webを利⽤した
通学路の交通安全
第31回⽇本道路会議 平成27年10月28⽇
一般財団法人道路新産業開発機構
(前 国交省国総研道路研究官)
稲野 茂
1
注意事項
①⽣活道路・通学路の交通安全対策を、
効率的に進める手法の提案
②個人主観を含む研究段階のもの
③国交省として決まったものではない
2
⽣活道路・通学路の交通安全
3つの課題
① 課題箇所の抽出
どこで、どんな対策を実施すべきか?
予算が少ない中、どう調査するのか?
② 住⺠との合意形成
対策提案に反対されるケースもある
③ 自治体の人員・予算不⾜
3
① 課題箇所の抽出が容易
② 対策の合意形成がスムーズ
③ 少ない人員・予算で調査可能
4
交通安全上の課題箇所を
web調査(SAFETY MAPを活用)
発表内容
つくば市の事例と考察
1.事例箇所の概要
2.web調査の概要
3.対策の概要
4.考察
5
つくば市要⼩学校周辺の通学路
⻄側を通⾏
東側を通⾏
⻄側を通⾏
北側を通⾏
N
要⼩学校
7
8
急ブレーキ多発地点(⻘マーク)
幹線道路に5箇所のみ
⼩学校周辺道路にはゼロ
9
本田技研工業㈱ SAFETY MAP
交通安全上の課題箇所の抽出
(要小学校のケース)
事故データや急ブレーキデータ
現状では、サンプル数が少ない
10
住⺠意⾒を調査
住⺠意⾒の調査⽅法
ワークショップやアンケート
労⼒が⼤きく、効率が悪い
11
web調査を活用
1.事例箇所の概要
2.web調査の概要
3.対策の概要
4.考察
12
SAFETY MAP
• 本田技研工業㈱によるwebサイト
• 交通安全上の課題箇所と内容を、
誰でも投稿・閲覧できる
• 利⽤は、無料
• 事故多発エリア(警察等の情報)と急ブレーキ多発地点
(インターナビ情報)を地図上に提示
• ストリートビューとの連動
これを住⺠意⾒の調査に活用
13
SAFETY MAPとは、「急ブレーキ多発地点」や「事故の多いエリア」
そして、「みんなが追加した地点」などを、確認することができる地図サービスです。
(HONDA SAFETY MAP のwebページより引用 )
14
調査から対策までの流れ
⼩学校を通じて保護者へ
通学路の交通安全上の課題箇所の情報を
web(SAFETY MAP)⼊⼒を依頼
15
現地踏査・状況確認
⼊⼒情報を踏まえ対策を⽴案
関係者へ対策案を説明
web(SAFETY MAP)へ
⼊⼒を依頼した結果
16
依頼から約1ヶ月後
29箇所(195件)の情報が⼊⼒
つくば市との調整により
対策実施は小学校周辺
11箇所(136件)に絞り込む
SAFETY MAPの地図上
緑のピンが⼊⼒箇所
17
本田技研工業㈱ SAFETY MAP
つくば市との調整により、
以下の11箇所で対策実施を検討
18
11箇所に⼊⼒された意⾒
19
道
路
が
狭
い
・
歩
道
が
な
い
ス
ピー
ド
が
出
て
い
る
車
が
多
い
見
通
し
が
悪
い
歩
行
者
・
自
転
車
の
飛
出
し
が
多
い
ハ
ン
プ
狭
さ
く
シ
ケ
イ
ン
路
側
帯
整
備
路
面
表
示
ま
た
は
看
板
そ
の
他
① 4 3 3 2 △ ○
② 4 6 7 2 見通しが悪く、左折する車にひかれそうになった 3 ○ ○ 植栽の剪定
③ 2 2 2 0 県道からスピードを出して曲がってくる車が多い 1 ○
④ 1 1 0 0 狭いが交通量が多く車同士すれ違いの際は歩行者が危険 1 ○
⑤ 7 6 7 3 ○ 植栽の剪定
⑥ 0 0 2 0 ○ ○ 植栽の剪定
⑦ 7 7 8 4 変速十字路のためと、カーブミラー等がない 1 ○ ○ 植栽の剪定
⑧ 0 2 1 0 ○
⑨ 6 6 6 3 ○
⑩ 0 0 0 0 私物が道路上に出ていて、すれ違いの際危険である 1 路上占用物の撤去
