クラウドを取り巻くリニア配信技術

クラウドを取り巻くリニア配信技術
まいとう
フジテレビ
(C) 2022 Fuji Television Network, inc. MAITOU / MediaJAWS 2022/11/17

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プレート転圧
伊藤正史（まいとう）
浜松市出身・MediaJAWS 立ち上げメンバー
ＣＴＶ・配信・アドテク・動画解析・標準化
AWS Elemental MediaLive、Amazon Recognition
農業、暗号、北海道、コーディング、ＤＩＹ、土木
フルスタックエンジニア

放送業界のクラウドエンジニアが関係しそうな
リニア配信技術について
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本題

周辺動向
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「デジタル時代における放送の将来像と制度の在り方に関する取りまとめ」（2022年8月5日公表）
① リニア送出
"マスター設備については、効率化を図る観点
から、集約化・IP化・クラウド化が経営の選択
肢となり得る。"
② リニア配信
"FTTHを用いた IPユニキャスト方式について、
比較的受信世帯数の少ない小規模中継局等の代
替としての経済合理性が期待でき、代替手段と
しての利用可能性があることが示された"
総務省
デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会

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放送業界の DevOps
そこで
① リニア送出
APC/DS を自作した経験を基に TVer 向け RT 配信制御を作った話
② リニア配信
CMAF-ULL 低遅延ライブ配信を作った話と CTV

APC/DS を自作した経験を基に
TVer 向けリアルタイム配信制御を自作した話
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① リニア送出

背景
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APC/DS (MaitouAPC) を自作・提供
（2011年～2016年）
総務省「東日本大震災に伴う臨時災害放送局の開設状況」資料（2014）
東日本大震災
(2011年)
臨時災害
放送局
女川災害エフエム

特徴
‣ UXIX系OSベース、シンプル、低コスト
‣ 様々な被制御機器に対応（ラジオ, テレビ, 配信, ...）
‣ 24H365D 安定送出（５年連続運用）
‣ 柔軟制御（確定, アンタイム, デュレーション）
‣ 直前イベント変更（３秒前まで）
‣ 緊急操作（NextSet, TAKE, SKIP, HOLD 等）
‣ 32時間制（24～32時の任意時刻に日替可）
‣ リモート運用、制御＆アラーム監視対応
APC 端末
背景（MaitouAPC）
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DS 端末
お台場エリア放送（テレビ放送）にも採用

背景（MaitouAPC）
ITE Technical Report Vol.36 No.23 (BCT2012-52) Jun. 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itetr/36.23/0/36.23_1/_pdf/-char/en 10
番組サーバ
（Music Player Daemon）
ポン出し
(TASCAM SS-CDR1)
MTX SW'er
(FVA DSR9300)
番組サーバ
(XDS-PD1000)
テロッパ
（独自）
MTX SW'er
(SONY PVS-880S)
ENC
多重化・ISDB 変調
FM 送信機
ISDB 送信機
MaitouAPC
コアサーバ
コアモジュール 1
サブモジュール A
サブモジュール B
コアモジュール 2
サブモジュール C
サブモジュール D
DS
監視画面
サーバ
DS 端末
（Webアプリ）
APC 端末
（Windowsアプリ）
RS-232C
RS-422 or UDP/IP
RS-422
(VDCP)
MaitouAPC (Linux)
スタジオ
スタジオ
データ
放送
ラジオ
テレビ
INS
HD-SDI
モジュール差替により各種機器に対応
（テレビ・ラジオ・配信等々）
制御をモジュール化
（共有オブジェクト化)
制御命令を抽象化
（ルータ・送出機）

TVer向けリアルタイム配信
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マスターと連携して RT 配信を自動化
（SpliceMX）
‣実証実験 (2018)
放送配信

