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本を読んでもわからないリアルなアンケート実践法
- 2. 本を読んでもわからないリアルなアンケート実践法 ●コンセプト
マニュアル本を読んでも、役⽴立立つアンケートはできない!
マニュアル本 今回のお話
理理想論論/建前 説明 現実論論/本⾳音
(こうやるべき) 内容 (こうすればできる)
調査関係者 ⽴立立ち 中⼩小企業診断⼠士
(調査として正しい) 位置 (実際の現場で役⽴立立つ)
網羅羅的 対象 断⽚片的
(消化不不良良) 範囲 (必要⼗十分?)
―
もっと調査会社を もっと顧客の声を
使って欲しい! 聞いて欲しい!
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 1
- 3. 本を読んでもわからないリアルなアンケート実践法 ●ターゲットとベネフィット
アンケートの実現⽅方法は3種類
アンケートの流流れ
1. すべて⾃自分・⾃自社で実施 企画・設計
2. ⼀一部を調査会社に依頼
質問作成
3. すべてを調査会社に外注
実査
1.と2.に照準を合わせて
企画・設計と質問作成を 集計
メインに説明
分析・報告
⾃自分・⾃自社でアンケートができる データ活⽤用
・・・つもりになる
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 2
- 4. 本を読んでもわからないリアルなアンケート実践法 ●スキルとセンス
伝えられるスキル、伝えられないセンス
役⽴立立つアンケートにはスキルとセンスの両⽅方が必要
スキル センス
・習得⽅方法が確⽴立立されていて、 ・社会的に共有された定義が
努⼒力力すれば⾝身に付く なく、場数を踏むしかない
・国語/算数/理理科/社会 ・どうすれば異異性にモテるか
・誰でも⾝身に付く ・向き、不不向きがある
・マニュアル ・OJT(?)
スキル、コツ、そしてセンスの⼀一端を・・・
参考:楠木建の「戦略読書日記」(PRESIDENT Online)
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 3
- 5. 本を読んでもわからないリアルなアンケート実践法 ●⾃自⼰己紹介
改めまして、佐々⽊木 孝です。
" 市場調査会社
q アンケートの企画営業
q 企画・設計、質問作成、分析・報告を担当
q クライアントは、広告代理理店、新聞社など
" テレビ局
q 視聴質アンケートシステムの実⽤用化
q 新指標、データ活⽤用の仕組みを提案・実現
q 各種番組調査、視聴率率率分析
" 独⽴立立診断⼠士
q 神楽坂マーケティング事務所開業
q 東京プロコン塾卒塾
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 4
- 6. 本を読んでもわからないリアルなアンケート実践法 ●独⽴立立診断⼠士として
3つの事業で“事実とデータに基づく経営”を推進
『マネーボール』を 顧客アンケート
企業経営で実践 従業員アンケート
データ活⽤用 アンケート
⽀支援事業 調査事業
事実とデータに
基づく経営
戦略略⽴立立案
⽀支援事業
戦略略とデータを
リンクさせる
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 5
- 7. 0.アンケートとは ●マーケティングの中での位置づけ
マーケティングは調査に始まり調査に終わる
実態把握
R • 調査(Research) 現状調査
調査
• 市場の分割(Segmentation)
STP • 標的市場の選択(Targeting)
• 位置取りの決定(Positioning)
コンセプト 仮説検証
評価調査 調査
• マーケティング要素の組み合わせ決定
MM (Marketing Mix)
I • 実施(Implementation)
効果測定 実態+仮説
調査 調査
C • 統制(Control)
参考:フィリップ・コトラーほか『マーケティング原理 第9版』
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 6
- 8. 0.アンケートとは ●調査の種類
アンケートは調査のごく⼀一部
定量量調査 アンケート
仮説検証
グループ 向き
インタビュー
=
定性調査
⼀一次データ デプス
インタビュー 「なぜ?」が
新たに集めた 観察法 わかる
データ
実験法
調査 顧客データ
社内データ
売上データ 実態把握
政府統計 向き
⼆二次データ
市販データ
既存のデータ Twitterやブログ
での個⼈人の意⾒見見
インターネット 仮説+実態
Google等の 向き??
検索索結果
参考:酒井隆『マーケティング・リサーチ・ハンドブック』
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 7
- 9. 0.アンケートとは ●アンケートの定義
本気で結果を活⽤用したいなら、それなりの代表性を!
アンケートを⼀一般的に定義すると どちらが信⽤用できますか?