⑪ 3 4 6 1 以前あった停止線が工事で消えたままになっている 1 ○ 停止線の設置
対策(案)
地点 そ
の
他
みんなの意見(人)
※情報は、10月20日時点もの。
意⾒に対応した
対策⽴案の考え⽅
20
1. 道路が狭い
– 路肩のカラー化
2. スピードを出している⾞が多い
– ハンプ、スムース横断歩道、狭さく
3. ⾒通しが悪い
– 植栽剪定等支障物除去、カーブミラー
4. その他全般
– 路⾯表⽰や看板による注意喚起
1.事例箇所の概要
2.web調査の概要
3.対策の概要
4.考察
21
実施した対策
スムース横断歩道
22
実施した対策
ハンプ+狭さく+路肩カラー化
23
実施した対策
交差点狭さく+路肩カラー化
24
実施した対策
ゾーン30表⽰と様々な注意喚起
25
実施した対策
路肩のカラー化
26
1.事例箇所の概要
2.web調査の概要
3.対策の概要
4.考察
27
考察1 web調査は成功
28
⼩学校の保護者に対して
通学路の課題箇所のweb⼊⼒を依頼
対策⽴案に必要な情報が得られた。
わずかな労⼒、調査コストは ゼロ
ネガティブ意⾒は杞憂
29
web調査に対する事前のネガティブ意⾒
① 対応困難な意⾒が出され、その実施を強
く求められたらどうするのか
② 苦情的内容がほとんどで、対策⽴案に使
える情報は得られない
取り越し苦労、杞憂(きゆう)
考察2 web調査は好評
30
web調査に対する
保護者のナマの声
好きな時間に自宅のPCで
他の人の意⾒を参考に簡単に情報⼊⼒
わざわざ集まる必要がなくて、便利❤
web調査成功の要因
31
• 保護者のパソコンスキルが、必要水準に
あった(⼩学校の保護者世代は、パソコン使える)
• 調査目的が通学路の交通安全
➔ わかりやすく、⾝近・切実なテーマ
• SAFETY MAPの操作⽅法が簡単
• ⼩学校を通じて依頼状を配布したので、
ポスティング労⼒も不要
考察3 合意形成について
32
今回の事例では、
対策への合意形成は、極めてスムーズ
その要因としては、
住⺠意⾒を踏まえた対策内容であった
⽩紙状態から住⺠の意⾒を調査する⼿続
きを経たことから、住⺠の信頼を得た
私⾒ 合意形成の考え⽅
33
① ⾼速道路やダム建設等の場合
住⺠の視点と事業の必要性の関連は薄い
広域的な視点から、事業の必要性をご説明し、
ご理解いただく
② ⽣活道路の交通安全対策の場合
住⺠の視点と事業の必要性は、ほぼ合致
住⺠の視点から、課題箇所を抽出し、対策案に、
ご理解いただく
私⾒ 住⺠参画
⽣活道路の交通安全
34
• 具体的な対策検討の場に、住⺠の代表者を
メンバーとして加えるだけでは、不⼗分
• 住⺠の代表者は、必ずしも地域内の全ての
課題状況を把握していない
• 住⺠の目線の課題箇所調査を実施すべき
提案 交通安全対策の進め⽅
幹線道路
• 交通量が多い
• 事故データ等のサンプ
ル数が多い
⇩
既存データに基づく
対策⽴案が有効
35
⽣活道路
• 交通量が少ない
• 各種データサンプル数
が、現状では少ない
⇩
既存データに基づく
対策⽴案が困難
⇩
住⺠意⾒を調査し
これを踏まえるべき
提案 住⺠意⾒の調査⽅法
36
従来の⽅法
アンケート調査、ワークショップ開催
効率が悪い、労⼒が⼤きい
インターネットの家庭普及を踏まえ
webを活用して効率的に調査
提案
交通量が少ない⽣活道路の
交通安全対策の進め⽅
37
1. 住⺠目線の課題箇所を調査し、これを踏
まえて対策を検討
2. 調査はweb活用で効率的に実施できる
やってみなはれ
やらなわからしまへんで
38
サントリー創業者 ⿃井信治郎 の⾔葉
⼩理屈を並べても、物事は運ばない。
とにかく実⾏して、そこから学びながら、
次のアクションを考えたらええ。

Webを利用した通学路の交通安全(日本道路会議2015)