学生アンケートの結果から
(学生version)
教育改革・学事暦について考える東大有志の会
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0.概要
 学生向けwebアンケートの概要
 昨年末より試験的に運営、本年1月より教室へのビラ・Blog・Twitter
(@UT_Semester)等で回答呼びかけ
 4月以降の学事暦改定の影響もありうるため、現在も募集中
 http://gakujireki.blog.shinobi.jp/(本会Blog)からとべます
 今回は新学期開始前(4/6日現在)時点での集計結果
 アンケートは所属・学年・学事暦/教育改革に関する賛否・留学の予定
などを訊ねる選択回答のほか、自由回答欄を設ける
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1-1. 回答者の属性
本郷・駒場に在籍する学生116名
(4/6日現在、うち大学院生23名)
3
61
32
13
10 学部1・2年
学部3年以上
修士課程
博士・オーバード
クター
64
54
1
駒場
本郷
柏
1-2. 回答者の属性
・所属学部・研究科(学部3年以上の回答者のみ)
・教養3、教育1、経済2、文4、工8、農1、法9、理4(32名)
・人文社会7、総合文化2、教育学6、経済学1、工学系3、情報理工1、薬学系1、理
学系1、新領域1(23名)
・残り61名は昨年度時点において駒場1・2年生
・TwitterをはじめとするSNSでの広報による回答が7割
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2-1. 学生の不安(1) 授業時間
5 9割の学生が105分授業に反対
2%
9%
27%
62%
1限が105分など、これまでより授業・ゼミの時間が延
びることについての賛否を教えてください
賛成 どちらかというと賛成 どちらかというと反対 反対
授業時間に関して寄せられた自由回答
 「明らかに遠方の学生が苦労します。私は週に2日、一限から五限まで大学にいる
日があります。現在の時間割ではこの2日は、朝6時に起床し朝7時に家を出て、帰
るのは夜の8時くらいです(寄り道をしないで急いで帰っています)。睡眠時間を削
らなければ勉強する時間もありません。父親は単身赴任しているので、私が下宿
をすると世帯数が3つになってしまい寮暮らしでも経済的負担が大きすぎるので、
近くに住むこともかないません。もちろんサークル活動なんてしてる時間はあり
ません。学事歴が変われば朝5時半に起きて、帰る時間は夜の8時半となるでしょ
う。課題をする時間は、どう作ればよいでしょうか。大学側はこういう学生のこ
とを何も考えていません。弱きものは切り捨てればいいのでしょうか。」
⇒経済的弱者に対してより傾斜的に、しわ寄せがかかる
 「また、始業・終業時刻が変わることで課外活動に大きく支障が出る。自宅での
学習時間も減ってしまうだろう。」
 「だいたいのコンサートやお芝居などは19時から始まる物が多く、遅くとも18時
に授業が終われば都内のほとんどのところに19時までに行かれるが18時半になり
得ると考えると時間割に依存するので、やはりスケジュールが立たないしチケッ
トをおさえられない。」
⇒教養・文化的体験をはぐくむ機会を奪っている
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2-2. 学生の不安(2) 情報と事前説明の不足
7
20%
15%
62%
3%
学事暦改革について、今年度が始まってから、大学の事務・機
関から何か説明を受けたことはありましたか(複数回答可)
メール・掲示板等で説明があった
説明会等で直接を受けた
大学から直接説明を受けたことはない
その他
大学・部局からの説明に関して寄せられ
た自由回答
 「事前説明が不十分であるにもかかわらず、移行措置が設けられないことに不
満を覚えます。在校生は新学事暦に同意して入学したわけではなく、もし来年
度以降に受験する立場であれば、志望校を変えた人も一定数存在すると思うの
で(ex.遠距離通学者)。」
 「急すぎ、説明不足過ぎ。もっと時間をかけて学生や院生にも案とその必要性
を説明して意見を聴くべき。」
 「所属する学生から何らかの意見徴収をしてこの学事暦が採用されたのであれ
ば受け入れる余地はありますが、事前の説明もほぼ皆無であり(少なくとも私
はそう思っています)、学生の意見を取り入れる姿勢が全く見られませんでし
た。これに限らず、学生の意見を無視して大学当局が重要事項を勝手に決定す
るのは、大学の自治というものが脅かされるような気がしてならず、とても恐
ろしく思っています。」
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大学自治の在り方に対する懸念
 「改正の個別的な点については賛同できるものもある。しかし、改革
プロセスに学生・院生等の議論が全く反映されておらず、そもそも反
映させようという意図が感じられないということに問題を感じてい
る。「大学自治」を謳う以上、いくら政府からの圧力への抵抗という
意味があったとしても、このプロセスを欠かしてはならないと考え
る。」
 「また、改革理念に掲げられた「タフでグローバルな東大生」という