① 多数の対象に データA
② 同じ質問をして
③ 意⾒見見を収集、集約すること
本気で結果を活⽤用したいなら
④ 調査対象を代表するように
q 結果に偏りが出ないようにする
q 偏りが⼤大きければミスリードが発⽣生
q 駄⽬目なデータを分析しても何も出ない 調査対象
それなりの代表性が必要 データB
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 8
- 10. 0.アンケートとは ●アンケートの流流れ
アンケートはデータ活⽤用までの6段階
企画・設計 ⽬目的や⼿手法など調査の全体像を考える
質問作成 ⽬目的達成、課題解決のために質問を具体化
実査 対象者に質問する/その作業を管理理する
集計 回答を集計する/その作業を管理理する
分析・報告 集計結果から、課題の解決⽅方法を提案する
データ活⽤用 現実に活かす
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 9
- 11. 1.企画・設計 ●調査⽬目的の明確化
アンケート結果の使い⽅方をはっきりさせる
" 調査⽬目的
例例えば、この場でアンケートをするとして・・・
A. 今回の講義の評価を知り、今後の活動の基礎資料料とする
B. 今回の講義の評価を知り、佐々⽊木のプレゼン技術の向上に役⽴立立てる
C. 今回の講義の評価を知り、ビジネスデータ分析研究会の①外部講師招聘
の是⾮非、②講義ラインナップの在り⽅方を検討する
" 調査背景 調査背景 使い⽅方
q 調査をすることになった切切っ掛けや環境変化
調査⽬目的
" 使い⽅方 ≒ 真の⽬目的
q 判断基準にしたい q どうしても⾃自説を会議で通したい
q パブリシティに使う q アリバイづくり、通過儀礼
q ヒントが欲しい q ただ知りたいだけ
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 10
- 12. 1.企画・設計 ●調査対象の決定
「誰に聞けるか」ではなく「誰に聞きたいか」を考える
" 性別、年年齢、居住地域、利利⽤用頻度度等で調査対象を規定
q 16歳〜~65歳の⼀一般男⼥女女
q 週2回以上の来店客
q 最近、来なくなったお客さま
" 「誰に聞きたいか」を突き詰めて考える
q お店の改善箇所
q 新聞の購読理理由、男性下着の選択基準
" ボタンの掛け違いに注意
q ⼤大学⽣生が選んだ就職⼈人気企業ランキング ⇒ ⼤大学⽣生の判断⼒力力は?
q ビジネスマンに聞くホテルランキング ⇒ ビジネスにはいいけど…
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 11
- 13. 1.企画・設計 ●サンプリング⽅方法の検討
アンケート対象は実施者側が指定する必要アリ
" 調査対象の縮図をつくる
名簿⽅方式
• 住⺠民基本台帳や顧客リストからランダム抽出
仕組み⽅方式
• エリアサンプリング、RDD、街頭調査など
• モニター調査
バラマキ⽅方式
• アンケート⽤用紙をもらった⼈人に回答権あり
• 店頭アンケート、受講者アンケート
この指とまれ⽅方式
• 参加したい⼈人が⾃自由に参加
• 公募アンケート、インターネットアンケート
photo credit: sicoactiva via photo pin cc
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 12
- 14. 1.企画・設計 ●調査⼿手法の選定
郵送調査、インターネット調査、現場調査(?)が現実的
訪問⾯面接調査
訪問留留置調査
郵送調査
電話調査
集合調査
街頭調査
インターネット調査
現場調査(?)
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 13
- 15. 1.企画・設計 ●インターネット調査の特徴
インターネット調査も“そんなに”悪くない!
" 調査会社はインターネット調査が嫌い(だった)
q 単価が・・・
q イノベーションのジレンマ?
q 教科書の既存調査とインターネット調査の実態を⽐比較
q 郵送調査や電話調査と⽐比べるなら・・・
インターネット調査
" 問題はサンプリング⽅方法 調
査
q この指とまれ⽅方式が横⾏行行 価
値 既存調査
q 調査モニター という便便法
" メールよりホームページで 時間
" 外注するなら歴史があり、料料⾦金金が⾼高い調査会社を選ぶ
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 14
- 16. 1.企画・設計 ●サンプル数と想定回収率率率
サンプル数は必要有効回答数から逆算する?
" サンプル数×想定回収率率率=想定有効回答数
" 必要サンプル数=必要有効回答数÷想定回収率率率
" “公式”回収率率率がある 性質は
同じ?
q 実際の回収率率率は・・・ 応諾諾者 拒否者
60⼈人 40⼈人
" 低回収率率率と⾮非回収誤差
q 調査応諾諾者と調査拒否者は同質?
q 回収率率率6割ならば、「はい」が80%でも・・・
" 標本誤差より説得⼒力力や印象の問題
q バラマキ調査なら有効回答数50〜~100
q インターネット調査なら有効回答数500〜~1000
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 15
- 17. 1.企画・設計 ●企画・設計の⽂文書化
⽂文書にして検討、共有
" 全体のバランスを⾒見見る 調査設計書
q 調査⽬目的に適した精度度か
●調査⽬目的
" ロジックを確認する ●調査背景
q 調査⽬目的と調査対象の関係
●調査対象
●サンプリング⽅方法
" メンバーで共有する
●調査⼿手法
●サンプル数
●想定有効回答数
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 16
- 18. 2.質問作成 ●質問項⽬目の整理理
質問をつくる前に、テーマや質問項⽬目で議論論する
" 調査⽬目的、リサーチ課題、質問テーマ、質問項⽬目、聞
きたい理理由を樹形図にする
" 聞きたいこと(質問項⽬目)をすべてカード化して、ボ
トムアップで組み⽴立立てるのが現実的
調査⽬目的 リサーチ課題 質問テーマ 質問項⽬目 聞きたい理理由
認知率率率 今回の結果を元に⽬目標設定
認知実態
認知経路路 経路路でイメージに差?
