広域環境の3D計測と認識
〜 ⼈が活動する場のセンシングとモデル化 〜
2021.6.11
オーガナイザー︓
増⽥ 宏(電気通信⼤学)
レーザスキャナによる点群計測
• レーザスキャナによる計測例
• 毎秒100万計測
• 1分弱で 5000万計測
• 点群計測後に,内蔵カメラで撮影.
後処理で,点群に⾊付け
(x, y, z)
レーザスキャナで取得された点群
(⼤学の研究室)
Faro Focus3D
X330
密な点群で
シーンを構成
• 三⾓測量 (⼩型の物体)
• 計測距離: 数⼗cm から 2~3m
• 計測精度: 0.2 mm at 1m
• Time-of-Flight
• 計測距離: 最⼤で数百m〜数km
• 計測速度: 数万〜数⼗万点/秒
• 位相差⽅式
• 計測距離: 数⼗〜300m 程度
• 計測速度: 最⼤100万点/秒
3
10cm〜1 m程度
⻑距離
100〜300 m程度
広域環境の計測
広域環境の3次元計測:レーザスキャナ
• 座標(X,Y,Z) 以外の属性が付加することが多い.
(X, Y, Z) のみ (X, Y, Z)+反射強度
反射強度:反射光の強さ
(⽩い物体ほど多くの光が反射される.
反射強度を明るさに置き換えると,⽩⿊
画像が作成できる)
(X, Y, Z)+RGBカラー
3次元の点を2次元画像上に投影し,
投影された画素の⾊をコピーする.
点群データの⾊属性
広域環境の3次元計測
~ レーザスキャナのデータ品質 ~
5
2m 〜30m 平⾯からのずれ
ホワイト
ボード
10年間でデータ品質
が⾶躍的に向上
(2006)
(2012)
(2016)
Ⅱ:実用期
Ⅲ:高品質
Ⅰ:初期
広域環境の3次元計測
様々なスケールの⼈が活動する場を広域環境と総称する.
(⽣産設備,インフラ設備,貯蔵施設,建築物,交通網,
市街地,都市空間,地形,森林,農地など)
⼈が活動する場の3次元計測と情報抽出
•⼯場
•プラント
•建設現場
•都市環境
•災害現場
•道路
•橋梁
•トンネル
•送電設備
•鉄道
•造船
•林業
•農業
•港湾
:
•現況把握
• 保全・改修
• 劣化診断
• 作業計画
• 進捗管理
• 精度管理
• 3D地図作成
:
点群データ 点群処理
3次元計測
仮想フィールド
3
次
元
計
測
点
群
処
理
情
報
抽
出
点
群
実フィールド 業務⽀援
製 造
建 築
⼟ ⽊
災 害
安 全 ⽂ 化
農林⽔産
運 輸 都 市
ü造船・航空機製造
üプラント現況確認
ü⼯場のレイアウト
ü施⼯管理
ü修繕・修復
ü各種アセスメント
ü⼯事現場計測
ü河川改修
ü道路管理
ü災害現場計測
ü災害発⽣検出
ü復興計画⽀援
ü事故現場記録
ü犯罪現場記録
ü重要施設監視
ü鉄道保線
ü空港管理
ü港湾管理
ü精密農業
ü果樹園管理
ü森林管理
ü遺跡記録
ü⽂化財記録
ü3D地図
üインフラ保全
「⼈が活動する場のセンシングとモデル化」
広域環境の3D計測と認識:応⽤分野
※⼩野⾥(北⼤)精密⼯学会2010秋を⼀部改変
移動計測データからの物体抽出と認識
自律移動ロボットによる3D計測の自動化
設備の計測データからの形状モデル生成
配管系統 ⼀般化円柱
大型構造物の保守支援
鉄塔の傾き検出
交換部材のボルト位置検出
大型構造物の劣化検出
磨耗・付着物の検出
亀裂検出
大規模点群による樹木の形質調査
柱状物体の認識と抽出
ガードレールの抽出と3Dモデル化
電線(道路横断)の抽出
点群と画像を関連付けた物体抽出手法
※日工大・石川研との共同研究
※森林総合研究所との共同研究
レーザスキャナで取得した大規模点群
を応用した研究 (2005∼)
プラントの部材検出と3Dモデリング
• 点群から標準部材を検出する
• 曲⾯検出 → 部材検出
• ⼯業規格を利⽤
• ⼤規模点群のための⾼速⼿法
点群データ
(数億点)
3Dモデル
エルボ フランジ ティー レデューサ
※エンジニアリング系企業との共同研究
2005年
5000万点の
プラント点群
燃焼炉の劣化検出
• 数年に⼀度,劣化箇所の補修を⾏う.
• 従来は,⽬視による⾒積もり.
• 劣化前の形状はわかっていない.
(⼤型構造物は,図⾯通りに
作られていない!)
• 点群計測による効率化
• 燃焼炉の損耗と付着物を検出する
⾼さ20m 約4.5億点
緑:健全
⾚:磨耗
⻘:付着物(内側)
建造時の歪み:⼤きなうねり
摩耗・付着物:⼩さいうねり
↓
両者を分離する
※エンジニアリング系企業との共同研究
送電設備の保守⽀援
〜鉄塔の傾き検出〜
• 従来は,地表付近での定点観測
↓
地表からの点群計測による
正確な傾き検出
約3mm
のずれ
10cm以上
正常な鉄塔 傾いた鉄塔
(処理時間 約5分)
中⼼軸の算出
点群取得
30~50 m
※電力会社との共同研究
送電設備の保守⽀援
〜交換部材の計測〜
点群からの
ボルト抽出
点群からの
部材境界検出
※電力会社との共同研究
• 古い鉄塔の部材には,
鋼材の詳細な図⾯がない.
• 鉄塔に登って,ボルト位置を計測
• 点群計測による⾃動検出
2億計測
(10m先で3mmピッチ)
森林計測
森林の3D計測:70億点
(研究⽤の森林)
樹幹(635本) を⾃動検出(約20分)
3D計測に
置き換える
※森林総合研究所との共同研究
モデルベースの
樹木パラメータ算出
• 輪郭
• 直径
• 高さ
• 体積
• 幹曲がり
• …
⼈⼿で計測
• 樹⽊の形質の計測(農学分野)
• 森林研究のためのデータ取得
道路周辺地物の抽出・認識・3Dモデリング
レーザスキャナ
セグメンテーション
物体認識
※測量系企業との共同研究
• データ活⽤には,個々の地物の抽出が必要
2010年:市街地の点群を⼊⼿
道路周辺地物の抽出・認識・3Dモデリング
標識
街灯
電柱
柱状物体の認識(機械学習)
電線検出
電柱のたわみ検出 3Dモデリング
点群
※測量系企業との共同研究
広域環境の3D計測とモデル化の課題
• 広域の3次元計測
• 広域のデータは⾮常に⼤規模.
• ⽋落のあるデータしか得られない ← 複数センサの融合
• ⼤規模な点群データに耐える処理⼿法
• 広域の計測を⾏うと数千万〜数百億点
→ ⼩型物体を対象とした⼿法は使えないことが多い
• ⽋落のある不完全な点群からの情報抽出
• 対象物の知識が必要 ← ⼿法が対象物依存
• 点群の深層学習はまだ未熟
• 点群向けはまだ発展途上.現時点では,性能は未熟.
• 点群⽤の汎化された学習済みモデルがない.

SSII2021 [OS3] 広域環境の3D計測と認識 ~ 人が活動する場のセンシングとモデル化 ~(オーガナイザーによる冒頭の導入)