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統計的因果推論勉強会 第1回
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クローズドで行われた統計的因果推論の勉強会資料です。対象者は理系ではない経営学系の統計学エンドユーザーでした。
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統計的因果推論勉強会 第1回
1.
経営学系 統計学エンドユーザーのための 統計的因果推論 勉強会 第1回 五島 光 @hikaru1122 2016年5月28日
2.
本⽇の概要 Ø オリエンテーション Ø 宮川本1章 Ø
星野本1章 Ø 質問タイム&ディスカッション 2
3.
オリエンテーション 3
4.
本勉強会の⽬的 Ø 「相関と因果関係は違うよ」とただ⾔うだけ、 知ってるだけから⼀歩先に進む。 Ø これからベイズ統計とともにホットトピック になるであろう統計的因果推論について学び ながら、論⽂を読む、書く時に必要な統計分 析を⾝に付ける Ø
質的研究も量的研究も⼤事にできる⼈になる 4
5.
スケジュール&⽅針 Ø 1ヶ⽉に1回、宮川本と星野本を1章ずつ Ø 五島が15〜20分ほど内容を説明。その後, わからないこと,活⽤⽅法を話し合う Ø
2016年12⽉までに終えたい数式の込み⼊っ たところは⽴ち⼊りすぎない Ø いっしょに学び合いたい(みんな⾮専⾨家) 5
6.
みんなで勉強するメインの本 6 宮川本 星野本
7.
副読本 7 Ø 2016年6⽉『岩波データサイエンス』vol.3 は統計的因果推論の特集号。マストバイ
8.
その他、関連しそうな本 8
9.
統計学エンドユーザーとしての態度 Ø 統計分析は⾃動⾞・⾃転⾞と同じ Ø 詳しいクルマの構造がわからなくても, 交通マナーを守り、正しく運転すれば便利 Ø
まちがって使えば危険 9
10.
統計的因果推論を学ぶメリット Ø 統計分析によって因果効果を推定し、 さらにその先に⾏ける。 Ø 原因が結果に影響を与えるプロセスの解明 Ø
結果がポジティブなものならより向上する⽅ 法、ネガティブなものならより少なくする⽅ 法の探求 10
11.
社会科学の統計的因果推論の例 Ø 組織改⾰をしたら⽣産性は上がるのか? (川上・淺⽻ 2015) Ø
中学時代の通塾は⾼校進学にどう効果をもた らすのか?(中澤 2013) Ø 顧客の価値共創への関わりは顧客のQOLを⾼ めるのか?(五島 いまやってる) 11
12.
統計的因果推論とは何か? Ø ✕ データ分析で勝⼿に因果関係がわかる Ø
○ 因果効果を正しく推定する Ø 「ヘテロな現実の環境下でいかにすれば因果 関係が主張されるのか」を問う Ø 「ある処置に効果があるか、あるとしたらそ れはどの程度か」を測る 12
13.
データの裏にあるストーリーが必要 Ø データだけでは因果推論はできない Ø 「相関なくして因果関係なし」 Ø
「調査観察データを⽤いた実証 分析から導かれる因果関係については、確定 的なことを述べることがきわめて難しい」 Ø 「観察研究から因果関係の確⽴はできないと いうのは極論であり、我々は最善を尽くす必 要がある」 13
14.
必要な統計分析・数学の知識・⽤語 Ø 期待値(平均) 分散・共分散
相関 Ø 回帰 交絡 構造⽅程式モデリング Ø 事象 変数 条件付き確率 独⽴ 全確率の法則 同時確率 ベイズの定理 Ø 潜在反応モデル 反事実・可能世界 Ø グラフィカルモデル(モデリング) 14
15.
宮川本 第1章 15
16.
宮川本について Ø グラフィカルモデリングに基づく統計的因果 推論の本 Ø 本勉強会では第6章をゴールにしたい Ø
我々⽂系には厳しい本だけど、統計的因果推 論の基盤を固めるために有益 Ø 第1章のメインコンテンツ 回帰分析の濫⽤への警告 層別に分析するときの注意点 16
17.