システム時刻
ビデオルータ状態表示
エンコーダ制御応答
RTP モニタ（SCTE-35解析）
RTP モニタ（映像音声）
設定・死活監視
制御状態・制御予定イベント
マスター時刻同期
アラーム表示・パトライト設定
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ログ表示
RTP
同録リスト
RTP 同録ビューア
SCTE-35 手動操作パネル
ビデオルータ手動操作パネル
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SpliceMX クラウド
VPC
AZ
プライベートサブネット
プライベートサブネットパブリックサブネット
NAT GW
Client VPN
SpliceMX
コア
API GW Lambda
S3
DX
VPC Endpoint
SpliceMX
RTP モニタ
Athena
SpliceMX オンプレ
非IP
マスター設備
モニタ端末
遠隔モニタ端末
Cognito
ElementalLive
FVA（ビデオルータ）
SDI
SpliceMX
マスターGW
SpliceMX
API
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SpliceMX クラウド部
SpliceMX オンプレ部
オンプレ1系統
SpliceMX マスターGW
SpliceMX API
共有メモリ
seri2log
xinetd
マスター設備
rsyslogd ③
一
方
向
シ
リ
ア
ル
通
信
クラウド１系統
SpliceMX コア
共有メモリ
alertdisp
rsyslogd
SpliceMX
Core rsyslogd
coredisp
SpliceMX RTPモニタ
rsyslogd
fluentd
④ データ再転送
制御確定処理
pgmdisp2
⑤ APIエンドポイント
rtpdisp
fluentd
rtprecv
S3
⑪ 動作ログ・監視ログ
⑰ HLS
⑮ RTP・SCTEモニタログ
⑧ 動作ログ
FVA（ビデオルータ）
ElementalLive
⑥ SpliceMX
API データ
⑦ 配信制御
Web アプリ ⑨ 動作監視
⑯ HLS化
動作ログAPI
モニタ端末
Athena
⑱ 過去ログ
⑱ リアルタイム動画
アーカイブ動画
Cognito
認証・認可
⑩ SpliceMXリアル
タイムログ
⑭ RTP・SCTE
リアルタイムログ
パトライト
制御
放送 APC
pgmserv
rsyslogd
① 放送情報
rtprepeat
⑫ RTP分配
⑬ RTP解析
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‣ 端末認証・通信秘匿化
‣ClientVPN
‣生秘密鍵は勘弁してほしい
‣ユーザが秘匿化すべきだが CLI無理
‣実行ファイルは入れさせたくない
‣ ユーザ認証・認可
‣Cognito
秘密鍵管理を
通信不要な Web アプリ化
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現在の取り組み
① スペシャルライブ配信拡張
② クラウドプレイアウト拡張
MaitouAPC 的な感じで
クラウド化
MediaLive 制御用の
モジュール追加
RT配信とは別に編成時に
必要なサービス系統を追加
（今年の出雲駅伝から投入）
APC 的なリアルタイム制御は
やっぱり IaaS になっちゃう
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CMAF-ULL 低遅延ライブ配信を作った話と CTV
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② リニア配信

背景
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‣低遅延ライブ配信
‣ストリーミングプロトコルベース
‣WebRTC ベース
‣HTTP ベース
‣CMAF-ULL
‣LL-DASH
‣LL-HLS
AWS Summit 2019 にて CMAF-ULL をデモ
AWS Elemental MediaStore
Amazon CloudFront が対応

背景
‣放送とのマルチスクリーン番組に応用
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15-45秒
遅れ＝大
従来の HLS/DASH CMAF-ULL HLS/DASH
●－●
2-3秒
ネット
配信
会場
1. CMAF チャンクエンコード
2. HTTP/1.1 チャンク転送
3. Fetch API + 対応プレーヤ
4. 低遅延ピクチャ構造
放送
解決技術
（CMAF-ULL）
2-3秒
放送と同期

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背景
視聴者
放送局
AWS Cloud
配信エンコーダ
放送設備
オリジンＣＤＮ
専用線接続
放送
会場スマホ
別アングル配信
テレビ
新しい
テレビ体験
1. CMAF チャンクエンコード
2. HTTP/1.1 チャンク転送
3. Fetch API
4. 低遅延ピクチャ構造
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番組キャッシュヒット率
FIVB ワールドカップバレー 98.47%
キリンチャレンジカップ 99.11%
東アジア E-1 サッカー選手権 99.87%
（参考）通常ライブ配信番組 99.32%