ビジョンが不明瞭である。国境の垣根が低くなっていることは事実と
しても、「タフ」であること、「グローバル」であることの内実の吟
味なしに掲げられることには違和感を禁じ得ない。」
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2-3. 学生の不安(3) 4ターム制の混乱
10
4%
11%
26%
59%
現在の2学期制を、3カ月の長期休暇を含んだ4
ターム制にするとされていますが、その賛否
を教えてください
賛成
どちらかというと
賛成
どちらかというと
反対
反対
5%
5%
17%
73%
移行措置なく来年度から新学事暦への移行が
なされることについてどう思われますか
賛成
どちらかというと賛
成
どちらかというと反
対
反対
4ターム制に対して85%の学生が、4月からの学事暦移行に対して90%が反対
4ターム制に関して寄せられた自由回答
 「来年二年の人の理系の休みが少なすぎるのが不満」
 「折角理系と文系が同じ大学にいるのに、文理間の交流を阻害するようなカリ
キュラムには反対である。」
 「前期教養1年目と2年目とで開講状況が大きく変わってしまい、進学振り分け
を見据えて1年生の時点で立てた履修計画が通用しなくなってしまった。」
 「移動時間が足りないので、本郷キャンパスで他学部聴講をするのがとても難
しくなる」
 「学部毎に長期休暇の期間が異なる新学事暦により、サークル等の課外活動の
運営に重大な支障が生ずることが予想される。 」
 「新年度になって、東大の各部署で手続き上のトラブルが相次いでいることか
らも、当局の連携体制が不十分であることがうかがえる。学生以上に教員、職
員側への各種連絡・周知の徹底を図ってほしい。 」
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3. 学事暦改革によって起こる今後の影響
「留学や教育実習など、重要な予定が今年度の早い段階から既に確定している
学生も多いため、当局はそうした予定のある学生の存在を考慮し、早い段階で
学事暦そのもの周知や意見の収集を行う、もしくは何らかの移行措置を講じる
べきであった。しかし実際にはそうした策はほとんど講じられず、無用の混乱
を招いているように思えてならない。」
「卒論や修論の提出がそれぞれ1月と12月にあり、例年8、9月の長い休みを活用
して練り上げていたが、夏休みが8月のみになり、提出後にあたる1~3月に休
みを与えられてもまったく逆効果。また、海外での調査を要する専門分野を扱
う者は、9月が休みでなくなったことにより頭を抱えている。」
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3-2. 留学の可能性が広がる(?)
13
11%
19%
23%
47%
現在よりも留学がしやすい学期編成になったとし
たら、(御回答いただいているあなた個人が)留
学をする可能性は高くなりますか
高まる どちらかといえば高まる
それほど高まらない 高まらない
29%
14%
18%3%
36%
現在留学できない原因はなんですか
(複数回答可)
経済的問題
学期編成の問題
言語や住居などの生活の問題
サークルや部活動等との兼合い
留学を希望していない
留学したい学生の懸念材料は、
学事暦よりも経済的事情のほうが重要
 「留学したい学生を助けるためには、金銭面での援助や、単位互換協定校の増
加の方が喫緊の問題(現在留学中ですが、経済面や単位互換のないことに困っ
ています)」
 ちなみに、濱田総長は「総長と語る会」(昨年)において、
「もちろん、留学は経済的事情も大きい。我々としても、支援してくれる外部の
方を探していますし、卒業生の間でも、今の学生を支援しようと思う人が増え
ています。ほかにも自分から支援を働きかけたり、自分で稼いだりするなど、
色々なやり方があります。私も自分で稼いで留学しました。」と発言
(引用:http://togetter.com/li/732462)
・「外部に依頼」するのみで、東大自身が留学を希望する学生に資金を出す気は
ないというメッセージにも受け取れる可能性がある
・濱田総長の博士課程在籍時、昭和52年の国立大学授業料は年額96,000円 14
留学に関する自由記述
「留学を推進しているようであるが、少なくとも来年度留学予定の人に対しては
あまりに酷い仕打ちである事は明白。」
「工学部の新学事歴説明会では、「学部生で留学などせずとも大学院生になって
から留学すれば良いだろう」という趣旨の発言があったそうですが、これでは何
のための改革を行っているのかよくわからない。総長がどう考えているのかは知
らないが、現状では反留学へと向かっている学部もあるということを学校は認識
しているのであろうか?」
「留学しやすいと言いながら、夏休みがサマースクールとズレてる」
「そもそも留学をさせようとしているのに、休暇期間が短くなっている。」
「学生を海外に送り出すよりも、海外から学生を呼び込めるような方向で改革を
すべき。いくら東大から海外に留学する学生が増えたところで、それだけでは国
際化が達成されたことにはならないし、東大の世界的魅力を高めることにもなら
ない。真の国際化をこそ追求するべきであって、うわべだけの改革でお茶を濁し
てはいけない。」
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3-3.就職活動・試験との兼合いについ
