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45分で理解する_マーケティング・システム入門_斉藤之雄

  1. 45分で理解する マーケティング・システム入門 オフィスサイトウ 斉藤之雄 www.fxfrog.com Twitter @yukio_saitoh 2012/06/19 初版 2012/06/21 改定 不許複製
  2. インデックス • マーケティングとは(歴史・前半) • マーケティングとは(歴史・近代) • マーケティング・システムとは • マーケティング部門の位置付け • マーケティング部員に期待される能力(中途・新卒) 【ライフネット生命保険】新卒向け課題例 • マーケティング調査の目的(意思決定支援) • マーケティング調査のデザインとプロセス • マーケティング調査対象からデータ収集 • データ収集からの活用 • まとめ・あとがき • 参考文献一覧 2
  3. マーケティングとは(歴史・前半) • 19世紀末アメリカで自動車産業等の技術革新により大量生産体制が生まれ、 市場では規模の経済を活用すべく、企業戦略としてマーケティングが誕生 した。しかし1929年の世界恐慌とともに崩壊した旧マーケティング時代。 • 第二次世界大戦が終戦した1945年から全世界で国民の消費需要が拡大し、 旧時代から新時代・生活産業(民需)へ製造業が大きくシフトしていった。 消費財の大量生産、大量販売、販売代理店などのビジネス活動や生産者 から消費者への商品訴求に及ぶビジネス活動すべてがマーケティング指向 時代へ様変わりしてきた。 • 「マーケティングとは、生産者から消費者または使用者にいたる商品およ びサービスの流れを方向づけるビジネス活動の遂行である」 ※ AMA, 1948 • 販売経路の新業態として、パワーセンター(多品目量販店)、コンビニエ ンス・ストア、スーパーマーケット、ショッピングセンターが登場し、 消費者生活の多様化を識別し、製品、価格、販売促進、流通経路の選択プ ロセスが今日のマーケティング戦略の基礎が策定された。 ※AMA American Marketing Association / 全米マーケティング協会 3
  4. マーケティングとは(歴史・近代) • 先進国を中心に企業活動を活性化していく中で、大気汚染や公害問題など CSR※ の重要性の高まりとともにマーケティングにも「モノ」に対する安 全性、環境性、社会性、資源性といった概念も重要視されるようになった。 • 「マーケティングとは、個人およびサービスの目的を満足させる交換を創 造するための、アイディア、消費に、およびサービスの着想、価格設定、 プロモーション、流通を計画し、実行するプロセスである」AMA, 1985 • ICT 技術の進化と普及により、顧客の購買動向や分析法が多数提唱され、 長期的な取引関係(シェアと満足度向上)構築がアプローチされるように なった。 • 「マーケティングとは、組織的機能であり、そして顧客に対する価値を創 造し、伝達し、配達するとともに、当該組織とその利害関係者に利益をも たらす方法で顧客関係を管理する一連のプロセスである」 AMA, 2004 ※CSR Corporate Social Responsibility/ 企業の社会的責任 4
  5. マーケティング・システムとは • システムとは何であろうか? 【システム(英: system)は、相互に影響を及ぼしあう要素から構成される まとまりや仕組みの全体。一般性の高い概念であるため、文脈に応じて系、 体系、制度、方式、機構、組織といった多種の言葉に該当する。それ自身 がシステムでありながら同時に他のシステムの一部でもあるようなものを サブシステムという】 - Wikipedia より • マーケティング・システムとは? 想定した対象市場において、初期のマーケティング目標を達成するための 組織体制やさまざまなシステムなどを総称したものである。 パソコンが一般化していない時代でも、顧客名簿、営業帳簿、競合情報、 営業日報等を組み合わせたものもマーケティング・システムであった。 5
  6. マーケティング部門の位置付け • 一般的にマーケティング部とは、顧客(市場)情報を軸にして企業内の 他の組織をサポートするものであり、プロフィットセンターとコストセン ター両方をブリッジする。そのため営業活動と密接な関わりあいがあるだ けでなく、生産(仕入れ)部門との調整する部門として位置付けられてい ることが多い。 自社機能:市場(顧客)調査、営業チャネル設計、商流開発、仕入れ交渉、 在庫調整、キャンペーン(イベント含む)立案から実行まで幅広く携わる。 マーケティング部門が設定されていない会社では、営業部がこれら機能を 担い営業活動を遂行しているため、契約管理、請求管理(予実は別)と いった煩雑になりがちな事務処理は、営業以外の間接部署が介在している ところもある。 メモ:営業経験 → マーケティング経験 → 部門管理経験へ続くキャリアパス が少なくない。非営業部門であっても事業企画等のパスがある。 6
  7. マーケティング部員に期待される能力 • 【楽天市場事業】マーケティング企画・戦略立案(中途採用) コンサルティング経験者(3年以上) 事業会社でのマーケティング経験者(5年以上) 英語力(TOEIC700点以上)のある方 ネット業界、EC業界経験者 大手広告代理店でのマーケティング業務歓迎 • 【ライフネット生命保険】マーケティング含む 2013年新卒 重い課題。それは、あなたの『考えるプロセスそのものを問う』課題 です。決まりきった正解はありません。形式も枚数も自由とします。大切 なのは、シンプルで分かりやすく、本質的であること。あらゆる可能性を 探り、納得いくまで考え抜いていただきたいと思います。あなたの自由な 発想を活かして、ぜひ全力で挑戦してください。 メモ:マーケティング業務経験とは?決まりきった正解なしとは? (相手へ説得提案できるコミュニケーション能力が含まれている) 7