イメージ
向上 ベネ
フィット 求められていることを把握
現有イ
BD研のメンバー メージ
増員 雰囲気 雰囲気は重要?
現状評価
講義内容
充実 欲しいコ
ンテンツ
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 17
- 19. 2.質問作成 ●質問項⽬目のアイデア出し
多くの⼈人の意⾒見見を取り⼊入れる
" いろいろな意⾒見見があるからアンケートの意味がある
q ⼀一⼈人の限界、同質の限界
q 同僚僚、アルバイト、掃除のおばちゃん、家族、友⼈人
" 既存の枠組みを流流⽤用
q SWOT、AIDMA、5フォース、5W1H、・・・
q 存在と認識識、主観と客観、⽬目的と⼿手段、過去・現在・未来、・・・
q オズボーンのチェックリスト、マインドマップ、・・・
q 『社会調査ハンドブック』、SurveyMonkey
" 調査センスを磨く
q 他⼈人の調査にどんな質問を加えるか
q 研究会等で実際にアンケートをやってみる
photo credit: Nina Matthews Photography via photo pin cc
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 18
- 20. 2.質問作成 ●役⽴立立つアンケート
アウトプットの使⽤用シーンをイメージする
" いつ、どこで、誰に報告する? データ活⽤用の⽅方法は?
q ⽴立立派な報告書が欲しい?
q 「ふーん」で終わらせないために、意外な結果や挑発的な結果を・・・
" 3つの視点
満⾜足度度
満⾜足 不不満 次回出席
あり 80% 20%
今回満⾜足
なし 60% 40%
満⾜足経験 実⽤用度度
興味なし 10% 90%
講義内容
似たもの
⽐比較 因果
集め
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 19
- 21. 2.質問作成 ●質問⽂文の作成
質問⽂文は細かなコツの集合体
" 答える側の⽴立立場で考える
q 質問⽂文は単純明快に
q 回答ベース、回答⽅方法を明記する
q 専⾨門⽤用語を使わない
q ダブルミーニングは避ける
" 選択肢に配慮
q 数のバランス
q 質の統⼀一
" 無理理⽮矢理理答えさせない
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 20
- 22. 3.実査 ●インターネットアンケート
インターネットアンケートならSurveyMonkey
" 無料料版あり
" ほぼフルスペック
" 質問例例が豊富
" 統計情報も多い
http://jp.surveymonkey.com/
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 21
- 23. 3.実査 ●回収率率率
現場調査で回収率率率を上げるには
" 充分な回答時間、回答場所
" 答えやすい調査票、わかりやすい回収⽅方法
" 抽選謝礼、謝礼先渡し、⼿手書きのお願い状
" 期間は区切切る
" 関係性の構築
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 22
- 24. 4.集計 ●集計のコツ
ここを押さえよう!
" 原票はヒントの宝庫
" データクリーニングはほどほどに
" データ⼊入⼒力力は2回する
" クロス集計は同じアイテムで
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 23
- 25. 5.分析・報告 ●分析・報告のコツ
客観的に分析し、主観的に結論論づける
" ファインディングと⾃自分の意⾒見見を分ける
" N=25以下は対象外
" 後は作⽂文次第???
q 報告書の出来は、調査結果より作成者の能⼒力力に左右される
1⼈人あたりの持ち%
" 無理理して結論論を出さない 50⼈人 2.0%
30⼈人 3.3%
25⼈人 4.0%
20⼈人 5.0%
" 最後は説得術! 15⼈人 6.7%
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 24
- 26. 6.データ活⽤用 ●そしてデータ活⽤用へ
積極的に関わろう!
" アンケート調査の定期化
" ⼩小さな実績づくりから
" 現場視点を組み込む
photo credit: Lori Greig via photo pin cc
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 25
- 27. ●まとめ
あとは、やりたいように・・・
" ⽬目的にあったやり⽅方をする
" 少しでも偏りのないデータを⽬目指す
" 質問項⽬目は樹形図化して検討
" 質問は回答者の⽴立立場で考える
" いかにデータ活⽤用に結びつけるかが勝負
2012.08 神楽坂マーケティング事務所 佐々⽊木孝 26