て
「就職活動時期の変更と重なったため、先行きが大変不透明になっている。もう
少し前から、丁寧な情報発信を行ってほしかった。前総長の遺産として任期内に
無理にでも確定させたかったのではと不信感を覚えてしまう。」
「夏休みが長い方が就活には便利だったのではないかと思います。」
「2年生で来年度にはインターンを考えているため、長期休暇が世間とずれる事に
よる就活やインターン等におけるデメリットは心配しています。」
「また、7月に試験があるようになると、司法試験予備試験の論文式や法学既習者
試験と時期が被って準備が十分に出来なくなる。」
⇒とりわけ夏休みが短く7月試験(S2)というところに懸念が大きい
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3-4. 実際に困ったという事例
 既に移行の混乱が留学や国際交流を阻害している可能性がある
「実際、長期休暇を利用して学生会議等の“国際交流”を行う団体の多くは1年前か
ら日程調整や会場手配をしなければならないのに、大学側に問い合わせても「ま
だ何も決まっていないので」と返され非常に困ったという。」
「今年度9月にあったロシア留学は、来年度学事歴が変われば理系学生は行くこと
ができません。とても楽しみにしていましたが、これは他大と合同なので日付が
動くことは考えにくく、もし動いたとしても休みが一ヶ月しかないのでまるまる
潰れてしまい、何も準備する期間がありません。グローバル化すればいいのは文
系学生だけなのでしょうか。」
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4. 大学の教育改革全体について
 プログラムへの賛否
「自身が参加した経験から、体験活動プログラム事業は非常に有意義なものだと
感じている。まだまだ定員に限りがあるように思われるので、(1)にあるような
様々なプログラムが、より多くの学生に行き届くようになれば良い。」
「広報不足。履修に対する配慮が足りない。 」(多数)
「「学部教育の総合的改革」の名のとおり、学部生に焦点があてられているだけ
でなく、大学院生が置き去りにされていると感じます。大学院教育に関しては、
学部長(研究科長)レベルでも、「学部教育の改革の影響を受ける」[移行は学
部教育に準ずる/数年遅れて実施」程度しかわかりませんでした。学部教育の変
更の影響を受ける当事者は、学部生だけでなく、教職員や大学院生も同様です。
当事者のほとんどが、来年度どうなるのかわからずに戸惑っているような現状
で、強引に進めていく「改革」は、手続的にも問題があると思います。 」
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その他自由記述より
・教育改革に関して賛成の声も
「学事暦そのものについてではないですが、(自身がどちらかといえば賛成の立
場であることもあり)学内で反対する声が大きく聞こえることには違和感を感じ
ています。 」
・教育の「体制」ではなく「質」を問う声が大きい
「学力向上の為には授業時間を増やせばよいという思考はあまりにも単純。教養
課程の設置科目を増やすなど、教育体制の質の方を見直すべき。 」
「濱田学長が説明責任を果たさないまま引退するのはどうなのか。」
「留学等がしやすくなる、というのが本改革のひとつの趣旨ですが、法学部を見
る限り、国際関係に積極的な人と、国内に密着している人と、極端なパターンが
多いと思います。留学するからよい、悪いというのではなく、いかなる環境にも
対応出来る人を育てることこそが大事ではないでしょうか。」
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4-2. まとめとこれから
 結局、学生としてこれからどのように動いていけばよいのか
 学生・教職員の評判と圧倒的な消極的態度をみるに、このままでは
「改革」の内実が形骸化することは避けられない
 総長も変わる中で、今後学生が不当に不利益を被ることのないように
するには
 本会のアンケート調査及び問題提起が遅きに失しているというご批判
は謹んで受けとめます
 しかし、たとえ遅くても諦めず声を上げていくことが重要であると考
えている。それが「学生の声」を無視させないほとんど唯一の手段で
ある
 「学生の声を当局に届ける」というのが本会のもともとの趣旨
 臆することなく、学生も自由に声をあげてよいし、あげる必要がある 20
 教育改革を除いても、軍事研究解禁を助長する論調、国旗国歌など、
「大学の自治」の根幹に関わる重要な懸念が山積み
 これらの動きは、産学共同・スーパーグローバルの名のもと、一部の
政財界の意図を強く反映したものである可能性が高い。学事暦変更は
その結果の一つにすぎない。
 割を食うのは政治的にも経済的にも立場の弱い学生。学生は大学に雇
用されているわけでもないが、「改革」のしわ寄せを最も被る可能性
が高い。
 動かしている側が「学生の声」に配慮せざるを得ないよう、社会に対
して働きかけるには?
 「学生の声を無視させない」ために、1人1人が何かしら考え、動き、
声をあげること。本会の活動は、その契機となることを大きな課題と
しています。
 今後ともご協力お願い致します 21

4/23スライド(学生アンケート結果)