背景
‣良さそうなこと
‣HTTP ベースの既存のライブ配信の構成と変わらない
‣CDN もそのまま使えて大規模化が容易
‣流量が変わらないのでコストもほぼ変わらない
‣放送と同じぐらいの遅延にユースケースがある
ITE Technical Report BCT2020-37 Mar. 2020
https://www.ite.or.jp/ken/paper/20200305kAiQ/
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背景
We had a we were very fortunate to participate in a one of
the first or maybe the first production use of a large live
event with ultra-low latency. This was the Fuji TV with the
volleyball World Cup got lots of viewers.
re:Invent
Video Tech コミュニティ
メディアアナリスト
AWS ブログ NAB News and Updates
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海外の配信エンジニア

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が、その後・・・

Amazon IVS 登場！
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YouTube Live も ULL あるし・・
デフォルトで ULL できるし・・

背景
デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会小規模中継局等のブロードバンド等による代替に関する作業チーム（第3回）
参照モデルが前提とするFTTHサービスを利用した配信に関する品質・機能（仮置きする項目・内容強制規格の考え方）
対応デバイステレビを含む（アプリ・STBを問わない）
通信容量 6Mbps 程度
映像遅延
30秒程度を最低ライン
＋可能な範囲で低遅延配信を採用
EWS（緊急警報放送）プッシュ通知＋可能な低遅延技術
EEW（緊急地震速報）上記に準ずる（EWS）
映像地デジ相当（1440x1080）＋ABR
音声 2ch としてもよい
映像・音声同期 1f 以内誤差
字幕同期地デジと同等（実施が前提）
コンテンツ保護必要
地域制御
すべき（「今般の検討が特別な措置を念頭に
置いたものであることを踏まえ」と付記）
視聴履歴関連ガイドライン遵守が必要
選局可能チャンネル
対象地域の地デジ内容
（措置採用は放送事業者の任意）
同時視聴数・録画選局
制限しない（世帯平均を世帯平均テレビ数の２
台と想定）、録画可能 or 見逃し配信で補完
選局に要する時間地デジ相当
解説放送・二か国語放送あり）
耐震・停電通信インフラの措置を前提
セキュリティ当然に実施すべき事項
オリジンサーバ CDNを前提として冗長構成
CDN
平時想定のピークトラフィックに対応
（モニタリングによる品質達成措置を講ずる）
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CTV (AndroidTV）で
低遅延試してみた
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Amazon IVS + AndroidTV
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CTV
AndroidTV
アプリ
SONY X8500C
PC
Amazon
IVS
NICT TIME
(OBS)
Chrome
WebRTC HLS

その後の取り組み
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ＦＯＤ配信
放送
管理者
AWS Cloud
VPC
開発環境
配信動画
ＣＭＳ
静的アプリ
動的処理
認証基盤
ＣＤＮ
データ
動的アプリ
API Gateway
動画生成
ＷＡＦ
配信
放送
• 放送配信一体サービスの実証実験
（2010年12月～2021年1月フジテレビエリア）
放送と配信を相互に行き来
（ Hybridcast で FOD お試し無料を実装）
既存 OTT サービスを
Hybridcast に移行するハードルが高い

現在の取り組み
‣既存の CTV と放送との連携技術を研究
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まとめ
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放送配信
サービス／技術革新安定的常に進化
設備専用機器
（ハードウェアベース）
汎用機器
（ソフトウェアベース）
設計開発ウォーターフォールアジャイル
放送のように作りこんだ設備は適さない
軽微なアップデートにも
従来型の外部発注ではコストも時間もかかる
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大規模な案件には
コストをかけて発注
アジャイル案件や現場の小さな改修は
社内のチームで内製
放送業界の DevOps 始めませんか？

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