  8. 【ライフネット生命保険】新卒向け課題例 メモ:マーケティングを含む様々な適職判断するための論述出題であると 考えられる。 8
  9. マーケティング調査の目的 (意思決定支援) • マーケティング・システムには組織体制が含まれ、意思決定がトップ職位 によって行われるワンマン企業でない限り、基本的に組織は意思決定の 集合体である。しかし意思決定を支援するのは何であろうか? ICTが全国普及した現代では、ググること※で新規、既存取引先に関する 情報を机上で容易入手が可能である。 しかし、その情報は本当に正しいものであるかどうかまでは判断できない ものではなかろうか。また意思決定後の企業実行力、社内統制力(ガバナ ンス)によって意思決定は各企業に差が見られる。 • 膨大な情報から適切な意思決定後の評価は結果である。仮説通りの結果で あっても途中プロセスで予算超過、世界経済の変動、大地震などリスクと いった不確実性に対処することも意思決定の重要な要素であり、プロセス を振り返る際に、それが合理的であったのか、また事故対応時に説明責任 を果たせるほどの意思決定がプロセス毎に行われていたのかが重要となる。 ※ググる=Google 等の検索エンジンを用いて文言からWebページ閲覧する ことである(直接の企業調査手法ではない)。 9
  10. マーケティング調査のデザインとプロセス① • マーケティング調査のデザイン(設計)とプロセス(手順)は大学商学部 や経済学部をはじめ多くの民間企業での研究によって体系化されている。 David A. Aaker と Day, G. S. よる調査プロセス 1. リサーチ意図について同意する 2. リサーチ目的を確立する 3. 情報の価値を推定する 4. リサーチをデザインする 5. 選択されたアプローチを実行する マーケティング・リサーチ―企業と公組織の意思決定 David A. Aaker と Day, G. S (原著) 10
  11. マーケティング調査のデザインとプロセス② • David A. Aaker と Day, G. S. よる調査プロセスでは仮説を含めた意思決定 へ誘導するためのプロセス評価が実務的ではないので、現代社会では次の 段階を踏むことが多い。 1. 目標の明確化 2. 基準の設定 3. 選択肢の抽出 4. 選択肢の評価 5. 決定 合理的なプロセス評価のために、定量化した基準や目標を設定しておく ことで、失敗したとしてもどこで判断を誤ったのか反省が容易になる。 11
  12. マーケティング調査対象からデータ収集 • データは「一次データ」、「二次データ」に分類できる。 • 「一次データ」・・・オリジナルデータであり、収集法によって、観察法、 質問法、実験法、動機調査の4つに分類される。 WebアクセスログやSQLログ(生ログ)は、導線調査と捉えるなら 観察法、キャンペーンや販売促進等の変動要因を与えるのは実験法 として区分可能。 • 「二次データ」・・・「一次データ」を加工した既存データである。 マーケティング調査において「二次データ」を 収集・分析・結合によって調査目的が達成される ならば、別途調査を行う必要はない。 社内データ(売上・原価・報告・分析・顧客) 社外データ(総務省統計局・白書・業界団体・出版物・メディア等) データの有効性を考え、定期的にデータ更新や要因変動について明確に する必要性がある。そのため最新データの提供業者も存在する。 12
  13. データ収集からの活用 • マーケティング調査のアウトプットは「事実探索」と「仮説検証」である。 • 「事実探索」・・・事後解釈と捉える。事実を深掘りせずに、外部へ優位 顕示をする、マーケティングマジックでは多用される。 • 「仮説検証」・・・測定可能な要因によって構成された経験的仮説の検証 結果を積み重ね、一般化、理論化へ纏めていく。 注意! → 「仮説検証」を厳格運用すると、可能性がゼロではない他の 仮説が棄却されてしまう。またそれを避けるため安全牌な仮説 しか生まれず、新規性を見出すことが困難となる。また仮説を すべて検証することは合理性に欠くため、理論(一般的)仮説、 経験的(作業)仮説へ構成するアプローチを考えねばならない。 メモ:ライフネット生命保険の新卒課題を思い返してみよう。論述出題は データ収集と活用について貴方はどう考えうるか?の問いである。 13
  14. まとめ・後書き • 商業において成功した企業については誰もが「マーケティングがうまい」 と口を揃えるのは何故だろうか? 自社に「マーケティング・システムが ない」と嘆く声も多く耳にする。そのマーケティングの本質は何であるの か、考える一歩になれば幸いである。 • ICT普及に伴い高度な分析ツールも以前と比較して安価に、各種統計データ が誰でも容易に入手できる時代となったが、その分析ツールを使うために データの収集法、統計分析についても理解が必要であろう。 • 今回は45分で分かる入門者向けとして基礎範囲のみに留めたので、消費者 行動分析などに代表される多変量解析、重回帰分析といった統計的検定法 については触れなかった。 14
  15. 参考文献一覧 • コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 ¥8,925 • マーケティング調査と分析 塩田静雄著 ¥2,600 • ケースで学ぶ意思決定の手法 定量分析実践講座 福澤英弘著 ¥2,400 • 経営学授業メモ 斉藤之雄 http://www.slideshare.net/kermit123/2011-0613 15
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