回帰分析のabuse Ø 1)AのときにBである (例:Aが⾼いときにBも⾼い) 2)AすればBになる (例:Aを⾼めればBは⾼くなる) Ø 実は1)なのに、2)のつもりで回帰分析す るのが「濫⽤」(abuse) 17
18.
回帰分析のabuse Ø 因果関係を調べるときに回帰分析を使うこと は悪くない Ø 正しい(偏)回帰係数になっていない恐れが 問題 18 𝑌
= 𝛽$ + 𝛽& 𝑋& + 𝛽( 𝑋( + 𝜀 ↑ 偏回帰係数 ↑ 説明変数結果変数 ノイズ
19.
回帰分析のabuse Ø 第1営業部に新しい福利厚⽣を与え、第2営 業部は従来どおりにしたところ第1営業部の 職員満⾜度が上がった。この新しい福利厚⽣ は職員満⾜度を上げる効果があると⾔える か? Ø 職員満⾜度を結果変数、新しい福利厚⽣の有 無を説明変数にして分析でいいの? Ø
職員満⾜度=切⽚+β×福利厚⽣の有無+ε 19
20.
回帰分析のabuse Ø 説明変数をたくさん⼊れる? Ø 職員満⾜度=切⽚+福利厚⽣の有無+職歴+ 営業成績+会話量+…いろいろ…+ε Ø
説明変数について次の2点を疑う ①含まれるべきものが含まれてない ②含まれるべきでないものが含まれている Ø 確率統計の概念だけでなく、因果に関する概 念が必要 20
21.
層別分析の注意点 Ø シンプソンのパラドックス 21 出所:Pearl, et al. (2016)
22.
層別分析の注意点 Ø ①層別したときと併合したときの結果が違う ②層別することに意味がない Ø 層別するときの適切な「交絡因⼦」を⾒つけ ることが⼤切 Ø
まちがうとセレクションバイアス(選択によ る偏り・選択バイアス)が⽣じる 22
23.
交絡因⼦と因果ダイアグラム Ø 「交絡因⼦」=層別すべき変数 Ø 「因果ダイアグラム」=変量を⽮印で結んで 変量間の因果関係を表した図 Ø
いまは9〜11ページで⽤語を確認すればOK 23
24.
その他 Ø (コクラン・)マンテル・ヘンツェル検定 Ø クロス表の分析は太郎丸(2005)、藤井 (2010)が勉強になる。 Ø
統計分析をするとき、結果変数の尺度に気を つけること。 24
25.
星野本 第1章 25
26.
星野本について Ø 調査観察データは⽋測データとして考えよう とする本 Ø テーマは3つ(サブタイトルより)だが 本勉強会では,はじめの2つを扱う Ø
よって第5章,または第6章をゴールとした い Ø 著者が⾶ばしてよいと書いているところは⾶ ばします。 26
27.
調査観察研究のデータ Ø 調査観察データ(⼀般的な社会科学のデー タ)の扱いって難しいね! Ø 無作為割り当てはできないし,できたとして も不⾃然だし(⽣態学的妥当性に⽋ける) やろうとしてもやってくれないし(不遵守) Ø
今後登場する変数については,7ページの図 1.1が直感的でわかりやすい Ø 共変量=宮川本で出てきた「交絡因⼦」 27
28.
調査観察研究のデータ Ø 多くの因果効果の推定例が載っている(11 〜16ページ) Ø 「グラフィカルモデリングは社会科学の研究 で全く利⽤されていない」 Ø
「もし実験が⾏えたら得られるであろう,独 ⽴変数の従属変数への単独効果(因果効果) を推定する⽅法論と限界を知ろう」 28
29.
統計的因果推論と⽋測データ Ø 「もし実験が⾏えたら」=調査観察研究の因 果推論を⽋測データの問題として扱う Ø 割り当てられてない側の結果を共変量を活⽤ して推定する Ø
実際の分析では, パラメトリック分析と ノンパラメトリック分析の いいとこ取りをしよう =セミパラメトリック解析 29
30.
統計的因果推論と⽋測データ Ø 図1.4を参照 30 処置群のデータ ⽋測 ⽋測
対照群のデータ 共変量 処置群 対象群 Ø 潜在反応モデル/反実仮想モデル(次章)
31.
参考⽂献 Pearl, J., Glymour,
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