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BDI-IIについて臨床的有意性を調べた研究紹介

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日本認知・行動療法学会におけるWSでお手伝いで発表した内容です。

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BDI-IIについて臨床的有意性を調べた研究紹介

  1. 1. 日本のうつ病患者を対象に BDI-II における臨床的有意 性を検討した研究 早稲田大学人間科学学術院 国里愛彦 Hiroe et al. (2005). Gradations of clinical severity and sensitivity to change assessed with the Beck Depression Inventory-II in Japanese patients with depression. Psychiatry research, 135(3), 229–35. WS12 「明日から使える臨床的有意性の指標:行動療法研究に求められる統計学」
  2. 2. 背景 • Beck Depression Inventory (BDI) は,最もよ く使用されるうつ病の重症度を評価する尺度。 • Beck によって 1961 年に作成され, 1996 年に DSM-IV に合わせて第二版に改訂 (BDI-II) 。 • BDI-II はスクリーニングにも使えるが,うつ病 と診断された患者の重症度や変化の評価に主に 使用 2 Beck et al. (1961). An inventory for measuring depression. Archives of General Psychiatry, 4, 561–71. Beck et al. (1996). BDI-II manual. The Psychological Corporation, San Antonio, TX.
  3. 3. BDI-II について • 21 項目からなり,4つの選択肢から,「今日を含む 2 週 間」の自分の気持ちに最も近いものを選ぶ • 各項目, 0~3 点で評価されるため,合計得点の得点範囲は 0~63 点となる。 3 BDI-II の 21 項目 1. 悲しさ 8. 自己批判 15. 活力喪失 2. 悲観 9. 自殺念慮 16. 睡眠習慣の変化 3. 過去の失敗 10. 落涙 17. 易刺激性 4. 喜びの喪失 11. 激越 18. 食欲の変化 5. 罪責感 12. 興味喪失 19. 集中困難 6. 被罰感 13. 決断力低下 20. 疲労感
  4. 4. 背景 • 日本語版 BDI-II の信頼性と妥当性は確認されて いるが (Kojima et al., 2002) ,治療などによる変 化を解釈するガイドラインはない。 • 臨床で得られた BDI-II 得点から患者個人の症状 変化を解釈するために,「最小限の臨床的に重 要な変化」の検討を目的とした。 4 Kojima et al. (2002). Cross-cultural validation of the Beck Depression Inventory-II in Japan. Psychiatry research, 110(3), 291–9. 目的
  5. 5. 方法 • 参加者 日本人うつ病患者 40 名 • 測定尺度 BDI-II(Kojima et al., 2002) Clinical Global Impression-Change:7 件法で評価 ( 1 著明改善, 2 中等度改善, 3 軽度改善, 4 不変, 5 軽度悪化, 6 中等度悪化, 7 著明悪化) * CGI 変化得点は BDI-II 得点を把握してない主治医が 評定 *初回時と治療して2週間後に BDI-II と CGI 変化を測 5
  6. 6. 解析方法 1. CGI 変化に対応した BDI-II 得点の変化(初回 の得点 -2 週後の得点)をプロット 2. CGI 変化が1点変わるのに対応した BDI-II 得 点の変化を推定するため,線形回帰を実施 3. CGI 変化のカテゴリ間での BDI-II 変化得点の 違いを分散分析で検討 *BDI の変化得点は初回得点に依存するため(初回得点 が高いと変化も大きい),プロットする際に分けた り,分散分析の共変量に投入 6
  7. 7. 結果 1. うつ病患者 (40 名 ) の特徴 - 性別: 27 名の女性, 13 名の男性 - 年齢:平均 44.9 歳( SD=17.2 ) - 診断:単一エピソード 29 名,反復エピソー ド 11 名 - 入院・外来:全て外来患者 2. 治療による CGI 変化 CGI 変化で悪化した者はいない。著明改善が3 名だったので,解析では中等度改善と一緒にし 7
  8. 8. 結果 8 BDI-II の 変 化 得 点 初回 BDI- II 得点 不変  軽度改善  中等度改善 著明改善 CGI の変化得点
  9. 9. 結果:相関分析と単回記分析 • CGI 変化と BDI-II 変化とのピアソンの積率相 関係数 =0.72(95%CI [0.53 0.84], p<.001) • BDI-II 変化を従属変数, CGI 変化を独立変数 とした単回帰分析 → 非標準化回帰係数 =9.7(95%CI [6.7 12.6]) →BDI-II 変化 =9.7×CGI 変化 9
  10. 10. 結果:初回時 BDI-II 得点ごとの, CGI 変化カテゴリにおける BDI-II 得点変化 の平均値 • 初回時の BDI-II が高いと BDI-II の変化が大き い → 初回時の BDI-II 得点を調整して検討 10 CGI の変化 初回の BDI-II 得 点 不変 軽度改善 中等度 - 著明改善 人数 平均値 人数 平均値 人数 平均値 0-13 点 0 1 -1.0 0 14-19 点 2 4.0 3 3.3 1 9.0 20-28 点 1 -6.0 5 1.6 6 11.0 29-63 点 4 -0.5 8 8.6 9 23.3
  11. 11. 結果:初回時の BDI-II 得点を調整した CGI 変化カテゴリごとの BDI-II 変化得 点の平均値 • 分散分析の結果, CGI 変化カテゴリに応じて,有意に BDI-II 変化得点に差が認められた (F(3,47)=13.8, p<.0.001) • Tukey の事後比較から,不変と軽度改善には有意な差は 11 CGI の変化 不変 軽度改善 中等度 - 著明改善 人数 7 17 16 平均値 ( 95% 信頼区 間) -0.01 (-6.2~6.2) 5.8 (1.8~9.9) 17.0 (12.9~21.2)
  12. 12. 考察(結果のまとめ) • 回帰分析より, CGI 変化が 1 ポイント変化す るには, BDI-II における約 10 点の変化が対応 している。 • CGI 変化で「軽度改善」となる BDI-II の平均 変化得点から,少なくとも 5.8 点を超える BDI-II の変化は,最小限の臨床的に重要な変化 をしたと判断される。 • 17 点を超える BDI-II の変化は, CGI 変化にお 12
  13. 13. 考察( BDI-II の変化に関する解釈) • 0-9 点の変化:変化なし,もしくは軽度な変化 * 5 点は「最小限の臨床的に重要な変化」となるが, (1) 初回(ベースライン)の BDI-II 得点が,中程度の 場合は小さな差で十分だが, (2) 重症な場合は大きな 差が必要となる。 • 10-19 点の変化:中程度の変化 • 20 点以上の変化:大きな変化 13

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