聴
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XML Webサービス
 XML Webサービスとは
 I-CAP
 XML WebサービスとCDN
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XML Webサービス
 分散オブジェクト環境をSOAP(HTTP)プロトコルと
XMLを使い構築
 フレームワーク
 インターフェイス・シンタックス
 XML
 通信プロトコル
 SOAP (Simple Object Access Protocol )
 仕様記述
 WSDL (Web Services Description Language)
 ディレクトリサービス
 UDDI (Universal Description, Discovery and Integration)
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XML Webサービス
 分散コンピューティング環境
 CORBAのHTTP、XML版
 CORBA→Intranet用
 Internetアプリケーション・フレームワークの再構築
 従来:各アプリケーションごとにプロトコルが存在
 →SOAP+XMLで再構築
 HTTPのメリット
 普及度
 ファイアーウォール越え
 プロダクト
 Microsoft .NET
 IBM WebSphere
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XML Webサービス
 Internet Content Adaptation Protocol (I-CAP)
 コンテンツのモディフィケーション
 翻訳、デバイス別、フィルタリング、圧縮等
 HTTPベースの機能呼出し
 ユーザが直接呼び出すわけではない
 モード
 Request Modification
 Request Satisfaction
 Response Modification
WWW
ICAP Server
Proxy Cache
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XML Webサービス
 コンテンツ配信からコンピューティング提供へ
 ASPサービスがより容易に利用可能
 XML Webサービス+CDN
 プライマリサーバ上の機能をエッジサーバ上へ移行
 InternetサービスのIDCからの開放
 エッジコンピューティング
 エッジサーバ上での各種サービスの提供
 エッジサーバとプライマリサーバとの通信もHTTP
 分散コンピューティング環境の提供
 CDSPによる分散コンピューティングの仲介?
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P2P型CDN
 P2PとCDN
 考慮するべき項目
 コミュニティ向けコンテンツ配信
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P2P型CDN
 P2Pネットワーク自体がCDN
 P2Pネットワークにコンテンツを投げ入れれば、その
コピーが拡散されてく
 従来のP2Pは配信の効率は考えない
 コンテンツ交換の匿名性
 P2P型CDN
 コンテンツの最適配信を考慮したP2Pネットワーク
 専用クライアントの配布が必要
 CDSPとしてのアドバンテージ
 リクエストルーティングサーバだけがオペレーションコス
ト
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P2P型CDN
 専用クライアント
 強制的に特定コンテンツを見させる
 専用ビューア、スクリーンセーバ
 ユーザが使わなければ無意味
 チャネル化
 (今は無き)PointCast
 広告モデルでは破綻
 コンテンツ課金モデルでの可能性
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P2P型CDN
 一般のユーザのPCがエッジサーバ
 ユーザの上り帯域を借用
 Napster等では、コンテンツの公開率は1割以下
 ある程度のユーザへの強制公開が必要
 度が過ぎるとユーザから嫌われる
 PCのアイドル時間のみ
 一家に複数のPCが有る場合への対策
 ユーザPCの不安定性
 複数ソースからのダウンロード
 ライブストリーミングの場合、マルチバス配信
 コンテンツの改ざん・不正利用の可能性
 デジタル署名、DRM
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P2P型CDN
 ブロードバンドの収益構造の破壊
 現状では、ブロードバンド接続事業は赤字
 将来のコンテンツ事業での収入を当てに耐えるのみ
 ユーザからのコンテンツ収入
 IDCのトラフィックへ課金
 P2P型CDN
 ブロードバンドインフラのただ乗り
 現在の料金のブロードバンド接続が維持できない可
能性
 スケールメリットによるコスト低減のみに期待
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P2P型CDN
 コミュニティ向けコンテンツ配信の可能性
 ブロードバンドにおけるコミュニティ
 当面、コアコンテンツが主流のブロードバンド
 コアコンテンツを共有するコミュニティが重要
 既にインスタントメッセンジャー等を使った閉じたコンテンツ
交換が行われている
 知り合い間のP2P
 ニッチコンテンツの相互交換
 サーバに置けないようなコンテンツ
 サーバにコンテンツを置く資金がない場合
 信頼されたコミュニティー向けのP2Pネットワーク
 積極的にコンテンツを公開するP2P
 匿名性を無くしても成り立つP2P
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おわりに
 CDSPは当面耐えるフェーズ
 Internet上でのコンテンツビジネスの成立が先
 CDNは万能ではない
 コストと適応領域
 CDSPとコンテンツおよびユーザの力関係
 CDNの可能性
 XML Webサービス
 P2P型CDN
 コンテンツピアリング?
 CDN以外のコンテンツ配信の可能性
 シンジケーション(コンテンツ流通市場)
 コンテンツの切り売りモデル

CDNとCDSPビジネスの動向と展望